【完結】二度目の恋はもう諦めたくない。

たろ

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初夜ではやはりこの一言から始まった。

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 結婚式が終わり、スティーブ様と共にお客様に挨拶をして回り、その後わたしだけ屋敷へと一足先に帰ることになった。

 着替えが終わるとしばらく放心状態でソファでのんびりと過ごした。

 何だかバタバタと終わり夢の中にいるような気分だった。
 あっ、幸せに浸っていた訳ではなく、現実味がなかっただけ。

 15歳でまさかのお嫁入り。
 自覚する前に嫁いでしまったという感じ。

 スティーブ様を好きだとかそんな感情すらもうずっと感じないのに……

 初夜だよ!

 15歳と16歳で結婚してもう家庭を持って赤ちゃんだって作っていいんだよ⁈

 考えられない!ムリ!

 ここ二階だけど窓から飛び降りて逃げようかしら?

 お父様にあまり使わないように言われているけど、わたしには癒しの魔法がある。いざとなれば折れた骨は治せるし。

 ただわたしの癒しの魔法は治すときに痛みがある。

 こう、ふわって、ほわって治せたらいいのだけど、チクッとしたりズキっとしたりするので、治療する方も微妙。
「ごめんなさい」と謝りながら治すのって結構疲れる。

 そんなことを考えてたら公爵家の侍女さん達がやって来て「入浴をしましょう」と言って隅々まで綺麗に洗ってくれた。

 自分一人で入りたかった。伯爵家では入浴は自分でするものだった。


 その後は身体中にボディークリームを塗って、綺麗に髪の毛を乾かして……

 な、なんだ!このネグリジェは⁈

 とっても高級なシルクの生地に太ももがほぼ見えているワンピース型のネグリジェ。

 いくらフリルがついて可愛くてもこんな短いショート丈のネグリジェ駄目でしょう?

 そ、それも胸元がばっちり大きく開いていて半分くらい胸が見えてない?

 今から初夜を迎えます。準備万端です。

 ーーの状態………泣きそうです。

 いや、泣くかも………嫌われているのにこんな姿見たらさらに嫌われるじゃない!うん?嫌われていていいのか。

 でもやっぱりこんな格好は嫌だ。

 好きでもない人に今から抱かれるのにさらにこんな格好………ない!ないわよね。

 逃げよう。

 わたしはネグリジェを脱ぎ捨ててワンピースに着替えようと決めた。

「よし!脱ごう」気合を入れて脱ごうとしたとき………

 なんで扉を開ける。

 スティーブ様がわたしをギョッとした顔をして見て固まった。

 わたしも自分を思わず見た。

 ーーまずい、おっばいが見えてる……ブラも下着も着ていない。ネグリジェだけ……

「きやーーーー!」

 わたしはでっかい声で叫んだ。
 ついでに近くにあった枕とクッションをスティーブ様に投げつけた。

「う、うわっ」我に返ったスティーブ様も投げつけられた枕が顔に思いっきり当たって、ポカーンとしていた。

 急いでネグリジェを元に戻して、「ど、どうぞ」とスティーブ様に中に入るようにと声をかけた。

「あ、う、うん」

 お互い二人っきりで話すのはかなり久しぶりかな……

 あの入学して少し経った頃空き教室に連れて行かれ、学校では近づかないように言われたっきりかも。

「セレン……俺は君を抱こうとは思っていない。君とそういうことをする気はない」

「本当ですか?」

「ああ、君が嫌なのに無理に………「よかった!スティーブ様も嫌ですよね?嫌いなわたしを抱くのなんて!もう少しだけ我慢してください」

「は?はっ?」

 スティーブ様がわたしが嬉しそうに話しかけたので、驚いて目を見開いた。

「わたし、白い結婚でいいと思うんです。わたしに子供ができなければスティーブ様もご両親も離縁をというと思うんです。そしたら、是非愛するイザベラ様を奥様にお迎えください」

「な、なんで?」

「え?だって二人は愛し合っているんでしょう?おば様…あ、お義母様が言ってたんです」


『イザベラは大人しくてとても弱々しい子なの。あんなに気が弱かったらとてもじゃないけどこの貴族社会ではやっていけないわ』


「ま、イザベラ様は気も弱くないしかなり性格に難があるとわたしは思っていますが、まぁわたしの見解は置いといて、今からイザベラ様を教育すれば侯爵令嬢なので簡単に公爵夫人の勉強ならできると思うんです。
 ですからわたしはそれまでの繋ぎとして、ここで仮初の妻でいます。是非愛するイザベラ様のために少しの間、わたしで我慢してください。
 わたしは目立たないようにひっそりと暮らしますので!」

 一気にわたしが話終わると、スティーブ様は「わかった」と言って部屋を出て行った。

 やった!成功!
 これでわたしの乙女の純情は守られた。

 そして疲れたわたしは一人大きなベッドでゆっくりと眠りについた。



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