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仲良くなろうとしたけれどやっぱり嫌い!
「え?わたしとスティーブ様が婚約?どうして?嫌よ!お父様ぁ!」
突然のお父様からの呼び出しの理由を聞いて、わたしは目に涙をためた。
「はあー、そんなうるうるした瞳で見られると婚約はなしでとーーー」
「ほんと?なしでいいのですか?」
「出来る訳がないだろう?我が家は伯爵。向こうは公爵家なんだ。こちらから特別な理由もなく断ることなんて出来ない」
「だったらせめてスティーブ様ではなくエディ様にしてほしかったわ」
「………向こうから公爵夫人として迎えたいと言われたんだ。だから今度からお前はあちらでマナーや勉強をすることになった」
「え?やだ!」
「お前のその『え?やだ!』はもう9歳になったのだから通用しない。そろそろ木登りも虫取りもかけっこも禁止だ。11歳から15歳の5年間学校へ通わないといけない。それまでは家庭教師をつけるからしっかり勉強をしなさい。週に一回は公爵家で公爵夫人自らいろいろ教えてくださるそうだ」
わたしは下を向き返事をしなかった。
勉強は大好きだし、お父様の言っていることもわかる。
木登りやかけっこ、虫取りがそろそろダメだと言うことも、お友達のところへ行くと誰もしていないので理解はしている。
だけど、スティーブ様との婚約だけは絶対に嫌だ!
何度かお屋敷にお呼ばれしたけど、会うたびに嫌味か文句しか言われない。何も言わない時はわたしのことを無視する。
ほんとぉに!嫌いだ。
ーー初めて顔を見た時ちょっとカッコいいなと思ったけど、あんなに性格が悪かったら無理、それならまだ甘えん坊だけど優しいエディ様の方が絶対マシだと思う。
あっ……だけどエディ様と結婚って……おままごとみたいで想像つかない……スティーブ様とは……うん、想像出来そう。
………毎日お互い言いたいこと言い合って、喧嘩ばかりして、だけど……心地いい関係に……
色々お父様に言ったけど、結局婚約は結ばれてしまった。
そして週に一回の公爵家での勉強会。
「セレン、よく来たわね」「いらっしゃい」
「可愛いセレン、早くここに座りなさい。お茶でも飲もう」
みんなとても毎回温かく迎えてくれるのに、スティーブ様だけは毎回「来たのか」と冷たい一言。
「スティーブ、他に言い方はないのか?毎回毎回、そんなんじゃいつか嫌われてしまうぞ」
ーーうん?いつか?今すでに嫌ってますけど?
わたしがそう思っているのが顔に出ていたのかスティーブ様は唇を噛んでわたしをキッと睨んだ。
ーーやばい……
思わず目を逸らしたけど遅かった。
「別にセレンに嫌われようと僕はいいです。忙しいので失礼します」
ーーえ?言い返して来なかった。
少しホッとしたけど、彼の横顔が傷ついているように見えてちょっとだけ罪悪感を感じた。
だから歩み寄ろうとした。
勉強している合間に少しでもホッと出来るように、厨房をお借りしてお父様の好きなチョコレートケーキを作ることにした。
これならわたしでも作れる。
半分くらいは公爵家の料理人さんに手伝ってもらいながら作っているとエディ様がやって来た。
「セレン、何しているの?」
「ケーキを作っているの」
「えっ?ケーキって自分で作れるの?」
「うん、お父様が大好きなの。前はお母様がいつもお父様に作ってあげてたんだ。今はお母様の代わりにわたしが作ってあげているの。スティーブ様が疲れているみたいだから………ど、うかな………と……」
なんだか言っていてだんだん恥ずかしくなった。
「お兄様に?僕も手伝いたい?いいでしょう?」
「えっ?駄目だよ。公爵子息様が厨房にいるなんておじ様たちから怒られちゃうわ」
「わかった、じゃあ聞いてくるよ」
エディ様は急いで厨房を出て行った。料理人さん達は顔を引き攣らせながら「さっさと作りましょう」と焦って早く手を動かし出した。
「そ、そうね。あと混ぜて型に入れれば焼くだけだものね。最後の飾り付けをエディ様にお願いするのだったらお部屋でも出来るもの」
料理人さんと目を合わせて頷き合い、急いで卵白を泡立てる。
横で粉を篩にかけて、チョコレートを刻み湯煎で溶かす。
みんな「早く早く」と言いながらエディ様が戻ってくる前になんとか混ぜてあとは型に流すだけ。
「えー?やっとお母様の許可をもらったのにもう終わったの?」
「焼き終わったらクリームやチョコレート、果物を飾りつけるのでその時に一緒にしましょう?」
「わかった、じゃあその間外に行って虫取りしよう」
「あ…わたし、最近お父様に禁止されてしまったの」
「え?バレなきゃ大丈夫だよ?だめ?」
目をうるうるさせてわたしを見るエディ様……
ーーうっ、その目に弱いの……
「わかった、今日だけですよ?」
そう言いながら外へ出ると、エディ様よりもわたしの方がつい張り切って虫取りを始めた。
根元にドングリが落ちていたのでここの木にはカブトムシかクワガタがいるはず!絶対間違いなし!
わたしは「ここに仕掛けをしておきましょう」と言って、厨房でもらってきたバナナと砂糖、お酒を混ぜて袋に入れた物を木に紐で括り付けた。
そして別の木に行くと、後ろに控えている騎士さんにお願いして、木を蹴ってみて欲しいと頼んだ。
すると2匹のクワガタが落ちてきた。
「え?なんでここにいるのがわかったの?」
「木からたくさんの樹液が出ていたから多分いるんじゃないかと思ったんです」
「すっごい!どんどん蹴って捕まえようよ」
「え?駄目ですよ。一回だけですよ。木が痛いって泣いてしまいます」
わたしは木に「ごめんなさい」と言いながら木に手を置いて優しく触れた。
「あっ、セレンそれは……」
わたしは騎士さんに見えないようにこそっと人差し指を口に当ててエディ様に「しぃーっ」と声を出さずに言った。
エディ様はニコッと笑い首をこくこくと縦に振り頷いた。
ーー可愛い。
エディ様はその後仕掛けをした木を振り返り「じゃあ次の日のお楽しみにするね」と言って屋敷に戻った。
厨房から焼けたケーキを客間に持ってきてもらった。
二人で焼けたケーキに生クリームを塗ったり果物を飾ったりしていると
「何をしているんだ」と冷たい声が聞こえてきた。
「あ、お兄様!ケーキを作っているんです」
エディ様が誇らしげにスティーブ様に言うと、エディ様の服や手についている生クリームを見て呆れたようだ。
「公爵家の子息がそんなことをして恥ずかしいと思わないのか?それをさせているセレン、君はそんなこともわからないのか?君が僕の婚約者なんて恥ずかしすぎるよ」
エディ様は「え?お兄様……違う…」驚きながらも否定しようとした。
「エディ、顔と手を洗って服を着替えて来なさい。これは命令だ」
「わかったよ、セレン、ごめんね」
「ううん、わたしこそごめんなさい。やはりこんなことさせるべきではなかったわ」
エディ様に謝ってから改めてスティーブ様をみた。
「エディ様を怒らないで。悪いのはわたしなのだから」
「君はいつも僕をイライラさせる」
吐き捨てるように言われた。
「このケーキは一体何?料理人がいるのにこんな不恰好なケーキを一体誰に食べさせるつもりなの?」
「………わたし帰るわ」
ーー悔しい。そこまで言わなくてもいいじゃない。
◇ ◇ ◇
「お兄様、着替えてきました」
エディが服を着替えて戻ってきた。
周りをキョロキョロしているので
「セレンなら帰ったよ」
と言うとかなり驚いていた。
「セレンが帰ったの?ケーキは?」
「あんな不格好なケーキ捨てるように言ったよ」
「酷いよ、お兄様!あれはセレンが疲れたお兄様のために作っていたんだ。不恰好なのは僕が……無理矢理手伝いたいと言ったから……失敗したから……ぐちゃぐちゃになってしまったんだ」
「ぼ、僕のため?」
僕は慌てて捨てるのをやめさせるために厨房へ走って行った。
「そのケーキ、捨てたら駄目!」
厨房のみんながケーキを取り分けていた。
「あ……坊っちゃま。こ、これはセレン様が一生懸命に作られたので流石に捨てられなくてですね……食べてしまおうかとーーーー」
「僕も食べるよ」
セレンに酷いことを言ってしまった。
エディと二人で仲良くしているのを見て、思わずイラッとしてつい酷いことを言ってしまった。
なんでだろう。セレンに優しくしたいのに、顔を合わせればつい冷たいことを言ってしまう。
エディと仲良くしている姿を見るといつも心の中がザワザワして落ち着かない。
エレンはエディの前だけ楽しそうに笑う。僕の前ではいつもムスッとしているのに。
僕はエレンなんか嫌いなんだ。
そう思えばこのイライラしたり悔しかったりする気持ちの理由に納得することが出来るんだ。
突然のお父様からの呼び出しの理由を聞いて、わたしは目に涙をためた。
「はあー、そんなうるうるした瞳で見られると婚約はなしでとーーー」
「ほんと?なしでいいのですか?」
「出来る訳がないだろう?我が家は伯爵。向こうは公爵家なんだ。こちらから特別な理由もなく断ることなんて出来ない」
「だったらせめてスティーブ様ではなくエディ様にしてほしかったわ」
「………向こうから公爵夫人として迎えたいと言われたんだ。だから今度からお前はあちらでマナーや勉強をすることになった」
「え?やだ!」
「お前のその『え?やだ!』はもう9歳になったのだから通用しない。そろそろ木登りも虫取りもかけっこも禁止だ。11歳から15歳の5年間学校へ通わないといけない。それまでは家庭教師をつけるからしっかり勉強をしなさい。週に一回は公爵家で公爵夫人自らいろいろ教えてくださるそうだ」
わたしは下を向き返事をしなかった。
勉強は大好きだし、お父様の言っていることもわかる。
木登りやかけっこ、虫取りがそろそろダメだと言うことも、お友達のところへ行くと誰もしていないので理解はしている。
だけど、スティーブ様との婚約だけは絶対に嫌だ!
何度かお屋敷にお呼ばれしたけど、会うたびに嫌味か文句しか言われない。何も言わない時はわたしのことを無視する。
ほんとぉに!嫌いだ。
ーー初めて顔を見た時ちょっとカッコいいなと思ったけど、あんなに性格が悪かったら無理、それならまだ甘えん坊だけど優しいエディ様の方が絶対マシだと思う。
あっ……だけどエディ様と結婚って……おままごとみたいで想像つかない……スティーブ様とは……うん、想像出来そう。
………毎日お互い言いたいこと言い合って、喧嘩ばかりして、だけど……心地いい関係に……
色々お父様に言ったけど、結局婚約は結ばれてしまった。
そして週に一回の公爵家での勉強会。
「セレン、よく来たわね」「いらっしゃい」
「可愛いセレン、早くここに座りなさい。お茶でも飲もう」
みんなとても毎回温かく迎えてくれるのに、スティーブ様だけは毎回「来たのか」と冷たい一言。
「スティーブ、他に言い方はないのか?毎回毎回、そんなんじゃいつか嫌われてしまうぞ」
ーーうん?いつか?今すでに嫌ってますけど?
わたしがそう思っているのが顔に出ていたのかスティーブ様は唇を噛んでわたしをキッと睨んだ。
ーーやばい……
思わず目を逸らしたけど遅かった。
「別にセレンに嫌われようと僕はいいです。忙しいので失礼します」
ーーえ?言い返して来なかった。
少しホッとしたけど、彼の横顔が傷ついているように見えてちょっとだけ罪悪感を感じた。
だから歩み寄ろうとした。
勉強している合間に少しでもホッと出来るように、厨房をお借りしてお父様の好きなチョコレートケーキを作ることにした。
これならわたしでも作れる。
半分くらいは公爵家の料理人さんに手伝ってもらいながら作っているとエディ様がやって来た。
「セレン、何しているの?」
「ケーキを作っているの」
「えっ?ケーキって自分で作れるの?」
「うん、お父様が大好きなの。前はお母様がいつもお父様に作ってあげてたんだ。今はお母様の代わりにわたしが作ってあげているの。スティーブ様が疲れているみたいだから………ど、うかな………と……」
なんだか言っていてだんだん恥ずかしくなった。
「お兄様に?僕も手伝いたい?いいでしょう?」
「えっ?駄目だよ。公爵子息様が厨房にいるなんておじ様たちから怒られちゃうわ」
「わかった、じゃあ聞いてくるよ」
エディ様は急いで厨房を出て行った。料理人さん達は顔を引き攣らせながら「さっさと作りましょう」と焦って早く手を動かし出した。
「そ、そうね。あと混ぜて型に入れれば焼くだけだものね。最後の飾り付けをエディ様にお願いするのだったらお部屋でも出来るもの」
料理人さんと目を合わせて頷き合い、急いで卵白を泡立てる。
横で粉を篩にかけて、チョコレートを刻み湯煎で溶かす。
みんな「早く早く」と言いながらエディ様が戻ってくる前になんとか混ぜてあとは型に流すだけ。
「えー?やっとお母様の許可をもらったのにもう終わったの?」
「焼き終わったらクリームやチョコレート、果物を飾りつけるのでその時に一緒にしましょう?」
「わかった、じゃあその間外に行って虫取りしよう」
「あ…わたし、最近お父様に禁止されてしまったの」
「え?バレなきゃ大丈夫だよ?だめ?」
目をうるうるさせてわたしを見るエディ様……
ーーうっ、その目に弱いの……
「わかった、今日だけですよ?」
そう言いながら外へ出ると、エディ様よりもわたしの方がつい張り切って虫取りを始めた。
根元にドングリが落ちていたのでここの木にはカブトムシかクワガタがいるはず!絶対間違いなし!
わたしは「ここに仕掛けをしておきましょう」と言って、厨房でもらってきたバナナと砂糖、お酒を混ぜて袋に入れた物を木に紐で括り付けた。
そして別の木に行くと、後ろに控えている騎士さんにお願いして、木を蹴ってみて欲しいと頼んだ。
すると2匹のクワガタが落ちてきた。
「え?なんでここにいるのがわかったの?」
「木からたくさんの樹液が出ていたから多分いるんじゃないかと思ったんです」
「すっごい!どんどん蹴って捕まえようよ」
「え?駄目ですよ。一回だけですよ。木が痛いって泣いてしまいます」
わたしは木に「ごめんなさい」と言いながら木に手を置いて優しく触れた。
「あっ、セレンそれは……」
わたしは騎士さんに見えないようにこそっと人差し指を口に当ててエディ様に「しぃーっ」と声を出さずに言った。
エディ様はニコッと笑い首をこくこくと縦に振り頷いた。
ーー可愛い。
エディ様はその後仕掛けをした木を振り返り「じゃあ次の日のお楽しみにするね」と言って屋敷に戻った。
厨房から焼けたケーキを客間に持ってきてもらった。
二人で焼けたケーキに生クリームを塗ったり果物を飾ったりしていると
「何をしているんだ」と冷たい声が聞こえてきた。
「あ、お兄様!ケーキを作っているんです」
エディ様が誇らしげにスティーブ様に言うと、エディ様の服や手についている生クリームを見て呆れたようだ。
「公爵家の子息がそんなことをして恥ずかしいと思わないのか?それをさせているセレン、君はそんなこともわからないのか?君が僕の婚約者なんて恥ずかしすぎるよ」
エディ様は「え?お兄様……違う…」驚きながらも否定しようとした。
「エディ、顔と手を洗って服を着替えて来なさい。これは命令だ」
「わかったよ、セレン、ごめんね」
「ううん、わたしこそごめんなさい。やはりこんなことさせるべきではなかったわ」
エディ様に謝ってから改めてスティーブ様をみた。
「エディ様を怒らないで。悪いのはわたしなのだから」
「君はいつも僕をイライラさせる」
吐き捨てるように言われた。
「このケーキは一体何?料理人がいるのにこんな不恰好なケーキを一体誰に食べさせるつもりなの?」
「………わたし帰るわ」
ーー悔しい。そこまで言わなくてもいいじゃない。
◇ ◇ ◇
「お兄様、着替えてきました」
エディが服を着替えて戻ってきた。
周りをキョロキョロしているので
「セレンなら帰ったよ」
と言うとかなり驚いていた。
「セレンが帰ったの?ケーキは?」
「あんな不格好なケーキ捨てるように言ったよ」
「酷いよ、お兄様!あれはセレンが疲れたお兄様のために作っていたんだ。不恰好なのは僕が……無理矢理手伝いたいと言ったから……失敗したから……ぐちゃぐちゃになってしまったんだ」
「ぼ、僕のため?」
僕は慌てて捨てるのをやめさせるために厨房へ走って行った。
「そのケーキ、捨てたら駄目!」
厨房のみんながケーキを取り分けていた。
「あ……坊っちゃま。こ、これはセレン様が一生懸命に作られたので流石に捨てられなくてですね……食べてしまおうかとーーーー」
「僕も食べるよ」
セレンに酷いことを言ってしまった。
エディと二人で仲良くしているのを見て、思わずイラッとしてつい酷いことを言ってしまった。
なんでだろう。セレンに優しくしたいのに、顔を合わせればつい冷たいことを言ってしまう。
エディと仲良くしている姿を見るといつも心の中がザワザワして落ち着かない。
エレンはエディの前だけ楽しそうに笑う。僕の前ではいつもムスッとしているのに。
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サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。