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32話。
おばちゃんが絵本をパラパラめくり、その後1ページずつ読んでいる姿をわたしはドキドキしながら見つめていた。
「これ、ダリアが書いたの?」
「はい……働いているお屋敷の坊っちゃまに読み聞かせをしていて、旦那様が気に入ってくださって出版社の人に話をしてくれたんです。
それで絵本を出すことになって、出来上がったのでおばあちゃんとおばちゃん達に報告したくて村に帰ってきたんです」
「そう……素敵ね。おばあちゃんも喜んだでしょう」
「実はまだ伝えていなくて……恥ずかしいのとタイミングがなくて」
「伝えてないの?もう!早く見せてあげて!とても素敵な絵本よ!絶対喜ぶから!」
おばちゃんの勢いに「うん」と返事をした。
「それはそうとディーンはどうして知ってるの?」
「いろんな貴族の屋敷を出入りしてるし、情報は商売の要だからね。それにバイザード卿とは懇意にしてるから」
「そうなのね、ロードからは何も聞いていなかったからダリアの絵本のこと知らなかったわ」
「あっ………」なんて言おう。
「………最近、ロードとは会っていないんです」
口籠もり声が小さくなってしまう。
「どうしたの?あんなに仲が良かったのに」
ヘラっと笑って誤魔化そうとした。
「ロードが嫌がるダリアに無理やり何かしたの?あいつ我慢できなくてついに手を出して嫌われたの?」
おばちゃんが訳のわからないことを言い出した。
「違う、違う!ロードには好きな人がいるの。だから幼馴染でしかないわたしが邪魔をしたらいけないから……それだけなの」
「はあああ?ロードに好きな人?ダリアのことでしょう?」
「わたし?」
ーーそれは(偽)恋人だったから?おばちゃんその話を知ってるのかしら?
「わたしではないわ。ロードは毎日彼女のために送り迎えをしたり休日はデートをしたりしてるの。そんな二人の仲を幼馴染のわたしがうろついたら迷惑になるから最近は会っていないの」
「ロードが他の女の子とデート?嘘でしょう?信じられないわ。だってダリアとやっと付き合いだしたって聞いてるのに!」
ーーあっ……知ってたんだ……(偽)だと話さなきゃ。
仕方なくおばちゃんに話した。その横にはディーン様もいる。
本当はディーン様にまで話したくなかったけど、おばちゃんの怒りは収まらないし、ディーン様に席を外して欲しいと頼むと「僕は聞いても大丈夫だよ」と言ってそのまま。
「はあああああ?(偽)?何それ?」
おばちゃんの怒りは説明する前よりさらに酷くなった。
ディーン様は話を聞いて「ロードの奴、ダリアに話してないの?」と意味のわからないことを言い出した。
「話してないとは?」
「うーん、僕からは話すことはできない。多分ロードも話すことができないでいるんだと思う。ロードはかなりヘタレだけど、ダリアのこと幼馴染以上に大切にしてるはずなんだよね」
「ほんと、ヘタレね!だけど他の女と浮気するなんて我が息子とはいえ絶対に許さないわ。それにダリアのことを(偽)の恋人にするなんて許せない!」
「おばちゃんそんなに怒らないで。わたしやっと諦めがついたの、だからもう大丈夫」
「ダリアはずっとロードが好きだったんだろう?本気で諦めるの?」
「だって、あんなに可愛くて明るいカリナさんとお付き合いしてるんだよ?二人で仲良く歩く姿だって何回も見てる。わたしのことなんて幼馴染でしかないもの、諦めるしかないじゃない!」
思わずディーン様に八つ当たりをしてしまった。
「ごめん、ダリアだって傷ついてるんだよね。じゃあ、ロードの代わりに俺と付き合う?そしてロードの前でイチャイチャして見せようか?」
「へっ?イチャイチャ?わたしが?」
想像してみて首を横に振った。
「無理です!嫌です!ロードにそんな姿見せたくない!いくら振られたからってそんなことしたくないです!」
「いい案だと思ったんだけどな。ロードが焦る顔見たかったし」
「ロードのことなんか気にしないで、この際だからディーンとイチャイチャしなさい!」
おばちゃんまで言い出した。
「わたし、ロードのことずっと好きだったんです。振られたからってすぐに他の人となんて付き合えない!」
「わかったわかった、ダリアそんな顔しないでくれよ」
そう言ってハンカチを手渡された。
気づかなかったけど……涙が溢れていた。
「…………ありがとう……ございます」
「僕、ロードの情報色々知ってるんだけど、ダリアには今話すことができないんだ。ヘタレでダリアのことを傷つけてるけど、あいつのこと信じられないかもしれないけど、もう少しだけ諦めないで待ってて欲しい。ま、意地悪でロードの前でダリアと仲良くする姿見せてやりたかったけどね」
ディーン様の言葉の意味はよくわからない。でも何か事情があるということはわかった。
諦めないでと言われたけどロードの気持ちがわたしにはないのは事実。
でもカリナさんと付き合いだしたこと、ロードの口からハッキリと告げられるまでは待とう。そして失恋したら……しばらくは恋はもういいかな。
先輩達や街でよく絡まれた彼女達のことを思い出した。人付き合いの苦手なわたしにはかなりしんどい日々だった。
「これ、ダリアが書いたの?」
「はい……働いているお屋敷の坊っちゃまに読み聞かせをしていて、旦那様が気に入ってくださって出版社の人に話をしてくれたんです。
それで絵本を出すことになって、出来上がったのでおばあちゃんとおばちゃん達に報告したくて村に帰ってきたんです」
「そう……素敵ね。おばあちゃんも喜んだでしょう」
「実はまだ伝えていなくて……恥ずかしいのとタイミングがなくて」
「伝えてないの?もう!早く見せてあげて!とても素敵な絵本よ!絶対喜ぶから!」
おばちゃんの勢いに「うん」と返事をした。
「それはそうとディーンはどうして知ってるの?」
「いろんな貴族の屋敷を出入りしてるし、情報は商売の要だからね。それにバイザード卿とは懇意にしてるから」
「そうなのね、ロードからは何も聞いていなかったからダリアの絵本のこと知らなかったわ」
「あっ………」なんて言おう。
「………最近、ロードとは会っていないんです」
口籠もり声が小さくなってしまう。
「どうしたの?あんなに仲が良かったのに」
ヘラっと笑って誤魔化そうとした。
「ロードが嫌がるダリアに無理やり何かしたの?あいつ我慢できなくてついに手を出して嫌われたの?」
おばちゃんが訳のわからないことを言い出した。
「違う、違う!ロードには好きな人がいるの。だから幼馴染でしかないわたしが邪魔をしたらいけないから……それだけなの」
「はあああ?ロードに好きな人?ダリアのことでしょう?」
「わたし?」
ーーそれは(偽)恋人だったから?おばちゃんその話を知ってるのかしら?
「わたしではないわ。ロードは毎日彼女のために送り迎えをしたり休日はデートをしたりしてるの。そんな二人の仲を幼馴染のわたしがうろついたら迷惑になるから最近は会っていないの」
「ロードが他の女の子とデート?嘘でしょう?信じられないわ。だってダリアとやっと付き合いだしたって聞いてるのに!」
ーーあっ……知ってたんだ……(偽)だと話さなきゃ。
仕方なくおばちゃんに話した。その横にはディーン様もいる。
本当はディーン様にまで話したくなかったけど、おばちゃんの怒りは収まらないし、ディーン様に席を外して欲しいと頼むと「僕は聞いても大丈夫だよ」と言ってそのまま。
「はあああああ?(偽)?何それ?」
おばちゃんの怒りは説明する前よりさらに酷くなった。
ディーン様は話を聞いて「ロードの奴、ダリアに話してないの?」と意味のわからないことを言い出した。
「話してないとは?」
「うーん、僕からは話すことはできない。多分ロードも話すことができないでいるんだと思う。ロードはかなりヘタレだけど、ダリアのこと幼馴染以上に大切にしてるはずなんだよね」
「ほんと、ヘタレね!だけど他の女と浮気するなんて我が息子とはいえ絶対に許さないわ。それにダリアのことを(偽)の恋人にするなんて許せない!」
「おばちゃんそんなに怒らないで。わたしやっと諦めがついたの、だからもう大丈夫」
「ダリアはずっとロードが好きだったんだろう?本気で諦めるの?」
「だって、あんなに可愛くて明るいカリナさんとお付き合いしてるんだよ?二人で仲良く歩く姿だって何回も見てる。わたしのことなんて幼馴染でしかないもの、諦めるしかないじゃない!」
思わずディーン様に八つ当たりをしてしまった。
「ごめん、ダリアだって傷ついてるんだよね。じゃあ、ロードの代わりに俺と付き合う?そしてロードの前でイチャイチャして見せようか?」
「へっ?イチャイチャ?わたしが?」
想像してみて首を横に振った。
「無理です!嫌です!ロードにそんな姿見せたくない!いくら振られたからってそんなことしたくないです!」
「いい案だと思ったんだけどな。ロードが焦る顔見たかったし」
「ロードのことなんか気にしないで、この際だからディーンとイチャイチャしなさい!」
おばちゃんまで言い出した。
「わたし、ロードのことずっと好きだったんです。振られたからってすぐに他の人となんて付き合えない!」
「わかったわかった、ダリアそんな顔しないでくれよ」
そう言ってハンカチを手渡された。
気づかなかったけど……涙が溢れていた。
「…………ありがとう……ございます」
「僕、ロードの情報色々知ってるんだけど、ダリアには今話すことができないんだ。ヘタレでダリアのことを傷つけてるけど、あいつのこと信じられないかもしれないけど、もう少しだけ諦めないで待ってて欲しい。ま、意地悪でロードの前でダリアと仲良くする姿見せてやりたかったけどね」
ディーン様の言葉の意味はよくわからない。でも何か事情があるということはわかった。
諦めないでと言われたけどロードの気持ちがわたしにはないのは事実。
でもカリナさんと付き合いだしたこと、ロードの口からハッキリと告げられるまでは待とう。そして失恋したら……しばらくは恋はもういいかな。
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