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13話。
「ダリアちゃんは……噂を知ってる?」
「うわ…さ?」
ーーーそれはロードと『彼女』のこと?
「ロードのことじゃないよ。あの噂は……いや、すまない。その話は僕からは出来なかったんだ………僕が聞きたかったのは君の噂だ……正確には君が働いているバルス子爵家の当主と君がただならぬ関係になっているという噂だ、それももうすでにその……息子も交えて三人で寝室を共にする仲だと……使用人達も認めてるいると聞いたんだ」
「……ただならぬ関係?わたしが?旦那様とですか?」
あまりにも突然の話に頭がついていかない。
「やっぱりこんな噂が流れていること知らなかった?って言うかその噂は事実なの?」
「そ、そんな訳あるわけないですっ!寝室を共になんて……あ…もしかしたら……」
「うん?」
「わたし今お仕事……夜に眠る時の読み聞かせをしているんです……坊っちゃまに……最近は旦那様も仕事がない時はわたしが読んでいる時間にお部屋に顔を出すことがあるので……もちろんその時は三人だけではなく坊っちゃま担当のメイドさんもいるので、四人で部屋にいます……」
「なるほど……それがなぜか違う方向へと噂されるようになったんだね」
「……そうだと思います。だけどどうしてそんな噂が……」
「うーん、使用人達が噂しているのかな?」
「それはないと思います。あそこで働いている人たちはよそに比べたら使用人の数が少ないと思います。旦那様は坊っちゃまを大切にする人しか雇わないのです。だから坊っちゃまに関して嫌なことを言う人はまずいません。みんな坊っちゃまのことをとても大切だし守るべき主だと思っています」
「へぇ、噂で聞いたことはあったけどそんなに慕われているんだ」
「はいっ!可愛らしくて天使のような坊っちゃまなんです」
こんな嫌な話をしているのに坊っちゃまの顔を思い出すと、可愛くてにやけそうになる。
「わかったよ。ただ変な噂が立ってる。また君が街で絡まれたように何かあったら困るからバルス子爵にも伝えておくよ」
「旦那様はご存知ではないのでしょうか?」
「たぶんまだ耳に入っていないと思うよ。僕は街の警備隊に今配属されているから平民達の間で噂になってる話を耳にしたんだ。貴族の場合は噂が本人に入るのはかなり後になるからね。本人の前では噂はしないんだよ。影で隠れてしかしないからね」
「そうなんですか……使用人のわたしのせいで旦那様にご迷惑をおかけしてしまっているんですね」
ーーーどうしよう……屋敷を辞めるしかないのかな……せっかくみんな優しくて親切で慣れた職場なのに……
でもロードと別れるならこの街には居づらいし……ロードと『彼女』……ううんもういいや、カリナさんが付き合って……いずれは結婚した時にわたしが近くにいたら、いくら(仮)の恋人だったとしてもカリナさんもいい気持ちはしないだろうな……
わたし自身もロードの幸せな姿を近くでずっと見続ける自信はないもの……
「何言ってるんだ。真面目に働いているのに迷惑だなんて君の雇い主である子爵が思うわけないと思うよ?そんな人じゃないだろう?」
「……はい、旦那様はとてもお優しくて素敵な人です」
「だよね?僕も彼の人間性は知ってるからね」
「気を遣わせて申し訳ありませんでした。ではわたしこれで失礼致します」
席を立とうとしたら「待って、せっかくだからお茶くらい飲んでいきなよ」と勧められた。
「いえ、ジャック様には手を煩わせることになり申し訳ありません。もうこれ以上は……」
「僕が貴族だからと言って突然「様」はいらないよ。今まで通りの呼び方で頼む。仕事の時は警備隊として街を守っているんだから」
「あっ………でも……」
「王立騎士団で働き始めると一度は街の警備隊として働くのが慣例なんだ。それは貴族とか関係なくね。街の人たちの生活に寄り添えない人間が国を守ることはできないからね」
「その話はなんとなく平民の間では聞いたことがあります」
「噂かぁ……人の口には戸は立てられないからね……全てが事実だとは限らないのに……ねっ?ダリアちゃん」
「……はい、でも、目の前で見てしまえば噂ではなく真実になってしまいますよね?」
ーーーロードのことは噂ではなく本当のことだった。だってもう何度『彼女』との姿を見てしまったのだろう。
結局わたしには会いには来てくれないし……
「………はぁ……ロードのこと信じてあげて欲しい……そんな悲しそうな顔は見たくないよ、君は笑った顔の方が絶対可愛んだから」
そう言ってわたしに近づいたジャック様はハンカチを差し出してくれた。
ーーーわたしまた泣いてしまってるのかな……いつもジャック様の前だと情けない姿ばかりで……
「ありがとうございます」
「ごめんね、悲しませてしまって……」
ーーージャック様がなぜか謝ってくれているのにわたしの頭の中はロードのことがいっぱいで耳に入ってこない。
呟くように『ロードのこと全て話してあげられなくて』と言った言葉もわたしの耳には聞こえていなかった。
「うわ…さ?」
ーーーそれはロードと『彼女』のこと?
「ロードのことじゃないよ。あの噂は……いや、すまない。その話は僕からは出来なかったんだ………僕が聞きたかったのは君の噂だ……正確には君が働いているバルス子爵家の当主と君がただならぬ関係になっているという噂だ、それももうすでにその……息子も交えて三人で寝室を共にする仲だと……使用人達も認めてるいると聞いたんだ」
「……ただならぬ関係?わたしが?旦那様とですか?」
あまりにも突然の話に頭がついていかない。
「やっぱりこんな噂が流れていること知らなかった?って言うかその噂は事実なの?」
「そ、そんな訳あるわけないですっ!寝室を共になんて……あ…もしかしたら……」
「うん?」
「わたし今お仕事……夜に眠る時の読み聞かせをしているんです……坊っちゃまに……最近は旦那様も仕事がない時はわたしが読んでいる時間にお部屋に顔を出すことがあるので……もちろんその時は三人だけではなく坊っちゃま担当のメイドさんもいるので、四人で部屋にいます……」
「なるほど……それがなぜか違う方向へと噂されるようになったんだね」
「……そうだと思います。だけどどうしてそんな噂が……」
「うーん、使用人達が噂しているのかな?」
「それはないと思います。あそこで働いている人たちはよそに比べたら使用人の数が少ないと思います。旦那様は坊っちゃまを大切にする人しか雇わないのです。だから坊っちゃまに関して嫌なことを言う人はまずいません。みんな坊っちゃまのことをとても大切だし守るべき主だと思っています」
「へぇ、噂で聞いたことはあったけどそんなに慕われているんだ」
「はいっ!可愛らしくて天使のような坊っちゃまなんです」
こんな嫌な話をしているのに坊っちゃまの顔を思い出すと、可愛くてにやけそうになる。
「わかったよ。ただ変な噂が立ってる。また君が街で絡まれたように何かあったら困るからバルス子爵にも伝えておくよ」
「旦那様はご存知ではないのでしょうか?」
「たぶんまだ耳に入っていないと思うよ。僕は街の警備隊に今配属されているから平民達の間で噂になってる話を耳にしたんだ。貴族の場合は噂が本人に入るのはかなり後になるからね。本人の前では噂はしないんだよ。影で隠れてしかしないからね」
「そうなんですか……使用人のわたしのせいで旦那様にご迷惑をおかけしてしまっているんですね」
ーーーどうしよう……屋敷を辞めるしかないのかな……せっかくみんな優しくて親切で慣れた職場なのに……
でもロードと別れるならこの街には居づらいし……ロードと『彼女』……ううんもういいや、カリナさんが付き合って……いずれは結婚した時にわたしが近くにいたら、いくら(仮)の恋人だったとしてもカリナさんもいい気持ちはしないだろうな……
わたし自身もロードの幸せな姿を近くでずっと見続ける自信はないもの……
「何言ってるんだ。真面目に働いているのに迷惑だなんて君の雇い主である子爵が思うわけないと思うよ?そんな人じゃないだろう?」
「……はい、旦那様はとてもお優しくて素敵な人です」
「だよね?僕も彼の人間性は知ってるからね」
「気を遣わせて申し訳ありませんでした。ではわたしこれで失礼致します」
席を立とうとしたら「待って、せっかくだからお茶くらい飲んでいきなよ」と勧められた。
「いえ、ジャック様には手を煩わせることになり申し訳ありません。もうこれ以上は……」
「僕が貴族だからと言って突然「様」はいらないよ。今まで通りの呼び方で頼む。仕事の時は警備隊として街を守っているんだから」
「あっ………でも……」
「王立騎士団で働き始めると一度は街の警備隊として働くのが慣例なんだ。それは貴族とか関係なくね。街の人たちの生活に寄り添えない人間が国を守ることはできないからね」
「その話はなんとなく平民の間では聞いたことがあります」
「噂かぁ……人の口には戸は立てられないからね……全てが事実だとは限らないのに……ねっ?ダリアちゃん」
「……はい、でも、目の前で見てしまえば噂ではなく真実になってしまいますよね?」
ーーーロードのことは噂ではなく本当のことだった。だってもう何度『彼女』との姿を見てしまったのだろう。
結局わたしには会いには来てくれないし……
「………はぁ……ロードのこと信じてあげて欲しい……そんな悲しそうな顔は見たくないよ、君は笑った顔の方が絶対可愛んだから」
そう言ってわたしに近づいたジャック様はハンカチを差し出してくれた。
ーーーわたしまた泣いてしまってるのかな……いつもジャック様の前だと情けない姿ばかりで……
「ありがとうございます」
「ごめんね、悲しませてしまって……」
ーーージャック様がなぜか謝ってくれているのにわたしの頭の中はロードのことがいっぱいで耳に入ってこない。
呟くように『ロードのこと全て話してあげられなくて』と言った言葉もわたしの耳には聞こえていなかった。
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