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「みんなよろしくお願いするわ」
今日から新しい使用人達がやって来た。
その中の一人は……
「セレン様、何ですか?この散らかしようは?」
「だって六日も一人で暮らしたからーー」
「それでも少しくらい荷物の整理はできたでしょう?」
「苦手なのよ、整理整頓」
「仕事はこなせるのにどうしてこんなに片付けは苦手なのかしら」
使用人のくせに説教するのはわたしが12歳までお世話をしてくれていたエリノア。わたしの5歳年上の21歳。
父親が我が家の執事でずっと一緒に育った姉のような存在。そしてわたしのお世話係でもあった。
結婚を機に退職していたけど離婚をして子供一人を連れてこの屋敷に使用人として戻って来てくれた。
「かあさん…」不安そうにエリノアの服を掴んでいる息子のサムエルは4歳。
使用人は全部で5人。料理人とメイド、執事のバッカム。
バッカムはエリノアの祖父でコルデイ伯爵家で執事をしていたのだが引退しているので無理やり働いてもらうことにした。
「サムエル、大丈夫だ。お前の母さんはセレン様が大好き過ぎて怒ってるだけなんだよ」
「ふふ、サムエル。大きくなったわね?これから一緒に暮らすセレンよ?よろしくね?」
「……はいよろしくおねがいします」
人見知りなのかエリノアに隠れて後ろから様子を窺ってわたしを見るサムエル。
目がくりくりしてとっても可愛い。
「サムエルわたしとお茶でもしましょう。その間にお祖父様とお母様が片付けてくれると思うの?いい提案でしょう?」
サムエルの目が輝いた。
「おかし、ありますか?」
「もちろんよ、わたしが焼いたクッキーがあるのよ?わたしお菓子作りは得意なの」
そしてサムエルと二人でお庭に出てお茶をいただく。
サムエルは少しずつ私に慣れてきて上手にいろんな話をしてくれた。
バッカムとエリノアとサムエルは三人で暮らしていたそうだ。
エリノアの父親は我が家の伯爵家で今も執事として仕事をしているので引退したバッカムが二人と暮らし助けていたのだ。
バッカムはまだ64歳。この国では結婚は早い。
だからバッカムのようにまだまだ元気な曽おじいちゃんもいる。
わたしの再スタートは懐かしい顔ぶれと一緒に始まったのでとても心強い。
「バッカム、貴方達が来てくれた良かったわ。だけど……お父様とお兄様は何か言ってたかしら?」
「息子から聞いた話ではかなり二人とも落ち込んでいたそうです。離縁して帰って来ると思ったのに一度も顔を出さないし連絡する来ないと」
「あら?離縁のことは手紙を送ったわ。そこに実家には帰らないときちんと書いて報告もしているもの」
「セレン様が怒っている気持ちはわかります。旦那様は人がいいのかもしれませんが騙されやすい……ですから」
少し言いにくそうに言ってはいるけど、ほんとバッカムの言う通り。
わたしが嫁ぐ必要なんてなかったのにお義母様の口車に乗せられてわたしは嫁ぐ羽目になった。
この一年を返してほしい。
ま、お陰でたくさんのお金が手元に残ったし、マリアナが結婚と離縁のお祝い?としてこの屋敷をプレゼントしてくれた。
マリアナの王都で始めた仕事をわたしが陰ながら手伝っていたのでそのお礼も兼ねてだと言ってくれた。
わたしはマリアナのところの商品を公爵家が親しくしている人たちにお茶会の時に美味しいからと紹介しただけなのだがみんな気に入ってくれて購入してくれるようになった。
そのおかげか、かなり繁盛しているとマリアナが言っていた。
マリアナの家は侯爵家。田舎の領地とはいえかなりの資産家なのでありがたくいただくことにした。
マリアナは相変わらずわたしに会いに来てくれる。
彼女が結婚すればなかなか会えなくなるから今のうちにしっかり会っておきたいと、マリアナが言ってくれる。
だけど結婚しても会いに来そうな気はするから……と言うと「あら?セレンはわたしと会いたくないの?」と不機嫌になった。
「マリアナがいてくれたからあの屋敷で一年間過ごせたの。貴女のおかげよ?」
マリアナはわたしを抱きしめて「よく頑張ったわねお疲れ様」と言ってくれた。
ーーうん、わたしよく一年間頑張った!
そしてわたしは一年間公爵家で色々習ったノウハウを元に投資を始めた。
あそこでの暮らしは執務に追われ大変だったけどたくさんの人脈、公爵家だからこそ知り得た知識。それをフルに活用して幾つか投資をすることにした。
だけどーーー
「退屈なのよね?」
「セレン様は昔からじっとしているのは向いていませんものね?」
「そうなの……お金はあるから暮らしには困らないわ。だけどまだ16歳でこんなにダラダラ過ごすなんて耐えられない!仕事でもしようかしら?」
「まぁ無理しない程度でお考えください」
エリノアが心配げにわたしを見た。
「とりあえず、今日は王宮に呼ばれているので用意をお願いね?」
公爵家に嫁いで出来た友人。
ーーそれはエリザベス・ベラー王女殿下だった。
わたしと同じ16歳なのだけどここ数年海外留学をしていて帰ってきた。
だからわたしと学院で顔を合わせたことがなかった。
大人しく穏やかなエリザベス様と元気なわたしはとても気が合った。
そして離縁した今もこうして交流を続けている。
そこで、わたしは新たな仕事を見つけることになった。
今日から新しい使用人達がやって来た。
その中の一人は……
「セレン様、何ですか?この散らかしようは?」
「だって六日も一人で暮らしたからーー」
「それでも少しくらい荷物の整理はできたでしょう?」
「苦手なのよ、整理整頓」
「仕事はこなせるのにどうしてこんなに片付けは苦手なのかしら」
使用人のくせに説教するのはわたしが12歳までお世話をしてくれていたエリノア。わたしの5歳年上の21歳。
父親が我が家の執事でずっと一緒に育った姉のような存在。そしてわたしのお世話係でもあった。
結婚を機に退職していたけど離婚をして子供一人を連れてこの屋敷に使用人として戻って来てくれた。
「かあさん…」不安そうにエリノアの服を掴んでいる息子のサムエルは4歳。
使用人は全部で5人。料理人とメイド、執事のバッカム。
バッカムはエリノアの祖父でコルデイ伯爵家で執事をしていたのだが引退しているので無理やり働いてもらうことにした。
「サムエル、大丈夫だ。お前の母さんはセレン様が大好き過ぎて怒ってるだけなんだよ」
「ふふ、サムエル。大きくなったわね?これから一緒に暮らすセレンよ?よろしくね?」
「……はいよろしくおねがいします」
人見知りなのかエリノアに隠れて後ろから様子を窺ってわたしを見るサムエル。
目がくりくりしてとっても可愛い。
「サムエルわたしとお茶でもしましょう。その間にお祖父様とお母様が片付けてくれると思うの?いい提案でしょう?」
サムエルの目が輝いた。
「おかし、ありますか?」
「もちろんよ、わたしが焼いたクッキーがあるのよ?わたしお菓子作りは得意なの」
そしてサムエルと二人でお庭に出てお茶をいただく。
サムエルは少しずつ私に慣れてきて上手にいろんな話をしてくれた。
バッカムとエリノアとサムエルは三人で暮らしていたそうだ。
エリノアの父親は我が家の伯爵家で今も執事として仕事をしているので引退したバッカムが二人と暮らし助けていたのだ。
バッカムはまだ64歳。この国では結婚は早い。
だからバッカムのようにまだまだ元気な曽おじいちゃんもいる。
わたしの再スタートは懐かしい顔ぶれと一緒に始まったのでとても心強い。
「バッカム、貴方達が来てくれた良かったわ。だけど……お父様とお兄様は何か言ってたかしら?」
「息子から聞いた話ではかなり二人とも落ち込んでいたそうです。離縁して帰って来ると思ったのに一度も顔を出さないし連絡する来ないと」
「あら?離縁のことは手紙を送ったわ。そこに実家には帰らないときちんと書いて報告もしているもの」
「セレン様が怒っている気持ちはわかります。旦那様は人がいいのかもしれませんが騙されやすい……ですから」
少し言いにくそうに言ってはいるけど、ほんとバッカムの言う通り。
わたしが嫁ぐ必要なんてなかったのにお義母様の口車に乗せられてわたしは嫁ぐ羽目になった。
この一年を返してほしい。
ま、お陰でたくさんのお金が手元に残ったし、マリアナが結婚と離縁のお祝い?としてこの屋敷をプレゼントしてくれた。
マリアナの王都で始めた仕事をわたしが陰ながら手伝っていたのでそのお礼も兼ねてだと言ってくれた。
わたしはマリアナのところの商品を公爵家が親しくしている人たちにお茶会の時に美味しいからと紹介しただけなのだがみんな気に入ってくれて購入してくれるようになった。
そのおかげか、かなり繁盛しているとマリアナが言っていた。
マリアナの家は侯爵家。田舎の領地とはいえかなりの資産家なのでありがたくいただくことにした。
マリアナは相変わらずわたしに会いに来てくれる。
彼女が結婚すればなかなか会えなくなるから今のうちにしっかり会っておきたいと、マリアナが言ってくれる。
だけど結婚しても会いに来そうな気はするから……と言うと「あら?セレンはわたしと会いたくないの?」と不機嫌になった。
「マリアナがいてくれたからあの屋敷で一年間過ごせたの。貴女のおかげよ?」
マリアナはわたしを抱きしめて「よく頑張ったわねお疲れ様」と言ってくれた。
ーーうん、わたしよく一年間頑張った!
そしてわたしは一年間公爵家で色々習ったノウハウを元に投資を始めた。
あそこでの暮らしは執務に追われ大変だったけどたくさんの人脈、公爵家だからこそ知り得た知識。それをフルに活用して幾つか投資をすることにした。
だけどーーー
「退屈なのよね?」
「セレン様は昔からじっとしているのは向いていませんものね?」
「そうなの……お金はあるから暮らしには困らないわ。だけどまだ16歳でこんなにダラダラ過ごすなんて耐えられない!仕事でもしようかしら?」
「まぁ無理しない程度でお考えください」
エリノアが心配げにわたしを見た。
「とりあえず、今日は王宮に呼ばれているので用意をお願いね?」
公爵家に嫁いで出来た友人。
ーーそれはエリザベス・ベラー王女殿下だった。
わたしと同じ16歳なのだけどここ数年海外留学をしていて帰ってきた。
だからわたしと学院で顔を合わせたことがなかった。
大人しく穏やかなエリザベス様と元気なわたしはとても気が合った。
そして離縁した今もこうして交流を続けている。
そこで、わたしは新たな仕事を見つけることになった。
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どうぞよろしくお願い致します。