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40_俺は俺
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なんか流れに流されて部屋を出て来ちゃったけれど…
「どこに行こうか…」
当てもなく出てきたから本当に困った…
「だーれだ」
ガバァ
「うわぁ、え、え!?」
俺は慌てて、目を塞いでいる手を振り払う。解放された俺の目に映ったのはテンマ先輩だった。
「驚いたー?」
「驚きましたよ!?どうしてこんなところにいるんですか?」
「え?ここ役員メンバーの部屋がある階だよ?てっきり、リトル君僕に会いにきたのかと思ったよー?」
「ええ!?」
俺は部屋のナンバープレートを確認する。確かに役員の階だ。なんてことだ…。
「ん?でも、一般生徒はこれないんじゃ…」
エレベーターロックがかかっており、役員メンバー以外の魔力ではこの階にいけないはずでは…。
「そんなの僕がいつでも入れるようにしてるに決まってるじゃない!」
「はは…。どうも…」
なんてこった。ありがた迷惑だ。役員の階に行ってるところを誰かに見られてみろ。俺の学園生活終わりだ。
「んじゃ、僕の部屋に行こっか!」
「ええええええ遠慮します!!明日テストなので!」
「えー、そんなの勉強しなくたって満点だよー?」
何言ってんだこいつ。俺には理解できない。
「俺はとにかく勉強しなきゃなんです!それじゃ!」
俺は先輩の腕からなんとか逃げ切り、走り出す。
「逃がさないよー!」
テンマ先輩は後ろから追いかけてくる。怖いぞ!これ逃げ切れるのか!?
「このフロアは魔法使えないから不便だなー」
魔法使えたら俺は死んでる…。このフロアは魔法抑制の魔法がかかっている。噂によると、以前、生徒会メンバーに精神支配の魔法をかけ、付き合った者がいるらしい。勇者だ。
そんなことより逃げなければ、どうなるかわかったもんじゃない。俺はとにかく曲がり角を全部曲がっていく。しかし、ついに行き止まりになってしまった。
「嘘だろ!」
どうしようどうしよう。
「リートールーくーん」
終わった…。
グイッ
誰かに引っ張られたと思ったら、どっかの部屋に連れ込まれ口を塞がれた。俺は必死に抵抗するが、全然解けない。
「うっとおしい。静かにしろ」
「ふくふぃふぃんふおう」
副委員長の声が聞こえ、俺は暴れるのをやめた。でも、正直会いたくなかった。ノワールの存在を先輩は知っているのだろうか。
「行ったか」
「…ありがとうございました」
「良い。ちょうど話もあった。飲み物を出そう。中へ入れ」
「はい」
先輩は俺を奥に促す。先輩に通されたのは俺たちと同じ間取りだが、先輩らしく黒色が多いシックな部屋だった。イケメンは部屋までイケメンなのか。
「オレンジジュースで良いか?」
「あ、はい」
先輩の部屋にはオレンジジュースがあるのか…。似合わない…。
「俺じゃ無い。ノワールが好きなんだ」
「…ッ」
先輩の口から出た名前に俺の心臓は跳ね上がった。先輩は知っていたんだ。ノワールの存在を。
「この前は奴が失礼なことをした」
「いえ、びっくりしましたけど、大丈夫です」
「あいつがペラペラと色々話てしまったが、それについては俺からは話すつもりもない。それと、他言無用でお願いする」
「わ、分かりました」
いつもより冷たい空気の副委員長に俺は冷や汗が流れた。
「ただ1つ…」
「はい?」
副委員長は俺をまっすぐ見る。その視線は揺らいでいる。
「俺は俺だということだけ覚えておいて欲しい」
副委員長は一瞬悲しそうな視線で俺を見ると、下を向いた。不安を隠しきれていない副委員長は弱く、悲しい。
「…はい」
かける言葉が見つからない。俺はきっと、薄情で薄っぺらい。
「…そろそろ良いだろう。試験前に心を乱してしまいすまなかった。明日の試験、頑張ってくれ」
「ありがとうございました」
副委員長はいつもの様子で俺を見送る。俺はさっきの副委員長の面影が頭から離れないまま、副委員長の部屋を後にした。
なんか流れに流されて部屋を出て来ちゃったけれど…
「どこに行こうか…」
当てもなく出てきたから本当に困った…
「だーれだ」
ガバァ
「うわぁ、え、え!?」
俺は慌てて、目を塞いでいる手を振り払う。解放された俺の目に映ったのはテンマ先輩だった。
「驚いたー?」
「驚きましたよ!?どうしてこんなところにいるんですか?」
「え?ここ役員メンバーの部屋がある階だよ?てっきり、リトル君僕に会いにきたのかと思ったよー?」
「ええ!?」
俺は部屋のナンバープレートを確認する。確かに役員の階だ。なんてことだ…。
「ん?でも、一般生徒はこれないんじゃ…」
エレベーターロックがかかっており、役員メンバー以外の魔力ではこの階にいけないはずでは…。
「そんなの僕がいつでも入れるようにしてるに決まってるじゃない!」
「はは…。どうも…」
なんてこった。ありがた迷惑だ。役員の階に行ってるところを誰かに見られてみろ。俺の学園生活終わりだ。
「んじゃ、僕の部屋に行こっか!」
「ええええええ遠慮します!!明日テストなので!」
「えー、そんなの勉強しなくたって満点だよー?」
何言ってんだこいつ。俺には理解できない。
「俺はとにかく勉強しなきゃなんです!それじゃ!」
俺は先輩の腕からなんとか逃げ切り、走り出す。
「逃がさないよー!」
テンマ先輩は後ろから追いかけてくる。怖いぞ!これ逃げ切れるのか!?
「このフロアは魔法使えないから不便だなー」
魔法使えたら俺は死んでる…。このフロアは魔法抑制の魔法がかかっている。噂によると、以前、生徒会メンバーに精神支配の魔法をかけ、付き合った者がいるらしい。勇者だ。
そんなことより逃げなければ、どうなるかわかったもんじゃない。俺はとにかく曲がり角を全部曲がっていく。しかし、ついに行き止まりになってしまった。
「嘘だろ!」
どうしようどうしよう。
「リートールーくーん」
終わった…。
グイッ
誰かに引っ張られたと思ったら、どっかの部屋に連れ込まれ口を塞がれた。俺は必死に抵抗するが、全然解けない。
「うっとおしい。静かにしろ」
「ふくふぃふぃんふおう」
副委員長の声が聞こえ、俺は暴れるのをやめた。でも、正直会いたくなかった。ノワールの存在を先輩は知っているのだろうか。
「行ったか」
「…ありがとうございました」
「良い。ちょうど話もあった。飲み物を出そう。中へ入れ」
「はい」
先輩は俺を奥に促す。先輩に通されたのは俺たちと同じ間取りだが、先輩らしく黒色が多いシックな部屋だった。イケメンは部屋までイケメンなのか。
「オレンジジュースで良いか?」
「あ、はい」
先輩の部屋にはオレンジジュースがあるのか…。似合わない…。
「俺じゃ無い。ノワールが好きなんだ」
「…ッ」
先輩の口から出た名前に俺の心臓は跳ね上がった。先輩は知っていたんだ。ノワールの存在を。
「この前は奴が失礼なことをした」
「いえ、びっくりしましたけど、大丈夫です」
「あいつがペラペラと色々話てしまったが、それについては俺からは話すつもりもない。それと、他言無用でお願いする」
「わ、分かりました」
いつもより冷たい空気の副委員長に俺は冷や汗が流れた。
「ただ1つ…」
「はい?」
副委員長は俺をまっすぐ見る。その視線は揺らいでいる。
「俺は俺だということだけ覚えておいて欲しい」
副委員長は一瞬悲しそうな視線で俺を見ると、下を向いた。不安を隠しきれていない副委員長は弱く、悲しい。
「…はい」
かける言葉が見つからない。俺はきっと、薄情で薄っぺらい。
「…そろそろ良いだろう。試験前に心を乱してしまいすまなかった。明日の試験、頑張ってくれ」
「ありがとうございました」
副委員長はいつもの様子で俺を見送る。俺はさっきの副委員長の面影が頭から離れないまま、副委員長の部屋を後にした。
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