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15話。
旦那様に断りを入れたのに結局出版社の人と会うことになってしまった。
わたしが屋敷の外に出られないのでわざわざ屋敷に来てくれた。
優しそうな男性と女性。女性の方は五人の子供を育てている肝っ玉かあさんみたいな人。
もしお母さんが生きてたらこんな人だったかしら?ほとんど記憶のないわたしには想像するしかないけど……
「あなたがダリアさんね?わたしはマリアよ。名前が似ているわね、よろしくね」
そう言って豪快に笑ったマリアさん。
その素敵な笑顔に人見知りの激しいわたしなのにすぐに慣れてしまった。
「よろしくお願いします」
「早速だけど絵本を見せて欲しいの」
「おばちゃま、ダリアのえほんはすっごくおもしろいんだ」
絵本と言ってるけど、実際は描いた絵に文字を書き、紐で纏めたもの。
ちゃんとした出版社の人に見せるにはお粗末過ぎる。だけどここまでわざわざ足を運んで来てくれた人達に『見せたくない』なんて言えない。
「こ、これです」
真っ赤な顔になりながら、オズオズと渡した。
マリアさんは何冊もある絵本を時間をかけて見てくれた。
坊っちゃまはその横に座って「これがおもしろいんだ」とか「これはね、りゅうがでてくるの!」とか「おうじさまとおひめさまのおはなしなの」と一つずつ説明してくれた。
その話を子育て中のマリアさんは慣れていてしっかり耳を傾けて聞いてくれた。
坊っちゃまも聞いてくれるのが嬉しいのかわたしの顔をチラチラ見ながら、自分のことのように自慢気に話しているのが微笑ましくて、わたしは緊張することなくマリアさんが絵本を読んでいるのを待つことができた。
もう一人の男性は旦那様と何やら真剣に話をしていた。多分この男性が出版社の偉い人なんだと思う。
難しそうな話をしていたので、そちらには目を向けないようにしていた。
「ねぇ、わたしが読んでいる間に絵を一枚描いて欲しいの……そうね……この絵本の男の子とお父さんが二人で冒険に行く話しをイメージして一枚の絵で描いてみてくれないかな?簡単でいいから」
そんなこと言われると思っていなくて少し驚いたけど、じっと待っているよりも何かしていた方が楽。だから「はいっ!」と思わず大きな声が出たけど、自分の部屋に行っていつものお絵描き用のスケッチブックを持ってきて、絵を書き始めた。
この話はもちろん坊っちゃまと旦那様が主人公なので、二人をイメージして……だけど、ちょっとかっこよく勇者の親子をイメージしながら、描き始めた。
描いているとつい楽しくて夢中になって周りが見えなくなる。
「……………アさん?」
「あっ……すみませんっ!もう読み終わってますか?坊っちゃま申し訳ありませんでした。一人放ってしまっていましたね。退屈でした?お腹が空きましたか?」
我に返り慌てて二人の姿を見た。
二人はのんびりとお菓子を食べながらお茶を飲んでいた。坊っちゃまはもちろんジュースだけど。
「ダリア、おえかき、できたぁ?」
「楽しそうに描いていたわね。見ていてわたし達までなんだか楽しい気持ちになってしまうわ。見せてもらえる?」
マリアさんの言葉に嬉しくも恥ずかしくなった。いったいどんな顔をして描いていたのだろう。
思わず両手で頬を押さえて照れながらも、「ど、どうぞ」とテーブルの上に置いてある描きかけの絵を渡した。
「ダリア!これぼく?」
坊っちゃまのキラキラした目に「はい」と答えると、坊っちゃまがわたしに抱きついて「ぼくね、おとうさまとおおきくなったら、ぼうけん、いくね」
と言い出した。
それを耳にした旦那様が「リオンと二人で行くのも楽しみだな」と嬉しそうに答えた。
わたしが屋敷の外に出られないのでわざわざ屋敷に来てくれた。
優しそうな男性と女性。女性の方は五人の子供を育てている肝っ玉かあさんみたいな人。
もしお母さんが生きてたらこんな人だったかしら?ほとんど記憶のないわたしには想像するしかないけど……
「あなたがダリアさんね?わたしはマリアよ。名前が似ているわね、よろしくね」
そう言って豪快に笑ったマリアさん。
その素敵な笑顔に人見知りの激しいわたしなのにすぐに慣れてしまった。
「よろしくお願いします」
「早速だけど絵本を見せて欲しいの」
「おばちゃま、ダリアのえほんはすっごくおもしろいんだ」
絵本と言ってるけど、実際は描いた絵に文字を書き、紐で纏めたもの。
ちゃんとした出版社の人に見せるにはお粗末過ぎる。だけどここまでわざわざ足を運んで来てくれた人達に『見せたくない』なんて言えない。
「こ、これです」
真っ赤な顔になりながら、オズオズと渡した。
マリアさんは何冊もある絵本を時間をかけて見てくれた。
坊っちゃまはその横に座って「これがおもしろいんだ」とか「これはね、りゅうがでてくるの!」とか「おうじさまとおひめさまのおはなしなの」と一つずつ説明してくれた。
その話を子育て中のマリアさんは慣れていてしっかり耳を傾けて聞いてくれた。
坊っちゃまも聞いてくれるのが嬉しいのかわたしの顔をチラチラ見ながら、自分のことのように自慢気に話しているのが微笑ましくて、わたしは緊張することなくマリアさんが絵本を読んでいるのを待つことができた。
もう一人の男性は旦那様と何やら真剣に話をしていた。多分この男性が出版社の偉い人なんだと思う。
難しそうな話をしていたので、そちらには目を向けないようにしていた。
「ねぇ、わたしが読んでいる間に絵を一枚描いて欲しいの……そうね……この絵本の男の子とお父さんが二人で冒険に行く話しをイメージして一枚の絵で描いてみてくれないかな?簡単でいいから」
そんなこと言われると思っていなくて少し驚いたけど、じっと待っているよりも何かしていた方が楽。だから「はいっ!」と思わず大きな声が出たけど、自分の部屋に行っていつものお絵描き用のスケッチブックを持ってきて、絵を書き始めた。
この話はもちろん坊っちゃまと旦那様が主人公なので、二人をイメージして……だけど、ちょっとかっこよく勇者の親子をイメージしながら、描き始めた。
描いているとつい楽しくて夢中になって周りが見えなくなる。
「……………アさん?」
「あっ……すみませんっ!もう読み終わってますか?坊っちゃま申し訳ありませんでした。一人放ってしまっていましたね。退屈でした?お腹が空きましたか?」
我に返り慌てて二人の姿を見た。
二人はのんびりとお菓子を食べながらお茶を飲んでいた。坊っちゃまはもちろんジュースだけど。
「ダリア、おえかき、できたぁ?」
「楽しそうに描いていたわね。見ていてわたし達までなんだか楽しい気持ちになってしまうわ。見せてもらえる?」
マリアさんの言葉に嬉しくも恥ずかしくなった。いったいどんな顔をして描いていたのだろう。
思わず両手で頬を押さえて照れながらも、「ど、どうぞ」とテーブルの上に置いてある描きかけの絵を渡した。
「ダリア!これぼく?」
坊っちゃまのキラキラした目に「はい」と答えると、坊っちゃまがわたしに抱きついて「ぼくね、おとうさまとおおきくなったら、ぼうけん、いくね」
と言い出した。
それを耳にした旦那様が「リオンと二人で行くのも楽しみだな」と嬉しそうに答えた。
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