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8頭目 ホルスタインのミルさん
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「ミルクが飲みたい」
やってくるなり、ちゃこさんさんはそう言いました。
ミルク……思えば私も暫く飲んでいませんね。あの甘く芳醇な味わい、思い出すだけで涎があふれてしまいます。
「ここのところ飲んでなくて、どうにも欲求不満なのよね。マグロチューブもいいんだけど、たまにはおやつにミルクが欲しいのよ」
「うーん、私もマグロチューブが食べたくなりますね」
「なんでそうなる」
はっ、ちゃこさんさんが言うものだからつい……。
「という事でさ、今日の行き先は決まりね」
「ミルクと言うと、あの方ですね」
私はちゃこさんさんを乗せ、ある場所へ向かいました。
お家から少し離れた所にあるチーズ屋さん。お店の裏に行くと小さな厩舎があり、白黒の体が目印の牛さんがいらっしゃるのです。
「こんにちはミルさん!」
「あらちゃこちゃん、べぇさんも来てくれたのね」
ホルスタインのミルさんです。このお店では毎日ミルさんのしぼりたてミルクを使ってチーズを作っていて、これがまた美味しいんですよ。
「久しぶりにミルさんのミルクが飲みたくなったのよ、頼めるかしら」
「任せて、今うちの人を呼ぶから」
ミルさんが大声で鳴きました。するとチーズ屋さんのご主人、哲也さんがいらっしゃいます。
「どうしたミルちゃん……ちゃこにべぇか。牛乳飲みに来たんだな。ちょっと待ってな。直飲みは危ないから」
程なくして、哲也さんがミルクを持ってきてくれました。
早速いただきます。うん、この濃厚な味わい……やはりミルさんのミルクは最高です。
「うちの坊が余した奴だから、はけて丁度良かったよ。坊もこれくらい飲んでくれればいいんだがなぁ」
「哲也さんのお子さん、ミルクがお嫌いなんでしょうか」
「いや、そんな事ないはずよ? 前にがぶがぶ飲んでるの見たし。と言うかここの家の子って」
「あー! べぇとちゃこが来てる! お父さん早く言ってよ!」
哲也さんのお子さん、12歳の沙紀ちゃんがいらっしゃいました。中学1年生の女の子でして、私達を沢山撫でてくれます。
「女の子なのに坊って呼び方変じゃない?」
「それもそうですね」
「ああ、2人は暫く来てなかったら知らなかったわね。実は新しい家族が増えてたのよ。ほらニューちゃん、いらっしゃい」
ミルさんが厩舎の奥に呼びかけます。そしたらおずおずと、小さな牛さんが出てきました。
子牛さんです。いつの間にいらしていたんでしょうか。
「どうも初めまして、本日はどちらから来られたのですか?」
「少しは察しろ天然。ミルさんの子供さんでしょう」
「おや、そうだったのですか?」
「ええ、ちょっと人見知りでね、知らない子が来るとすぐに逃げ隠れしちゃうのよ」
「そうだったのですか。これは失礼しました」
女の子のようですね。ミルさんの新しいご家族となれば今後もお付き合いがあるでしょう、しっかりご挨拶をしなければ。
「ミルさんのミルク、あんまり飲まないの?」
「そうなの。もうすぐ時期なのに、困ったわね」
時期とは? 私とちゃこさんさんは首をかしげました。
「だ、だれ?」
「ミルさんのお友達です。貴方のお名前は?」
「ニュー……怖い事しない?」
「しないわよ」
「……おっきい犬」
どうも私を恐がってるようですね。ならば年上として導きましょう。
ニューさんの頬を舐めて差し上げると、一瞬驚きましたが、次第に警戒を解いてくれました。私の頭を舐めてくれまして、ご挨拶を返してくれました。
「流石べぇさん、商店街の顔役ね。あっという間にニューが懐いたわ」
「ちょっと、この商店街の顔役は私よ」
「あらごめんなさい」
「ねぇ、遊んでもいい?」
「勿論」
少しの間、私達はニューさんと遊びました。
追いかけっこや紐の引っ張り合いと、楽しい時間でしたね。ニューさんも私達に慣れてくれまして、笑顔を見せるようになってくれました。
「ねぇ、また明日も来てくれる?」
「勿論いいですよ、ちゃこさんさんもどうですか?」
「またミルクご馳走してくれるなら」
「大丈夫よ、ミルクなら沢山出せるから」
ミルさんも快く頷いてくれました。これは明日が楽しみですね。
ニューさんは遊び疲れたのか眠ってしまいます。私達も帰ろうとした時。
「べぇさん、ちゃこさん。あの子と遊んでくれてありがとうね」
「どういたしまして。私達も楽しかったですよ」
「ええ、貴方達のおかげであの子もいい思い出が出来たわ」
「なんだか変な言い回しね?」
「ごめんなさい、今の一言は忘れて。でももうすぐなのよ、あの子は」
ミルさんはなんだか寂しそうです。様子が少し変ですね。
時期だから、もうすぐだから。何やら、含みを持った言葉です。
「ねぇミルさん、私達にできる事ってない? いつもミルクを貰ってるし、お返しにできる事ならなんでもするわよ」
「大丈夫よ。私達では、どうする事も出来ないから……」
ちょっと心配ですね。明日また、様子を見に行きましょうか。
◇◇◇
翌日。私とちゃこさんさんはミルさんの下へ急ぎました。
朝からミルさんの声が聞こえるのです。それも、とても悲しい声が。
現場に到着すると、トラックが走り去っていきます。そこからニューさんのにおいがしました。
「うっ……うっ……元気でね……」
ミルさんは泣きはらしています。ニューさんはどこにも居ません。
もしかしてニューさんは……出て行ってしまったのでしょうか。
「あ、ふたりとも……ごめんなさい、見苦しい所を見せて」
「それより、ニューは?」
「行ってしまったわ、新しい飼い主の所に……」
「やはり、さっきのトラックがそうだったのですね」
「何てことを、急いで追いかけなくちゃ!」
「もう遅いわ、あの子はもう、戻ってこないの……」
「なぜですか? どうしてこんな事に」
「ここの厩舎は狭いでしょう? 私1頭が住むのが精一杯で、2頭以上は無理なのよ。だから、ニューはもっと広い牧場に運ばれたのよ」
「……そう、ですか……」
「ちょっと、こんなの納得できるわけないでしょう! 連れ戻さないと」
「やめましょうちゃこさんさん、私には事情が分かりますから」
私が前居た所も、子犬を飼いきれないから里親を探していました。
家族が減るのは確かに悲しい事です。ですが、だからと言って飼いきれない動物を抱え込んでは、人間も動物も不幸になってしまいます。
私達飼われている動物は、人間の手が無ければ死んでしまいます。だから、互いに幸せになるためには……こうした別れが必要なのです。
「大丈夫、慣れているから……私は何頭も子供を産んでるから。その度にこうやって、別れているから。私に出来るのは、あの子が幸せに暮らしてくれるよう祈るだけ」
「無理は、しないでくださいね」
ミルさんの足を舐め、励まします。
家族が減ってしまうのです、辛くないわけがありません。
だから今日は、私達がお傍に居ましょう。ミルさんが泣き止むまで。
◇◇◇
それから暫く経っての事。
私とちゃこさんさんはミルさんの様子を伺いに、チーズ屋へ赴きました。
すると哲也さんが、ミルさんに写真を見せていました。ミルさんは嬉しそうに鳴いています。
「べぇじゃないか。お前も見るかい?」
哲也さんが私達に写真を見せました。そこには、ニューさんが映っています。
貰われた先の牧場で元気にされているようです。どうやら、他の牛と仲良く過ごしているみたいですね。
「よかった、ニューが元気にしてくれていて。ずっと心配していたのよ」
「安心しましたね、私達も肩の荷が下りた気分です」
「ほっとしたら、なんだかお腹すいちゃったな」
「良ければミルクを飲んでいって。ニューのお祝いよ」
ご厚意に甘えて、私達はミルクをいただきました。
確かに美味しい、ですがどこか涙の味もします。
ニューさんも大きくなったら、ミルさんのようにミルクを出せるようになるのでしょう。彼女のミルクがここへ届いたら、是非飲んでみたいものですね。
※ホルスタイン
牛乳を採るため交配された品種。ドイツのシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州にちなんで名づけられた。
日本で飼育されている乳牛の99%がホルスタインで占められており、牛界の女王とも呼ばれている。一頭で年間5000kgの牛乳が採れ、個体によっては10000~20000kgもの牛乳を産出する牛も居る。
ちなみにオスのホルスタインは食肉用として出荷され、ファストフードのハンバーガーのパティなどに加工されたり、肉屋で安価な品物として出されたりしている。
やってくるなり、ちゃこさんさんはそう言いました。
ミルク……思えば私も暫く飲んでいませんね。あの甘く芳醇な味わい、思い出すだけで涎があふれてしまいます。
「ここのところ飲んでなくて、どうにも欲求不満なのよね。マグロチューブもいいんだけど、たまにはおやつにミルクが欲しいのよ」
「うーん、私もマグロチューブが食べたくなりますね」
「なんでそうなる」
はっ、ちゃこさんさんが言うものだからつい……。
「という事でさ、今日の行き先は決まりね」
「ミルクと言うと、あの方ですね」
私はちゃこさんさんを乗せ、ある場所へ向かいました。
お家から少し離れた所にあるチーズ屋さん。お店の裏に行くと小さな厩舎があり、白黒の体が目印の牛さんがいらっしゃるのです。
「こんにちはミルさん!」
「あらちゃこちゃん、べぇさんも来てくれたのね」
ホルスタインのミルさんです。このお店では毎日ミルさんのしぼりたてミルクを使ってチーズを作っていて、これがまた美味しいんですよ。
「久しぶりにミルさんのミルクが飲みたくなったのよ、頼めるかしら」
「任せて、今うちの人を呼ぶから」
ミルさんが大声で鳴きました。するとチーズ屋さんのご主人、哲也さんがいらっしゃいます。
「どうしたミルちゃん……ちゃこにべぇか。牛乳飲みに来たんだな。ちょっと待ってな。直飲みは危ないから」
程なくして、哲也さんがミルクを持ってきてくれました。
早速いただきます。うん、この濃厚な味わい……やはりミルさんのミルクは最高です。
「うちの坊が余した奴だから、はけて丁度良かったよ。坊もこれくらい飲んでくれればいいんだがなぁ」
「哲也さんのお子さん、ミルクがお嫌いなんでしょうか」
「いや、そんな事ないはずよ? 前にがぶがぶ飲んでるの見たし。と言うかここの家の子って」
「あー! べぇとちゃこが来てる! お父さん早く言ってよ!」
哲也さんのお子さん、12歳の沙紀ちゃんがいらっしゃいました。中学1年生の女の子でして、私達を沢山撫でてくれます。
「女の子なのに坊って呼び方変じゃない?」
「それもそうですね」
「ああ、2人は暫く来てなかったら知らなかったわね。実は新しい家族が増えてたのよ。ほらニューちゃん、いらっしゃい」
ミルさんが厩舎の奥に呼びかけます。そしたらおずおずと、小さな牛さんが出てきました。
子牛さんです。いつの間にいらしていたんでしょうか。
「どうも初めまして、本日はどちらから来られたのですか?」
「少しは察しろ天然。ミルさんの子供さんでしょう」
「おや、そうだったのですか?」
「ええ、ちょっと人見知りでね、知らない子が来るとすぐに逃げ隠れしちゃうのよ」
「そうだったのですか。これは失礼しました」
女の子のようですね。ミルさんの新しいご家族となれば今後もお付き合いがあるでしょう、しっかりご挨拶をしなければ。
「ミルさんのミルク、あんまり飲まないの?」
「そうなの。もうすぐ時期なのに、困ったわね」
時期とは? 私とちゃこさんさんは首をかしげました。
「だ、だれ?」
「ミルさんのお友達です。貴方のお名前は?」
「ニュー……怖い事しない?」
「しないわよ」
「……おっきい犬」
どうも私を恐がってるようですね。ならば年上として導きましょう。
ニューさんの頬を舐めて差し上げると、一瞬驚きましたが、次第に警戒を解いてくれました。私の頭を舐めてくれまして、ご挨拶を返してくれました。
「流石べぇさん、商店街の顔役ね。あっという間にニューが懐いたわ」
「ちょっと、この商店街の顔役は私よ」
「あらごめんなさい」
「ねぇ、遊んでもいい?」
「勿論」
少しの間、私達はニューさんと遊びました。
追いかけっこや紐の引っ張り合いと、楽しい時間でしたね。ニューさんも私達に慣れてくれまして、笑顔を見せるようになってくれました。
「ねぇ、また明日も来てくれる?」
「勿論いいですよ、ちゃこさんさんもどうですか?」
「またミルクご馳走してくれるなら」
「大丈夫よ、ミルクなら沢山出せるから」
ミルさんも快く頷いてくれました。これは明日が楽しみですね。
ニューさんは遊び疲れたのか眠ってしまいます。私達も帰ろうとした時。
「べぇさん、ちゃこさん。あの子と遊んでくれてありがとうね」
「どういたしまして。私達も楽しかったですよ」
「ええ、貴方達のおかげであの子もいい思い出が出来たわ」
「なんだか変な言い回しね?」
「ごめんなさい、今の一言は忘れて。でももうすぐなのよ、あの子は」
ミルさんはなんだか寂しそうです。様子が少し変ですね。
時期だから、もうすぐだから。何やら、含みを持った言葉です。
「ねぇミルさん、私達にできる事ってない? いつもミルクを貰ってるし、お返しにできる事ならなんでもするわよ」
「大丈夫よ。私達では、どうする事も出来ないから……」
ちょっと心配ですね。明日また、様子を見に行きましょうか。
◇◇◇
翌日。私とちゃこさんさんはミルさんの下へ急ぎました。
朝からミルさんの声が聞こえるのです。それも、とても悲しい声が。
現場に到着すると、トラックが走り去っていきます。そこからニューさんのにおいがしました。
「うっ……うっ……元気でね……」
ミルさんは泣きはらしています。ニューさんはどこにも居ません。
もしかしてニューさんは……出て行ってしまったのでしょうか。
「あ、ふたりとも……ごめんなさい、見苦しい所を見せて」
「それより、ニューは?」
「行ってしまったわ、新しい飼い主の所に……」
「やはり、さっきのトラックがそうだったのですね」
「何てことを、急いで追いかけなくちゃ!」
「もう遅いわ、あの子はもう、戻ってこないの……」
「なぜですか? どうしてこんな事に」
「ここの厩舎は狭いでしょう? 私1頭が住むのが精一杯で、2頭以上は無理なのよ。だから、ニューはもっと広い牧場に運ばれたのよ」
「……そう、ですか……」
「ちょっと、こんなの納得できるわけないでしょう! 連れ戻さないと」
「やめましょうちゃこさんさん、私には事情が分かりますから」
私が前居た所も、子犬を飼いきれないから里親を探していました。
家族が減るのは確かに悲しい事です。ですが、だからと言って飼いきれない動物を抱え込んでは、人間も動物も不幸になってしまいます。
私達飼われている動物は、人間の手が無ければ死んでしまいます。だから、互いに幸せになるためには……こうした別れが必要なのです。
「大丈夫、慣れているから……私は何頭も子供を産んでるから。その度にこうやって、別れているから。私に出来るのは、あの子が幸せに暮らしてくれるよう祈るだけ」
「無理は、しないでくださいね」
ミルさんの足を舐め、励まします。
家族が減ってしまうのです、辛くないわけがありません。
だから今日は、私達がお傍に居ましょう。ミルさんが泣き止むまで。
◇◇◇
それから暫く経っての事。
私とちゃこさんさんはミルさんの様子を伺いに、チーズ屋へ赴きました。
すると哲也さんが、ミルさんに写真を見せていました。ミルさんは嬉しそうに鳴いています。
「べぇじゃないか。お前も見るかい?」
哲也さんが私達に写真を見せました。そこには、ニューさんが映っています。
貰われた先の牧場で元気にされているようです。どうやら、他の牛と仲良く過ごしているみたいですね。
「よかった、ニューが元気にしてくれていて。ずっと心配していたのよ」
「安心しましたね、私達も肩の荷が下りた気分です」
「ほっとしたら、なんだかお腹すいちゃったな」
「良ければミルクを飲んでいって。ニューのお祝いよ」
ご厚意に甘えて、私達はミルクをいただきました。
確かに美味しい、ですがどこか涙の味もします。
ニューさんも大きくなったら、ミルさんのようにミルクを出せるようになるのでしょう。彼女のミルクがここへ届いたら、是非飲んでみたいものですね。
※ホルスタイン
牛乳を採るため交配された品種。ドイツのシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州にちなんで名づけられた。
日本で飼育されている乳牛の99%がホルスタインで占められており、牛界の女王とも呼ばれている。一頭で年間5000kgの牛乳が採れ、個体によっては10000~20000kgもの牛乳を産出する牛も居る。
ちなみにオスのホルスタインは食肉用として出荷され、ファストフードのハンバーガーのパティなどに加工されたり、肉屋で安価な品物として出されたりしている。
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