リトル君の魔法学園生活

鬼灯

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11_みんなで晩御飯

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カレーがちょうど良いくらい煮込めた頃、ヒルエとセルトが帰ってきた。

「リトルー!おかえり!」

セルトは俺を見た途端抱きしめた。セルト苦しい…。

「はっ、そのまま窒息死しちまえ」

俺が入院しても相変わらずのドsだなヒルエは!

「あの…俺もう帰るな」

ギルは慌てた様子で部屋を出て行こうとする。俺は慌ててギルの手を掴んだ。俺の反射神経に拍手!

「ちょ、セルトちょっと離してくれ!ギル、せっかく作ったんだから食べてけよ」

「いや、でも…」

ギルは俯いて顔を上げない。もしかして、セルトとヒルエのことを気にしているのか?

「俺はリトルと一緒なら全然いいよ」

「俺は食べれりゃいい」

2人にもそれが分かったのかフォロー入れてくれた。だから、お前ら大好きだ。


「ほら、2人もそう言ってるんだし、な?」

「…ありがとう」

照れくさそうには笑った。可愛いなオイ。

「話がまとまったんなら飯にしようぜ」

ヒルエはさっさと自分の部屋に帰って、着替えて出てきた。早いな。

「あ、僕も着替えたい。リトルの部屋入ってもいい?」

「おう。タンスの一番下に入ってる」

セルトはよく泊まりにくるから、私服と普段着と寝間着を常に俺の部屋に置いている。これがまたセンスあるんだよな…。イケメンめ。ちなみに俺とギルはすでに普段着だ。

「いいな…」

「ん?」

「あ、いや。服とか置いてて便利いいなと思ってな」

「お前も置いとけよ。みんなで夜通しゲームしようぜ」

「いいのか?」

「お前は気にしすぎなんだよ、いいよ」


「おい、お前ら早く来いよ。準備しようぜ」

ヒルエがひょこっと顔を覗かせた。

「ありがとう」

「ありがとう…えっと」

「ヒルエだ。君とかいらねぇから。お前は闇属性のギルだろ?有名だから知ってんぜ」

「俺も知ってるよ。俺はセルト。俺も呼び捨てでいいよ」

部屋から出てきたセルトは話を聞いていたのか笑顔で会話に混ざってきた。

「あぁ…知ってたんだな…。その…俺がここに居ることに驚かないのか?」

「リトルはトラブルメーカーだからな。そんなことじゃ驚かん」

「困ったちゃんだもんね」

「2人ともひどい…」

そんなにしょっちゅうトラブル起こしてないよ…。

「じゃあ、その…嫌じゃないか?闇属性がいて…」

「いちいち気にするのが面倒くせえ」

「俺はリトルが認めたんならそれを信じるよ」

「セルト…!」

俺はセルトを抱きしめる。本当にお前は良いやつだよ。

「んじゃ、デザートは俺たちが作ってやるよ」

「マジで!?」

「セルト、水出せ」

ヒルエは雪平鍋を持ってセルトに差し出した。

「良いよ」

セルトは手のひらから水を出し良いくらいになったら止めた。水属性のセルトが出す水って美味しいんだよな!

「サンキュー」


ヒルエはそれを両手を持ち熱を加え始める。

「コンロ使えよ…」

「こっちの方が早い」

ヒルエは火属性だからっていつも横着をする。でも、見てて便利だと思う。ものの30秒くらいで湯が沸くし。

「よし、沸いたな。砂糖とフルーツとゼラチン入れて、冷蔵庫で冷やす」

ゼリーか!良いなぁ!楽しみだ!

「んじゃ、食べようぜ」

「もう、準備できてるよ」

どうやらセルトとギルが用意してくれていたようだ。

俺たちも席に着く。

「いただきまーす」

パクッ

おー!我ながらおいしくできてるじゃねぇか!

「美味しいよ」

「まぁまぁだな」

「ギルが意外に料理うまいんだぜ」

「その見た目で!?」

「見た目は関係ないだろう」

いやいや、ヒルエの気持ちは俺よくわかるよ。

「でも、リトルが料理できるっていうのも意外だよね」

「それを言うなら、セルトが料理できないのが意外だよ」

イケメンは無条件で料理できるもんだろ。

「俺は料理しない生活送ってきたから…そういえば、ヒルエは料理できるの?」

「お菓子は作れる」


「「それが一番意外だよ」」

何だよこいつ。お菓子作れるとか神かよ!是非いろんなもの作って欲しい。

「ギルはお菓子作れんの?」

「いや、俺はお菓子は作れないな…リトルは甘いもの好きなのか?」

「おう!大好きだ」

「じゃあ、練習しよう」

「本当か!是非食べさせてくれ!」

ギルはなんて良いやつなんだ!

「お、俺も練習する!ヒルエ教えて!」

「面倒くせえ」

セルトもやる気を出したみたいだ。良いぞー!俺は味見係だ!

そんなたわいもない会話をしながら、俺たちは食事を終えてった。
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