23 / 50
オリソン国④
しおりを挟む
「おい、リヴィ。お前いい加減にしろよ」
ギルは呆れた顔をしてリヴィの頭を後ろから手でバシっと叩いた。
「俺の頭を平気で殴るのは貴方くらいですよ」
ギルに叩かれて、頭を撫でながらギルをひと睨み。
リヴィはギルの家に現在厄介になっている。
オリエの実家の公爵家で両親が使用人として働いていたギルは幼い頃からオリエから弟のように可愛がられてきた。
そしてオリエのいるオリソン国に留学した。その頃オリエはカイのところに住んでいたので、ギルは厚かましくイアンのところに居候して暮らしていた。
まだイアンとオリエが恋人ではなく互いに意識だけしあっている頃だった。
ギルがある意味二人のキューピッドでもある。そしてギルの恋人のアンは今イアンの屋敷の護衛騎士として働いている。
オリソン国に留まることを決めたギルは王立騎士団に入り新人騎士として毎日鍛えられていた。
そして最近アンとの結婚を視野に入れたギルは寮を出て家を借りて一人暮らしを始めた。
その家に何故か今、リヴィが一緒に住んでいる。
「ほんっと、俺むさ苦しい男と住むのがいちばん嫌なんだけど」
ギルの言葉に横にいたイアンが面白そうに笑う。
「お前だって俺の家に転がり込んできただろう!あの変な木彫りの人形をたくさん持って!」
「失礼ですよ!イアン様!あの木彫りは俺が彫ったんです!オリエ様にも差し上げたでしょう?この前可愛い俺のマリアのために犬のおもちゃも木で彫ったらマリアが喜んでましたよ」
「うちの可愛いマリアのことを『俺の』なんて言うな!あの木彫りの犬なら毎日マリアが投げて遊んでるぞ。たまに運良く綺麗に着地する姿を見て手を叩いて喜んでる、あ、ついでにあの犬マリアの涎でもう捨てた方がいいかもしれないな」
「ひっでぇな!イアン様、捨てるなんて!我が子の可愛らしい涎付きなんてずっと大切にとっておくべきでしょう?」
「あ、あの……」
リヴィは二人の会話についていけないでいた。いや、突然叩かれたのに自分のことを置いて二人は何をしているんだと呆れていた。
「「あっ」」
リヴィを忘れていた二人は言い合いをやめた。
「すまないリヴィ。で、ギルはリヴィに何を言いたかったんだ?」
イアンはギルの家にオリエに頼まれて食料の差し入れに来ていた。ついでにリヴィに仕事のことで会いにも来ていた。
「こいつ俺の家に来て1ヶ月経っていると言うのに、カイさんの家の近くに行くだけでほとんど外を出ないんです。何しにこの国に来たのかと思って。好きな女を守りたいんだったら堂々と会いにいけばいいのに」
「………………」
リヴィは困った顔をしたまま返事をしない。
「ギルはリヴィのことカイさんに頼まれて預かったんだよな?」
「そうだよ、カイさんのところにいるミルの婚約者でミルが心配で追いかけてきて住むところがないからとうちで預かったんだ」
「………住むところは…無いわけではありません」
リヴィは不本意な言われ方に少しムッとした。別にお金はある。ホテルや宿に数ヶ月泊まってもいいし、家を一軒借りてもいいと思っていた。ただバードン侯爵のところに行くのだけはやめておいた。もし魔法を使うことになればこの屋敷の人達は魔法を知らないので驚き脅威を感じるかもしれない。
しかしカイに魔法を使う可能性があるなら一人っきりでこの国に置いておくことは出来ないと言われた。
魔法を使う時は緊急事態の時だけ、今回はリヴィはバードン侯爵に頼みオリソン国に魔法を使う許可を申請してもらっていた。
そして魔法を使う可能性があるならこのギルの家に留まるように言われたのだ。
リヴィよりも3歳年上の18歳のギルは王立騎士団で働く騎士。お調子者で部屋がとにかく汚かった。週に一度はイアンの屋敷で働くメイドのマチルダが掃除と食事を作りにやってきてくれる。
マチルダはオリエの実家の使用人だった。今はオリソン国に夫のブルダと共に移り住んでいてギルの両親。
リヴィは何故この家に住まなければいけないんだろうといつも思っていた。
(どうせならイアン様の屋敷が良かったのに。この家俺が居なかったら汚部屋になってアンさんにフラれるんじゃない?)
だけどギルのことは嫌ではなかった。
明るくて人懐っこい。みんながギルのことを好いているのもわかる。
口は悪いけどリヴィのこともすぐに受け入れて煩いくらい世話をしてくれる。
今もリヴィを心配してのことだとわかる。しかし伯爵令息で魔法使いとしても優秀でいずれは国を代表する魔術師として生きていくことがほぼ決まっているリヴィにとって平民の騎士でしかないギルとの生活は、毎日が驚きでしかなかった。
料理に掃除などしたこともなかった。二人っきりの生活。
なのにこの家はギルがいなくても毎日誰かがやって来る。
それはもちろんリヴィを心配してのことでもあるが、ギルの人柄でもあるのがわかる。
(俺の周りにいる友人や知人なんて俺の爵位や魔法の優秀さでそばにいるだけで俺自身を好んでそばにいる奴なんて何人いるんだろう)
この家に住んでからのリヴィは堅苦しさも息苦しさもない、ありのままの自分でいられることが不思議で仕方がなかった。
自分はどれだけ傲慢で頑なだったんだろう。
今はイライラすることもなく(ギルのおおらかさ以外)毎日が楽しい。
この国に来てミルをこっそり守ろうなんて思ってやってきた。
しかし神殿からの使いの者も国からの使いの者達もほとんどカイさんが魔法も使わずにさっさと追い帰してしまった。
ミルヒーナを捉えて魔力を奪い続けようと考えてやって来た魔法使い達はミルヒーナに接触する前に捕まりこの国の牢に入れられていた。
魔法が使えなくする魔道具を首に嵌められているので逃走すらできない。
この国にもウェルシヤ国の魔法使いを捉えるための魔道具や特別な牢があることに驚いたが納得もした。
(こういう準備があるからウェルシヤ国民も他国に行って悪さができないのか)
魔法が使える生活をしているウェルシヤ国民は、魔法が使えないと他国に比べるとかなり弱いことがわかった。
筋力や体力はもちろん剣の技術も体術も、そして普段の生活もあまりにも魔法や魔道具に頼りすぎて、他国での生活はとても大変だった。
特に貴族令息にとって箒など持ったこともなかった。食器を洗うなんて生まれて初めてだった。
ただ魔道具はないがこの国はガスが通っていて灯りもお湯も沸かすことができる。それもまた驚きだった。
ルイスがリヴィに『井の中の蛙になったらダメだ』と何度も言ってくれた意味がやっとわかった。
ミルヒーナを守るために来たリヴィは今は何もできずただギルの家にいることしかできない。
その間イアンがやってきてウェルシヤ国の魔法について色々質問してくる。ルイスも学校が終わるとギルの家にたまにやってくる。
ルイスは始めはリヴィをとても警戒していた。
せっかくのびのびと楽しそうに暮らしているミルヒーナがリヴィがこの国にいることを知ってしまったらと思うと心配していたのだ。
今はリヴィが大人しくギルの家で過ごしているので安心はしているのだが。
リヴィはすることがないのでイアンやイーサンに与えられた簡単な仕事の手伝いを家の中でしている。
この国の平民の孤児達への支援の報告書をまとめたり、道路の工事計画書をきれいに書き写したりと、ほぼ文官の仕事をさせられた。
重要ではない誰でも閲覧可能な書類ばかりなのだが、この国の平民達への税金の使い方が貴族主義のウェルシヤ国とは違っていてリヴィは驚くことばかりだった。
(この国は国民のためにあるんだ……)
ギルは呆れた顔をしてリヴィの頭を後ろから手でバシっと叩いた。
「俺の頭を平気で殴るのは貴方くらいですよ」
ギルに叩かれて、頭を撫でながらギルをひと睨み。
リヴィはギルの家に現在厄介になっている。
オリエの実家の公爵家で両親が使用人として働いていたギルは幼い頃からオリエから弟のように可愛がられてきた。
そしてオリエのいるオリソン国に留学した。その頃オリエはカイのところに住んでいたので、ギルは厚かましくイアンのところに居候して暮らしていた。
まだイアンとオリエが恋人ではなく互いに意識だけしあっている頃だった。
ギルがある意味二人のキューピッドでもある。そしてギルの恋人のアンは今イアンの屋敷の護衛騎士として働いている。
オリソン国に留まることを決めたギルは王立騎士団に入り新人騎士として毎日鍛えられていた。
そして最近アンとの結婚を視野に入れたギルは寮を出て家を借りて一人暮らしを始めた。
その家に何故か今、リヴィが一緒に住んでいる。
「ほんっと、俺むさ苦しい男と住むのがいちばん嫌なんだけど」
ギルの言葉に横にいたイアンが面白そうに笑う。
「お前だって俺の家に転がり込んできただろう!あの変な木彫りの人形をたくさん持って!」
「失礼ですよ!イアン様!あの木彫りは俺が彫ったんです!オリエ様にも差し上げたでしょう?この前可愛い俺のマリアのために犬のおもちゃも木で彫ったらマリアが喜んでましたよ」
「うちの可愛いマリアのことを『俺の』なんて言うな!あの木彫りの犬なら毎日マリアが投げて遊んでるぞ。たまに運良く綺麗に着地する姿を見て手を叩いて喜んでる、あ、ついでにあの犬マリアの涎でもう捨てた方がいいかもしれないな」
「ひっでぇな!イアン様、捨てるなんて!我が子の可愛らしい涎付きなんてずっと大切にとっておくべきでしょう?」
「あ、あの……」
リヴィは二人の会話についていけないでいた。いや、突然叩かれたのに自分のことを置いて二人は何をしているんだと呆れていた。
「「あっ」」
リヴィを忘れていた二人は言い合いをやめた。
「すまないリヴィ。で、ギルはリヴィに何を言いたかったんだ?」
イアンはギルの家にオリエに頼まれて食料の差し入れに来ていた。ついでにリヴィに仕事のことで会いにも来ていた。
「こいつ俺の家に来て1ヶ月経っていると言うのに、カイさんの家の近くに行くだけでほとんど外を出ないんです。何しにこの国に来たのかと思って。好きな女を守りたいんだったら堂々と会いにいけばいいのに」
「………………」
リヴィは困った顔をしたまま返事をしない。
「ギルはリヴィのことカイさんに頼まれて預かったんだよな?」
「そうだよ、カイさんのところにいるミルの婚約者でミルが心配で追いかけてきて住むところがないからとうちで預かったんだ」
「………住むところは…無いわけではありません」
リヴィは不本意な言われ方に少しムッとした。別にお金はある。ホテルや宿に数ヶ月泊まってもいいし、家を一軒借りてもいいと思っていた。ただバードン侯爵のところに行くのだけはやめておいた。もし魔法を使うことになればこの屋敷の人達は魔法を知らないので驚き脅威を感じるかもしれない。
しかしカイに魔法を使う可能性があるなら一人っきりでこの国に置いておくことは出来ないと言われた。
魔法を使う時は緊急事態の時だけ、今回はリヴィはバードン侯爵に頼みオリソン国に魔法を使う許可を申請してもらっていた。
そして魔法を使う可能性があるならこのギルの家に留まるように言われたのだ。
リヴィよりも3歳年上の18歳のギルは王立騎士団で働く騎士。お調子者で部屋がとにかく汚かった。週に一度はイアンの屋敷で働くメイドのマチルダが掃除と食事を作りにやってきてくれる。
マチルダはオリエの実家の使用人だった。今はオリソン国に夫のブルダと共に移り住んでいてギルの両親。
リヴィは何故この家に住まなければいけないんだろうといつも思っていた。
(どうせならイアン様の屋敷が良かったのに。この家俺が居なかったら汚部屋になってアンさんにフラれるんじゃない?)
だけどギルのことは嫌ではなかった。
明るくて人懐っこい。みんながギルのことを好いているのもわかる。
口は悪いけどリヴィのこともすぐに受け入れて煩いくらい世話をしてくれる。
今もリヴィを心配してのことだとわかる。しかし伯爵令息で魔法使いとしても優秀でいずれは国を代表する魔術師として生きていくことがほぼ決まっているリヴィにとって平民の騎士でしかないギルとの生活は、毎日が驚きでしかなかった。
料理に掃除などしたこともなかった。二人っきりの生活。
なのにこの家はギルがいなくても毎日誰かがやって来る。
それはもちろんリヴィを心配してのことでもあるが、ギルの人柄でもあるのがわかる。
(俺の周りにいる友人や知人なんて俺の爵位や魔法の優秀さでそばにいるだけで俺自身を好んでそばにいる奴なんて何人いるんだろう)
この家に住んでからのリヴィは堅苦しさも息苦しさもない、ありのままの自分でいられることが不思議で仕方がなかった。
自分はどれだけ傲慢で頑なだったんだろう。
今はイライラすることもなく(ギルのおおらかさ以外)毎日が楽しい。
この国に来てミルをこっそり守ろうなんて思ってやってきた。
しかし神殿からの使いの者も国からの使いの者達もほとんどカイさんが魔法も使わずにさっさと追い帰してしまった。
ミルヒーナを捉えて魔力を奪い続けようと考えてやって来た魔法使い達はミルヒーナに接触する前に捕まりこの国の牢に入れられていた。
魔法が使えなくする魔道具を首に嵌められているので逃走すらできない。
この国にもウェルシヤ国の魔法使いを捉えるための魔道具や特別な牢があることに驚いたが納得もした。
(こういう準備があるからウェルシヤ国民も他国に行って悪さができないのか)
魔法が使える生活をしているウェルシヤ国民は、魔法が使えないと他国に比べるとかなり弱いことがわかった。
筋力や体力はもちろん剣の技術も体術も、そして普段の生活もあまりにも魔法や魔道具に頼りすぎて、他国での生活はとても大変だった。
特に貴族令息にとって箒など持ったこともなかった。食器を洗うなんて生まれて初めてだった。
ただ魔道具はないがこの国はガスが通っていて灯りもお湯も沸かすことができる。それもまた驚きだった。
ルイスがリヴィに『井の中の蛙になったらダメだ』と何度も言ってくれた意味がやっとわかった。
ミルヒーナを守るために来たリヴィは今は何もできずただギルの家にいることしかできない。
その間イアンがやってきてウェルシヤ国の魔法について色々質問してくる。ルイスも学校が終わるとギルの家にたまにやってくる。
ルイスは始めはリヴィをとても警戒していた。
せっかくのびのびと楽しそうに暮らしているミルヒーナがリヴィがこの国にいることを知ってしまったらと思うと心配していたのだ。
今はリヴィが大人しくギルの家で過ごしているので安心はしているのだが。
リヴィはすることがないのでイアンやイーサンに与えられた簡単な仕事の手伝いを家の中でしている。
この国の平民の孤児達への支援の報告書をまとめたり、道路の工事計画書をきれいに書き写したりと、ほぼ文官の仕事をさせられた。
重要ではない誰でも閲覧可能な書類ばかりなのだが、この国の平民達への税金の使い方が貴族主義のウェルシヤ国とは違っていてリヴィは驚くことばかりだった。
(この国は国民のためにあるんだ……)
931
あなたにおすすめの小説
【長編版】この戦いが終わったら一緒になろうと約束していた勇者は、私の目の前で皇女様との結婚を選んだ
・めぐめぐ・
恋愛
神官アウラは、勇者で幼馴染であるダグと将来を誓い合った仲だったが、彼は魔王討伐の褒美としてイリス皇女との結婚を打診され、それをアウラの目の前で快諾する。
アウラと交わした結婚の約束は、神聖魔法の使い手である彼女を魔王討伐パーティーに引き入れるためにダグがついた嘘だったのだ。
『お前みたいな、ヤれば魔法を使えなくなる女となんて、誰が結婚するんだよ。神聖魔法を使うことしか取り柄のない役立たずのくせに』
そう書かれた手紙によって捨てらたアウラ。
傷心する彼女に、同じパーティー仲間の盾役マーヴィが、自分の故郷にやってこないかと声をかける。
アウラは心の傷を癒すため、マーヴィとともに彼の故郷へと向かうのだった。
捨てられた主人公がパーティー仲間の盾役と幸せになる、ちょいざまぁありの恋愛ファンタジー長編版。
--注意--
こちらは、以前アップした同タイトル短編作品の長編版です。
一部設定が変更になっていますが、短編版の文章を流用してる部分が多分にあります。
二人の関わりを短編版よりも増しましたので(当社比)、ご興味あれば是非♪
※色々とガバガバです。頭空っぽにしてお読みください。
※力があれば平民が皇帝になれるような世界観です。
あなたに未練などありません
風見ゆうみ
恋愛
「本当は前から知っていたんだ。君がキャロをいじめていた事」
初恋であり、ずっと思いを寄せていた婚約者からありえない事を言われ、侯爵令嬢であるわたし、アニエス・ロロアルの頭の中は真っ白になった。
わたしの婚約者はクォント国の第2王子ヘイスト殿下、幼馴染で親友のキャロラインは他の友人達と結託して嘘をつき、私から婚約者を奪おうと考えたようだった。
数日後の王家主催のパーティーでヘイスト殿下に婚約破棄されると知った父は激怒し、元々、わたしを憎んでいた事もあり、婚約破棄後はわたしとの縁を切り、わたしを家から追い出すと告げ、それを承認する書面にサインまでさせられてしまう。
そして、予告通り出席したパーティーで婚約破棄を告げられ絶望していたわたしに、その場で求婚してきたのは、ヘイスト殿下の兄であり病弱だという事で有名なジェレミー王太子殿下だった…。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※中世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物などは現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
【完結】見返りは、当然求めますわ
楽歩
恋愛
王太子クリストファーが突然告げた言葉に、緊張が走る王太子の私室。
この国では、王太子が10歳の時に婚約者が二人選ばれ、そのうちの一人が正妃に、もう一人が側妃に決められるという時代錯誤の古いしきたりがある。その伝統に従い、10歳の頃から正妃候補として選ばれたエルミーヌとシャルロットは、互いに成長を支え合いながらも、その座を争ってきた。しかしーー
「私の正妃は、アンナに決めたんだ。だから、これからは君たちに側妃の座を争ってほしい」
微笑ながら見つめ合う王太子と子爵令嬢。
正妃が正式に決定される半年を前に、二人の努力が無視されるかのようなその言葉に、驚きと戸惑いが広がる。
※誤字脱字、勉強不足、名前間違い、ご都合主義などなど、どうか温かい目で(o_ _)o))
【完結】不誠実な旦那様、目が覚めたのでさよならです。
完菜
恋愛
王都の端にある森の中に、ひっそりと誰かから隠れるようにしてログハウスが建っていた。
そこには素朴な雰囲気を持つ女性リリーと、金髪で天使のように愛らしい子供、そして中年の女性の三人が暮らしている。この三人どうやら訳ありだ。
ある日リリーは、ケガをした男性を森で見つける。本当は困るのだが、見捨てることもできずに手当をするために自分の家に連れて行くことに……。
その日を境に、何も変わらない日常に少しの変化が生まれる。その森で暮らしていたリリーには、大好きな人から言われる「愛している」という言葉が全てだった。
しかし、あることがきっかけで一瞬にしてその言葉が恐ろしいものに変わってしまう。人を愛するって何なのか? 愛されるって何なのか? リリーが紆余曲折を経て辿り着く愛の形。(全50話)
【完結】私の婚約者は、いつも誰かの想い人
キムラましゅろう
恋愛
私の婚約者はとても素敵な人。
だから彼に想いを寄せる女性は沢山いるけど、私はべつに気にしない。
だって婚約者は私なのだから。
いつも通りのご都合主義、ノーリアリティなお話です。
不知の誤字脱字病に罹患しております。ごめんあそばせ。(泣)
小説家になろうさんにも時差投稿します。
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
【完結】愛する人はあの人の代わりに私を抱く
紬あおい
恋愛
年上の優しい婚約者は、叶わなかった過去の恋人の代わりに私を抱く。気付かない振りが我慢の限界を超えた時、私は………そして、愛する婚約者や家族達は………悔いのない人生を送れましたか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる