【完結】大好きな幼馴染には愛している人がいるようです。だからわたしは頑張って仕事に生きようと思います。

たろ

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51話。

「きゃっ」
「うわっ」

 扉が突然開いてぶつかりそうになった。

「すみません!」

 ーーえっ?

「……ロード?」

 いきなり目の前にロードが現れた。

 ーーど、どうしよう……

 毎日のように届く手紙。どう返事をしていいのかわからなくて、そのまま放置してしまった。

 だって、毎日何をしたとかそんな日記のような手紙ばかりでどう返事をしていいのかわからなかったんだもん。

 お互い気不味いはずなのに、あれから会うこともないのに。

「ダリア……?俺、ダリアに会いたくて……」

 ロードが目を離そうとしない。

 じっと見つめられてどうしていいかわからず固まっていると、マリアさんがわたしの後ろから声をかけてきた。

「二人とも入口に立っていたら邪魔、邪魔。ほらさっさと中に入って!ロードさん?あなたは店の外に出たいんでしょう?さっさと外に出たら?」

 マリアさんがちょっと怖い声。

「あっ、ほんと……」
 ロードは慌てて外に出た。
 わたしとマリアさんはお店の中へ。

 ロードのことが気にはなっているけど、マリアさんがわたしを中へと急かしているので、振り返ることもなくお店の奥へと進んだ。

 久しぶりの本屋さん。ここにはそれこそロードともよく立ち寄った。

 本が好きで暇さえあれば本を見ていた。

 ーーお金があまりないので買えなくていつも手に取るだけだったのよね。読みたい本は図書館へ通って読んでいたんだった。

 今はお屋敷の書庫にある本を自由に読ませてもらえるので読む本には困らないけど。

 ふと視線をやると、わたしが書いた絵本が並べられていた。

 ーー嬉しい。

 本屋にわたしの絵本が……

 初めて見るその光景に感動してしまった。

「マリアさん………わたしの絵本が……」

 思わずマリアさんの顔を見て、この興奮した気持ちを伝えようとーーーー


「危ない!」

 男性が二人、マリアさんの姿が目に入っていないのか、ふざけながら歩いて、ぶつかってきた。

「きゃっ、痛っ!」

「なんなんだ、このおばさん」
「なんでそんなところ突っ立ってんだ。邪魔なんだよ」

 自分たちが周りを見ていなくてぶつかってきたのに、文句を言い始めた二人の男性。

「あんた達、前を見ていなかったのに何を文句言ってるの!」

 怯むことなくマリアさんが男性達に言い返した。

「文句を言う前に『すみません』くらい言えないのかしら?」

「はああ?」
「なんで俺たちが謝らなきゃいけないんだ?突っ立ってたのはあんただろう?」

「マリアさん……やめましょう」

 周りにいるお客さん達は怯えながらそんな私達を見ていた。

 マリアさんは腹を立ててはいたけど思ったより冷静だった。

「ごめんごめん。ダリアちゃんを怖がらせてはダメよね。本も見たしとりあえず出ましょうか」
 そう言って店を出ようとしたら、二人の男性は納得できていなかったようでマリアさんではなく彼らに近かったわたしの腕を掴んだ。

「おい、何勝手に帰ろうとしてんだよ?」
「謝れよ、俺たちに恥かかせやがって」

 腕を掴まれて怒鳴られたわたしは……カリナさんのことを思い出した。

 殴られたり蹴られたり、酷いことを言われたことを……

「………あっ………やっ…」

 体がガタガタと震え出した。

 声が出ない。怖い。

「貴方達、手を離しなさい。怖がってるでしょう?」

「だったらおばさん、謝れよ。ぶつかったのはあんたがぼっーと突っ立ってたからだろう?俺たちを悪者にしといてさっさと立ち去ろうなんておかしいだろう?」
「おい、この女、ガタガタ震えて青い顔になってるぜ」

 わたしの腕を掴んだ男性は面白がってわたしの腕を強く握りわたしの体を引っ張って自分の体に近づけてきた。

 ーー気持ちが悪い。

「おいこの女。いい匂いがする。お詫びに今日一日この女に付き合ってもらおうぜ」
「おっ、いいね。外に行こうぜ。おばさん、もう謝らなくていいよ。この子借りて行くから」

 わたしは二人の男性に囲われるように連れて行かれた。

「あんた達、手を離しなさい!ダリアちゃん!」

 マリアさんがなんとかやめさせようと大きな声を出していた。そして、一人の男性の腕を掴んでやめさせようとしたら振り払われた。

「きゃっ」
 マリアさんはその拍子に本棚に体を打ちつけて転んでしまった。

「マ…リアさん……」

 周りのお客さん達はわたし達を見て、怖くなったのか誰も男性達二人を止めようとしない。

 マリアさんは転んで痛そうにしているのに……

「あんた今日は俺たちを楽しませてくれよな」
 わたしの耳元で囁く気持ち悪い声に鳥肌が立つ。

 怖くて声が出ない。助けてと言っても無駄だろう。関わりたくないのか目を逸らす。

 扉が開き外に出た。

「……ロード、助けて」

 外にはまだロードが立っていた。

 あのまま外にいたようだ。

 わたしが男性に引きずられながら外に出てきたのを見たロードは、目を大きく見開き、その瞬間男性一人を殴りつけた。
 反対の男性が慌ててわたしの体に無理やり抱きつくと
「ふざけんな、何殴ってんだ?あんた、この女がどうなってもいいのか?」

 わたしは怖くてどうしたらいいのかわからず怖さと男性の気持ち悪さで抵抗すらできなかった。

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