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エピローグ
ライオネル様がスティーブ様と笑い合っている。
二人は騎士同士知人で仲が良いらしい。
知らなかった。
ライオネル様曰く「言ったらセレン俺と話さなくなるだろう?」ーーうん確かに。
わたしはそんな二人をじっと見ていた。
「セレンこっちにおいで、一緒に話そう」
ライオネル様が手でおいでおいでとソファの横に座るように勧めてきた。
今日は何故か三人で食事をしていた。
ライオネル様が声をかけてきて仕事帰りに街に出てレストランへと向かった。その後ライオネル様の屋敷に連れて行かれ軽くワインを飲んでいる。
わたしはお酒は苦手なので紅茶をいただく。
「で、どうするの?」
「で?って何ですか?」
ライオネル様は酔っているのか突然私の肩に手を置いて話し出した。
「え?復縁だよ」
「復縁って何ですか?」
「噂になってるよ。二人はまた元さやになるんだろうって」
「友人になっただけです」
わたしの言葉にスティーブ様も苦笑しながら相槌を打った。
「うん、お互い意地を張る必要も無くなったし気がついたら普通に話すようになったんだ」
お父様の馬車の事故以来、なんだかんだとお礼をしたりで会うことがあり、気がつけば普通に話せるようになっていた。
「ふうんだったらやっぱりセレン俺と結婚しよう」
またライオネル様が耳元で囁いてくる。
「いやいや今は確か法務局のパトリシア様とお付き合いしていますよね?」
「うん?何で知ってるの?」
「そりゃパトリシア様がみんなにマウント取って言いふらしてるからですよ。特にわたしのところに何度も来て『わたし今日はライオネルとデートなの』とか『昨日はお泊まりしたの』とかご報告にくるんですもの。
絶対勘違いしてるんだろうなと思って『わたしライオネル様とは何の関係もありません』と言ったら『だったら話さないでよ!』と昨日怒鳴られましたもの」
「うわあ、怖い」
「いや、貴方に言いましたよね?わたしに話しかけないで欲しいと。なのに今日も食事に行こうなんて言い出すから明日なんて言われるか考えただけで恐ろしいですよ」
「わかった、明日別れる」
「わたし別れて欲しいなんて言ってません!わたしに声をかけないでくれれば絡まれなくてすみます」
「ごめんそれは出来ない、セレンは大事な友人だから」
「愛情より友情を取るなんてやめた方がいいと思いますよ?」
「俺もそう思う」
スティーブ様は笑いを堪えていた。
「セレン、だったら友情はやめる、愛情だけにするから結婚して欲しい」
ライオネル様が真剣な顔をした。
「セレン、いいと思うよ」
「何でスティーブ様がそんなこと言うの?」
「だって二人は本当に仲がいいだろう?」
「だからってスティーブ様が口出すことではない!」
「すまない、俺帰るよ」
スティーブ様が帰ろうとするのをわたしは後ろから服を掴んだ。
「何でわたしを置いて帰るんですか?」
「邪魔者は消えた方がーー」
「邪魔じゃない、邪魔なんて思ってない。やっと話せるようになったのに……やっと素直になれそうなのに……どうして他の人と付き合わせようとするの?そんなにわたしが嫌いですか?もう恋愛感情はありませんか」
うっ……ひっ……
「ほらやっと素直になった。俺が席を外すよ」
ライオネル様はわたしの耳元で
「ちゃんと今度こそ素直にならないと本当に俺の嫁さんにするよ」と言ってわたしの髪をくしゃっとして部屋から出て行った。
「スティーブ様……わたしーーー「俺ずっとセレンだけが好きだった。何回も忘れようとしたけどダメで……友人でいいと思っていたのに……俺にはもう地位も財力もない。だけどセレンを好きな気持ちは負けてない」
「セレン、愛しています」
私は立ったままわんわん泣いた。
ずっとずっと好きなのに何度も傷つけられて嫌いになろうとしたのに……なかなか忘れられなくて……
「もしまた浮気したら絶対許さないから」
「しない」
「もう冷たくしないで」
「しない、ずっと優しくする」
「他の人を勧めたくせに」
「ごめん、セレンがライオネルが好きなら諦めようと思ったんだ。二人はとても仲がいいから」
「少しはヤキモチ妬いた?」
「うん、諦めようと思うくらいには」
「ふふ、イザベル様との時の私の気持ちわかった?」
「ああ、かなり辛いものがあるね」
「わたしもスティーブ様のこと諦めるつもりだった。友人として付き合うだけでいいと思ってた」
「ライオネルはいいの?」
「ライオネル様にはもうずっと前に断ってる。彼は友人だよ」
「あいつ俺を態と煽ってたんだな」
「えっ?」
「セレンのことばかり俺の前で話すんだ。俺が勘違いするくらい」
「勘違いしたの?」
「仕方ないだろう、セレンに酷いことしたのは俺だったんだから。今更好きだなんて言えなかった」
「わたしもスティーブ様が好きです」
もう諦めようとしたけど………
もう終わった恋だったけど………
どうしても忘れられなかった。
わたしは貴方を愛しています。
二人は騎士同士知人で仲が良いらしい。
知らなかった。
ライオネル様曰く「言ったらセレン俺と話さなくなるだろう?」ーーうん確かに。
わたしはそんな二人をじっと見ていた。
「セレンこっちにおいで、一緒に話そう」
ライオネル様が手でおいでおいでとソファの横に座るように勧めてきた。
今日は何故か三人で食事をしていた。
ライオネル様が声をかけてきて仕事帰りに街に出てレストランへと向かった。その後ライオネル様の屋敷に連れて行かれ軽くワインを飲んでいる。
わたしはお酒は苦手なので紅茶をいただく。
「で、どうするの?」
「で?って何ですか?」
ライオネル様は酔っているのか突然私の肩に手を置いて話し出した。
「え?復縁だよ」
「復縁って何ですか?」
「噂になってるよ。二人はまた元さやになるんだろうって」
「友人になっただけです」
わたしの言葉にスティーブ様も苦笑しながら相槌を打った。
「うん、お互い意地を張る必要も無くなったし気がついたら普通に話すようになったんだ」
お父様の馬車の事故以来、なんだかんだとお礼をしたりで会うことがあり、気がつけば普通に話せるようになっていた。
「ふうんだったらやっぱりセレン俺と結婚しよう」
またライオネル様が耳元で囁いてくる。
「いやいや今は確か法務局のパトリシア様とお付き合いしていますよね?」
「うん?何で知ってるの?」
「そりゃパトリシア様がみんなにマウント取って言いふらしてるからですよ。特にわたしのところに何度も来て『わたし今日はライオネルとデートなの』とか『昨日はお泊まりしたの』とかご報告にくるんですもの。
絶対勘違いしてるんだろうなと思って『わたしライオネル様とは何の関係もありません』と言ったら『だったら話さないでよ!』と昨日怒鳴られましたもの」
「うわあ、怖い」
「いや、貴方に言いましたよね?わたしに話しかけないで欲しいと。なのに今日も食事に行こうなんて言い出すから明日なんて言われるか考えただけで恐ろしいですよ」
「わかった、明日別れる」
「わたし別れて欲しいなんて言ってません!わたしに声をかけないでくれれば絡まれなくてすみます」
「ごめんそれは出来ない、セレンは大事な友人だから」
「愛情より友情を取るなんてやめた方がいいと思いますよ?」
「俺もそう思う」
スティーブ様は笑いを堪えていた。
「セレン、だったら友情はやめる、愛情だけにするから結婚して欲しい」
ライオネル様が真剣な顔をした。
「セレン、いいと思うよ」
「何でスティーブ様がそんなこと言うの?」
「だって二人は本当に仲がいいだろう?」
「だからってスティーブ様が口出すことではない!」
「すまない、俺帰るよ」
スティーブ様が帰ろうとするのをわたしは後ろから服を掴んだ。
「何でわたしを置いて帰るんですか?」
「邪魔者は消えた方がーー」
「邪魔じゃない、邪魔なんて思ってない。やっと話せるようになったのに……やっと素直になれそうなのに……どうして他の人と付き合わせようとするの?そんなにわたしが嫌いですか?もう恋愛感情はありませんか」
うっ……ひっ……
「ほらやっと素直になった。俺が席を外すよ」
ライオネル様はわたしの耳元で
「ちゃんと今度こそ素直にならないと本当に俺の嫁さんにするよ」と言ってわたしの髪をくしゃっとして部屋から出て行った。
「スティーブ様……わたしーーー「俺ずっとセレンだけが好きだった。何回も忘れようとしたけどダメで……友人でいいと思っていたのに……俺にはもう地位も財力もない。だけどセレンを好きな気持ちは負けてない」
「セレン、愛しています」
私は立ったままわんわん泣いた。
ずっとずっと好きなのに何度も傷つけられて嫌いになろうとしたのに……なかなか忘れられなくて……
「もしまた浮気したら絶対許さないから」
「しない」
「もう冷たくしないで」
「しない、ずっと優しくする」
「他の人を勧めたくせに」
「ごめん、セレンがライオネルが好きなら諦めようと思ったんだ。二人はとても仲がいいから」
「少しはヤキモチ妬いた?」
「うん、諦めようと思うくらいには」
「ふふ、イザベル様との時の私の気持ちわかった?」
「ああ、かなり辛いものがあるね」
「わたしもスティーブ様のこと諦めるつもりだった。友人として付き合うだけでいいと思ってた」
「ライオネルはいいの?」
「ライオネル様にはもうずっと前に断ってる。彼は友人だよ」
「あいつ俺を態と煽ってたんだな」
「えっ?」
「セレンのことばかり俺の前で話すんだ。俺が勘違いするくらい」
「勘違いしたの?」
「仕方ないだろう、セレンに酷いことしたのは俺だったんだから。今更好きだなんて言えなかった」
「わたしもスティーブ様が好きです」
もう諦めようとしたけど………
もう終わった恋だったけど………
どうしても忘れられなかった。
わたしは貴方を愛しています。
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