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21話 ファーラ編
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お母様がわたしの目の前で亡くなった。
「許さない、わたしはあの親子を許さない。産まなければよかった、あんたなんか産まなければ離縁出来たのに。みんな死ねばいい、絶対許さないわ」
そう言いながらベランダから飛び降りた。
呪いの言葉を吐きながら。
どうせならあの親子の前で死ねばよかったのに。
どうせならお父様の前で呪いながら死ねばよかったのに。
どうしてわたし一人だけの時に死んでしまったの?
愛されていないことはわかっていたわ。だけど、憎まれていたなんて。
悲しくて辛くて泣いていたのに……
お父様はお母様が亡くなったとき
「やっといなくなったか」
と呟いた。
お母様が死んだのに……だけどお父様はわたしの存在など「ないもの」として過ごしてきていたので、わたしが泣いているのに抱きしめてくれることも声をかけてくれることもなかった。
「泣くな、鬱陶しい」
葬式の日、声をかけられたのはこの一言だけだった。
葬儀の後、悲しみの中静かに部屋で過ごすようになった。屋敷の使用人達はわたしに優しかったので、お父様に無視されていてもなんとか過ごすことは出来ていた。
なのに気がついたら知らない親子がお父様と楽しそうに過ごしていた。
そう、いつの間にか三人家族が出来上がっていたのだ。
わたしに気がついた女の子は
「お義姉様?わたしはティア。姉妹になれて嬉しい」
満面の笑みでわたしに抱きついた。
ーーああ、この親子がお母様が死んでいく時に呪いながら死ねばいいと言っていた人達ね。
「ファーラ、挨拶ぐらいしないか!」
わたしが黙っているとお父様が怒鳴った。
「お父様、そんなに怒ったら駄目よ?お義姉様が困ってしまうわ」
そう言ってお父様にぷくっと頬を膨らませて怒っていた。
「すまない、愛するティア。ファーラ、ティアのことよろしく頼むぞ。いいかくれぐれも妹なんだから大切にしてやってくれ」
「………はい」
ーーティアの前では優しい父親を演じるのね。わかったわ。わたしもティアの前では優しい義姉を演じてやるわ。
わたしはそう決心して、この人達の前では静かで優しい義姉を演じた。
それでもお父様はわたしがティアより優秀なことが許せなかったらしい。
「お前はティアを馬鹿にしているのか?」
義妹よりも成績がいいとそれだけで叩かれた。
わたしの顔がお母様にそっくりだからと言う理由で今度は屋根裏部屋に入れられた。
「いや、出して!」
「うるさい、そんなに勉強をしたいならここでずっとやればいい。この問題集が終わるまで出すな!」
使用人に命令した。
「お願いお父様、なんでも言うことを聞くからここは嫌!」
「うるさい黙れ」そう言ってわたしを殴りつけた。
わたしは傷だらけでぐったりしていると、リズが泣きながら「助けてあげられなくてすみません」と手当てをしてくれた。
お父様は食事の量も減らすように指示してわたしはいつもお腹をすかせることになった。
でも屋敷の使用人達はみんなこっそりと食べ物を運んでくれた。
「みんないつもありがとう」
わたしがお礼を言うと
「助けてあげられなくて申し訳ありません」と涙ぐんでいた。
わたしはみんなに助けられて生かされていた。
屋根裏部屋から出されると、家族の食卓に呼ばれる。
ティアが四人で食事をしたがるからだ。
ティアは一人楽しそうに話をする。それをお父様も義母もニコニコと笑いながら聞いている。
彼女はわたしが昨日まで何処にいたか知らない。
「お義姉様はいいな。ずっと領地で過ごされていたのでしょう?わたしも一緒に行きたかったわ。お父様、今度はわたしも一緒に行ってもいいかしら?」
「もちろんいいとも。ファーラだけ楽しい思いをしたんだからな。次はティアの番だ。たくさんドレスを買ってたくさん宝石を買って可愛く着飾って行くとしよう」
「ほんとぉ?嬉しい」
ーー殺してやりたい。わたしはこの二週間どんな思いで過ごしてきたのか。
ティアはまだうっすら残っているわたしの頬の傷跡すら気が付かない。自分のことしか考えていない。
今、ここに居るわたしを見ていない。
野菜の入っていない冷たいスープ、数日前のパン、わずかなおかず。わたしの古びたドレス。
この子の目にはわたしのことなど何も見えていない。
そしてその横にいる義母は、そんな娘のことも愛していない。
ニコニコ笑っていても娘のことなど見ていない。
この義母にはお父様しか見えていない。
なんて恐ろしい親子なのかしら?
こんな二人を愛してやまないお父様。
わたしはこんな家族なんて要らない。
「許さない、わたしはあの親子を許さない。産まなければよかった、あんたなんか産まなければ離縁出来たのに。みんな死ねばいい、絶対許さないわ」
そう言いながらベランダから飛び降りた。
呪いの言葉を吐きながら。
どうせならあの親子の前で死ねばよかったのに。
どうせならお父様の前で呪いながら死ねばよかったのに。
どうしてわたし一人だけの時に死んでしまったの?
愛されていないことはわかっていたわ。だけど、憎まれていたなんて。
悲しくて辛くて泣いていたのに……
お父様はお母様が亡くなったとき
「やっといなくなったか」
と呟いた。
お母様が死んだのに……だけどお父様はわたしの存在など「ないもの」として過ごしてきていたので、わたしが泣いているのに抱きしめてくれることも声をかけてくれることもなかった。
「泣くな、鬱陶しい」
葬式の日、声をかけられたのはこの一言だけだった。
葬儀の後、悲しみの中静かに部屋で過ごすようになった。屋敷の使用人達はわたしに優しかったので、お父様に無視されていてもなんとか過ごすことは出来ていた。
なのに気がついたら知らない親子がお父様と楽しそうに過ごしていた。
そう、いつの間にか三人家族が出来上がっていたのだ。
わたしに気がついた女の子は
「お義姉様?わたしはティア。姉妹になれて嬉しい」
満面の笑みでわたしに抱きついた。
ーーああ、この親子がお母様が死んでいく時に呪いながら死ねばいいと言っていた人達ね。
「ファーラ、挨拶ぐらいしないか!」
わたしが黙っているとお父様が怒鳴った。
「お父様、そんなに怒ったら駄目よ?お義姉様が困ってしまうわ」
そう言ってお父様にぷくっと頬を膨らませて怒っていた。
「すまない、愛するティア。ファーラ、ティアのことよろしく頼むぞ。いいかくれぐれも妹なんだから大切にしてやってくれ」
「………はい」
ーーティアの前では優しい父親を演じるのね。わかったわ。わたしもティアの前では優しい義姉を演じてやるわ。
わたしはそう決心して、この人達の前では静かで優しい義姉を演じた。
それでもお父様はわたしがティアより優秀なことが許せなかったらしい。
「お前はティアを馬鹿にしているのか?」
義妹よりも成績がいいとそれだけで叩かれた。
わたしの顔がお母様にそっくりだからと言う理由で今度は屋根裏部屋に入れられた。
「いや、出して!」
「うるさい、そんなに勉強をしたいならここでずっとやればいい。この問題集が終わるまで出すな!」
使用人に命令した。
「お願いお父様、なんでも言うことを聞くからここは嫌!」
「うるさい黙れ」そう言ってわたしを殴りつけた。
わたしは傷だらけでぐったりしていると、リズが泣きながら「助けてあげられなくてすみません」と手当てをしてくれた。
お父様は食事の量も減らすように指示してわたしはいつもお腹をすかせることになった。
でも屋敷の使用人達はみんなこっそりと食べ物を運んでくれた。
「みんないつもありがとう」
わたしがお礼を言うと
「助けてあげられなくて申し訳ありません」と涙ぐんでいた。
わたしはみんなに助けられて生かされていた。
屋根裏部屋から出されると、家族の食卓に呼ばれる。
ティアが四人で食事をしたがるからだ。
ティアは一人楽しそうに話をする。それをお父様も義母もニコニコと笑いながら聞いている。
彼女はわたしが昨日まで何処にいたか知らない。
「お義姉様はいいな。ずっと領地で過ごされていたのでしょう?わたしも一緒に行きたかったわ。お父様、今度はわたしも一緒に行ってもいいかしら?」
「もちろんいいとも。ファーラだけ楽しい思いをしたんだからな。次はティアの番だ。たくさんドレスを買ってたくさん宝石を買って可愛く着飾って行くとしよう」
「ほんとぉ?嬉しい」
ーー殺してやりたい。わたしはこの二週間どんな思いで過ごしてきたのか。
ティアはまだうっすら残っているわたしの頬の傷跡すら気が付かない。自分のことしか考えていない。
今、ここに居るわたしを見ていない。
野菜の入っていない冷たいスープ、数日前のパン、わずかなおかず。わたしの古びたドレス。
この子の目にはわたしのことなど何も見えていない。
そしてその横にいる義母は、そんな娘のことも愛していない。
ニコニコ笑っていても娘のことなど見ていない。
この義母にはお父様しか見えていない。
なんて恐ろしい親子なのかしら?
こんな二人を愛してやまないお父様。
わたしはこんな家族なんて要らない。
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