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かなりの問題児じゃないですか!
しおりを挟む「かなりの問題児じゃないですか!」
「まったくだな‥」
二人は溜め息つく。
「けど、ああ見えて…
彼、博士号取ってるんで理事長も強くは言えないんですよね。」
「……博士号?!」
「えぇ、確か山田の父親が… 考古学の博士なんですよ。その経由で、植物についてのレポートを父に言われて発表したみたいです。
結果、研究が素晴らしいと褒めちぎられ、見事博士号を取ったんですよ。あ、もちろん外国でですけど‥」
「山田という奴が… ほぅ」
「しかし、山田本人は恐らく知らないと思いますよ?自分が植物に関しての博士号を取っていることなど…
何せ、あの山田ですからね。基本、植物以外は関心を持ちませんから」
「……それにしても、ずいぶん詳しいんだな」
ピクッ!
旭の言葉に渚が反応した。
「確かに…。渚、あなたの同室者の恋人で、その同室者である山田、たった一度きりの割には随分と詳しいですね」
「………………」
二人の問い詰めるような視線に、渚はついに白状した。
「…はぁ、しかたありませんね。
えぇそうです。俺は山田の幼なじみなんですよ」
話したくなかったとばかりに渚は盛大に溜め息ついた‥。
「はぁ… 。山田とは幼なじみなんです。山田には一つ下に弟がいるんですけど、弟は中等部から入ったのですが、山田はずっと公立の学校に通ってたんです。
高等部に途中編入したのが、一年前…。山田の父親が山田の身の安全を考えて、この学園に入れたんです」
「身の安全…?」
「俺も詳しいことは知りません。ただ、山田が発表したモノが闇市場で重宝されるような… 人体に悪影響を及ぼす危険物だったそうです。
本人は全く知らないのでしょうがね。その才能を買って、山田を引き入れようとする組織が後を絶たず、山田の親父さんも世界中を飛び回る考古学者。…悩んだ末、山田の意思に関係なしにこの学園に入れたんです。」
へ、へぇー…
二人の顔は引き攣っていた。
「…俺も山田をこの学園に入れるときに会った山田の父親に話を聞いただけで、詳しくは知らないんです。ただ、奈桜(ナオ)のことを宜しくお願いしますって…。そう頼まれたんです」
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