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14話 追いかける勇者、逃げる賢者
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ハワードがヘルバリアにて大立ち回りを演じていた頃。
勇者カインもまた、ある事件に鉢合わせていた。
「師匠を探していたら、まさかとんだ相手に出会うとはね」
剣を収め、カインは街を荒らしていた者達を見やる。
そいつらはザナドゥの構成員だった。たまたま立ち寄った街でザナドゥの暗躍を知ったカイン達は、勇者パーティとして事の対処に当たったのだ。
奇しくも同時刻、師匠と弟子は同じ相手と戦っていたのである。
「ありがとうございます勇者様! これでこの街の平和は戻りました!」
ザナドゥにより苦しめられていた街人達が両手を握り、感謝を伝えた。カインはそれに答えてから、仲間二人の元へ戻った。
「ザナドゥか。魔王が倒れてから活動が活発になってるって聞いたけど、魔王に代わって世界征服でもたくらんでいるのかな」
「まさか。カインとハワードさんが居るのに、そんな馬鹿な事を考えるわけないだろ」
ヨハンが肩をすくめながら言うも、カインの顔は険しかった。
「師匠ならきっと疑問に思うはずだよ、どうして急に犯罪グループが活発になったのかって。師匠を探すのは大切だけど、同時にザナドゥの動きも探っていきたいね」
「ここにハワードさんが居たら、同じことを言っていたでしょうね。私達が掴み取った平和なんだから、絶対に守らないと。じゃないと、ハワードさんの失った物が台無しになっちゃう」
コハクが俯いた。若い三人にとって、ハワードが払った代償は、心に大きな傷を与えていた。
だからこそ償いたい。自分達を支え、導いてくれた、尊敬する漢のために。
連れ戻したら、ハワードに何をしてあげよう。美味しい物を沢山ご馳走してあげるのもいいかもしれない、一緒に温泉旅行へ行くのもいいかもしれない。大好きなギャンブルを好きなだけさせてあげてもいいかもしれない。
ハワードにしてあげたい事が沢山あるのだ。だから何としても見つけ出し、勇者パーティへ連れ戻してやる。
その決意を固め、三人は頷いた。勝手に引退したあのロクデナシを、必ず自分達の所へ戻すために。
「にしても、本当にどこに行っちゃったんだろう。師匠の行きそうな所は大体回ったしなぁ」
カインはため息をつきつつ、今日の所は宿で休む事にした。
「うえええええええええええっ!!!???」
そして、翌日の事である。
新聞を読んだカインは度肝を抜かれ、椅子からひっくり返った。目を回し、がくがくと震え、半ば呼吸困難に陥りながら、新聞の一面に釘付けになっている。
「どうしたんだよカイン、そんなお尻から空気を吹き込まれたカエルみたいになって」
「ししっしししししっしっしっしっし師匠だ! 師匠の事が載ってる!」
『ハワードさんの!?』
二人は急いで新聞を読んだ。そこにはハワードが、ヘルバリアにてザナドゥ相手に大立ち回りを演じる記事が載っていたのだ。
「し、師匠もザナドゥを相手にしていたんだ……嬉しい、離れていても俺達は繋がっているんですね師匠!」
「しかも昨日の出来事じゃないか、今なら急げば間に合う、ハワードさんに追いつけるぞ!」
「ヘルバリアなら転移が使えるわ、急ぎましょう二人とも!」
とうとうハワードの居場所がカイン達に伝わってしまった。果たして彼はどのようにして、三人から逃げるのであろうか?
◇◇◇
ザナドゥの脅威が去り、翌日夜明け前。
俺様は旅支度を整え、街を出ようとしていた。
「まるで夜逃げですね」
「しゃあないさ、昨日派手なコンサートを開いちまったからよ。流石にカインの耳まで歌声が聞こえているはずだ、あいつからのアンコールはごめんだぜ」
ザナドゥが飛空艇を持ち出してまでヘルバリアを襲ったんだ、この噂は新聞を通して、瞬く間に広まっちまうだろう。
となれば、カインはヘルバリアにすっ飛んでくるだろう。あいつが来る前にさっさと逃げなくちゃな。
がるるに鞍を装着し、荷物を括り付けていく。ガンダルフのお陰で食料や水を沢山積めるようになったからなぁ。がるる様様だぜ。
「新しい右腕も手に入れたし、ザナドゥの脅威も追い払った。ここにはもう用はない。あいつらが来る前に、ずらかるぜ」
「ふふ、どこまでもお供しますよ。貴方がハワード・ロックである限り、私も退屈しそうにありませんから」
―がるるぅ♪
がるるも喉を鳴らしてすり寄ってくる。へへ、もふもふな毛皮がたまらないぜ。
この二人と一緒なら、俺も飽きずに済みそうだ。だが覚悟しろよ。俺についてくるって事は、一生平穏とは無縁の生活を送るって事だからな。
俺様に穏やかな隠遁生活なんざ似合わねぇ、ピリリとスパイスが利いてなくっちゃ人生は面白くないだろう? 俺様のスローライフは過激なくらいが丁度いいのさ。
トラブルすらもアミューズメントで楽しめる、最強だからこそ味わえる贅沢な毎日だぜ。
ってわけだザナドゥさんよ、お前らには期待しているぜ。
次の目的は、「ザナドゥの壊滅」に決めた。お前らの本拠地を探して、俺様直々にぶっつぶしてやる。
死にたくなければ、俺様がビンビン来るような、一発より過激なスリルをプロモートしてくれよな。
「スリルを隣人に、トラブルをとことんまでに遊び尽くす人生こそが、ハワード・ロックのスローライフって奴よ!」
って事でアマンダを乗せ、がるるを出そうとした時だった。
「そこのスケベ賢者! ちょーっと待ったあ!」
「あん? このきゃわいく俺ちゃんを呼び止める声! もしかしてリサちゅわーん!? 愛しのプリティキティが見送りに駆け寄ってくれたじゃないの! やーん俺ちゃんうれしーお外でいいから一発しよー♡」
「天誅!」
なーんて飛び出したらアマンダたんの斧が炸裂、俺ちゃん無様にめり込み中……。
「な、なははは……思わぬ過激な一発ぅ……」
「これが私と街を守った最強賢者の姿とは、なんだか信じられないわね」
リサちゃんは呆れたように俺様を見下ろしている。その背には、どでかい荷物をしょっていた。
「その荷物。そうか、決意したんだな」
「うん、一晩考えて、決めたんだ。この街を守りながら世界を見て回るって!」
「そうか……はい?」
「旅に出ては、ヘルバリアを守れないのでは?」
アマンダたんまで口出ししちまうほど、突拍子のない宣言だ。俺ちゃんも予想外のアンサーだぜ。
「どーやって旅に出ながら街も守るわけ? 俺様やカインならまだしも、君の力で出来るのかい?」
「ザナドゥはあんたを標的にしている間、ヘルゲルトを狙わないんでしょ? って事は万一ハワードがやられちゃったら、この街はまたザナドゥの脅威にさらされる事になるわけだ。それじゃあ安心して旅ができないでしょ。だから、あんたを守れば結果的に街を守る事に繋がるって訳」
「あんれまぁ、面白い結論だ。しかし、俺様をどうやって守るのかプランはあるのかい? 計画もない奴を連れて行くわけにゃあいかないぜ?」
「ちゃんとあるわ。その義手、構造が凄く複雑で、私以外の職人じゃ整備もままならない代物よ。右腕が壊れたら、あんたどうするつもりなの?」
「あー、そいつは確かに、盲点だったな」
それに俺様が使う腕だ、当然パーツの摩耗も激しいだろう。腕利きの職人が整備しないと、あっという間にガラクタになっちまう。
「いくらあんたが強くたって、万全の状態じゃないと、ザナドゥにやられるかもしれない。だったら私がついて行って、専属職人として右腕の調整をしてあげればいい。そしたら常に万全の状態で戦えるから、ヘルバリアがザナドゥに襲われなくなる。ね? 旅をしながら街も守れるグッドアイディアでしょ」
「成程ねぇ……はっはっは、はっはっはっはっは!」
久しぶりに腹を抱えて笑わせてもらったぜ、何てクレイジーなアイディアを提案してくれるんだ? これじゃあ反論出来ねぇ、最強賢者が言いくるめられるとは、こりゃホーリーシットだ!
「一本取られたな、俺様にとって、なくてはならない大事なパートナーじゃねぇか」
「それじゃ、一緒について行っても?」
「勿論歓迎だ! カインから逃げるために力を貸してくれ、バディ」
まさかとびっきりの美女二人がついて来てくれるなんて。両手に華とは、ご機嫌な冒険になりそうだ。
おまけに、俺ちゃんの一発ライフもむふふな事に……♡
―がぶっ
「あら? ちょっとがるるちゃん? なんで俺ちゃんに噛みついてんの?」
牙が食い込んで流血してんだけど。俺様を絞ってブラッディ・マリーでも作るつもりか?
「私が教え込んでおきました。ハワードがやらしい事を考えたらすぐに噛みつけと」
「仕込み早すぎない!? いででで! めっちゃ痛いめっちゃ痛い! 頭蓋骨砕けるっ!」
「私も対ハワード用ハンマーを用意しといたから。手ぇ出したらどうなるかわかるわね?」
「そんなのないでしょーよ! こうなりゃ出発前に二人同時の一発を!」
『天誅!』
戦斧とハンマーのダブルパーンチ! 俺様の望んだ一発とちがーう!
―わふっ
さっさと行くぞと言わんばかりにがるるが背中に乗せてくる。アマンダたんとリサちゃんも騎乗して、がるるを走らせた。
「では行きましょう、カイン君に追いつかれてしまいますよ」
「たはは、締まらないぜ畜生……ファックだな」
「そういえば、昨日カイン対策で色々やってたみたいだけど、あんなのでいいの? 自分から居場所を教えてるようなものじゃない」
「いいのさ。俺様の事を知りすぎている連中だからな」
あいつらは良くも悪くも素直だからな。性格のねじ曲がった汚い大人は、しっかりそいつを利用させてもらうとするさ。
「明後日の方向に迷走するカインが目に浮かぶぜ、まだまだお前に師匠越えはさせねぇよ」
◇◇◇
ハワードが旅立ってから五時間後、勇者パーティはようやくヘルバリアへ到着した。
新聞を握りしめ、カインは魔力塔を見上げた。ハワードが暴れた場所ともあって、彼にとっては聖地巡礼にも等しい。何しろ彼は、世界一のハワードファンなのだから。
「ザナドゥが飛空艇まで導入し攻め込んだのに、街の被害はゼロ、犠牲者まで居ない。こんな離れ業をするなんて……流石は師匠だ!」
「それにしてもヘルバリアに来てるなんて。ハワードさんが絶対行きそうにない場所だから思いつかなかったわ」
ヘルバリアにはハワードが大好きな葉巻もカジノもない。脳みそが欲望で埋まっている彼が真っ先に来るのは予想外だった。
「でもどうしてここに来たんだろう? ハワードさんが好きそうなのって何かあったかな?」
「師匠がここへ来た理由ならわかるよ。義手を作りに来たんだと思う」
「そっか! ヘルバリアは魔法具の最先端だものね、それに私の杖を作ったリサさんもいる。新しい腕を作るならもってこいの場所だわ」
「リサさんか、久しぶりだなぁ。にしても真っ先に義手を作りに行くなんて……結構真面目だなぁ」
「俺には理由がわかるよ。俺達に余計な心配をかけさせないように、右腕の調達を優先したんだと思う。くそ、もっとあの人の思考を読むべきだったな」
「でも失敗は取り返すものでしょう? 転移で急いできたから、ハワードさんは絶対この街に居るはずよ。早く探しましょう」
「ああ! 待っていてください師匠、ようやく貴方に会えます……!」
しかし、いくら探してもハワードは見つからなかった。
当然である。彼はとうに旅立ってしまったのだから。しかも、リサまで居ないと来たものだ。
「……リサさんまで師匠について行ったなんて……羨ましい! 師匠と一緒に平和な世界を旅するのは俺だけの、勇者だけの特権なのにぃ!」
「目を血走らせながら泣くなよ……おいこら僕の服で鼻かむな! でも有力な情報を手に入れたじゃないか」
情報屋とギルド職員から、ハワードが南へ向かったという情報を得たのだ。
二人の言う通り、彼は南へ向けて逃げている。ハワードがあえて、自分の行き先を告げるよう伝えたのだ。
「転移で先回りすれば間に合うはずだ、カイン、早く南の街を手当たり次第に探そう」
「そうね! 移動なら任せてカイン!」
「……待ってくれ二人とも、なにかおかしくないか?」
カインは険しい顔で制止した。
「相手はハワード・ロックだよ? そんなすんなりと自分の痕跡を残すような人かな?」
「言われれば……あの天邪鬼にしてはらしくないミスだよな」
「じゃあ、ハワードさんがあえて残したブラフって事?」
カインの一言で、思考がズレ始めた。
ハワードはカインが賢い奴だと信じている。同時に素直すぎて、深く考えすぎてしまう奴だとも信じている。
カインをよく知っているからこそ、ハワードはあえて正しい情報を流したのだ。彼なら自分を信じて、絶対余計な推理をしてくれると。
「師匠はガンダルフを保護したとも聞いたよね? って事は本当の行き先は……北だ! ガンダルフを元の場所に帰すために、バラルガ山脈を目指すはずだ!」
「凄いわカイン! 完璧な推理よ!」
「じゃあ急いでバラルガ山脈に行こう! 今から行けばきっと間に合うはずだ!」
ハワードの思惑通り、三人はまるで見当違いな予想を立てている。賢者の老獪な小細工により、間違った答えを選ばされていた。
「ふふ、貴方の事は誰よりも理解していますよ師匠。俺には貴方の考えが透けて見える!」
ハワードの方がカインを誰よりも理解していた。彼にはカインの考えが透けて見えている事だろう。
「いざ行かん、バラルガ山脈へ! 勇者と賢者の鬼ごっこは勇者の勝利で終わりだ!」
ハワードVSカインの鬼ごっこ、第一ステージは、最強賢者の圧勝で終わったのだった。
勇者カインもまた、ある事件に鉢合わせていた。
「師匠を探していたら、まさかとんだ相手に出会うとはね」
剣を収め、カインは街を荒らしていた者達を見やる。
そいつらはザナドゥの構成員だった。たまたま立ち寄った街でザナドゥの暗躍を知ったカイン達は、勇者パーティとして事の対処に当たったのだ。
奇しくも同時刻、師匠と弟子は同じ相手と戦っていたのである。
「ありがとうございます勇者様! これでこの街の平和は戻りました!」
ザナドゥにより苦しめられていた街人達が両手を握り、感謝を伝えた。カインはそれに答えてから、仲間二人の元へ戻った。
「ザナドゥか。魔王が倒れてから活動が活発になってるって聞いたけど、魔王に代わって世界征服でもたくらんでいるのかな」
「まさか。カインとハワードさんが居るのに、そんな馬鹿な事を考えるわけないだろ」
ヨハンが肩をすくめながら言うも、カインの顔は険しかった。
「師匠ならきっと疑問に思うはずだよ、どうして急に犯罪グループが活発になったのかって。師匠を探すのは大切だけど、同時にザナドゥの動きも探っていきたいね」
「ここにハワードさんが居たら、同じことを言っていたでしょうね。私達が掴み取った平和なんだから、絶対に守らないと。じゃないと、ハワードさんの失った物が台無しになっちゃう」
コハクが俯いた。若い三人にとって、ハワードが払った代償は、心に大きな傷を与えていた。
だからこそ償いたい。自分達を支え、導いてくれた、尊敬する漢のために。
連れ戻したら、ハワードに何をしてあげよう。美味しい物を沢山ご馳走してあげるのもいいかもしれない、一緒に温泉旅行へ行くのもいいかもしれない。大好きなギャンブルを好きなだけさせてあげてもいいかもしれない。
ハワードにしてあげたい事が沢山あるのだ。だから何としても見つけ出し、勇者パーティへ連れ戻してやる。
その決意を固め、三人は頷いた。勝手に引退したあのロクデナシを、必ず自分達の所へ戻すために。
「にしても、本当にどこに行っちゃったんだろう。師匠の行きそうな所は大体回ったしなぁ」
カインはため息をつきつつ、今日の所は宿で休む事にした。
「うえええええええええええっ!!!???」
そして、翌日の事である。
新聞を読んだカインは度肝を抜かれ、椅子からひっくり返った。目を回し、がくがくと震え、半ば呼吸困難に陥りながら、新聞の一面に釘付けになっている。
「どうしたんだよカイン、そんなお尻から空気を吹き込まれたカエルみたいになって」
「ししっしししししっしっしっしっし師匠だ! 師匠の事が載ってる!」
『ハワードさんの!?』
二人は急いで新聞を読んだ。そこにはハワードが、ヘルバリアにてザナドゥ相手に大立ち回りを演じる記事が載っていたのだ。
「し、師匠もザナドゥを相手にしていたんだ……嬉しい、離れていても俺達は繋がっているんですね師匠!」
「しかも昨日の出来事じゃないか、今なら急げば間に合う、ハワードさんに追いつけるぞ!」
「ヘルバリアなら転移が使えるわ、急ぎましょう二人とも!」
とうとうハワードの居場所がカイン達に伝わってしまった。果たして彼はどのようにして、三人から逃げるのであろうか?
◇◇◇
ザナドゥの脅威が去り、翌日夜明け前。
俺様は旅支度を整え、街を出ようとしていた。
「まるで夜逃げですね」
「しゃあないさ、昨日派手なコンサートを開いちまったからよ。流石にカインの耳まで歌声が聞こえているはずだ、あいつからのアンコールはごめんだぜ」
ザナドゥが飛空艇を持ち出してまでヘルバリアを襲ったんだ、この噂は新聞を通して、瞬く間に広まっちまうだろう。
となれば、カインはヘルバリアにすっ飛んでくるだろう。あいつが来る前にさっさと逃げなくちゃな。
がるるに鞍を装着し、荷物を括り付けていく。ガンダルフのお陰で食料や水を沢山積めるようになったからなぁ。がるる様様だぜ。
「新しい右腕も手に入れたし、ザナドゥの脅威も追い払った。ここにはもう用はない。あいつらが来る前に、ずらかるぜ」
「ふふ、どこまでもお供しますよ。貴方がハワード・ロックである限り、私も退屈しそうにありませんから」
―がるるぅ♪
がるるも喉を鳴らしてすり寄ってくる。へへ、もふもふな毛皮がたまらないぜ。
この二人と一緒なら、俺も飽きずに済みそうだ。だが覚悟しろよ。俺についてくるって事は、一生平穏とは無縁の生活を送るって事だからな。
俺様に穏やかな隠遁生活なんざ似合わねぇ、ピリリとスパイスが利いてなくっちゃ人生は面白くないだろう? 俺様のスローライフは過激なくらいが丁度いいのさ。
トラブルすらもアミューズメントで楽しめる、最強だからこそ味わえる贅沢な毎日だぜ。
ってわけだザナドゥさんよ、お前らには期待しているぜ。
次の目的は、「ザナドゥの壊滅」に決めた。お前らの本拠地を探して、俺様直々にぶっつぶしてやる。
死にたくなければ、俺様がビンビン来るような、一発より過激なスリルをプロモートしてくれよな。
「スリルを隣人に、トラブルをとことんまでに遊び尽くす人生こそが、ハワード・ロックのスローライフって奴よ!」
って事でアマンダを乗せ、がるるを出そうとした時だった。
「そこのスケベ賢者! ちょーっと待ったあ!」
「あん? このきゃわいく俺ちゃんを呼び止める声! もしかしてリサちゅわーん!? 愛しのプリティキティが見送りに駆け寄ってくれたじゃないの! やーん俺ちゃんうれしーお外でいいから一発しよー♡」
「天誅!」
なーんて飛び出したらアマンダたんの斧が炸裂、俺ちゃん無様にめり込み中……。
「な、なははは……思わぬ過激な一発ぅ……」
「これが私と街を守った最強賢者の姿とは、なんだか信じられないわね」
リサちゃんは呆れたように俺様を見下ろしている。その背には、どでかい荷物をしょっていた。
「その荷物。そうか、決意したんだな」
「うん、一晩考えて、決めたんだ。この街を守りながら世界を見て回るって!」
「そうか……はい?」
「旅に出ては、ヘルバリアを守れないのでは?」
アマンダたんまで口出ししちまうほど、突拍子のない宣言だ。俺ちゃんも予想外のアンサーだぜ。
「どーやって旅に出ながら街も守るわけ? 俺様やカインならまだしも、君の力で出来るのかい?」
「ザナドゥはあんたを標的にしている間、ヘルゲルトを狙わないんでしょ? って事は万一ハワードがやられちゃったら、この街はまたザナドゥの脅威にさらされる事になるわけだ。それじゃあ安心して旅ができないでしょ。だから、あんたを守れば結果的に街を守る事に繋がるって訳」
「あんれまぁ、面白い結論だ。しかし、俺様をどうやって守るのかプランはあるのかい? 計画もない奴を連れて行くわけにゃあいかないぜ?」
「ちゃんとあるわ。その義手、構造が凄く複雑で、私以外の職人じゃ整備もままならない代物よ。右腕が壊れたら、あんたどうするつもりなの?」
「あー、そいつは確かに、盲点だったな」
それに俺様が使う腕だ、当然パーツの摩耗も激しいだろう。腕利きの職人が整備しないと、あっという間にガラクタになっちまう。
「いくらあんたが強くたって、万全の状態じゃないと、ザナドゥにやられるかもしれない。だったら私がついて行って、専属職人として右腕の調整をしてあげればいい。そしたら常に万全の状態で戦えるから、ヘルバリアがザナドゥに襲われなくなる。ね? 旅をしながら街も守れるグッドアイディアでしょ」
「成程ねぇ……はっはっは、はっはっはっはっは!」
久しぶりに腹を抱えて笑わせてもらったぜ、何てクレイジーなアイディアを提案してくれるんだ? これじゃあ反論出来ねぇ、最強賢者が言いくるめられるとは、こりゃホーリーシットだ!
「一本取られたな、俺様にとって、なくてはならない大事なパートナーじゃねぇか」
「それじゃ、一緒について行っても?」
「勿論歓迎だ! カインから逃げるために力を貸してくれ、バディ」
まさかとびっきりの美女二人がついて来てくれるなんて。両手に華とは、ご機嫌な冒険になりそうだ。
おまけに、俺ちゃんの一発ライフもむふふな事に……♡
―がぶっ
「あら? ちょっとがるるちゃん? なんで俺ちゃんに噛みついてんの?」
牙が食い込んで流血してんだけど。俺様を絞ってブラッディ・マリーでも作るつもりか?
「私が教え込んでおきました。ハワードがやらしい事を考えたらすぐに噛みつけと」
「仕込み早すぎない!? いででで! めっちゃ痛いめっちゃ痛い! 頭蓋骨砕けるっ!」
「私も対ハワード用ハンマーを用意しといたから。手ぇ出したらどうなるかわかるわね?」
「そんなのないでしょーよ! こうなりゃ出発前に二人同時の一発を!」
『天誅!』
戦斧とハンマーのダブルパーンチ! 俺様の望んだ一発とちがーう!
―わふっ
さっさと行くぞと言わんばかりにがるるが背中に乗せてくる。アマンダたんとリサちゃんも騎乗して、がるるを走らせた。
「では行きましょう、カイン君に追いつかれてしまいますよ」
「たはは、締まらないぜ畜生……ファックだな」
「そういえば、昨日カイン対策で色々やってたみたいだけど、あんなのでいいの? 自分から居場所を教えてるようなものじゃない」
「いいのさ。俺様の事を知りすぎている連中だからな」
あいつらは良くも悪くも素直だからな。性格のねじ曲がった汚い大人は、しっかりそいつを利用させてもらうとするさ。
「明後日の方向に迷走するカインが目に浮かぶぜ、まだまだお前に師匠越えはさせねぇよ」
◇◇◇
ハワードが旅立ってから五時間後、勇者パーティはようやくヘルバリアへ到着した。
新聞を握りしめ、カインは魔力塔を見上げた。ハワードが暴れた場所ともあって、彼にとっては聖地巡礼にも等しい。何しろ彼は、世界一のハワードファンなのだから。
「ザナドゥが飛空艇まで導入し攻め込んだのに、街の被害はゼロ、犠牲者まで居ない。こんな離れ業をするなんて……流石は師匠だ!」
「それにしてもヘルバリアに来てるなんて。ハワードさんが絶対行きそうにない場所だから思いつかなかったわ」
ヘルバリアにはハワードが大好きな葉巻もカジノもない。脳みそが欲望で埋まっている彼が真っ先に来るのは予想外だった。
「でもどうしてここに来たんだろう? ハワードさんが好きそうなのって何かあったかな?」
「師匠がここへ来た理由ならわかるよ。義手を作りに来たんだと思う」
「そっか! ヘルバリアは魔法具の最先端だものね、それに私の杖を作ったリサさんもいる。新しい腕を作るならもってこいの場所だわ」
「リサさんか、久しぶりだなぁ。にしても真っ先に義手を作りに行くなんて……結構真面目だなぁ」
「俺には理由がわかるよ。俺達に余計な心配をかけさせないように、右腕の調達を優先したんだと思う。くそ、もっとあの人の思考を読むべきだったな」
「でも失敗は取り返すものでしょう? 転移で急いできたから、ハワードさんは絶対この街に居るはずよ。早く探しましょう」
「ああ! 待っていてください師匠、ようやく貴方に会えます……!」
しかし、いくら探してもハワードは見つからなかった。
当然である。彼はとうに旅立ってしまったのだから。しかも、リサまで居ないと来たものだ。
「……リサさんまで師匠について行ったなんて……羨ましい! 師匠と一緒に平和な世界を旅するのは俺だけの、勇者だけの特権なのにぃ!」
「目を血走らせながら泣くなよ……おいこら僕の服で鼻かむな! でも有力な情報を手に入れたじゃないか」
情報屋とギルド職員から、ハワードが南へ向かったという情報を得たのだ。
二人の言う通り、彼は南へ向けて逃げている。ハワードがあえて、自分の行き先を告げるよう伝えたのだ。
「転移で先回りすれば間に合うはずだ、カイン、早く南の街を手当たり次第に探そう」
「そうね! 移動なら任せてカイン!」
「……待ってくれ二人とも、なにかおかしくないか?」
カインは険しい顔で制止した。
「相手はハワード・ロックだよ? そんなすんなりと自分の痕跡を残すような人かな?」
「言われれば……あの天邪鬼にしてはらしくないミスだよな」
「じゃあ、ハワードさんがあえて残したブラフって事?」
カインの一言で、思考がズレ始めた。
ハワードはカインが賢い奴だと信じている。同時に素直すぎて、深く考えすぎてしまう奴だとも信じている。
カインをよく知っているからこそ、ハワードはあえて正しい情報を流したのだ。彼なら自分を信じて、絶対余計な推理をしてくれると。
「師匠はガンダルフを保護したとも聞いたよね? って事は本当の行き先は……北だ! ガンダルフを元の場所に帰すために、バラルガ山脈を目指すはずだ!」
「凄いわカイン! 完璧な推理よ!」
「じゃあ急いでバラルガ山脈に行こう! 今から行けばきっと間に合うはずだ!」
ハワードの思惑通り、三人はまるで見当違いな予想を立てている。賢者の老獪な小細工により、間違った答えを選ばされていた。
「ふふ、貴方の事は誰よりも理解していますよ師匠。俺には貴方の考えが透けて見える!」
ハワードの方がカインを誰よりも理解していた。彼にはカインの考えが透けて見えている事だろう。
「いざ行かん、バラルガ山脈へ! 勇者と賢者の鬼ごっこは勇者の勝利で終わりだ!」
ハワードVSカインの鬼ごっこ、第一ステージは、最強賢者の圧勝で終わったのだった。
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解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
辺境薬術師のポーションは至高 騎士団を追放されても、魔法薬がすべてを解決する
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【書籍化しました】
余分にポーションを作らせ、横流しして金を稼いでいた王国騎士団第15番隊は、俺を追放した。
いきなり仕事を首にされ、隊を後にする俺。ひょんなことから、辺境伯の娘の怪我を助けたことから、辺境の村に招待されることに。
一方、モンスターたちのスタンピードを抑え込もうとしていた第15番隊。
しかしポーションの数が圧倒的に足りず、品質が低いポーションで回復もままならず、第15番隊の守備していた拠点から陥落し、王都は徐々にモンスターに侵略されていく。
俺はもふもふを拾ったり農地改革したり辺境の村でのんびりと過ごしていたが、徐々にその腕を買われて頼りにされることに。功績もステータスに表示されてしまい隠せないので、褒賞は甘んじて受けることにしようと思う。
『捨てられシスターと傷ついた獣の修繕日誌』~「修理が遅い」と追放されたけど、DIY知識チートで壊れた家も心も直して、幸せな家庭を築きます
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【12/6 日間ランキング17位!】
「魔法で直せば一瞬だ。お前の手作業は時間の無駄なんだよ」
そう言われて勇者パーティを追放されたシスター、エリス。
彼女の魔法は弱く、派手な活躍はできない。 けれど彼女には、物の声を聞く『構造把握』の力と、前世から受け継いだ『DIY(日曜大工)』の知識があった。
傷心のまま辺境の村「ココン」に流れ着いた彼女は、一軒のボロ家と出会う。 隙間風だらけの壁、腐りかけた床。けれど、エリスは目を輝かせた。
「直せる。ここを、世界で一番温かい『帰る場所』にしよう!」
釘を使わない頑丈な家具、水汲み不要の自動ポンプ、冬でもポカポカの床暖房。
魔法文明が見落としていた「手間暇かけた技術」は、不便な辺境生活を快適な楽園へと変えていく。
やがてその温かい家には、 傷ついた銀髪の狼少女や、 素直になれないツンデレ黒猫、 人見知りな犬耳の鍛冶師が集まってきて――。
「エリス姉、あったか~い……」「……悔しいけど、この家から出られないわね」
これは、不器用なシスターが、壊れた家と、傷ついた心を修繕していく物語。 優しくて温かい、手作りのスローライフ・ファンタジー!
(※一方その頃、メンテナンス係を失った勇者パーティの装備はボロボロになり、冷たい野営で後悔の日々を送るのですが……それはまた別のお話)
土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
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「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。
荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。
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無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。
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事実に気づいた時にはもう遅い。
道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。
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美しいのに中二が暴走する魔法使い
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自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。
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“間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる”
再生の物語である。
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