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56話。
「ダリア?きょうも、いそがしいの?」
最近隣町の親子のところに毎日顔を出しに行っていた。まだ手を差し伸べないといけない。放って置けない状態だった。
そのせいでいつも坊っちゃまとのお勉強が終わると、ゆっくりお茶を飲みながらおしゃべりをしていたのに、最近はできていなかった。
「ごめんなさい……」
ーーひとつのことに目がいって夢中になると周りが見えなくなる……
「ダリア、いいこと、してるの。とうさまがおしえてくれたよ」
ーー違う……わたし、必死で何かに頑張っていないと落ち着かないから……坊っちゃまがこんな顔して寂しそうにして居たなんて……
「ごめんなさい」
「ダリア?ごめんね、ぼく、わがまま、いわないよ」
「違います、わたし……」
坊っちゃまは小さいのに、こんなに優しい。我儘なんて言っていないのに……
自分にとって大切なこと……坊っちゃまに笑って欲しい。一番辛い時、坊っちゃまの笑顔に何度も癒されて励まされた。
坊っちゃまのおかげで今があるのに……
「坊っちゃま、今日は約束があってどうしても行かないといけないんです。でも帰ってきたらいっぱいお話ししましょう」
「ほんとっ?」
気を遣って話していた坊っちゃま。パッと明るい笑顔がわたしに向けられた。
「はい、待っててくださいね」
今日、隣町の親子のために声掛けしていた服や日用品を受け渡す日。
女の子も熱が下がり、元気になった。
お母さんも家で仕事が出来るようにとロード達が紹介して内職を始めた。
女の子は昼間は太陽の家に通って勉強をすることになった。
そうすれば女の子の一食分の食事代が楽になるし字や計算も覚える。
ただ通うには少し遠いので、隣町から毎日馬車を出すことになった。これは、隣町の子供達が通えるようにとの旦那様達の提案で、古くなった馬車を譲ってくれた。
馬も騎士団で引退した馬を安く譲ってもらった。
今はたくさんの人たちの手助けがあるのでわたしやロードだけで頑張る必要はない。
なのに……つい夢中で頑張りすぎていた。
坊っちゃまと約束して、ロード達と隣町の親子のところへ向かった。馬車の中に荷物を積んで。
「ロード、わたしね……」
「うん?何?」
「太陽の家の仕事、少しだけ減らそうと思ってるの。運営も個人ではなくて警備隊が運営することが決まったし、代表になってくれる人も決まって安定してきたでしょう?」
「何か嫌なことがあった?あんなに熱心にしていたのに?」
「えっ?違うよ。ただ、立ち上げて安定するまで必死で頑張っていたら気がついたらわたしにとって一番大切な坊っちゃまに寂しい思いをさせていることに気がついたの。
わたしね……いっぱい嫌なことがあったし怖いこともあったけど、なんとか頑張ってこれたのは坊っちゃまのおかげなの。坊っちゃまが変わらずずっとわたしを慕ってくれて、笑顔をくれたから、頑張ろうって思えたの。
なのに忙しくって寂しい思いをさせてしまって我慢させていたみたいなの」
「………嫌なこと……」
ロードはわたしの言葉を聞いて項垂れた。
だけど、その様子に優しい言葉をかける気にはなれなかった。
「俺……ダリアと昔みたいに話せるようになって、それが当たり前になってきて……ちゃんと向き合ってなかった」
「わたしも、向き合ってなかったよね?ちゃんと話さなきゃって思ってたのにうやむやになっちゃって、いつの間にかお互い忙しくて、なのにしょっちゅう顔を合わせてたから……」
「この荷物を渡して……そのあと時間はある?」
ロードの言葉に手をギュッと握りしめて「うん、話そう」と返事をした。
最近隣町の親子のところに毎日顔を出しに行っていた。まだ手を差し伸べないといけない。放って置けない状態だった。
そのせいでいつも坊っちゃまとのお勉強が終わると、ゆっくりお茶を飲みながらおしゃべりをしていたのに、最近はできていなかった。
「ごめんなさい……」
ーーひとつのことに目がいって夢中になると周りが見えなくなる……
「ダリア、いいこと、してるの。とうさまがおしえてくれたよ」
ーー違う……わたし、必死で何かに頑張っていないと落ち着かないから……坊っちゃまがこんな顔して寂しそうにして居たなんて……
「ごめんなさい」
「ダリア?ごめんね、ぼく、わがまま、いわないよ」
「違います、わたし……」
坊っちゃまは小さいのに、こんなに優しい。我儘なんて言っていないのに……
自分にとって大切なこと……坊っちゃまに笑って欲しい。一番辛い時、坊っちゃまの笑顔に何度も癒されて励まされた。
坊っちゃまのおかげで今があるのに……
「坊っちゃま、今日は約束があってどうしても行かないといけないんです。でも帰ってきたらいっぱいお話ししましょう」
「ほんとっ?」
気を遣って話していた坊っちゃま。パッと明るい笑顔がわたしに向けられた。
「はい、待っててくださいね」
今日、隣町の親子のために声掛けしていた服や日用品を受け渡す日。
女の子も熱が下がり、元気になった。
お母さんも家で仕事が出来るようにとロード達が紹介して内職を始めた。
女の子は昼間は太陽の家に通って勉強をすることになった。
そうすれば女の子の一食分の食事代が楽になるし字や計算も覚える。
ただ通うには少し遠いので、隣町から毎日馬車を出すことになった。これは、隣町の子供達が通えるようにとの旦那様達の提案で、古くなった馬車を譲ってくれた。
馬も騎士団で引退した馬を安く譲ってもらった。
今はたくさんの人たちの手助けがあるのでわたしやロードだけで頑張る必要はない。
なのに……つい夢中で頑張りすぎていた。
坊っちゃまと約束して、ロード達と隣町の親子のところへ向かった。馬車の中に荷物を積んで。
「ロード、わたしね……」
「うん?何?」
「太陽の家の仕事、少しだけ減らそうと思ってるの。運営も個人ではなくて警備隊が運営することが決まったし、代表になってくれる人も決まって安定してきたでしょう?」
「何か嫌なことがあった?あんなに熱心にしていたのに?」
「えっ?違うよ。ただ、立ち上げて安定するまで必死で頑張っていたら気がついたらわたしにとって一番大切な坊っちゃまに寂しい思いをさせていることに気がついたの。
わたしね……いっぱい嫌なことがあったし怖いこともあったけど、なんとか頑張ってこれたのは坊っちゃまのおかげなの。坊っちゃまが変わらずずっとわたしを慕ってくれて、笑顔をくれたから、頑張ろうって思えたの。
なのに忙しくって寂しい思いをさせてしまって我慢させていたみたいなの」
「………嫌なこと……」
ロードはわたしの言葉を聞いて項垂れた。
だけど、その様子に優しい言葉をかける気にはなれなかった。
「俺……ダリアと昔みたいに話せるようになって、それが当たり前になってきて……ちゃんと向き合ってなかった」
「わたしも、向き合ってなかったよね?ちゃんと話さなきゃって思ってたのにうやむやになっちゃって、いつの間にかお互い忙しくて、なのにしょっちゅう顔を合わせてたから……」
「この荷物を渡して……そのあと時間はある?」
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