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28話 パーティー ①
公爵家で過ごす日々はとても穏やかだった。
お店の報告を受けながら新しい商品を考え、マティアス兄様やクリスティ達と意見交換をする日々はとても有意義で私自身も楽しい時間を過ごすことができた。
リュシアンも伯父様と伯母様が祖父母のように可愛がってくれるし、使用人達もリュシアンに優しく接してくれて毎日笑顔で過ごしている。
最近はリュシアンもソフィアのことはあまり口に出さなくなった。忘れたとは思わないけどまだ幼い子供なので今の時間を過ごすことが精一杯で思い出す暇がないのかもしれない。
だけどもうすぐ子供達のお茶会がある。
その時ソフィアとも会うだろうしレベッカ様とも顔を合わせることは避けられない。
色々考えると気が重いけどリュシアンにとっては避けては通れない。まだ3歳でも貴族の子息として王宮のお茶会に呼ばれれば顔を出すしかない。
まぁ、いつものようにみんなとお菓子を食べて庭園を駆け回って遊んでいるだけで大人の社交になるだけなんだけど。
そして母親である私もたくさんのご婦人達と関わらざるを得ない。
夫が戦争に行っている間、社交界に伯爵夫人として顔を出してきた。
それなりに顔を広めたしお店のお客様として今もたくさんの方々が買いに来てくださる。皆離縁した私に対して友好的だ。
ただ……やはりレベッカ様がどんな行動や発言をするのか、考えると気が重くなるしやはり怖いと感じてしまう。
そして……とうとう当日。
昼間のパーティーなので朝早く起きてしっかり朝食を食べた。
昼間は軽くつまむ程度でお茶を飲んで過ごすことになる。
リュシアンは「おともだちいっぱい?たのしみだね~」と嬉しそうに朝からしっかり食欲がある。
私は仕方なく胃に流し込んでる状態なのに。うっ……胃が痛い。
昼間のお茶会のドレスは夜のように露出度が高く豪華絢爛というより、シンプルな落ち着いたデザインのドレスを着るのが我が国の暗黙のルール。
私は20歳なのであまりに落ち着きすぎるのも逆に似合わないのでレースをふんだんに使ったシフォン生地の淡いクリーム色のマーメイドドレスを選んだ。
もちろんレースは私が一押ししたバルサ村でお願いした。とても繊細なレース編みで絶対今回のパーティーでは目立つはず。
シフォン生地もリンゼ国から取り寄せた。
マシューは仕事が早い。
たくさんの人に着ているドレスを見てもらい宣伝するつもり。
もちろんお店を贔屓にしてもらっているお客様にレースを勧めてドレスを作ってくださった方もいるし、子供用ドレスにリンゼ国のシフォン生地を使って作ってくださった方もいる。
前世の記憶を思い出しながら超可愛らしいフリフリの子供用のドレスを提案したら速攻採用された。
デザインはなんとなくこんな感じで、と伝えればデザイナーが形にしてくれた。さすがドレスが当たり前の今世。
手際もいいし、新しいものはどんどん取り入れて流行を作り出そうと貪欲に私の話を聞いてくれた。
私が着るドレスはギュウギュウと締め付けるコルセットから前世の締めるところだけ締めてあとは締め付けないコルセットを提案した。もちろん伸縮性のある生地を作り出すのに四年程かかったのだけど、今回私を含め数人に着用してもらいパーティーで着用の感想をみんなの前で話してもらう予定。
気は重いけどここで一気に売り出したい。
伯母様は少し心配そうに「私もついて行こうかしら?」と言ってくださる。
招待状は子供のリュシアンになので付き添い人は二人までは大丈夫。
「伯母様、大丈夫です。今夜のパーティーに参加するのに昼間までとなればお疲れになると思います」
私も含め貴族は夜のパーティーも参加しなければならない。戦争に勝ったお祝いでもあり戦争で戦った方達への慰労の会としての意味もある。
準備が終わり馬車に乗り込もうとしたら後ろから声がかかった。
「ルシナ、リュシアン、気をつけて行ってくるんだよ」
マティアス兄様が少し心配そうな顔をして見送ってくれた。
「近くに護衛を配置させているからね、何かあったら大きな声を出して。ついでに王太子殿下にも声はかけてあるからね」
私の耳元で小さな声でそう言った。
そしてにこりと笑った兄様。
公爵家はこの国ではかなりの財産を有していて発言力も強い。そして王太子殿下とも懇意にしているそうだ。
私が伯爵夫人の時は貴族の一人として挨拶させていただくことはあっても大勢のうちの一人だった。ほとんど名前すら知られていないと思う。
そんな私のことを殿下になんて伝えたのだろう。考えるだけで恐ろしくなる。
馬車の中でつい考え込んでいるとリュシアンが心配そうに覗き込んできた。
「かあさま?」
「………」
「かあさま?だいじょうぶ?」
「……あっ……ごめんなさい、うん、リュシアン、パーティー楽しみね?」
「うん!!ふぃあに、あえるかな?」
ああ、やっぱりソフィアのことは忘れていないわよね。ソフィアに会えることはわたし自身も嬉しい。
ただ……レベッカ様が……
そう思うとまたつい考え込んでしまった。
お店の報告を受けながら新しい商品を考え、マティアス兄様やクリスティ達と意見交換をする日々はとても有意義で私自身も楽しい時間を過ごすことができた。
リュシアンも伯父様と伯母様が祖父母のように可愛がってくれるし、使用人達もリュシアンに優しく接してくれて毎日笑顔で過ごしている。
最近はリュシアンもソフィアのことはあまり口に出さなくなった。忘れたとは思わないけどまだ幼い子供なので今の時間を過ごすことが精一杯で思い出す暇がないのかもしれない。
だけどもうすぐ子供達のお茶会がある。
その時ソフィアとも会うだろうしレベッカ様とも顔を合わせることは避けられない。
色々考えると気が重いけどリュシアンにとっては避けては通れない。まだ3歳でも貴族の子息として王宮のお茶会に呼ばれれば顔を出すしかない。
まぁ、いつものようにみんなとお菓子を食べて庭園を駆け回って遊んでいるだけで大人の社交になるだけなんだけど。
そして母親である私もたくさんのご婦人達と関わらざるを得ない。
夫が戦争に行っている間、社交界に伯爵夫人として顔を出してきた。
それなりに顔を広めたしお店のお客様として今もたくさんの方々が買いに来てくださる。皆離縁した私に対して友好的だ。
ただ……やはりレベッカ様がどんな行動や発言をするのか、考えると気が重くなるしやはり怖いと感じてしまう。
そして……とうとう当日。
昼間のパーティーなので朝早く起きてしっかり朝食を食べた。
昼間は軽くつまむ程度でお茶を飲んで過ごすことになる。
リュシアンは「おともだちいっぱい?たのしみだね~」と嬉しそうに朝からしっかり食欲がある。
私は仕方なく胃に流し込んでる状態なのに。うっ……胃が痛い。
昼間のお茶会のドレスは夜のように露出度が高く豪華絢爛というより、シンプルな落ち着いたデザインのドレスを着るのが我が国の暗黙のルール。
私は20歳なのであまりに落ち着きすぎるのも逆に似合わないのでレースをふんだんに使ったシフォン生地の淡いクリーム色のマーメイドドレスを選んだ。
もちろんレースは私が一押ししたバルサ村でお願いした。とても繊細なレース編みで絶対今回のパーティーでは目立つはず。
シフォン生地もリンゼ国から取り寄せた。
マシューは仕事が早い。
たくさんの人に着ているドレスを見てもらい宣伝するつもり。
もちろんお店を贔屓にしてもらっているお客様にレースを勧めてドレスを作ってくださった方もいるし、子供用ドレスにリンゼ国のシフォン生地を使って作ってくださった方もいる。
前世の記憶を思い出しながら超可愛らしいフリフリの子供用のドレスを提案したら速攻採用された。
デザインはなんとなくこんな感じで、と伝えればデザイナーが形にしてくれた。さすがドレスが当たり前の今世。
手際もいいし、新しいものはどんどん取り入れて流行を作り出そうと貪欲に私の話を聞いてくれた。
私が着るドレスはギュウギュウと締め付けるコルセットから前世の締めるところだけ締めてあとは締め付けないコルセットを提案した。もちろん伸縮性のある生地を作り出すのに四年程かかったのだけど、今回私を含め数人に着用してもらいパーティーで着用の感想をみんなの前で話してもらう予定。
気は重いけどここで一気に売り出したい。
伯母様は少し心配そうに「私もついて行こうかしら?」と言ってくださる。
招待状は子供のリュシアンになので付き添い人は二人までは大丈夫。
「伯母様、大丈夫です。今夜のパーティーに参加するのに昼間までとなればお疲れになると思います」
私も含め貴族は夜のパーティーも参加しなければならない。戦争に勝ったお祝いでもあり戦争で戦った方達への慰労の会としての意味もある。
準備が終わり馬車に乗り込もうとしたら後ろから声がかかった。
「ルシナ、リュシアン、気をつけて行ってくるんだよ」
マティアス兄様が少し心配そうな顔をして見送ってくれた。
「近くに護衛を配置させているからね、何かあったら大きな声を出して。ついでに王太子殿下にも声はかけてあるからね」
私の耳元で小さな声でそう言った。
そしてにこりと笑った兄様。
公爵家はこの国ではかなりの財産を有していて発言力も強い。そして王太子殿下とも懇意にしているそうだ。
私が伯爵夫人の時は貴族の一人として挨拶させていただくことはあっても大勢のうちの一人だった。ほとんど名前すら知られていないと思う。
そんな私のことを殿下になんて伝えたのだろう。考えるだけで恐ろしくなる。
馬車の中でつい考え込んでいるとリュシアンが心配そうに覗き込んできた。
「かあさま?」
「………」
「かあさま?だいじょうぶ?」
「……あっ……ごめんなさい、うん、リュシアン、パーティー楽しみね?」
「うん!!ふぃあに、あえるかな?」
ああ、やっぱりソフィアのことは忘れていないわよね。ソフィアに会えることはわたし自身も嬉しい。
ただ……レベッカ様が……
そう思うとまたつい考え込んでしまった。
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