4 / 32
3話 アホの子+アホの子=アホの子
しおりを挟む
「あんた……なんって事してくれてんだよ!」
ばるきりーさんことラーズグリーズは、浩二に正座をさせられ、こんこんと説教を受けていた。周りは警察で囲まれて、あとついでにヴァルキュリア軍が現場修復に奔走していた。
ラーズグリーズは彼を助けたはずだった。てっきり彼から感謝の言葉が聞けるかと思ったのに、彼の口から飛び出したのは中々手厳しい罵詈雑言である。
「しかしな浩二、私は君を救助したわけだろう? こうして無事に済んだのだから、怒るのはむしろ筋違いじゃ」
「黙れ」
浩二に強く言われ、ラーズグリーズは口をつぐんだ。
「あんたな、これで助けたって言えるのか?」
浩二は腕を広げ、めちゃくちゃに破壊された住宅地を示した。
確かに少しやりすぎただろうが、フレースヴェルグは気絶させただけ、切断した腕も再生する。人間だって犠牲者は居なかったし、建物は元に戻せる。別段、気に留めるような事ではないと思うのだが。
「君の怪我も大した事はないのだろう? せいぜい肩が外れたくらいで、大した事なかったし」
「俺の怪我は別にいいんだよ。もっと違う事を言うべきじゃないのか?」
「むぅ……思い当たらんのだが……第一、命は助けたのだから……」
「……所詮何を言おうが無駄かよ」
浩二は心底呆れた様子でそっぽを向いた。軽蔑されているのは分かったが、なぜそこまで蔑まされなければならないのだろう。
首を傾げるラーズグリーズ。すると横から、救いの手が伸びてきた。
「こうちゃん、もういいでしょ? ばるきりーさんの言うとおり、皆無事だったんだから」
琴音である。浩二をなだめようとしてくれたのだが、浩二は琴音の腕を掴んだ。
「無事だ?」
そして彼女の髪をかきあげて、眉根をしかめた。
「お前、その怪我隠して何言ってんだよ」
「何、怪我?」
ラーズグリーズは立ち上がった。琴音はこめかみに傷を受けており、出血の跡が伺えた。それ以外にも傷跡が目立つ。先ほどの爆発に巻き込まれたからだろうか。
「その怪我、こいつのせいでついたんだろ?」
「違うよ。私が鈍くさくて、逃げ遅れたから」
「嘘つくな。分かりやすいんだよ、お前は」
浩二は絆創膏を何枚か琴音に貼ってから、ラーズグリーズを睨んだ。
「あんたは結局戦士なんだな。教師にゃ絶対なれねーよ」
「それはどういう意味だ?」
「説明しても無駄だ。話す価値も無いし、もう罵る意味も無い」
浩二は踵を返し、
「生徒一人助けられない教師が偉そうな面で教壇に立つな、馬鹿野郎」
そう残して、足早に去ってしまった。
生徒一人を助けられない? どうしてだ? ちゃんと命は守っただろうに。ラーズグリーズは頭を悩ませた。
「えっと、ばるきりーさん。あんまり気にしなくても平気だよ」
「そう言われてもな」
琴音の絆創膏を見つつ、ラーズグリーズは考えた。
教師にはなれないとは? 生徒を助けるとはなんだ? 彼が求めていたのはなんだ? 浩二の言葉が頭の中をぐるぐる回り、ラーズグリーズは思考の渦に飲まれていった。
「……分からん。なぜあそこまで言われなければならなかった? 琴音、君は分かるか?」
「うん、まぁ。ちょっとは」
琴音は苦笑いを浮かべた。
「やっぱり、怪我する人を出すのはよくなかったかも。ばるきりーさんの助け方だと死んじゃう人も居たかもしれないし」
「あの程度で死ぬのか? むぅ……」
ヴァルハラの住民ならばあの程度は軽く耐えるのだが。人間は想像以上に脆い種族らしい。
「しかし、それでもあれは少々言いすぎだと思うが」
「うん、こうちゃんはちょっと、その辺りに敏感なんだ」
琴音は視線をそらした。
「こうちゃんの事知ってると、ああいう言い方になっちゃうのはしょうがないかも」
「浩二がああ言うのは、理由があるのか?」
「口で言うのは簡単だけど……こうちゃんがそれ知ったら、多分余計こじれちゃうかも」
「こじれる? なぜこじれるのだ?」
「ちょっと繊細な問題なの」
琴音は言いよどんだ。彼女の表情は優れず、胸の内を隠そうとしているようだった。
ラーズグリーズはまた首を傾げた。言いたい事があるなら、とっとと言えばいいだろうに。
「……やはり分からん。命の恩人に無礼を働くのが人間の礼儀なのだろうか……」
「や、それは違ってね。えっとぉ……うーんっとぉ……」
琴音は懸命に考えて、頭から湯気を出した。
「……うん。やっぱり口で言うより、ばるきりーさんが動いた方がいいと思う」
「私がか? なぜだ、君が浩二の事を説明してくれればいいだけのことだろう?」
「それだと、余計にこうちゃんを怒らせちゃうよ。また怒られるの、嫌でしょ?」
そんなの当たり前だ。なぜか浩二の言葉は、頭に突き刺さる。彼からは、見放されてしまったかもしれない。そう思うと、胸が痛くなる。
どうしたらいい、どうしたら、彼は許してくれるだろうか。
悩むラーズグリーズに、琴音は両手を掴んだ。
「だから、ばるきりーさんが頑張らなくちゃいけないの。ばるきりーさんがこうちゃんの事を知っていかないと、ね」
「そう、なのか?」
「うん。だってばるきりーさんは、先生なんだから」
琴音はラーズグリーズの手をとり、にぱっと笑った。
「人の事、知りに来たんでしょ? それなら、今は先生になってみて。私も一緒に協力するから! 何か困った事があったら、なんでも言って!」
「琴音……うむ!」
琴音の手をしっかり握り返し、ラーズグリーズはむんっとやる気を出した。
そこまで言われたならばやってやろうではないか。ヴァルハラの戦士、ラーズグリーズに不可能などないのだから!
「……しかし……」
拘束され、連行されていくフレースヴェルグを見上げ、ラーズグリーズは顎に手を当てた。
フレースヴェルグは寒さを好むため北極を住処にし、温暖な地域には近づこうとしない巨人である。四月の日本は温暖で、決して彼が好む環境ではないはずなのだが。
何より、奴のあの目。瞳孔の開ききった、正気を失った目。比較的大人しい巨人がするような目ではない。
「……あれは洗脳術の類だったな」
誰がどんな目的でかけたのかはわからないが、洗脳術の使い方としては、悪意に満ち溢れている。浩二と琴音は、意図的に襲撃された可能性が高かった。
ただ……それは後で調べる。今すべき事は、別にあった。
「琴音」
ラーズグリーズは琴音の肩を掴み、額がくっつくほどに顔を近づけた。
「教えてくれ……教師として……基本的な心構えをこの私に叩き込んで欲しいのだ!」
「ふえ? 私が?」
「先ほど困った事があったらなんでも言えといっただろう。だったら今がその時だ! 私は今のままでは戦士でしかない……私が教師と成るためにも! 君の力が今こそ必要なのだ!」
「私の……力が……!」
ラーズグリーズが頼み込んだことで、琴音のやる気エンジンが、轟音と共に始動してしまったらしい。
「分かったよばるきりーさん!」
アホ毛のアンテナをぴんと立て、琴音は目を輝かせた。
彼女、困った事に頼られ好きなのである。一度頼られると以降、浩二ですら止められぬほどにヒートアップしてしまうのだ。
んでもって、ニトロブースターばりの勢いで気が飛んでしまうのがお約束。
「じゃあ私の家に来て! 教師とは何たるか、私の部屋でみっちりレクチャーしてあげる!」
「お願いします老師!」
「さぁ! あの夕日まで私と競争よ!」
お前ら何キャラだよ。浩二がいたらそんなツッコミが確実に入るであろう異様なテンションのまま、二人は夕日ではなく夕月に向かって走っていったのだった。
ばるきりーさんことラーズグリーズは、浩二に正座をさせられ、こんこんと説教を受けていた。周りは警察で囲まれて、あとついでにヴァルキュリア軍が現場修復に奔走していた。
ラーズグリーズは彼を助けたはずだった。てっきり彼から感謝の言葉が聞けるかと思ったのに、彼の口から飛び出したのは中々手厳しい罵詈雑言である。
「しかしな浩二、私は君を救助したわけだろう? こうして無事に済んだのだから、怒るのはむしろ筋違いじゃ」
「黙れ」
浩二に強く言われ、ラーズグリーズは口をつぐんだ。
「あんたな、これで助けたって言えるのか?」
浩二は腕を広げ、めちゃくちゃに破壊された住宅地を示した。
確かに少しやりすぎただろうが、フレースヴェルグは気絶させただけ、切断した腕も再生する。人間だって犠牲者は居なかったし、建物は元に戻せる。別段、気に留めるような事ではないと思うのだが。
「君の怪我も大した事はないのだろう? せいぜい肩が外れたくらいで、大した事なかったし」
「俺の怪我は別にいいんだよ。もっと違う事を言うべきじゃないのか?」
「むぅ……思い当たらんのだが……第一、命は助けたのだから……」
「……所詮何を言おうが無駄かよ」
浩二は心底呆れた様子でそっぽを向いた。軽蔑されているのは分かったが、なぜそこまで蔑まされなければならないのだろう。
首を傾げるラーズグリーズ。すると横から、救いの手が伸びてきた。
「こうちゃん、もういいでしょ? ばるきりーさんの言うとおり、皆無事だったんだから」
琴音である。浩二をなだめようとしてくれたのだが、浩二は琴音の腕を掴んだ。
「無事だ?」
そして彼女の髪をかきあげて、眉根をしかめた。
「お前、その怪我隠して何言ってんだよ」
「何、怪我?」
ラーズグリーズは立ち上がった。琴音はこめかみに傷を受けており、出血の跡が伺えた。それ以外にも傷跡が目立つ。先ほどの爆発に巻き込まれたからだろうか。
「その怪我、こいつのせいでついたんだろ?」
「違うよ。私が鈍くさくて、逃げ遅れたから」
「嘘つくな。分かりやすいんだよ、お前は」
浩二は絆創膏を何枚か琴音に貼ってから、ラーズグリーズを睨んだ。
「あんたは結局戦士なんだな。教師にゃ絶対なれねーよ」
「それはどういう意味だ?」
「説明しても無駄だ。話す価値も無いし、もう罵る意味も無い」
浩二は踵を返し、
「生徒一人助けられない教師が偉そうな面で教壇に立つな、馬鹿野郎」
そう残して、足早に去ってしまった。
生徒一人を助けられない? どうしてだ? ちゃんと命は守っただろうに。ラーズグリーズは頭を悩ませた。
「えっと、ばるきりーさん。あんまり気にしなくても平気だよ」
「そう言われてもな」
琴音の絆創膏を見つつ、ラーズグリーズは考えた。
教師にはなれないとは? 生徒を助けるとはなんだ? 彼が求めていたのはなんだ? 浩二の言葉が頭の中をぐるぐる回り、ラーズグリーズは思考の渦に飲まれていった。
「……分からん。なぜあそこまで言われなければならなかった? 琴音、君は分かるか?」
「うん、まぁ。ちょっとは」
琴音は苦笑いを浮かべた。
「やっぱり、怪我する人を出すのはよくなかったかも。ばるきりーさんの助け方だと死んじゃう人も居たかもしれないし」
「あの程度で死ぬのか? むぅ……」
ヴァルハラの住民ならばあの程度は軽く耐えるのだが。人間は想像以上に脆い種族らしい。
「しかし、それでもあれは少々言いすぎだと思うが」
「うん、こうちゃんはちょっと、その辺りに敏感なんだ」
琴音は視線をそらした。
「こうちゃんの事知ってると、ああいう言い方になっちゃうのはしょうがないかも」
「浩二がああ言うのは、理由があるのか?」
「口で言うのは簡単だけど……こうちゃんがそれ知ったら、多分余計こじれちゃうかも」
「こじれる? なぜこじれるのだ?」
「ちょっと繊細な問題なの」
琴音は言いよどんだ。彼女の表情は優れず、胸の内を隠そうとしているようだった。
ラーズグリーズはまた首を傾げた。言いたい事があるなら、とっとと言えばいいだろうに。
「……やはり分からん。命の恩人に無礼を働くのが人間の礼儀なのだろうか……」
「や、それは違ってね。えっとぉ……うーんっとぉ……」
琴音は懸命に考えて、頭から湯気を出した。
「……うん。やっぱり口で言うより、ばるきりーさんが動いた方がいいと思う」
「私がか? なぜだ、君が浩二の事を説明してくれればいいだけのことだろう?」
「それだと、余計にこうちゃんを怒らせちゃうよ。また怒られるの、嫌でしょ?」
そんなの当たり前だ。なぜか浩二の言葉は、頭に突き刺さる。彼からは、見放されてしまったかもしれない。そう思うと、胸が痛くなる。
どうしたらいい、どうしたら、彼は許してくれるだろうか。
悩むラーズグリーズに、琴音は両手を掴んだ。
「だから、ばるきりーさんが頑張らなくちゃいけないの。ばるきりーさんがこうちゃんの事を知っていかないと、ね」
「そう、なのか?」
「うん。だってばるきりーさんは、先生なんだから」
琴音はラーズグリーズの手をとり、にぱっと笑った。
「人の事、知りに来たんでしょ? それなら、今は先生になってみて。私も一緒に協力するから! 何か困った事があったら、なんでも言って!」
「琴音……うむ!」
琴音の手をしっかり握り返し、ラーズグリーズはむんっとやる気を出した。
そこまで言われたならばやってやろうではないか。ヴァルハラの戦士、ラーズグリーズに不可能などないのだから!
「……しかし……」
拘束され、連行されていくフレースヴェルグを見上げ、ラーズグリーズは顎に手を当てた。
フレースヴェルグは寒さを好むため北極を住処にし、温暖な地域には近づこうとしない巨人である。四月の日本は温暖で、決して彼が好む環境ではないはずなのだが。
何より、奴のあの目。瞳孔の開ききった、正気を失った目。比較的大人しい巨人がするような目ではない。
「……あれは洗脳術の類だったな」
誰がどんな目的でかけたのかはわからないが、洗脳術の使い方としては、悪意に満ち溢れている。浩二と琴音は、意図的に襲撃された可能性が高かった。
ただ……それは後で調べる。今すべき事は、別にあった。
「琴音」
ラーズグリーズは琴音の肩を掴み、額がくっつくほどに顔を近づけた。
「教えてくれ……教師として……基本的な心構えをこの私に叩き込んで欲しいのだ!」
「ふえ? 私が?」
「先ほど困った事があったらなんでも言えといっただろう。だったら今がその時だ! 私は今のままでは戦士でしかない……私が教師と成るためにも! 君の力が今こそ必要なのだ!」
「私の……力が……!」
ラーズグリーズが頼み込んだことで、琴音のやる気エンジンが、轟音と共に始動してしまったらしい。
「分かったよばるきりーさん!」
アホ毛のアンテナをぴんと立て、琴音は目を輝かせた。
彼女、困った事に頼られ好きなのである。一度頼られると以降、浩二ですら止められぬほどにヒートアップしてしまうのだ。
んでもって、ニトロブースターばりの勢いで気が飛んでしまうのがお約束。
「じゃあ私の家に来て! 教師とは何たるか、私の部屋でみっちりレクチャーしてあげる!」
「お願いします老師!」
「さぁ! あの夕日まで私と競争よ!」
お前ら何キャラだよ。浩二がいたらそんなツッコミが確実に入るであろう異様なテンションのまま、二人は夕日ではなく夕月に向かって走っていったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる