4 / 17
第3章~春の妖精
しおりを挟む青年はアルプスの麓に広がる広大な庭のエーデルワイスの花が風になびく道を抜け、コテージに急いだ。
「Edelweiss, Edelweiss, bless my homeland forever.」
少女の美しい声と共に懐かしい愛しの人と再会したのだった。
「アレックス? アメリカから帰ってきたのね。また一緒に遊んで下さる?」
「あぁ、もちろん。今のはエーデルワイスの歌だね?」
「えぇ、最近習ったの。この本にもエーデルワイスの歌が出てくるのよ。」
「そっか。隣いいかい?」
「勿論、どうぞ。」
少女が微笑むと青年はゆっくりとコテージのベンチに座るのだった。
「今日はとても暖かいね。ボート乗るのに最適だ。」
「そうなの。今、花びらで湖が覆われていて、南の島から帰ってきた鳥達もいて、とても綺麗なの。」
「じゃあ、乗るかい? 僕がこぐよ。君は本を読み続けられし、どうだい?」
「わぁ、素敵! 是非 行きましょう。」
…….....................................................................................
「パシャ、ググッ、ググッ」
青年はボートを漕いだ。愛しのロージーを乗せて。彼女は目の前で日傘をさし、本を読んでいる。淡いピンク色の花のワンピースを着た少女は、春の妖精そのものだった。シャルロット嬢より表情が柔らかく、優しさに満ちている。
少女はパタンと本を閉じ、ほおを紅く染めて青年に言った。
「私もアレックスがアメリカに居る間 英語習ったの。英語で話しかけてみて。」
「How often do you have your lessons in a week? (週に何回授業を受けているんだい?) 」
「Three times a week. And each lesson lasts for 90 minutes. (週3回よ。1レッスン90分なの。)」
「Okay, and how do you find your lessons? Is your tutor friendly? (そっか。で、授業はどう? 家庭教師の先生はフレンドリーかい?) 」
「I enjoy the lessons. But my teacher isn't tutor. Ms. Vogel is teacher from the school of my sister. I join the special class, until my sister finish the school.
However, I can't write essays though.(楽しいわ。でも家庭教師じゃないの。女学校のフォーゲル先生よ。お姉様の授業が終わるまでの待ち時間の間 特別に参加しているの。といってもエッセイとかは書けないのだけど。)」
「そう言えば、忘れていれいたよ。これ、プレゼント。アメリカ土産だよ。向こうで流行っているペンダントなんだ。ロージーにピッタリなピンクの薔薇だよ。」
「わぁ! ありがとう。可愛い… つけていい?? 」
「もちろん。気に入った?」
「えぇ。とても。似合うかな?」
「うん。似合ってる。」
その後2人はボートで少し寛いでから屋敷に戻ったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる