24 / 35
23話 ファーラ編
しおりを挟む
フランクが留学から帰って来て、何故か公爵家に顔を出すようになった。
「フランク、以前のようにわたしが顔を出すわ」
お父様達の態度も見られたくないし、ティアに会わせたくなかった。
ティアはあの可愛らしい笑顔でどんな男の人も夢中にさせてしまう。本人は悪気はない、無自覚なのだとは思う。だけど学園でも婚約者のいる男子に対してもいつも甘えて可愛く我儘を言う。
婚約者の女の子達からしたらたまったものではない。公爵令嬢でもあるティアに文句は言えない。だけどいろんな男を手玉に取っているようにしか見えない。
そして予想通りフランクも、ティアと仲良くなっていった。
わたしは屋敷の中ではいつも忙しく過ごしている。フランクが来てもすぐに会いにいけない。それでも用事を済ませてフランクのところへ急いで向かうと仲良く話しているティアとフランクの姿がある。
胸がツキンっと痛くなる。
それでも冷静に話しかける。
ティアに冷たく言ってるかもしれない。
「ティア、フランクはわたしのお客様なの。あまり馴れ馴れしくしないでちょうだい」
「あっ、お義姉様、ごめんなさい。少しお話ししていただけなんです」
嬉しそうに「フランク様、ありがとうございます」と言って手を振って去っていく。悪びれたところなど全く感じない。
あーー、コレが、他の子達が言っていたティアの無自覚な男好きね。
「フランク、あまりティアに構わないで。あの子は……」
わたしはその先を何と言っていいのかわからなかった。ヤキモチを妬いているだけに聞こえるかもしれない。悪口をただ言っているだけにしか聞こえないかも。
「ううん、もういいわ。ゆっくりお茶でも飲んでお話ししましょう」
気持ちを切り替えて話しても心の中はモヤモヤしたままだった。
そんなある日、お父様が体調を崩して寝込むようになった。
そのせいでわたしの仕事はかなり増えた。今までも学業と仕事をするのは精一杯だったのに、わたしの心は悲鳴をあげていた。
そして、わたしの心を壊したのは二人が抱き合っている姿を見たからだった。
ティアにはフランクが来た時は屋敷の中をうろうろしないで欲しいと頼んでいた。
無自覚だからこそ自覚して欲しかった。フランクはわたしの婚約者であってティアには無関係の人なのだ。
ティアは「わかりました」と頷いた。
シュンとしていたが一応約束は守ってくれていたはず。
なのに、どうして二人は抱きしめ合っているの?
言い訳をしていても離れようとしない二人。
だったらわたしだって考えがある。
クロードのことが頭に浮かんだ。
裏切り者の二人に何か仕返しがしたかった。
まさかここから先、わたしが思った以上の復讐劇になるなんて思ってもなかった。
お父様は許せない。お義母様なんて期待すらしていなかった。
ティアは天然過ぎてイラッとするけど、本人はまったく悪気がないのだから始末に負えない。
そしてお父様がとうとう倒れて寝込まれてしまった。
わたしの仕事はとても忙しくなった。
ティアのことなんて構っていられない。
リズに適当にしておいてと言った。
リズは「かしこまりました。わたしが決めていいのですか?」と、聞いて来た。
何故わざわざ念を押すのその時は疑問にすら思わなかった。
「ええ、わたしも忙しくてティアのことになんて構っていられないわ」
まさか数ヶ月も軟禁されていたとはこの時は全く思っていなかった。
「ティアを部屋から出していないの?」
「はい、出てはいけないと言われていたのに部屋から出て問題を起こしたのですから」
しれっとそう言い切るリズ。
「はあー、もういいわ」
これはティアを出してあげて、という意味でわたしはリズに言ったつもりだった。
「それよりわたしが婚約解消したフランクとティアの結婚の話が決まったの。ティアに早めに伝えておいて」
わたしはフランクと婚約を解消した。彼を信じられなくなっていた。
そしたらフランクのお母様がティアとの結婚をと言い出した。
我が公爵家は行き詰まっている。フランクのところと仕事の提携をやめたことがかなり痛手だった。
あの時はカッとなって解消した自分に今更ながら反省した。フランクのことは愛していた。愛していたからこそ許せなかった。
それにフランクも簡単に受け入れた。
そのフランクとティアが結婚する。
複雑な気持ち出しイライラするし。悲しくて泣きそうだった。
だけど、今は自分の感情だけではこの公爵家の借金は減らない。グッと抑えこんで何も考えず仕事だけに集中していた。
そして二人の結婚の前日、「リズあの子に会わなきゃ。ティアはもう準備はしているのよね?」
「実は……何も伝えていません」
「はあ?リズ、頼んでいたわよね?」
「ティア様には罰を与えています」
それからリズがティアに何をしたのか聞いた。頭を抱えるしかなかった。
全てわたしのためだと言うリズ。
「はあー、もういいわ。全てわたしが貴女に頼んでしまったのだもの」
わたしは感情を殺してティアに淡々と告げた。
「ティア、貴女の結婚が決まったわ。婚約してから半年が経ったから明日から相手の屋敷へ行ってもらうわ」
「わたしがですか?」
「もちろんよ、お花畑の頭空っぽのティアが出来ることは公爵家のために嫁ぐこと、分かったかしら?」
「お義姉様……お願いがあります、嫁ぐ前にお父様に会わせてください」
「お父様?そう、会いたいのね?いいわよ」
「フランク、以前のようにわたしが顔を出すわ」
お父様達の態度も見られたくないし、ティアに会わせたくなかった。
ティアはあの可愛らしい笑顔でどんな男の人も夢中にさせてしまう。本人は悪気はない、無自覚なのだとは思う。だけど学園でも婚約者のいる男子に対してもいつも甘えて可愛く我儘を言う。
婚約者の女の子達からしたらたまったものではない。公爵令嬢でもあるティアに文句は言えない。だけどいろんな男を手玉に取っているようにしか見えない。
そして予想通りフランクも、ティアと仲良くなっていった。
わたしは屋敷の中ではいつも忙しく過ごしている。フランクが来てもすぐに会いにいけない。それでも用事を済ませてフランクのところへ急いで向かうと仲良く話しているティアとフランクの姿がある。
胸がツキンっと痛くなる。
それでも冷静に話しかける。
ティアに冷たく言ってるかもしれない。
「ティア、フランクはわたしのお客様なの。あまり馴れ馴れしくしないでちょうだい」
「あっ、お義姉様、ごめんなさい。少しお話ししていただけなんです」
嬉しそうに「フランク様、ありがとうございます」と言って手を振って去っていく。悪びれたところなど全く感じない。
あーー、コレが、他の子達が言っていたティアの無自覚な男好きね。
「フランク、あまりティアに構わないで。あの子は……」
わたしはその先を何と言っていいのかわからなかった。ヤキモチを妬いているだけに聞こえるかもしれない。悪口をただ言っているだけにしか聞こえないかも。
「ううん、もういいわ。ゆっくりお茶でも飲んでお話ししましょう」
気持ちを切り替えて話しても心の中はモヤモヤしたままだった。
そんなある日、お父様が体調を崩して寝込むようになった。
そのせいでわたしの仕事はかなり増えた。今までも学業と仕事をするのは精一杯だったのに、わたしの心は悲鳴をあげていた。
そして、わたしの心を壊したのは二人が抱き合っている姿を見たからだった。
ティアにはフランクが来た時は屋敷の中をうろうろしないで欲しいと頼んでいた。
無自覚だからこそ自覚して欲しかった。フランクはわたしの婚約者であってティアには無関係の人なのだ。
ティアは「わかりました」と頷いた。
シュンとしていたが一応約束は守ってくれていたはず。
なのに、どうして二人は抱きしめ合っているの?
言い訳をしていても離れようとしない二人。
だったらわたしだって考えがある。
クロードのことが頭に浮かんだ。
裏切り者の二人に何か仕返しがしたかった。
まさかここから先、わたしが思った以上の復讐劇になるなんて思ってもなかった。
お父様は許せない。お義母様なんて期待すらしていなかった。
ティアは天然過ぎてイラッとするけど、本人はまったく悪気がないのだから始末に負えない。
そしてお父様がとうとう倒れて寝込まれてしまった。
わたしの仕事はとても忙しくなった。
ティアのことなんて構っていられない。
リズに適当にしておいてと言った。
リズは「かしこまりました。わたしが決めていいのですか?」と、聞いて来た。
何故わざわざ念を押すのその時は疑問にすら思わなかった。
「ええ、わたしも忙しくてティアのことになんて構っていられないわ」
まさか数ヶ月も軟禁されていたとはこの時は全く思っていなかった。
「ティアを部屋から出していないの?」
「はい、出てはいけないと言われていたのに部屋から出て問題を起こしたのですから」
しれっとそう言い切るリズ。
「はあー、もういいわ」
これはティアを出してあげて、という意味でわたしはリズに言ったつもりだった。
「それよりわたしが婚約解消したフランクとティアの結婚の話が決まったの。ティアに早めに伝えておいて」
わたしはフランクと婚約を解消した。彼を信じられなくなっていた。
そしたらフランクのお母様がティアとの結婚をと言い出した。
我が公爵家は行き詰まっている。フランクのところと仕事の提携をやめたことがかなり痛手だった。
あの時はカッとなって解消した自分に今更ながら反省した。フランクのことは愛していた。愛していたからこそ許せなかった。
それにフランクも簡単に受け入れた。
そのフランクとティアが結婚する。
複雑な気持ち出しイライラするし。悲しくて泣きそうだった。
だけど、今は自分の感情だけではこの公爵家の借金は減らない。グッと抑えこんで何も考えず仕事だけに集中していた。
そして二人の結婚の前日、「リズあの子に会わなきゃ。ティアはもう準備はしているのよね?」
「実は……何も伝えていません」
「はあ?リズ、頼んでいたわよね?」
「ティア様には罰を与えています」
それからリズがティアに何をしたのか聞いた。頭を抱えるしかなかった。
全てわたしのためだと言うリズ。
「はあー、もういいわ。全てわたしが貴女に頼んでしまったのだもの」
わたしは感情を殺してティアに淡々と告げた。
「ティア、貴女の結婚が決まったわ。婚約してから半年が経ったから明日から相手の屋敷へ行ってもらうわ」
「わたしがですか?」
「もちろんよ、お花畑の頭空っぽのティアが出来ることは公爵家のために嫁ぐこと、分かったかしら?」
「お義姉様……お願いがあります、嫁ぐ前にお父様に会わせてください」
「お父様?そう、会いたいのね?いいわよ」
56
あなたにおすすめの小説
私は『選んだ』
ルーシャオ
恋愛
フィオレ侯爵家次女セラフィーヌは、いつも姉マルグレーテに『選ばさせられていた』。好きなお菓子も、ペットの犬も、ドレスもアクセサリも先に選ぶよう仕向けられ、そして当然のように姉に取られる。姉はそれを「先にいいものを選んで私に持ってきてくれている」と理解し、フィオレ侯爵も咎めることはない。
『選ばされて』姉に譲るセラフィーヌは、結婚相手までも同じように取られてしまう。姉はバルフォリア公爵家へ嫁ぐのに、セラフィーヌは貴族ですらない資産家のクレイトン卿の元へ嫁がされることに。
セラフィーヌはすっかり諦め、クレイトン卿が継承するという子爵領へ先に向かうよう家を追い出されるが、辿り着いた子爵領はすっかり自由で豊かな土地で——?
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
完結 愛人さん初めまして!では元夫と出て行ってください。
音爽(ネソウ)
恋愛
金に女にだらしない男。終いには手を出す始末。
見た目と口八丁にだまされたマリエラは徐々に心を病んでいく。
だが、それではいけないと奮闘するのだが……
完結 私の人生に貴方は要らなくなった
音爽(ネソウ)
恋愛
同棲して3年が過ぎた。
女は将来に悩む、だが男は答えを出さないまま……
身を固める話になると毎回と聞こえない振りをする、そして傷つく彼女を見て男は満足そうに笑うのだ。
その眼差しは凍てつく刃*冷たい婚約者にウンザリしてます*
音爽(ネソウ)
恋愛
義妹に優しく、婚約者の令嬢には極寒対応。
塩対応より下があるなんて……。
この婚約は間違っている?
*2021年7月完結
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる