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53話。
「マ……マリアさん……」
ーーあっ……
「マリアさん、さっき転んでましたが大丈夫ですか?」
「そんな事よりダリアちゃん、ごめん。大人気なく男性に向かって言い返したせいで巻き込んでしまって……怖かったよね」
「怖かったです……」
まだ震えが止まらない。
だけど……
「ロード………」
「ごめんなさい、ロードが助けてくれました。お礼を言わなきゃ」
マリアさんに伝えると彼女から離れた。
ロードの方を向くと目が合った。
「ロード」
「………ダリア……」
ーー久しぶりにロードの顔をちゃんと見た。
「助けてくれてありがとう」
「ごめん、助けるのが遅くなって……」
周りが騒がしい。よく見るとさっきの二人の男性とは別にもう一人の男性が連行されていた。
酔っ払っているのかフラフラしながら歩いていた。
そして、警備隊が男の子を抱きかかえて歩いている姿が見えた。
その男の子がロードの近くに来ると
「お兄ちゃん……たすけてくれてありがとう」警備隊員の腕の中から小さな声でお礼を言った。
「怪我しっかり治せよ。あとで顔出すからな」
ロードは、わたしの大好きだった優しい笑顔を男の子に向けた。
「うん」
「ロード、何かあったの?」
「ああ、まぁ、ちょっとな」
ロードは言いにくそうにしていたけど状況をみればすぐにわかった。
「そっか、あの男の子、助けてあげたんだね。よかったね、助けられて」
男の子の姿を目で追いながらロードが優しく微笑んだ。
「ホッとしたよ、なんとか元気になりそうだ」
でもすぐに顔を顰めた。
「だけど………ダリアを助けられなくてごめん」
「ううん、助けてくれた」
わたしが返事をしている時、ロードはマリアさんがキツそうにしている姿に気がついたみたい。
「マリアさん…でしたよね?一度診療所へ行きましょう。さっきダリアが転んだと言ってましたが、あの男達に何かされたんですよね?」
「ああ、ダリアちゃんを助けようとして振り払われて転んだの」
「わかりました」
わたしはマリアさんが大丈夫だと言われたので安心しきっていたけど、本当は強がりで……無理をしていたみたい。
ロードはまだ近くにいた他の警備隊員に声をかけてマリアさんを診療所へ連れて行くように言った。
「わたしも……話を聞かれるんじゃないの?」
「うん、そうだな……」
「じゃあ、行ってくるよ」
「待って!ついて行くから。俺も関わったし殴って蹴り入れたし」
「ふっ……かなり痛そうだったよね?ザマアミロだわ」
「ほんと、もう一発殴っておけばよかったかな」
顔を合わせてクスクス笑った。
久しぶりにロードと普通に話せた。
こんなことがあって怖かったのに、ロードがそばに居てくれるからもう怖くない。
あんなにグズグズ悩んでいたのに……不思議だよね。幼馴染って喧嘩しても仲直りすれば元に戻れるんだもん。
恋愛感情がそこになければこんな感じが続くのかな。
警備隊の詰め所まで二人で歩いた。
カリナさんの事件のことはお互い触れないで最近の話をした。
「ダリアの絵本さっき見たよ。出版されることは知っていたけど手にとって見たのは初めてかもしれない」
「えっ?なんか恥ずかしい」
「俺、ダリアの絵本のこと知ってたのに……ずっと見れなかった。
ダリアが遠くに行ってしまった気がして……だけど本屋に行ったらダリアのこと思い出して……絵本を見たらどうしようもなくダリアに会いたくなって……屋敷に行こうとしてたら……ダリアに会えたんだ。
そのあとダリアが本屋で大変なことになってるなんて気がつかないで……ごめんな」
「違うよ。ロードは男の子を助けてたんでしょう?ちょうど外にロードがいてよかったよ。いなかったら……あの男の子、もっと酷い怪我をしてたと思うよ」
「うん、俺も助けられてよかった。最近街では取り締まりを厳しくしているんだ。それでもこうやって弱い人に手を出してくる奴は多いんだ。でも諦めないで少しずつでも捕まえて、この街をよくしていきたいんだ」
ロードは珍しくよく話をしてくれた。いつもは無口であまり話をしないのに。
「………カリナ達のように金目当てで薬を売ったりして街の治安を悪くした奴らはまだまだたくさんいる。
俺一人の力じゃ無理だけど、今みんなで変えていこうと頑張ってるんだ。ダリアが働いている屋敷のバルス子爵も俺達を指揮して一緒に動いてくれてるんだ。
とても尊敬している人だ」
「旦那様は厳しいけどとても優しくて素敵な人だよ」
「うん、俺もそう思う」
ーーあっ……
「マリアさん、さっき転んでましたが大丈夫ですか?」
「そんな事よりダリアちゃん、ごめん。大人気なく男性に向かって言い返したせいで巻き込んでしまって……怖かったよね」
「怖かったです……」
まだ震えが止まらない。
だけど……
「ロード………」
「ごめんなさい、ロードが助けてくれました。お礼を言わなきゃ」
マリアさんに伝えると彼女から離れた。
ロードの方を向くと目が合った。
「ロード」
「………ダリア……」
ーー久しぶりにロードの顔をちゃんと見た。
「助けてくれてありがとう」
「ごめん、助けるのが遅くなって……」
周りが騒がしい。よく見るとさっきの二人の男性とは別にもう一人の男性が連行されていた。
酔っ払っているのかフラフラしながら歩いていた。
そして、警備隊が男の子を抱きかかえて歩いている姿が見えた。
その男の子がロードの近くに来ると
「お兄ちゃん……たすけてくれてありがとう」警備隊員の腕の中から小さな声でお礼を言った。
「怪我しっかり治せよ。あとで顔出すからな」
ロードは、わたしの大好きだった優しい笑顔を男の子に向けた。
「うん」
「ロード、何かあったの?」
「ああ、まぁ、ちょっとな」
ロードは言いにくそうにしていたけど状況をみればすぐにわかった。
「そっか、あの男の子、助けてあげたんだね。よかったね、助けられて」
男の子の姿を目で追いながらロードが優しく微笑んだ。
「ホッとしたよ、なんとか元気になりそうだ」
でもすぐに顔を顰めた。
「だけど………ダリアを助けられなくてごめん」
「ううん、助けてくれた」
わたしが返事をしている時、ロードはマリアさんがキツそうにしている姿に気がついたみたい。
「マリアさん…でしたよね?一度診療所へ行きましょう。さっきダリアが転んだと言ってましたが、あの男達に何かされたんですよね?」
「ああ、ダリアちゃんを助けようとして振り払われて転んだの」
「わかりました」
わたしはマリアさんが大丈夫だと言われたので安心しきっていたけど、本当は強がりで……無理をしていたみたい。
ロードはまだ近くにいた他の警備隊員に声をかけてマリアさんを診療所へ連れて行くように言った。
「わたしも……話を聞かれるんじゃないの?」
「うん、そうだな……」
「じゃあ、行ってくるよ」
「待って!ついて行くから。俺も関わったし殴って蹴り入れたし」
「ふっ……かなり痛そうだったよね?ザマアミロだわ」
「ほんと、もう一発殴っておけばよかったかな」
顔を合わせてクスクス笑った。
久しぶりにロードと普通に話せた。
こんなことがあって怖かったのに、ロードがそばに居てくれるからもう怖くない。
あんなにグズグズ悩んでいたのに……不思議だよね。幼馴染って喧嘩しても仲直りすれば元に戻れるんだもん。
恋愛感情がそこになければこんな感じが続くのかな。
警備隊の詰め所まで二人で歩いた。
カリナさんの事件のことはお互い触れないで最近の話をした。
「ダリアの絵本さっき見たよ。出版されることは知っていたけど手にとって見たのは初めてかもしれない」
「えっ?なんか恥ずかしい」
「俺、ダリアの絵本のこと知ってたのに……ずっと見れなかった。
ダリアが遠くに行ってしまった気がして……だけど本屋に行ったらダリアのこと思い出して……絵本を見たらどうしようもなくダリアに会いたくなって……屋敷に行こうとしてたら……ダリアに会えたんだ。
そのあとダリアが本屋で大変なことになってるなんて気がつかないで……ごめんな」
「違うよ。ロードは男の子を助けてたんでしょう?ちょうど外にロードがいてよかったよ。いなかったら……あの男の子、もっと酷い怪我をしてたと思うよ」
「うん、俺も助けられてよかった。最近街では取り締まりを厳しくしているんだ。それでもこうやって弱い人に手を出してくる奴は多いんだ。でも諦めないで少しずつでも捕まえて、この街をよくしていきたいんだ」
ロードは珍しくよく話をしてくれた。いつもは無口であまり話をしないのに。
「………カリナ達のように金目当てで薬を売ったりして街の治安を悪くした奴らはまだまだたくさんいる。
俺一人の力じゃ無理だけど、今みんなで変えていこうと頑張ってるんだ。ダリアが働いている屋敷のバルス子爵も俺達を指揮して一緒に動いてくれてるんだ。
とても尊敬している人だ」
「旦那様は厳しいけどとても優しくて素敵な人だよ」
「うん、俺もそう思う」
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