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「お久しぶりでございます、エリザベス殿下」
カーテシーの挨拶も貴族令嬢としてドレスを着て着飾るのも二月ぶりだった。
「ここはわたくしとセレン、それから気心の知れている者しかいないわ。いつも通りにしてね?」
「では、エリザベス様、最近食欲がないのですか?」
「どうしてそう思うの?」
「顔色が悪いですし、乱れを感じます」
「セレンには誤魔化せないわね……」
「何かありましたか?」
「………最近いつも身体が怠いの。朝も起きれないし疲れやすくて……お医者様に診てもらったのだけど原因がわからないの」
「わたし……この二月、魔道士様のところに通って癒しの魔法の訓練を始めたんです」
「離縁したと思ったら落ち込みもせず頑張っているのね、安心したわ」
顔色が悪いのに心配してくださるエリザベス様。
「はい、だって無理やり嫁がされて仕事を押し付けられるだけの一年間でしたから。離縁できてとても嬉しいのです。今はやりたいことがたくさんあって毎日が楽しくて!」
「そうそれは良かったわ」
「あ、それで、ですね。わたしかなり癒しの魔法を使う時に相手に痛みを与えずに治療出来るようになってきたんです。だからエリザベス様安心してわたしに治させてください!」
「痛みは覚悟の上だわ、お願いできるかしら?」
「もちろんです」
わたしは基本悪いところに手を置く。そしてそこに直接魔力を流していた。
わたしの魔力は実はかなりの量があり気付かずに相手に大量の魔力を流してしまって痛みを与えていたらしい。
魔力のコントロールをすることで傷みなく治療することが出来るようになると魔道士様に教えてもらった。
まだ大雑把な荒いコントロールだけど以前に比べたらかなり相手の痛みを減らせたと思う。
それに直接ではなく手を握りそっと流すだけで治療が出来ることも知った。
素人の癒しの魔法で今まで治すことができたことに魔道士様はかなり驚いていた。
それくらい癒しの魔法は珍しく扱うのも難しいらしい。それにこの国には数人しかいないと言われた。
ーーえ?わたしって実は凄いの?なんて自惚れてしまいそう。
そんなすごい力なんて思っていなくて、ただ人と違うこの力を人に知られることは駄目だとお父様に言われていたので隠すことしか考えていなかった。
スティーブ様の屋敷で癒しの力を使っていたのは公爵家ならわたしを守ることが出来るだろうと考えていたからだ。
「どうでしょう?」
エリザベス様の手を離して彼女の顔を見た。
「ありがとうセレン。身体がとても軽くなったわ」
頬に赤みが戻ってきた。虚ろだった瞳も少し輝きを取り戻した気がする。ーーよかった。
「本当ですか?よかった。内心ドキドキだったんですよ?」
わたしは胸に手を当ててホッと息を吐いた。
「首が腫れていたから何かそこに病気があったのだと思います。体の流れの悪いところに魔力を流してそこに癒しの魔力で治療する。以前より頭の中で考えながら魔力操作が出来るようになったので、試してみたかったんです」
「え?わたくしはもしかしてお試しだったの?」
「……ですね?でも痛くても治すことは出来ていたので必ず治るのは保証済みですから!」
「ふふセレンらしいわ」
エリザベス様が優しく微笑んだ。
そして二人でゆっくりとお茶を飲みながら話をした。
最近のわたしの生活に興味深々でいろんなことを聞いてきた。
離縁して1週間の間に部屋は汚れ洗濯物が山になったこと。
料理が出来ることにも驚いてくれた。
「今度何か作りましょうか?」
「セレンが焼いたクッキーが食べてみたいわ」
「わたしお料理だけは得意なんです」
次に会う時に持って来ると約束をした。
そしてーー
「セレンはじっと屋敷で暮らすのは退屈なんでしょう?」
「はい、さっきも言ったようにじっとしているのは性に合わないみたいなんです。だから何か始めたいと考えているんです」
「だったら王城の騎士団で働かない?ちょうど事務員が辞めて空きがあると叔父様が言っていたの」
「叔父様?もしかして……」
「そう、騎士団長の!」
「……王弟であり公爵様のトリアス様……」
「そうなの、顔見知りでしょう?」
「……顔見知りと言うかご挨拶をさせて頂いたことがあるくらいで向こうはわたしのことなんてご存知ないと思うの」
「そんなことないわ。叔父様はとても感心していたの。ロセス公爵家でたくさんの人が罹ったストマの病気を治したこと、それから公爵家の仕事ぶりも感心していたわ。15歳の少女が公爵夫人の代理であそこまで仕事をこなせるなんてと言っていたの。わたしとても嬉しかったのよ?セレンのこと褒められて」
「エリザベス様にそんな風に言ってもらえてとても嬉しいです。一度騎士団に顔を出してお話を聞いてから仕事を受けるか決めてもよろしいですか?」
「もちろんよ、セレンが毎日王宮に来てくれたら今までより会える機会が増えるからわたくしも嬉しいわ」
カーテシーの挨拶も貴族令嬢としてドレスを着て着飾るのも二月ぶりだった。
「ここはわたくしとセレン、それから気心の知れている者しかいないわ。いつも通りにしてね?」
「では、エリザベス様、最近食欲がないのですか?」
「どうしてそう思うの?」
「顔色が悪いですし、乱れを感じます」
「セレンには誤魔化せないわね……」
「何かありましたか?」
「………最近いつも身体が怠いの。朝も起きれないし疲れやすくて……お医者様に診てもらったのだけど原因がわからないの」
「わたし……この二月、魔道士様のところに通って癒しの魔法の訓練を始めたんです」
「離縁したと思ったら落ち込みもせず頑張っているのね、安心したわ」
顔色が悪いのに心配してくださるエリザベス様。
「はい、だって無理やり嫁がされて仕事を押し付けられるだけの一年間でしたから。離縁できてとても嬉しいのです。今はやりたいことがたくさんあって毎日が楽しくて!」
「そうそれは良かったわ」
「あ、それで、ですね。わたしかなり癒しの魔法を使う時に相手に痛みを与えずに治療出来るようになってきたんです。だからエリザベス様安心してわたしに治させてください!」
「痛みは覚悟の上だわ、お願いできるかしら?」
「もちろんです」
わたしは基本悪いところに手を置く。そしてそこに直接魔力を流していた。
わたしの魔力は実はかなりの量があり気付かずに相手に大量の魔力を流してしまって痛みを与えていたらしい。
魔力のコントロールをすることで傷みなく治療することが出来るようになると魔道士様に教えてもらった。
まだ大雑把な荒いコントロールだけど以前に比べたらかなり相手の痛みを減らせたと思う。
それに直接ではなく手を握りそっと流すだけで治療が出来ることも知った。
素人の癒しの魔法で今まで治すことができたことに魔道士様はかなり驚いていた。
それくらい癒しの魔法は珍しく扱うのも難しいらしい。それにこの国には数人しかいないと言われた。
ーーえ?わたしって実は凄いの?なんて自惚れてしまいそう。
そんなすごい力なんて思っていなくて、ただ人と違うこの力を人に知られることは駄目だとお父様に言われていたので隠すことしか考えていなかった。
スティーブ様の屋敷で癒しの力を使っていたのは公爵家ならわたしを守ることが出来るだろうと考えていたからだ。
「どうでしょう?」
エリザベス様の手を離して彼女の顔を見た。
「ありがとうセレン。身体がとても軽くなったわ」
頬に赤みが戻ってきた。虚ろだった瞳も少し輝きを取り戻した気がする。ーーよかった。
「本当ですか?よかった。内心ドキドキだったんですよ?」
わたしは胸に手を当ててホッと息を吐いた。
「首が腫れていたから何かそこに病気があったのだと思います。体の流れの悪いところに魔力を流してそこに癒しの魔力で治療する。以前より頭の中で考えながら魔力操作が出来るようになったので、試してみたかったんです」
「え?わたくしはもしかしてお試しだったの?」
「……ですね?でも痛くても治すことは出来ていたので必ず治るのは保証済みですから!」
「ふふセレンらしいわ」
エリザベス様が優しく微笑んだ。
そして二人でゆっくりとお茶を飲みながら話をした。
最近のわたしの生活に興味深々でいろんなことを聞いてきた。
離縁して1週間の間に部屋は汚れ洗濯物が山になったこと。
料理が出来ることにも驚いてくれた。
「今度何か作りましょうか?」
「セレンが焼いたクッキーが食べてみたいわ」
「わたしお料理だけは得意なんです」
次に会う時に持って来ると約束をした。
そしてーー
「セレンはじっと屋敷で暮らすのは退屈なんでしょう?」
「はい、さっきも言ったようにじっとしているのは性に合わないみたいなんです。だから何か始めたいと考えているんです」
「だったら王城の騎士団で働かない?ちょうど事務員が辞めて空きがあると叔父様が言っていたの」
「叔父様?もしかして……」
「そう、騎士団長の!」
「……王弟であり公爵様のトリアス様……」
「そうなの、顔見知りでしょう?」
「……顔見知りと言うかご挨拶をさせて頂いたことがあるくらいで向こうはわたしのことなんてご存知ないと思うの」
「そんなことないわ。叔父様はとても感心していたの。ロセス公爵家でたくさんの人が罹ったストマの病気を治したこと、それから公爵家の仕事ぶりも感心していたわ。15歳の少女が公爵夫人の代理であそこまで仕事をこなせるなんてと言っていたの。わたしとても嬉しかったのよ?セレンのこと褒められて」
「エリザベス様にそんな風に言ってもらえてとても嬉しいです。一度騎士団に顔を出してお話を聞いてから仕事を受けるか決めてもよろしいですか?」
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* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。