【完結】全てわたしが悪者みたいに言ってますが、お義姉様だって悪女ですよね?

たろ

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23話 ファーラ編

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 フランクが留学から帰って来て、何故か公爵家に顔を出すようになった。

「フランク、以前のようにわたしが顔を出すわ」

 お父様達の態度も見られたくないし、ティアに会わせたくなかった。
 ティアはあの可愛らしい笑顔でどんな男の人も夢中にさせてしまう。本人は悪気はない、無自覚なのだとは思う。だけど学園でも婚約者のいる男子に対してもいつも甘えて可愛く我儘を言う。
 婚約者の女の子達からしたらたまったものではない。公爵令嬢でもあるティアに文句は言えない。だけどいろんな男を手玉に取っているようにしか見えない。

 そして予想通りフランクも、ティアと仲良くなっていった。

 わたしは屋敷の中ではいつも忙しく過ごしている。フランクが来てもすぐに会いにいけない。それでも用事を済ませてフランクのところへ急いで向かうと仲良く話しているティアとフランクの姿がある。

 胸がツキンっと痛くなる。

 それでも冷静に話しかける。

 ティアに冷たく言ってるかもしれない。

「ティア、フランクはわたしのお客様なの。あまり馴れ馴れしくしないでちょうだい」

「あっ、お義姉様、ごめんなさい。少しお話ししていただけなんです」
 嬉しそうに「フランク様、ありがとうございます」と言って手を振って去っていく。悪びれたところなど全く感じない。

 あーー、コレが、他の子達が言っていたティアの無自覚な男好きね。

「フランク、あまりティアに構わないで。あの子は……」
 わたしはその先を何と言っていいのかわからなかった。ヤキモチを妬いているだけに聞こえるかもしれない。悪口をただ言っているだけにしか聞こえないかも。

「ううん、もういいわ。ゆっくりお茶でも飲んでお話ししましょう」

 気持ちを切り替えて話しても心の中はモヤモヤしたままだった。

 そんなある日、お父様が体調を崩して寝込むようになった。
 そのせいでわたしの仕事はかなり増えた。今までも学業と仕事をするのは精一杯だったのに、わたしの心は悲鳴をあげていた。

 そして、わたしの心を壊したのは二人が抱き合っている姿を見たからだった。

 ティアにはフランクが来た時は屋敷の中をうろうろしないで欲しいと頼んでいた。
 無自覚だからこそ自覚して欲しかった。フランクはわたしの婚約者であってティアには無関係の人なのだ。

 ティアは「わかりました」と頷いた。
 シュンとしていたが一応約束は守ってくれていたはず。
 なのに、どうして二人は抱きしめ合っているの?
 言い訳をしていても離れようとしない二人。

 だったらわたしだって考えがある。

 クロードのことが頭に浮かんだ。

 裏切り者の二人に何か仕返しがしたかった。

 まさかここから先、わたしが思った以上の復讐劇になるなんて思ってもなかった。

 お父様は許せない。お義母様なんて期待すらしていなかった。
 ティアは天然過ぎてイラッとするけど、本人はまったく悪気がないのだから始末に負えない。

 そしてお父様がとうとう倒れて寝込まれてしまった。
 わたしの仕事はとても忙しくなった。

 ティアのことなんて構っていられない。

 リズに適当にしておいてと言った。

 リズは「かしこまりました。わたしが決めていいのですか?」と、聞いて来た。
 何故わざわざ念を押すのその時は疑問にすら思わなかった。
「ええ、わたしも忙しくてティアのことになんて構っていられないわ」

 まさか数ヶ月も軟禁されていたとはこの時は全く思っていなかった。

「ティアを部屋から出していないの?」

「はい、出てはいけないと言われていたのに部屋から出て問題を起こしたのですから」

 しれっとそう言い切るリズ。

「はあー、もういいわ」
 これはティアを出してあげて、という意味でわたしはリズに言ったつもりだった。

「それよりわたしが婚約解消したフランクとティアの結婚の話が決まったの。ティアに早めに伝えておいて」
 わたしはフランクと婚約を解消した。彼を信じられなくなっていた。
 そしたらフランクのお母様がティアとの結婚をと言い出した。
 我が公爵家は行き詰まっている。フランクのところと仕事の提携をやめたことがかなり痛手だった。

 あの時はカッとなって解消した自分に今更ながら反省した。フランクのことは愛していた。愛していたからこそ許せなかった。
 それにフランクも簡単に受け入れた。
 そのフランクとティアが結婚する。

 複雑な気持ち出しイライラするし。悲しくて泣きそうだった。
 だけど、今は自分の感情だけではこの公爵家の借金は減らない。グッと抑えこんで何も考えず仕事だけに集中していた。

 そして二人の結婚の前日、「リズあの子に会わなきゃ。ティアはもう準備はしているのよね?」

「実は……何も伝えていません」

「はあ?リズ、頼んでいたわよね?」

「ティア様には罰を与えています」

 それからリズがティアに何をしたのか聞いた。頭を抱えるしかなかった。
 全てわたしのためだと言うリズ。

「はあー、もういいわ。全てわたしが貴女に頼んでしまったのだもの」



 わたしは感情を殺してティアに淡々と告げた。

「ティア、貴女の結婚が決まったわ。婚約してから半年が経ったから明日から相手の屋敷へ行ってもらうわ」

「わたしがですか?」

「もちろんよ、お花畑の頭空っぽのティアが出来ることは公爵家のために嫁ぐこと、分かったかしら?」

「お義姉様……お願いがあります、嫁ぐ前にお父様に会わせてください」

「お父様?そう、会いたいのね?いいわよ」








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