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謝ろうと思ったのに。②
半年ぶりにセレンが公爵邸に来る。
僕はお父様に「しばらく反省しなさい。セレンに会いに行くのも禁止だ」と言われた。
何度もお母様に「僕もついて行きたい。謝らせて欲しい」と頼んだ。
だけど「またセレンに酷いことを言ったらもう婚約は無くなるのよ?それでもいいの?素直になれるの?」
と言われると、黙って下を向くしかなかった。
何故セレンにだけはあんな酷い態度を取るのか。
どうしてイライラして感情的になるのか。
自分でもよくわからない。
だけどセレンと会えないのはもっと辛い。
お母様がセレンのところに行った日は、お母様が帰って来ると思わず走って「お帰りなさい。セレンはどうでした?」と聞いてしまう。
「セレンはとても優秀な子よ。教えたら覚えが早くてすぐに吸収するし、わからないことは質問してくるから教えがいがあるわ」
「僕のこと……い、いや、いい…です………」
僕はセレンが何か僕のことを言っていなかったか聞きたかった。だけど、聞けなくて……手をぎゅっと握りしめた。
「スティーブ、まだ二人とも幼いから今は少し時間を空けたほうがいいと思うの。スティーブの誕生日には一度声をかけるつもりだから、その時には仲直りしましょうね?」
「はい、素直に謝ります……今度こそ仲良くしたいんです」
お母様が優しく頭を撫でて、「スティーブは幼い頃から自分の感情を出すのが苦手だったから、少しずつでもいいから慣れて行きましょうね」
「はい」
僕はなんでも人よりも努力せずに出来てしまう。それに人の顔色を見るのも得意だ。
だから大人の前ではいい子でいられるし、友達の前では平然としていることが多い。
他の子のように子供らしく喜怒哀楽を出すなんてそんな馬鹿らしいことはしない。公爵子息嫡男としていつも毅然とした態度を取るのが当たり前なんだと思っていた。
なのにセレンは会った瞬間から僕の心をざわつかせた。
僕になんとか気に入られようとする子供や大人は沢山いた。
だけど僕に文句を言ってくる子はいなかった。言い返したら、ビンタをされた。思わずビンタを仕返してしまった。
ーー女の子に手を挙げてしまった。
呆然とした僕にーー
「いったいわね!何するのよ!」
そのあと僕に掴みかかってきたので、僕も思わずやり返して掴みかかって、喧嘩になってしまった。
生まれて初めて喧嘩したのが、女の子。それも手を出してしまった。
夜、両親に呼ばれてかなり叱られた。
このお茶会は、僕の婚約者を探すためのお茶会だった。
「あのセレンちゃんは婚約の打診をしても受けては貰えないだろうな」
「わたしもあの子を気に入ったわ。しっかり自分の意見を持っていて物怖じしない。それに賢そうだったわ。公爵夫人は誰でも言い訳ではないの。頭も切れて口が立つくらいじゃないとやっていけないの」
「スティーブは誰か気に入った子はいたのかい?」
「僕は………」
僕もあの子がいい。そう言いたかったけど、なんだか恥ずかしくて……それにたぶん……嫌われているだろうし。
「別にいなかった」と言いながら手をぎゅっと握りしめてしまった。
ーー本当はセレンがいい。あんなに心を動かせる子はいない。
「スティーブがそう言うならわたし達で誰にするか選ぶけどいいんだな?」
「はい、お願いします」
もう一度手を握りしめた。
ーーーーーー
セレンと会うのは半年ぶりだった。
シルバーブロンドの長い髪はサラサラしていて思わず触れたくなった。碧い瞳は吸い込まれそうなほど綺麗で、真っ直ぐに見ることが出来なくて思わず目を逸らしてしまった。
セレンは少し傷ついた顔をしていたのに、僕はどうすることもできなくて、また手をぎゅっと握った。
つかつかと僕の前に来たセレンは、「お誕生日おめでとうございます、プレゼントです」と言って手渡された。
「あ、りがとう」
嬉しいのにどんな顔をしていいのかわからなくて……嫌われていると思ったからプレゼントを貰えると思っていなかった。
だから無表情で貰ってしまった。
するとセレンは「要らないなら返して」とプレゼントを奪おうとした。
「やめろ」思わずセレンを押した。
「痛っ」セレンは転んで足首を捻ってしまった。
「セレン!」近くにいたセレンの兄のトマス様が慌ててセレンを抱き起こした。
「いくらセレンが嫌いでもそこまで酷いことをしなくてもいいと思うんだけど」
「違う、ただ……」僕はセレンが涙をためて泣いている姿を見ると何も言えなくて………
「お兄様……帰りたい」
「すみません、今日は失礼致します」
そう言って二人は帰って行った。
僕の11歳の誕生日は、セレンを泣かせ、泣いた顔が忘れられなくて最悪な日になった。
その後両親からたくさん説教をされ、謝罪に行こうとするもセレンに拒否された。
謝ることもできずに月日は経っていった。
そして僕が王立学院に入学と同時にセレンは伯爵領に移った。
そのまま13歳までは向こうで暮らすと言われた。
「スティーブ、まだ我が家からの婚約の打診だから向こうは解消しないでいるの。それにね、向こうの伯爵はスティーブがセレンを好きな事わかってくれているわ、だからね、まずスティーブが変わりなさい」
「はい」
僕は変わることができるのだろうか。
セレンが好きなのに……なんであんな酷い態度しかとれないのだろう。
僕はお父様に「しばらく反省しなさい。セレンに会いに行くのも禁止だ」と言われた。
何度もお母様に「僕もついて行きたい。謝らせて欲しい」と頼んだ。
だけど「またセレンに酷いことを言ったらもう婚約は無くなるのよ?それでもいいの?素直になれるの?」
と言われると、黙って下を向くしかなかった。
何故セレンにだけはあんな酷い態度を取るのか。
どうしてイライラして感情的になるのか。
自分でもよくわからない。
だけどセレンと会えないのはもっと辛い。
お母様がセレンのところに行った日は、お母様が帰って来ると思わず走って「お帰りなさい。セレンはどうでした?」と聞いてしまう。
「セレンはとても優秀な子よ。教えたら覚えが早くてすぐに吸収するし、わからないことは質問してくるから教えがいがあるわ」
「僕のこと……い、いや、いい…です………」
僕はセレンが何か僕のことを言っていなかったか聞きたかった。だけど、聞けなくて……手をぎゅっと握りしめた。
「スティーブ、まだ二人とも幼いから今は少し時間を空けたほうがいいと思うの。スティーブの誕生日には一度声をかけるつもりだから、その時には仲直りしましょうね?」
「はい、素直に謝ります……今度こそ仲良くしたいんです」
お母様が優しく頭を撫でて、「スティーブは幼い頃から自分の感情を出すのが苦手だったから、少しずつでもいいから慣れて行きましょうね」
「はい」
僕はなんでも人よりも努力せずに出来てしまう。それに人の顔色を見るのも得意だ。
だから大人の前ではいい子でいられるし、友達の前では平然としていることが多い。
他の子のように子供らしく喜怒哀楽を出すなんてそんな馬鹿らしいことはしない。公爵子息嫡男としていつも毅然とした態度を取るのが当たり前なんだと思っていた。
なのにセレンは会った瞬間から僕の心をざわつかせた。
僕になんとか気に入られようとする子供や大人は沢山いた。
だけど僕に文句を言ってくる子はいなかった。言い返したら、ビンタをされた。思わずビンタを仕返してしまった。
ーー女の子に手を挙げてしまった。
呆然とした僕にーー
「いったいわね!何するのよ!」
そのあと僕に掴みかかってきたので、僕も思わずやり返して掴みかかって、喧嘩になってしまった。
生まれて初めて喧嘩したのが、女の子。それも手を出してしまった。
夜、両親に呼ばれてかなり叱られた。
このお茶会は、僕の婚約者を探すためのお茶会だった。
「あのセレンちゃんは婚約の打診をしても受けては貰えないだろうな」
「わたしもあの子を気に入ったわ。しっかり自分の意見を持っていて物怖じしない。それに賢そうだったわ。公爵夫人は誰でも言い訳ではないの。頭も切れて口が立つくらいじゃないとやっていけないの」
「スティーブは誰か気に入った子はいたのかい?」
「僕は………」
僕もあの子がいい。そう言いたかったけど、なんだか恥ずかしくて……それにたぶん……嫌われているだろうし。
「別にいなかった」と言いながら手をぎゅっと握りしめてしまった。
ーー本当はセレンがいい。あんなに心を動かせる子はいない。
「スティーブがそう言うならわたし達で誰にするか選ぶけどいいんだな?」
「はい、お願いします」
もう一度手を握りしめた。
ーーーーーー
セレンと会うのは半年ぶりだった。
シルバーブロンドの長い髪はサラサラしていて思わず触れたくなった。碧い瞳は吸い込まれそうなほど綺麗で、真っ直ぐに見ることが出来なくて思わず目を逸らしてしまった。
セレンは少し傷ついた顔をしていたのに、僕はどうすることもできなくて、また手をぎゅっと握った。
つかつかと僕の前に来たセレンは、「お誕生日おめでとうございます、プレゼントです」と言って手渡された。
「あ、りがとう」
嬉しいのにどんな顔をしていいのかわからなくて……嫌われていると思ったからプレゼントを貰えると思っていなかった。
だから無表情で貰ってしまった。
するとセレンは「要らないなら返して」とプレゼントを奪おうとした。
「やめろ」思わずセレンを押した。
「痛っ」セレンは転んで足首を捻ってしまった。
「セレン!」近くにいたセレンの兄のトマス様が慌ててセレンを抱き起こした。
「いくらセレンが嫌いでもそこまで酷いことをしなくてもいいと思うんだけど」
「違う、ただ……」僕はセレンが涙をためて泣いている姿を見ると何も言えなくて………
「お兄様……帰りたい」
「すみません、今日は失礼致します」
そう言って二人は帰って行った。
僕の11歳の誕生日は、セレンを泣かせ、泣いた顔が忘れられなくて最悪な日になった。
その後両親からたくさん説教をされ、謝罪に行こうとするもセレンに拒否された。
謝ることもできずに月日は経っていった。
そして僕が王立学院に入学と同時にセレンは伯爵領に移った。
そのまま13歳までは向こうで暮らすと言われた。
「スティーブ、まだ我が家からの婚約の打診だから向こうは解消しないでいるの。それにね、向こうの伯爵はスティーブがセレンを好きな事わかってくれているわ、だからね、まずスティーブが変わりなさい」
「はい」
僕は変わることができるのだろうか。
セレンが好きなのに……なんであんな酷い態度しかとれないのだろう。
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どうぞよろしくお願い致します。