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序
『最善策と - 当事者 - 』
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「それに、姉上は殿下の婚約者なんですよ?殿下にバレないわけが…」
まず、そこだ。そもそも、女装して一時的にも姉上のフリをするにしても、騙していることに変わりはない。それに、バレれば詐称罪を問われる───。
そんなことになれば、うちの公爵家は取潰しは免れない。それをわかっていて、父上はこんなことを言っているのだろうか…?
『お前の言いたいことはわかる。もしも、このことが公になれば我が公爵家は終わりだ。良くて、公爵家は取消しの上に爵位の取消し。悪くて、処刑されるかもしれん。…だが、ソフィアが戻るまでの間、繋ぎを考えれば今ある最善の策はこれしか思い付かないのだ』
ふぅ、と父上も自分が無茶なことを言っていることを自覚しているのだろう。その表情は… さっきと打って変わって、しかめられている。
『……幸いにも、正式に殿下とソフィアが会ったのは幼い頃だ。王太子殿下は今は陛下の公務に付き合い、時間がなかなか取れず忙しい身でいらっしゃることと、ソフィアも王太子妃にふさわしくあるようにと勉強詰めだった。──故に、それ以降は会っていない。つまり、女装したお前がソフィアのフリをしてもすぐにバレる可能性は低いわけだ』
「…………しかしですね、もしも。
もしも、姉上が見つからなければどうするおつもりなんですか?いくらなんでも隠し通すだなんて無理ですよ。それに… 先に言っておきますけど、僕は嫌ですよ。偏見は無いにしろ、男と… 同性と結婚するなんて」
他人事ならまだ自分に関係がないため、他人事と考えていただろう。──けれど。それがまさか、自分に置き換えられ自ら当事者となるなら話は別だ。
まず、そこだ。そもそも、女装して一時的にも姉上のフリをするにしても、騙していることに変わりはない。それに、バレれば詐称罪を問われる───。
そんなことになれば、うちの公爵家は取潰しは免れない。それをわかっていて、父上はこんなことを言っているのだろうか…?
『お前の言いたいことはわかる。もしも、このことが公になれば我が公爵家は終わりだ。良くて、公爵家は取消しの上に爵位の取消し。悪くて、処刑されるかもしれん。…だが、ソフィアが戻るまでの間、繋ぎを考えれば今ある最善の策はこれしか思い付かないのだ』
ふぅ、と父上も自分が無茶なことを言っていることを自覚しているのだろう。その表情は… さっきと打って変わって、しかめられている。
『……幸いにも、正式に殿下とソフィアが会ったのは幼い頃だ。王太子殿下は今は陛下の公務に付き合い、時間がなかなか取れず忙しい身でいらっしゃることと、ソフィアも王太子妃にふさわしくあるようにと勉強詰めだった。──故に、それ以降は会っていない。つまり、女装したお前がソフィアのフリをしてもすぐにバレる可能性は低いわけだ』
「…………しかしですね、もしも。
もしも、姉上が見つからなければどうするおつもりなんですか?いくらなんでも隠し通すだなんて無理ですよ。それに… 先に言っておきますけど、僕は嫌ですよ。偏見は無いにしろ、男と… 同性と結婚するなんて」
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