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最悪な学校生活。
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スティーブ様から「声をかけないでくれ」と言われたので、学校内ですれ違っても目を合わせることもなく挨拶すらしない。
だけどたまにイザベラ様はわたしを見つけると
「あら?セレン様?ふふっ」と何故か馬鹿にしたように笑って来る。
わたしが婚約者に相手にされないのがとても面白くて楽しいらしい。わたしの目の前でスティーブ様にピッタリと張り付いている。
スティーブ様もイザベラ様が横にいるのが当たり前だと言う顔をしている。
ーー何なの?この光景?わたしに見せびらかして、わたしが怒ったり傷ついたりするのを楽しんでいるの?
絶対、顔色を変えてなんかやらない!
わたしは平然とした顔で、「ご機嫌よう」と微笑んだ。
マリアナは横で「何?あの二人。セレンを馬鹿にしているのかしら?わたしから一言二言、ううん、十言くらい言い返してもいいかしら?」と、顔を真っ赤にして怒っている。
「やめて。別にわたし何とも思っていないわ。以前はイザベラ様がわたしは何もしていないのにわたしに意地悪をされたとスティーブ様に訴えて、わたしはいつも文句をスティーブ様に言われていたの。あの頃に比べたら何も言われないからマシな方だもの。
相手にするだけ馬鹿らしいわ」
ーーこれで婚約は解消ね。
わたしは意気揚々とお父様にこのことを伝えた。
「これでスッキリと婚約解消出来ますね?」
お父様は頭を抱えて机に突っ伏した。
「…………駄目だ。今は無理だ」
「どうしてですか?今度何かあったら解消していいとお父様は言いましたよね?」
「すまない……だが今は駄目なんだ。去年東の領地で大雨で土砂崩れがあっただろう?その地域の復興のための資金を借りているんだ……あと数年で返せる。だから……今はこちらから婚約解消なんて言えないんだ」
お父様は何度も「すまない」とわたしに頭を下げた。
「はあー、ま、スティーブ様はわたしのことを嫌っているのでもう少し我慢すれば向こうから言って来ますよね?」
「う、う、うん………多分…な………」
わたしはもう公爵家に顔を出すことはやめた。
以前と同じでスティーブ様のお母様がうちの屋敷に来てくれた。
「あの……スティーブ様とイザベラ様のことなんですが……」
「ごめんなさい。イザベラはわたしの親友の子供なの。だから娘のように可愛がっていてよく屋敷に来るの。だけど勘違いしないでね。スティーブが結婚するのはセレンよ?イザベラでは我が公爵家の女主人にはなれないわ」
「そんなことはないと思いますけど……とても意思が強いお方だしスティーブ様にはピッタリだと思います……けど?」
「ふふ、何を言っているの?イザベラは大人しくてとても弱々しい子なの。あんなに気が弱かったらとてもじゃないけどこの貴族社会ではやっていけないわ」
「はあ、ソウデスカ………」
イザベラ様ってどれだけの仮面を被って生きているのかしら?
わたしなら絶対疲れるし絶対バレてしまう。
バレないようにあの気の強い性格を隠すなんて、凄すぎる………
わたしは遠くを見ながら溜息を吐いた。
だけどたまにイザベラ様はわたしを見つけると
「あら?セレン様?ふふっ」と何故か馬鹿にしたように笑って来る。
わたしが婚約者に相手にされないのがとても面白くて楽しいらしい。わたしの目の前でスティーブ様にピッタリと張り付いている。
スティーブ様もイザベラ様が横にいるのが当たり前だと言う顔をしている。
ーー何なの?この光景?わたしに見せびらかして、わたしが怒ったり傷ついたりするのを楽しんでいるの?
絶対、顔色を変えてなんかやらない!
わたしは平然とした顔で、「ご機嫌よう」と微笑んだ。
マリアナは横で「何?あの二人。セレンを馬鹿にしているのかしら?わたしから一言二言、ううん、十言くらい言い返してもいいかしら?」と、顔を真っ赤にして怒っている。
「やめて。別にわたし何とも思っていないわ。以前はイザベラ様がわたしは何もしていないのにわたしに意地悪をされたとスティーブ様に訴えて、わたしはいつも文句をスティーブ様に言われていたの。あの頃に比べたら何も言われないからマシな方だもの。
相手にするだけ馬鹿らしいわ」
ーーこれで婚約は解消ね。
わたしは意気揚々とお父様にこのことを伝えた。
「これでスッキリと婚約解消出来ますね?」
お父様は頭を抱えて机に突っ伏した。
「…………駄目だ。今は無理だ」
「どうしてですか?今度何かあったら解消していいとお父様は言いましたよね?」
「すまない……だが今は駄目なんだ。去年東の領地で大雨で土砂崩れがあっただろう?その地域の復興のための資金を借りているんだ……あと数年で返せる。だから……今はこちらから婚約解消なんて言えないんだ」
お父様は何度も「すまない」とわたしに頭を下げた。
「はあー、ま、スティーブ様はわたしのことを嫌っているのでもう少し我慢すれば向こうから言って来ますよね?」
「う、う、うん………多分…な………」
わたしはもう公爵家に顔を出すことはやめた。
以前と同じでスティーブ様のお母様がうちの屋敷に来てくれた。
「あの……スティーブ様とイザベラ様のことなんですが……」
「ごめんなさい。イザベラはわたしの親友の子供なの。だから娘のように可愛がっていてよく屋敷に来るの。だけど勘違いしないでね。スティーブが結婚するのはセレンよ?イザベラでは我が公爵家の女主人にはなれないわ」
「そんなことはないと思いますけど……とても意思が強いお方だしスティーブ様にはピッタリだと思います……けど?」
「ふふ、何を言っているの?イザベラは大人しくてとても弱々しい子なの。あんなに気が弱かったらとてもじゃないけどこの貴族社会ではやっていけないわ」
「はあ、ソウデスカ………」
イザベラ様ってどれだけの仮面を被って生きているのかしら?
わたしなら絶対疲れるし絶対バレてしまう。
バレないようにあの気の強い性格を隠すなんて、凄すぎる………
わたしは遠くを見ながら溜息を吐いた。
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