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序章 英国フォルティア学院
現在と交差する過去の記憶
そして翌朝――…
新聞紙の面に大々的に取り上げられた一面、
『国家機密情報機関特殊組織の現在室長、スクワット・ブランドンに国の情報横流し疑惑!?』
という見出しだった。
わー… 書いてる書いてる。
もちろん、提供者はクリフェイドだ。因みに匿名で。
地位を持ったままだと、スクワット・ブランドンはまた絡んで来る…
そう思ったクリフェイドは自分が先手を打つべく、
ーー動いた。
こういうのに打ってつけなのがマスコミ。マスコミに疑惑を持ち掛ければ…
それはもう大々的に取り上げられることは予想ついていた。スクワットの不審な動きの写真なども送りつけた結果がこれだ。
――…これで、父の元に来ることはないだろう。ただ問題は…
「スクワットとヒューマン牧師だな…」
表に出て来なくても、裏では勢力を上げつつあるあの二人… 恐らく、一日に少なくとも数回は会ってるんじゃ……
「…………」
新聞紙を睨むクリフェイドを昴が心配そうに見つめていることに、
本人は気づいていない…。
何にしろ、ヒューマン牧師のやってることをどうにかしなければ…
「ん゙ー……」
ひたすら唸るクリフェイド、昴は暫くそれを眺めていたが特に口を挟むことはなかった。
そして、
――… 夜、
ホーホー…
フクロウが鳴く深夜、クリフェイドはパチッと目を開けるとベッドから起き上がる。
「……………」
ゴソゴソ…と勝手に造った隠し扉を開けると、中からフードつきの黒いローブに仮面、黒縁眼鏡に赤色の鬘を取り出した。
着替えたクリフェイドの姿は、短い赤髪に黒縁眼鏡、その上に目元を覆う繊細な仮面、全身を包む漆黒のローブ。服装もミステリアスで、まさに闇の如き黒装束。
ガラガラガラ…
窓を開け、足をかける。
監視カメラが設置された屋敷はセキュリティ万全だが、今は昼間にクリフェイドが少々弄ったため、その機能もなくしていた‥
トンッ…
クリフェイドは地面に無事着地すると、闇へと紛れ込む。
目指すは…
昨日、昼間に行ったセイントポール大聖堂――‥
――‥
ガサッ!
草を掻き分け、探す。
扉を…
「――っ!」
一瞬、何かを感じた。
背筋が寒くなるのを堪え探す。ヒューマン牧師が裏で組織している部屋の入口を‥。
――見つけた!
それは茫々の草村、そこにひっそりと建つボロボロになった倉庫らしき小さな小屋、
クリフェイドが扉から中の気配を伺うが何も感じない。気を張り詰め、そっと扉を開けると
中は埃臭い小屋、そう‥一見は…。
クリフェイドはひたすら探す。必ず、あると踏んでいる隠し扉のスイッチを…。
そのとき、
クリフェイドはふと視線を止めた。
その先にあるのは三本立ての蝋燭立て。だが、クリフェイドが実際に視線を止めていたのは‥
その蝋燭立ての器具に刻まれた紋章だった。
「あれは――‥ 」
クリフェイドは無意識に片手で顔を覆う
『テンプル騎士団よ!ソロモン王を引き渡し、我等の主にして偉大なるフランス王、フィリップ四世に忠誠を誓えっっ!!』
『お前たちは逃げるんだ。 私はもう…っ』
何かを諦めたような顔で手を引く青年たちの手を払い、首を横に振る憮然とした表情の金髪の少年…
『なりません!王っっ!!いったい何を…』
紋章の入った国旗を掲げ、迫る敵軍を見つめる少年は虚ろなる瞳、
『もう… 私は…… 疲れた。……生きることに』
仄かに笑みを浮かべる少年は今にも消えてしまいそうな儚く散る花のよう‥
その目には生気は感じられず、悲しみを携えていた…。
『王!?なにを…っ!!』
『私は――‥』
――‥
「……フランス王か」
クリフェイドは片手で顔を覆ったまま、
「…結局は、何も変わらないのか…」
そして、自嘲の笑みを浮かべた。
新聞紙の面に大々的に取り上げられた一面、
『国家機密情報機関特殊組織の現在室長、スクワット・ブランドンに国の情報横流し疑惑!?』
という見出しだった。
わー… 書いてる書いてる。
もちろん、提供者はクリフェイドだ。因みに匿名で。
地位を持ったままだと、スクワット・ブランドンはまた絡んで来る…
そう思ったクリフェイドは自分が先手を打つべく、
ーー動いた。
こういうのに打ってつけなのがマスコミ。マスコミに疑惑を持ち掛ければ…
それはもう大々的に取り上げられることは予想ついていた。スクワットの不審な動きの写真なども送りつけた結果がこれだ。
――…これで、父の元に来ることはないだろう。ただ問題は…
「スクワットとヒューマン牧師だな…」
表に出て来なくても、裏では勢力を上げつつあるあの二人… 恐らく、一日に少なくとも数回は会ってるんじゃ……
「…………」
新聞紙を睨むクリフェイドを昴が心配そうに見つめていることに、
本人は気づいていない…。
何にしろ、ヒューマン牧師のやってることをどうにかしなければ…
「ん゙ー……」
ひたすら唸るクリフェイド、昴は暫くそれを眺めていたが特に口を挟むことはなかった。
そして、
――… 夜、
ホーホー…
フクロウが鳴く深夜、クリフェイドはパチッと目を開けるとベッドから起き上がる。
「……………」
ゴソゴソ…と勝手に造った隠し扉を開けると、中からフードつきの黒いローブに仮面、黒縁眼鏡に赤色の鬘を取り出した。
着替えたクリフェイドの姿は、短い赤髪に黒縁眼鏡、その上に目元を覆う繊細な仮面、全身を包む漆黒のローブ。服装もミステリアスで、まさに闇の如き黒装束。
ガラガラガラ…
窓を開け、足をかける。
監視カメラが設置された屋敷はセキュリティ万全だが、今は昼間にクリフェイドが少々弄ったため、その機能もなくしていた‥
トンッ…
クリフェイドは地面に無事着地すると、闇へと紛れ込む。
目指すは…
昨日、昼間に行ったセイントポール大聖堂――‥
――‥
ガサッ!
草を掻き分け、探す。
扉を…
「――っ!」
一瞬、何かを感じた。
背筋が寒くなるのを堪え探す。ヒューマン牧師が裏で組織している部屋の入口を‥。
――見つけた!
それは茫々の草村、そこにひっそりと建つボロボロになった倉庫らしき小さな小屋、
クリフェイドが扉から中の気配を伺うが何も感じない。気を張り詰め、そっと扉を開けると
中は埃臭い小屋、そう‥一見は…。
クリフェイドはひたすら探す。必ず、あると踏んでいる隠し扉のスイッチを…。
そのとき、
クリフェイドはふと視線を止めた。
その先にあるのは三本立ての蝋燭立て。だが、クリフェイドが実際に視線を止めていたのは‥
その蝋燭立ての器具に刻まれた紋章だった。
「あれは――‥ 」
クリフェイドは無意識に片手で顔を覆う
『テンプル騎士団よ!ソロモン王を引き渡し、我等の主にして偉大なるフランス王、フィリップ四世に忠誠を誓えっっ!!』
『お前たちは逃げるんだ。 私はもう…っ』
何かを諦めたような顔で手を引く青年たちの手を払い、首を横に振る憮然とした表情の金髪の少年…
『なりません!王っっ!!いったい何を…』
紋章の入った国旗を掲げ、迫る敵軍を見つめる少年は虚ろなる瞳、
『もう… 私は…… 疲れた。……生きることに』
仄かに笑みを浮かべる少年は今にも消えてしまいそうな儚く散る花のよう‥
その目には生気は感じられず、悲しみを携えていた…。
『王!?なにを…っ!!』
『私は――‥』
――‥
「……フランス王か」
クリフェイドは片手で顔を覆ったまま、
「…結局は、何も変わらないのか…」
そして、自嘲の笑みを浮かべた。
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