【完結】大好きな幼馴染には愛している人がいるようです。だからわたしは頑張って仕事に生きようと思います。

たろ

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33話。

 おばあちゃんに絵本のことを話した。

「まぁまぁ!どうして昨日話してくれなかったの?昔から絵を描くのも話を書くのも好きだったものね。まさか絵本作家になってるなんて!」
 おばあちゃんは絵本をめくりながら嬉しそうに読んでくれた。

「おばあちゃん、たまたまだよ。たまたま書いた絵本が旦那様の目に留まってそんな話になったの……ただもうすぐ売り出されることになるけど……この村にまで絵本が売られるかわからないし、おばあちゃんに報告に来たんだけど、なんだか恥ずかしくなっちゃって……」

「何を照れてるの。この絵本を持ってみんなに自慢して回らなくっちゃいけないね」

「えっ?やだよ!何言われるかわからないじゃない。いいよ、おばあちゃんとおばちゃんが知ってくれたらそれでいいの」

「なんで?ダリアの頑張ったことを知ってもらうのは嫌なのかい?」

「………ディーン様のこともあったじゃない……子供の頃は何も考えずロードと一緒に仲良くしてて、おばあちゃんが周りに嫌なこと言われたでしょう?身の程も知らずに仲良くしていたわたしがいけないんだよ」

「まだそんなことグチグチ考えてるのかい?ダリアは人に気を遣いすぎなんだよ」
 おばあちゃんが困った顔をした。あの頃を思い出して心配してくれる。

「そうかな……わたしなんかが絵本を書いたなんて知られたら……」

「その、わたしなんか…は、やめなさい!ダリアは真面目だし頑張り屋だし、可愛くて綺麗だし、わたしの自慢の孫なんだから!もっと堂々としてたらいいの!また職場で嫌なことがあったんだろう?せっかくだから全て話しなさい!そしてスッキリしてまたお屋敷に戻りなさい!」

 おばあちゃんの言い方がおかしくて、わたしは笑い出した。だけど嬉しくて……思わず涙が出た。

 おばあちゃんには心配かけたくない。いつも仕事は楽しい、頑張ってるよとしか言わなかった。働いたお金を仕送りしようとしても受け取らないおばあちゃん。だからいつも服や小物を送っていた。

『そんなものは要らないよ。あんたの元気な顔が見れるだけでわたしは嬉しいの』

 そう言ってくれる優しいおばあちゃん。

 だけどわたしの今回の様子はやはりおかしく感じたみたい。普段なら何も聞かずお互い話したいことだけ話して別れるのに、おばあちゃんが心配して聞いてくる。

「おばあちゃん……心配するでしょ?」
 ボソッと呟いた。

「なんにも知らない方が心配だよ」

「うん、そうだよね。わたしもおばあちゃんが辛いことあったのに知らなかったら辛いし悔しいと思う」

 屋敷での出来事を話した。

 ロードのことは流石に口にできなくて黙っていようと思ったのに……

「で、ロードのことは?ほんと、そんなとんでもないことがあって辛かったのによく頑張ったわ!ついでにロードのことも話しなさい!」

 おばあちゃんは屋敷での出来事を聞いてかなり怒りながらもロードのことは忘れずに聞いてきた。

「ロード?ロードはお仕事頑張ってると思うよ?」

 誤魔化そうとしたら……

「知ってるのよ!あんたロードと付き合ってたんでしょう?ロードのお母さんに聞いてるんだよ!なのにロードのことは触れようとしないから何かあったんでしょう!」

 ーーうっ……バレてたんだ……

「ロードとはうまくいかなかった。それだけだよ」

「わかったわ、言いたくないのならこれ以上は聞かない。だけどいつでも話したくなったら話しなさい。しばらくはゆっくりと過ごすといいよ」

 おばあちゃんの言う通り、わたしはおばあちゃんと一緒に畑仕事をしたり縫い物の仕事を手伝ったりして過ごした。

 今回の休みはひと月いただいた。

 だから好きなだけのんびりと過ごせた。

 ディーン様とは一度会っただけ。忙しくいろんな街を飛び回っているらしい。

 おばちゃんのところにはたまに顔を出した。というより呼ばれて一緒にお菓子を焼いたりお茶をしたりして過ごした。

「ロードのことは別。わたしにとってダリアは娘と同じなの。どうせならロードを捨ててダリアを娘にしようかしら?」
 なんて怖いことまで言い出した。

「うちの旦那もロードには怒っていたわ。ほんと男らしくないってね」

 お茶をするたび、ロードのことを思い出し怒り出すおばちゃん。苦笑いするしかなくて「へへっ」と笑って誤魔化す。

「ダリア、あのこは……ううん、わたしが言うことではないわよね。貴女とロードがどうなってもわたしは貴女を娘のように大事に思っているわ」

 おばちゃんが切なそうにそう言ってくれた。




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