25 / 26
25話 記憶が戻らなくても。
セルジオ様は何故かいつもわたしに優しい。
氷の騎士と呼ばれていたセルジオ様。笑うこともなく、少し近寄り難いと言われている人。
なのに女性達からかなりの人気がある。
聞くところによるとかなりの婚約の打診がきているのに全て断っているらしい。
あんなカッコいいのにどうして婚約者をつくらないのかしら?不思議。
だからマリーナ様に聞いてみたら
「セルジオ様はずっと一人の人を愛しているの」と教えてくれた。
ーーずっと一人の人を愛している……その言葉にズキンときて胸が苦しくなった。
セルジオ様に愛されている人はどんな人なのだろう。やはり彼に似合う大人の綺麗な人なのだろうか。
この領地に住んでいる人なのかしら?
つい綺麗な女性を見ると気になって探してしまう。セルジオ様の愛している女性。
名前もどんな人かも知らないのに探してもわかるわけがない。
「どうしてセルジオ様のことが気になるのかしら?」
自分に問う、でもよくわからない。
コンコン。
「はい?」
「ジェシカ?ちょっといいかな?」
セルジオ様のことを考えていたら彼が現れたので内心ドキドキしたけど、顔に出さずに扉を開けた。
「セルジオ様どうしたました?」
「これ、どうぞ」
なんだろう?
「ふふ、もしかしてこの前言っていたケーキですか?」
「そう、仕事で隣町へ行ったんだ。ジェシカが人気のお店があると言ってたからついでに買って来た」
「嬉しいです、では一緒にお茶をしましょう」
セルジオ様はわたしがふとした噂話を覚えていてくれて、近くに行ったからとよく色々なものを買って来てくれる。
綺麗なお花だったり食べ物だったり、アクセサリーだったり。
わたしが貰っても困らない程度のものを贈ってくれるのでわたしも気にせず受け取ることができる。
天気がいいのでジルも連れて中庭に出て、セルジオ様から頂いたケーキを一緒に食べた。
「ジェシカは本当にジルが好きなんだな?」
「ジル?もちろんです、ジルはわたしの護衛騎士なんです」
「ジルが?」
「はい、この前散歩している時も知らない人が話しかけてこようと近づいてきて、ジルが吠えて守ってくれたんです」
ジルが嬉しそうに尻尾をフリフリして可愛くてわたしは思わずジルの頭を撫でた。
「そうか、ジルは守ってくれるんだな」
「はい」
ーーうん?よくわからない、なんだろう?この感じは……何か大切なことを忘れている気がするのに。
「今度騎士団の剣技大会があるんだ、よかったらマリーナ達と見に来てほしい」
「剣技大会?」
「そう、一応俺もエントリーしたから、気が向いたら見に来てよ」
「セルジオ様の騎士姿を見るのは初めてですね?楽しみにしています」
セルジオ様は少し困った顔をした。たぶん……記憶をなくす前は騎士姿を見たことがあるのだろう。
マリーナ様を誘って剣技大会に行くと、観客の多さに驚いた。
「マリーナ様、人が多すぎない?」
「人気のある騎士に会いに来ているのよ、特に婚約者のいない人や恋人のいない騎士は物凄い人気なの」
「…そうなのね」
「セルジオ様はその中では一番人気なのよ」
「セルジオ様?」
「浮いた噂はないし女性にだらしなくない。剣も上手だし何より顔がいいでしょう?伯爵令息嫡男だしね、みんな狙っているのよ」
なんだかモヤモヤする。
周りの人たちがセルジオ様に熱い視線で見ているのが確かにわかる。
わたしはマリーナ様とティムと三人で椅子に座って大会を見学していた。
まだセルジオ様の順番が回ってくる前だったのか、セルジオ様が私たちの姿を見つけて近寄って来た。
「「「「キャー」」」」
周りの悲鳴のような声に驚き思わず見回しているとセルジオ様は耳にすら入っていないようにその叫び声を無視して淡々とこちらに向かって来た。
「ジェシカ!」
わたしと目が合うとさっきまでの淡々とした無表情な顔は消えていつもの優しい顔に戻っていた。
ーーよかった、一瞬怖くてどうしようかと思ったわ
「兄上、俺とマリーナもいるんだけど?」
ティムがセルジオ様に苦笑いをしながら言うと
「知ってる」と感情なく答えた。
「ったく、ジェシカしか見えていないんだから」
ティムはぶつぶつと言っていた。
「??」
わたしがキョトンとしているとマリーナ様がクスクス笑いながら
「セルジオ様は普段笑わないし氷の騎士と言われるほど愛想がないし、犯人を捕まえる時なんてとっても非情だと言われているのよ」
「マリーナ、余計なことは言わないで」
この会場でのセルジオ様は屋敷でいる時とは全く違っていた。
とても近寄りがたい雰囲気を出していたし、マリーナ様と親しげに話している姿は……ちょっと羨ましかった。
わたしには見せない姿だから……セルジオ様が近くにいるといつも心がザワザワとうるさい。ティムといる時はいつも落ち着いているのに………
「ジェシカもうすぐ俺の試合だから勝つから近くで見てて」
「うん、わかったわ」
セルジオ様がそう言うならと近くの席に行くことにした。その場所は身内しか座れない場所らしく、私たち三人が座るとみんながジロジロとこっちを見始めた。
みんながわたしのことを悪く言っているのが耳に入ってきた。
「ジェシカは気にしなくていい、知らん顔して座ってたらいいよ」
ティムがみんなからの視線を遮るようにして座ってくれた。
「だいたいさ、この剣技大会の主催者って君の父親なんだよ?この騎士団を運営しているのだってこの領地だって全てジェシカの父親である従叔父上のものなんだ、それなのにあの令嬢達の態度、どう思う?」
ティムが怒ってくれるのは嬉しいけどあまり気にしていないわたしとしてはどうでもいい。
「ったく、ジェシカ、どうでもいいと思ってるだろう?あいつらかなり酷いこと言ってるのに!少しは怒った方がいいぞ!」
「ふふ、わたしの代わりに怒ってくれるから怒ること出来ないじゃない」
「ほんと、ティムがそんなに怒るの珍しい」
マリーナ様も笑っていた。
「ま、いいや、兄上の試合見ようよ」
「うん、楽しみだわ。わたしセルジオ様の剣捌きを見るのは初めてなの」
「………そうだね」
やはりティムもなんとも言えない顔をしていた。やっぱり以前はセルジオ様の剣捌き見たことがあるのだろうと感じた。
試合が始まった。
相手は3歳年上で実力もセルジオ様よりもかなり上だと言われているらしい。
やはりセルジオ様が押されていた。それでも必死に食らいついて闘う姿にわたしはグッと手を握りしめて見ていた。
『セルジオは騎士様になるのね?かっこいい!いつかわたしの騎士様になって欲しいわ』
ーーわたしには何も記憶がない。なのにこの言葉はなんだろう?
セルジオ様のことを……「セルジオ?」
「セルジオ!貴方はわたしの騎士様になる約束でしょう?負けないで!」
気がつけばわたしは大きな声でセルジオ様に叫んでいた。
チラッとわたしを見たセルジオ様は勢いを取り戻して相手を倒していた。
「ティム、マリーナ!勝ったわ!」
わたしが二人に向かって叫ぶと「マリーナ?様がなくなってる!」
「え?ごめんなさい、無意識だったの。怒らないで嫌な気持ちにさせてしまった?」
わたしが急いで謝ると
「違うの!嬉しいの!以前はマリーナと呼んでくれていたから!またマリーナと呼んでくれることが嬉しいの」
「そ、そうだったの?」
◆ ◆ ◆
【え?嫌です、我慢なんて致しません!わたしの好きにさせてもらいます】
今日から新しいお話が始まります。
よければ読んでいただけたら嬉しいです!
よろしくお願いいたします。
氷の騎士と呼ばれていたセルジオ様。笑うこともなく、少し近寄り難いと言われている人。
なのに女性達からかなりの人気がある。
聞くところによるとかなりの婚約の打診がきているのに全て断っているらしい。
あんなカッコいいのにどうして婚約者をつくらないのかしら?不思議。
だからマリーナ様に聞いてみたら
「セルジオ様はずっと一人の人を愛しているの」と教えてくれた。
ーーずっと一人の人を愛している……その言葉にズキンときて胸が苦しくなった。
セルジオ様に愛されている人はどんな人なのだろう。やはり彼に似合う大人の綺麗な人なのだろうか。
この領地に住んでいる人なのかしら?
つい綺麗な女性を見ると気になって探してしまう。セルジオ様の愛している女性。
名前もどんな人かも知らないのに探してもわかるわけがない。
「どうしてセルジオ様のことが気になるのかしら?」
自分に問う、でもよくわからない。
コンコン。
「はい?」
「ジェシカ?ちょっといいかな?」
セルジオ様のことを考えていたら彼が現れたので内心ドキドキしたけど、顔に出さずに扉を開けた。
「セルジオ様どうしたました?」
「これ、どうぞ」
なんだろう?
「ふふ、もしかしてこの前言っていたケーキですか?」
「そう、仕事で隣町へ行ったんだ。ジェシカが人気のお店があると言ってたからついでに買って来た」
「嬉しいです、では一緒にお茶をしましょう」
セルジオ様はわたしがふとした噂話を覚えていてくれて、近くに行ったからとよく色々なものを買って来てくれる。
綺麗なお花だったり食べ物だったり、アクセサリーだったり。
わたしが貰っても困らない程度のものを贈ってくれるのでわたしも気にせず受け取ることができる。
天気がいいのでジルも連れて中庭に出て、セルジオ様から頂いたケーキを一緒に食べた。
「ジェシカは本当にジルが好きなんだな?」
「ジル?もちろんです、ジルはわたしの護衛騎士なんです」
「ジルが?」
「はい、この前散歩している時も知らない人が話しかけてこようと近づいてきて、ジルが吠えて守ってくれたんです」
ジルが嬉しそうに尻尾をフリフリして可愛くてわたしは思わずジルの頭を撫でた。
「そうか、ジルは守ってくれるんだな」
「はい」
ーーうん?よくわからない、なんだろう?この感じは……何か大切なことを忘れている気がするのに。
「今度騎士団の剣技大会があるんだ、よかったらマリーナ達と見に来てほしい」
「剣技大会?」
「そう、一応俺もエントリーしたから、気が向いたら見に来てよ」
「セルジオ様の騎士姿を見るのは初めてですね?楽しみにしています」
セルジオ様は少し困った顔をした。たぶん……記憶をなくす前は騎士姿を見たことがあるのだろう。
マリーナ様を誘って剣技大会に行くと、観客の多さに驚いた。
「マリーナ様、人が多すぎない?」
「人気のある騎士に会いに来ているのよ、特に婚約者のいない人や恋人のいない騎士は物凄い人気なの」
「…そうなのね」
「セルジオ様はその中では一番人気なのよ」
「セルジオ様?」
「浮いた噂はないし女性にだらしなくない。剣も上手だし何より顔がいいでしょう?伯爵令息嫡男だしね、みんな狙っているのよ」
なんだかモヤモヤする。
周りの人たちがセルジオ様に熱い視線で見ているのが確かにわかる。
わたしはマリーナ様とティムと三人で椅子に座って大会を見学していた。
まだセルジオ様の順番が回ってくる前だったのか、セルジオ様が私たちの姿を見つけて近寄って来た。
「「「「キャー」」」」
周りの悲鳴のような声に驚き思わず見回しているとセルジオ様は耳にすら入っていないようにその叫び声を無視して淡々とこちらに向かって来た。
「ジェシカ!」
わたしと目が合うとさっきまでの淡々とした無表情な顔は消えていつもの優しい顔に戻っていた。
ーーよかった、一瞬怖くてどうしようかと思ったわ
「兄上、俺とマリーナもいるんだけど?」
ティムがセルジオ様に苦笑いをしながら言うと
「知ってる」と感情なく答えた。
「ったく、ジェシカしか見えていないんだから」
ティムはぶつぶつと言っていた。
「??」
わたしがキョトンとしているとマリーナ様がクスクス笑いながら
「セルジオ様は普段笑わないし氷の騎士と言われるほど愛想がないし、犯人を捕まえる時なんてとっても非情だと言われているのよ」
「マリーナ、余計なことは言わないで」
この会場でのセルジオ様は屋敷でいる時とは全く違っていた。
とても近寄りがたい雰囲気を出していたし、マリーナ様と親しげに話している姿は……ちょっと羨ましかった。
わたしには見せない姿だから……セルジオ様が近くにいるといつも心がザワザワとうるさい。ティムといる時はいつも落ち着いているのに………
「ジェシカもうすぐ俺の試合だから勝つから近くで見てて」
「うん、わかったわ」
セルジオ様がそう言うならと近くの席に行くことにした。その場所は身内しか座れない場所らしく、私たち三人が座るとみんながジロジロとこっちを見始めた。
みんながわたしのことを悪く言っているのが耳に入ってきた。
「ジェシカは気にしなくていい、知らん顔して座ってたらいいよ」
ティムがみんなからの視線を遮るようにして座ってくれた。
「だいたいさ、この剣技大会の主催者って君の父親なんだよ?この騎士団を運営しているのだってこの領地だって全てジェシカの父親である従叔父上のものなんだ、それなのにあの令嬢達の態度、どう思う?」
ティムが怒ってくれるのは嬉しいけどあまり気にしていないわたしとしてはどうでもいい。
「ったく、ジェシカ、どうでもいいと思ってるだろう?あいつらかなり酷いこと言ってるのに!少しは怒った方がいいぞ!」
「ふふ、わたしの代わりに怒ってくれるから怒ること出来ないじゃない」
「ほんと、ティムがそんなに怒るの珍しい」
マリーナ様も笑っていた。
「ま、いいや、兄上の試合見ようよ」
「うん、楽しみだわ。わたしセルジオ様の剣捌きを見るのは初めてなの」
「………そうだね」
やはりティムもなんとも言えない顔をしていた。やっぱり以前はセルジオ様の剣捌き見たことがあるのだろうと感じた。
試合が始まった。
相手は3歳年上で実力もセルジオ様よりもかなり上だと言われているらしい。
やはりセルジオ様が押されていた。それでも必死に食らいついて闘う姿にわたしはグッと手を握りしめて見ていた。
『セルジオは騎士様になるのね?かっこいい!いつかわたしの騎士様になって欲しいわ』
ーーわたしには何も記憶がない。なのにこの言葉はなんだろう?
セルジオ様のことを……「セルジオ?」
「セルジオ!貴方はわたしの騎士様になる約束でしょう?負けないで!」
気がつけばわたしは大きな声でセルジオ様に叫んでいた。
チラッとわたしを見たセルジオ様は勢いを取り戻して相手を倒していた。
「ティム、マリーナ!勝ったわ!」
わたしが二人に向かって叫ぶと「マリーナ?様がなくなってる!」
「え?ごめんなさい、無意識だったの。怒らないで嫌な気持ちにさせてしまった?」
わたしが急いで謝ると
「違うの!嬉しいの!以前はマリーナと呼んでくれていたから!またマリーナと呼んでくれることが嬉しいの」
「そ、そうだったの?」
◆ ◆ ◆
【え?嫌です、我慢なんて致しません!わたしの好きにさせてもらいます】
今日から新しいお話が始まります。
よければ読んでいただけたら嬉しいです!
よろしくお願いいたします。
あなたにおすすめの小説
『病弱な幼馴染を優先してください』と言った妻が消えた翌日、夫は領地の会計書類が全て白紙になっていることに気づいた
歩人
ファンタジー
侯爵家に嫁いで五年。ルチアは夫エミルの領地会計・社交・使用人管理を全て一人で担ってきた。だがエミルはいつも幼馴染のアリーチェを優先する。「アリーチェは体が弱いんだ、お前とは違う」——その言葉を百回聞いた日、ルチアは微笑んで離縁届に署名した。「ええ、私は丈夫ですから。どうぞ幼馴染様をお大事に」。翌朝、エミルが目にしたのは——税務報告の締切、領民からの陳情の山、そして紅茶の淹れ方すら知らない自分。三ヶ月後、かつて「地味な妻」と呼ばれたルチアは、辺境伯の財務顧問として辣腕を振るっていた。
「静かで、退屈な婚約者だった」と切り捨てられたので、最後くらい全部言って去ることにしました
桃我タロー
恋愛
「静かで、退屈な婚約者だった」
婚約破棄のその日、王太子は広間でそう言い捨てた。
三年間、失言を隠し、場を整え、黙って支えてきたのに。
どうやら私に必要だったのは婚約者ではなく、“便利な人”という役割だけだったらしい。
しかも隣には、つい三日前まで殿下の従兄に求婚していた令嬢まで立っていて――。
ならばもう、黙っている理由はない。
これは、最後まで笑って終わるつもりだった令嬢が、自分の声を取り戻す話。
五度目の人生でも「君を愛することはない」と言われたので、私も愛を捨てました
たると
恋愛
「ルチア、私は君を愛することはない。この婚約は単なる義務だ」
冷徹な公爵、アルベルトの声が夜会会場の片隅で響く。
これで、五度目だ。
私は深く、そして軽やかに一礼した。
「承知いたしました。では、今後はそのように」
これまでは泣いて縋り、彼を振り向かせようと必死に尽くしてきた。
だが、死に戻りを五回も繰り返せば、流石に飽きる。
私は彼を愛することを、きっぱりと辞めた。
婚約破棄されたので、前世で倒した魔王を婿にします
なかすあき
恋愛
王宮の舞踏会で、王太子ユリウスから公開の婚約破棄を告げられた公爵令嬢フィオナ。
正式な破棄のために持ち出された王家の宝具「破婚の鏡」は、なぜか黒くひび割れ、彼女の前世の記憶を呼び覚ます。
前世のフィオナは、勇者一行の聖職者として魔王を討った女だった。
だがその瞬間、破婚の鏡は異界への門へと変わり、かつて自ら倒したはずの魔王ゼルヴァンが現れる。
「ようやく、直接会えた。結婚しろ、フィオナ」
軽い恋に酔って婚約者を切り捨てた王太子。
前世で討たれてなお、今世で彼女を探し続けていた魔王。
婚約を失った夜に始まったのは、失恋ではなく、
前世から続く、とびきり厄介な求婚の続きだった。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
婚約破棄された公爵令嬢ですが、家族も元婚約者もすべて失いました
あう
恋愛
「真実の愛を見つけた。君との婚約は破棄する」
王都の夜会でそう告げられたのは、公爵令嬢セリシア・ルヴァリエ。
隣に立っていたのは、かねてより彼女を陥れてきた義妹ミレイナだった。
継母は義妹を溺愛し、父は家の利益のために沈黙を貫く。
味方は誰一人いない――まさに四面楚歌。
だが、セリシアは涙を流さなかった。
「婚約破棄、謹んでお受けいたしますわ」
それは絶望ではなく、すべてを覆す反撃の始まりだった。
やがて明らかになる数々の真実。
裏切り者たちは自らの罪によって転落していき、セリシアは新たな出会いとともに、自らの人生を切り開いていく。
これは、誇り高き令嬢が四面楚歌から大逆転を果たし、裏切った者たちに救済なき断罪を下す物語。
そして最後に手にするのは――本当の愛と、揺るがぬ幸せ。
---
■キャッチコピー案(任意で使用可能)
「救済なし、後悔だけをあなたに。」
「すべてを奪ったつもりでしたか? 最後に失うのはあなた方です。」
「四面楚歌の令嬢による、華麗なる大逆転劇。」
【本編完結】笑顔で離縁してください 〜貴方に恋をしてました〜
桜夜
恋愛
「旦那様、私と離縁してください!」
私は今までに見せたことがないような笑顔で旦那様に離縁を申し出た……。
私はアルメニア王国の第三王女でした。私には二人のお姉様がいます。一番目のエリーお姉様は頭脳明晰でお優しく、何をするにも完璧なお姉様でした。二番目のウルルお姉様はとても美しく皆の憧れの的で、ご結婚をされた今では社交界の女性達をまとめております。では三番目の私は……。
王族では国が豊かになると噂される瞳の色を持った平凡な女でした…
そんな私の旦那様は騎士団長をしており女性からも人気のある公爵家の三男の方でした……。
平凡な私が彼の方の隣にいてもいいのでしょうか?
なので離縁させていただけませんか?
旦那様も離縁した方が嬉しいですよね?だって……。
*小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
あなたが後悔しても、私の愛はもう戻りません
藤原遊
恋愛
婚約者のアルベルトは、優しい人だった。
ただ――いつも、私より優先する存在がいただけで。
「君は分かってくれると思っていた」
その一言で、リーシェは気づいてしまう。
私は、最初から選ばれていなかったのだと。
これは、奪われた恋を取り戻す物語ではない。
後悔する彼と、もう戻らないと決めた私、
そして“私を選ぶ人”に出会うまでの、静かな恋の終わりと始まりの物語。