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序章 英国フォルティア学院

ネコの絆創膏って…

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「こっちとしては両方だけど、国王が呼んでいるのはクリフェイド・シュバルクのほうだよ。

クリフェイド・シュバルク、僕達と来てもらうよ」


言っとくけど君に拒否権ないから、と最後に告げるルイスの言葉にクリフェイドは眉を吊り上げた


「ごめんね…? 僕ら、一応陛下から君を連れて来るよう言われてるから」

あ、さっきの彼には口止めしてあるから大丈夫だよ、と笑顔で言ってくるリオにクリフェイドがさらに眉間に皺を寄せたことは言うまでもない


……ずいぶん用意周到なものだな-

口から漏れるのはこれからのことに憂鬱に思うクリフェイドの溜息…

「わかった。行けばいいんだろ」

クリフェイドは再度、溜め息ついた。

――‥


「……どうも」

皮肉たっぷり込めて言うクリフェイドに王もといアクスは苦笑だ

「そう、怒るな」


アクスはクリフェイドを自室に招き、
室内には二人っきり‥

「まさか、バレたのが絆創膏とは思いもしませんでしたからね。しかも、僕が意識ない間に貴方によって頬に貼られたネコの絆創膏で正体がバレたんですから」


自身がカリヤということを何故バレたのか、そう王に問うとバレた原因は絆創膏、


しかも自身の記憶がない間に王によって貼られたネコの絆創膏によって、だ…。ぐれたくなる気持ちもわからなくもない-

「そう、ぐれるな… なにも咎めるために呼んだわけではない。…クリフェイド、お前に少々頼みたいことがあってな?」


嫌な予感がしてならないクリフェイドは眉間に皺を寄せる。それに対し、アクスは口の端を吊り上げた

「…お前に、この英国の優れた人材と技術を持つ、
最高機密機関。国家機密情報機関特殊組織の室長に任命する」


………は?

「嫌」


クリフェイドは即答で答えた

「そう言うな。お前とは友好的にやっていきたいと思っている‥


カリヤ・・・の件でもな?」


クリフェイドはアクスに振り返り、僅かに眉を吊り上げるも小さく舌打ちする

「…それは脅しですか」

「さて、どうだかな?室長の正体はトップ・シークレット… 父や兄の耳に入ることもないだろう。
それに、立場が立場だ。お前の好きな情報も満載だ。好きなだけ閲覧できるぞ?もちろん、働くぶんの金も払う」


待遇良すぎる話にクリフェイドの瞳は輝く…  特に”金”と”好きなだけ情報を”という言葉に…。

――‥ こうして、クリフェイドは…めでたく国家機密情報機関特殊組織の室長となった。このことを知るのは王を含めた一部の人間のみ…。
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