【完結】大好きな幼馴染には愛している人がいるようです。だからわたしは頑張って仕事に生きようと思います。

たろ

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41話。

 気絶したおかげでカリナさんに変な薬を飲まされずにすんだ。だけど、その後あの男の人がわたしに水をかけた。

 冷たさと寒さで目が覚めたけど怖くて目を開けることができなくてそのまま床に倒れていた。

 部屋の外で騒がしい音が聞こえてきた。
「大人しくしろ」
「抵抗しても無駄だ」
 この声は……騎士の人たちだと思った。

 ロードもいるのかしら?
 ぼんやりとそんなことを考えていたけど、助けられると思うとホッとした。

 カリナさんの怒鳴り声と狂気に近い笑い声。そして初めて聞く男の人の声。どちらも会話がどこかおかしい。

 そしてわたしにパンをくれたあの男の人も大きな声を出して抵抗していたが、騎士の人たちが捕まえたようだった。

 部屋の中に騎士達が入ってきたようだ。
 意識はあっても恐怖と寒さから動けずにいるわたしの姿を見て、ロードがすまなそうに声をかけてきた。

「ダリア……ごめん。俺のせいでこんなことになって……」

 わたしに着ていた上着をかけて抱きかかえようとしたのがわかった。

「触らないで、いやっ!」

 わたしがロードを拒否すると近くにいた他の騎士がわたしを抱きかかえた。

 ロードはその姿を呆然と見送っていたけど、わたしはロードに触られたくなかった。
 今はロードの顔を見るのも嫌だった。
 こんなことになったのは……ロードだけが悪いんじゃない。悪いのはカリナさん達。頭ではわかっていても今は無理。

 怖かった、辛かったそしてとても痛かった。あと少しでわたしも薬を飲まされていた。もし薬を飲んでいたら……そう思うと怖い。

 わたしは騎士により助け出されそのまま病院へと運ばれた。そしてしばらく入院することになった。

 殴られて体は青痣で見るも無惨な姿になった。頬は腫れ上がりお腹はあざと痛みがひどい。蹴られたところもかなり腫れている。あっちこっち内出血を起こしていて傷になって血も出ていた。さらに水をかけられ体が冷えていたのもありその夜は高熱が出てとてもきつかった。

 ミサさんが心配してずっとわたしの看病をしてくれた。

 次の日もまだ熱は下がらず食欲もない。

「ミサさん……迷惑かけてごめんなさい」

 熱でボッーとしながらも近くにずっといてくれるミサさんのおかげで安心して眠っていることができた。

 あの時の恐怖でまだ一人で部屋にいることが出来ないでいた。

「ダリア、今はしっかり眠りなさい。何も心配はいらないの。旦那様にダリアの看病をするように頼まれたの」

「坊っちゃまは……」

「心配いらないわ。みんな本の読み聞かせができるようになったから。坊っちゃまはダリアが帰ってくるのを楽しみに待っているわ。ダリアは今絵本を書いているからと言ってあるの。だから、元気になって坊っちゃまにあなたの絵本を読んであげて」

「………はい」

 結局熱が下がったのは四日後だった。まだ傷はかなりひどくて外に出ることが出来なかった。

 その間、事情を聞きたいと騎士団や警備隊の人が来たけど、ミサさんが断固拒否してくれた。

「こんな目に合わせておいて、事情を聴きたい?まだ熱も下がっていないし、傷跡もひどいんです!あなた達が無能だからこんな目にあったんですよ!犯人を逃亡させておいてふざけないでちょうだい!顔を洗ってから出直して来なさい!」

 病室の外からミサさんの怒っている声が聞こえてきた。

 あんなに怖いミサさんは初めて。いつも厳しく?はあるけど怒る人ではない。

 わたしもこんな姿を人には見せたくない。鏡で見た自分の顔はまだ見るに耐えられない状態だった。

 一週間ベッドの上で過ごしてなんとか起き上がれるようになった。ミサさんには『まだ大人しくしていなさい』と言われたけど、退屈になってきたので、絵本を書き始めた。

 何かしていないと心が折れそうになる。

 ロードと付き合い始めてからの数ヶ月、あまりにも辛い日々でわたしにとって絵本と坊っちゃまがいてくれなければ、ポッキリと心が折れて多分わたしは仕事を辞めておばあちゃんの家に帰っていたと思う。

 でも家に帰ればロードの実家は近くだし……

「ダリア、少し元気になったのなら騎士団から事情を聴かれることになるけど、大丈夫?本当は会わせたくないけどこればっかりはね、わたしの力では拒否できないの」

「大丈夫です。なんとか腫れも引いて少しは動けるようになったので」

「事情聴取の時は旦那様が付き添うと言っていたの。だから怖いことはないわ。何かあれば守ってくださるから」

「……ずっと仕事を休んでミサさんにもついてもらっているのに……これ以上ご迷惑はかけられません」

「何を言ってるの。大切な使用人の一人が大怪我をしたのよ。旦那様も守ってあげられなくて心を痛めていたのよ」





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