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10話。
坊っちゃまの誕生日の朝は予定通りかなり早起きをした。
使用人のみんなで力をあわせてパンを焼き、美味しい料理を一日中坊っちゃまのためにお出しした。
「うわぁ、おいしいね」
「おとうさま、いっしょでうれしい」
いつも少し遠慮気味で旦那様の顔色を窺いながら話しかける坊っちゃまが、今日は素直に自分の気持ちを話す。周りの使用人達は温かい気持ちでずっと見守っていた。
坊っちゃまの笑顔だけでわたし達の気持ちはもういっぱいになった。
みんなそれぞれが気持ちだけだけどプレゼントを渡した。
庭師は坊っちゃまが喜びそうな花束を。
メイド長達は手作りのクッションや新しいカーテン、ハンカチをみんなで手作りしていた。
料理長達はもちろん坊っちゃまの大好きなケーキやお菓子。
男性陣は木の剣や積み木、手作りのおもちゃなど。
そしてわたしは新作の絵本。
「坊っちゃま、夜、読み聞かせの時にお渡ししてもよろしいですか?」
「うん!たのしみにしてるね」
「はいっ、お待ちくださいね」
夜になると坊っちゃまの部屋へと向かった。いつものようにミサさんと交代してわたしは坊っちゃまに絵本を見せた。
「うわぁ!すっごい!はやくはやく!よんで!」
絵本を見せると嬉しそうにはしゃいでくれた。
「では読ませていただきますね」
坊っちゃまの隣に椅子を置いて座ると坊っちゃまの視線に絵本を置いた。
ガチャッ!
「ふーー、間に合った!」
「おとうさま!」
「リオン、バタバタ仕事を終わらせて来たよ。僕も一緒にお話を聞かせてもらおう」
ーーーそれは……ちょっと……
顔を引き攣らせて困った顔をしたわたしを旦那様がクスッとわらった。
「ダリア、大丈夫。僕はそこにあるぬいぐるみだと思えばいいから。さあ、リオンのために早く読んであげてくれ」
「ダリア、はやく!」
仕方なく読み始めたわたし。
後ろの視線に緊張する。
買った絵本を読むのは平気だけど、自分が作った絵本はさすがに恥ずかしい。
読み終わると、「パチパチ」と二人が拍手をしてくれた。
「ダリアすっごくおもしろかった」
「うん、絵も可愛いし話も男の子が喜ぶ話しで、なかなか良かったよ」
「……お褒めの言葉ありがとうございます」
恥ずかしくて小さな声でお礼を言った。
それからは時々旦那様が、時間がある時には読み聞かせの時間に坊っちゃまの部屋へと来るようになった。
ミサさんもわたしが他の使用人に変に思われないように気を遣ってくれて、一緒に部屋にいてくれるので、あまり緊張しないでなんとか仕事をこなすことができた。
坊っちゃまが「きょうもおとうさまくるかな?」
「ダリアとおとうさまと、よる、すごすのがとてもたのしみなんだ」
と言ってくれる。
その言葉に使用人のみんなも本の読み聞かせだと知っているので当たり前になって気にもしていなかった。だって、ミサさんも必ず一緒にいてくれるから。
坊っちゃまが寂しそうにしていたのに、今はとても明るくなってみんなそのことが嬉しくて特に変だとは思っていなかった。
でもその言葉をまさかうちの使用人以外の出入りの人達がたまたま屋敷の中で聞いていたとは思わなかった。
『奥様を亡くした旦那様の寝室に使用人の愛人が毎晩通っている』
そんな噂が街中や貴族の間で噂になり始めているなんて知らなかった。
ロードにはあれから連絡を取っていなかった。別れを切り出される覚悟をしていたはずなのに、いざとなると勇気がなくて向こうからまた言ってくるのを待つことにしていた。
使用人のみんなで力をあわせてパンを焼き、美味しい料理を一日中坊っちゃまのためにお出しした。
「うわぁ、おいしいね」
「おとうさま、いっしょでうれしい」
いつも少し遠慮気味で旦那様の顔色を窺いながら話しかける坊っちゃまが、今日は素直に自分の気持ちを話す。周りの使用人達は温かい気持ちでずっと見守っていた。
坊っちゃまの笑顔だけでわたし達の気持ちはもういっぱいになった。
みんなそれぞれが気持ちだけだけどプレゼントを渡した。
庭師は坊っちゃまが喜びそうな花束を。
メイド長達は手作りのクッションや新しいカーテン、ハンカチをみんなで手作りしていた。
料理長達はもちろん坊っちゃまの大好きなケーキやお菓子。
男性陣は木の剣や積み木、手作りのおもちゃなど。
そしてわたしは新作の絵本。
「坊っちゃま、夜、読み聞かせの時にお渡ししてもよろしいですか?」
「うん!たのしみにしてるね」
「はいっ、お待ちくださいね」
夜になると坊っちゃまの部屋へと向かった。いつものようにミサさんと交代してわたしは坊っちゃまに絵本を見せた。
「うわぁ!すっごい!はやくはやく!よんで!」
絵本を見せると嬉しそうにはしゃいでくれた。
「では読ませていただきますね」
坊っちゃまの隣に椅子を置いて座ると坊っちゃまの視線に絵本を置いた。
ガチャッ!
「ふーー、間に合った!」
「おとうさま!」
「リオン、バタバタ仕事を終わらせて来たよ。僕も一緒にお話を聞かせてもらおう」
ーーーそれは……ちょっと……
顔を引き攣らせて困った顔をしたわたしを旦那様がクスッとわらった。
「ダリア、大丈夫。僕はそこにあるぬいぐるみだと思えばいいから。さあ、リオンのために早く読んであげてくれ」
「ダリア、はやく!」
仕方なく読み始めたわたし。
後ろの視線に緊張する。
買った絵本を読むのは平気だけど、自分が作った絵本はさすがに恥ずかしい。
読み終わると、「パチパチ」と二人が拍手をしてくれた。
「ダリアすっごくおもしろかった」
「うん、絵も可愛いし話も男の子が喜ぶ話しで、なかなか良かったよ」
「……お褒めの言葉ありがとうございます」
恥ずかしくて小さな声でお礼を言った。
それからは時々旦那様が、時間がある時には読み聞かせの時間に坊っちゃまの部屋へと来るようになった。
ミサさんもわたしが他の使用人に変に思われないように気を遣ってくれて、一緒に部屋にいてくれるので、あまり緊張しないでなんとか仕事をこなすことができた。
坊っちゃまが「きょうもおとうさまくるかな?」
「ダリアとおとうさまと、よる、すごすのがとてもたのしみなんだ」
と言ってくれる。
その言葉に使用人のみんなも本の読み聞かせだと知っているので当たり前になって気にもしていなかった。だって、ミサさんも必ず一緒にいてくれるから。
坊っちゃまが寂しそうにしていたのに、今はとても明るくなってみんなそのことが嬉しくて特に変だとは思っていなかった。
でもその言葉をまさかうちの使用人以外の出入りの人達がたまたま屋敷の中で聞いていたとは思わなかった。
『奥様を亡くした旦那様の寝室に使用人の愛人が毎晩通っている』
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