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第七話 叱られてしまったわ
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いらっしゃったのはテロドアの大旦那様。
テロドアの大旦那様は、旦那様のお父様で侯爵様でもいらっしゃるお方よ。
「お久しぶりです、お義父様」
せっかく起こしいただいたのに、旦那様がいらっしゃらなくて申し訳ないのだけれど。
でも、大旦那様の目的は私と話すことだったようで。
以前は旦那様好みのおうちにしようとしていたけれど、ここはもう私のおうち。だから今は私の好みにリフォームをしているの。
久しぶりにこの屋敷にいらした大旦那様は、そんな部屋をご覧になり、以前と随分と変わったな、と感想を漏らされたの。
「お気に召しまして?」
「ああ、随分とあか抜けたな」
そうおっしゃっていただけて、嬉しくて思わず笑ってしまったのだけれど。
大旦那様にお茶をお出ししていて用件をうかがうと、大きくため息をつかれてしまったわ。
「何をしているんだ、お前たちは。ローデリアもなぜトーマスをとめない」
大旦那様のお言葉の意味がわからなくて、きょとん、としてしまったわ。
「トーマスが遊び歩いている報告が私の方に来ている。若い妻をほっといて娼館巡りなんて。先に子供を作るべきだろうが」
ローデリア、お前がちゃんとトーマスの手綱をとってないからだぞ、と大旦那様に叱られてしまったわ。
でもそれはおかしいわ。
貴族の女性は慎みを持って行動をしなくてはいけないけれど、貴族の男性はそうする必要はないはずなのに。
おかしいなぁ、と思いながら大旦那様を見ていたけれど、大旦那様の次の言葉で納得することができたの。
「貴族は何よりも、跡継ぎを作ることを考えなければならない」
あらあら、旦那様ったら。
きっとこの貴族の心得のことを忘れてらっしゃるのね。
誰よりも貴族であることを大事に思ってらっしゃる方なのに、ひょっとしたら私以外の方と跡継ぎを作ることを考えて、日々娼館に通ってらっしゃるのかもしれないわ。
私に女としての魅力がないばっかりに。
それなら旦那様に申し訳がないわね。
大旦那様はひとしきり、旦那様がよく行く場所や、遊び相手の話などを細かく教えてくださったけれど、貴族の男性がすることを邪魔してはいけないのよね。この情報を活用する時はきっとなさそうだわ。
私の反応が鈍いことに、大旦那様は焦れたご様子だった。
「二年以内に子供ができなかったら、離婚してもらう」
ああ、貴族の跡継ぎは二年以内に子を授からなければ離婚しなくてはいけない義務があったなんて。
お義父さま、教えてくださってありがとうございます。
旦那様ったら、こんな大事なことも私に言い忘れているなんて、本当に困った方。
でも、こればっかりは旦那様のご意思も必要ですし。
私も子供ではないから、神様にお祈りして子供ができるわけではないのは知っておりますのよ。
次に帰ってきてらっしゃった時に、それとなくお話してみましょうか。
「そうですか。わかりましたわ。二年経っても身ごもらないようでしたら、トーマス様と離婚いたします」
「そう、それでいいんだ。……君は頑張っているようなのに申し訳ないね」
私があんまり悲しそうだったせいかしら、大旦那様に最後は心配されてしまったみたいなの。
「いいえ、だって」
私はまっすぐに立つと、大旦那様を見つめ返したの。
悲しい気持ちは隠せないわ。でもね。
「私は貴族ですから」
そう。貴族の妻だから、旦那様の貴族として大事なことを支えて、守ってあげなければいけないのよ。
大旦那様をお見送りしながら、私は首を傾げてしまった。
でも、いいのかしら。大旦那様のおっしゃる通りに私と離婚すると、トーマス様どちらに住むのかしら?
この家、私の家なのですけれど。
あとお金もないと思うけれど、ちゃんと暮らしていけるのかしら?
ううん、きっと大丈夫ね。
だって、トーマス様は貴族ですから。
テロドアの大旦那様は、旦那様のお父様で侯爵様でもいらっしゃるお方よ。
「お久しぶりです、お義父様」
せっかく起こしいただいたのに、旦那様がいらっしゃらなくて申し訳ないのだけれど。
でも、大旦那様の目的は私と話すことだったようで。
以前は旦那様好みのおうちにしようとしていたけれど、ここはもう私のおうち。だから今は私の好みにリフォームをしているの。
久しぶりにこの屋敷にいらした大旦那様は、そんな部屋をご覧になり、以前と随分と変わったな、と感想を漏らされたの。
「お気に召しまして?」
「ああ、随分とあか抜けたな」
そうおっしゃっていただけて、嬉しくて思わず笑ってしまったのだけれど。
大旦那様にお茶をお出ししていて用件をうかがうと、大きくため息をつかれてしまったわ。
「何をしているんだ、お前たちは。ローデリアもなぜトーマスをとめない」
大旦那様のお言葉の意味がわからなくて、きょとん、としてしまったわ。
「トーマスが遊び歩いている報告が私の方に来ている。若い妻をほっといて娼館巡りなんて。先に子供を作るべきだろうが」
ローデリア、お前がちゃんとトーマスの手綱をとってないからだぞ、と大旦那様に叱られてしまったわ。
でもそれはおかしいわ。
貴族の女性は慎みを持って行動をしなくてはいけないけれど、貴族の男性はそうする必要はないはずなのに。
おかしいなぁ、と思いながら大旦那様を見ていたけれど、大旦那様の次の言葉で納得することができたの。
「貴族は何よりも、跡継ぎを作ることを考えなければならない」
あらあら、旦那様ったら。
きっとこの貴族の心得のことを忘れてらっしゃるのね。
誰よりも貴族であることを大事に思ってらっしゃる方なのに、ひょっとしたら私以外の方と跡継ぎを作ることを考えて、日々娼館に通ってらっしゃるのかもしれないわ。
私に女としての魅力がないばっかりに。
それなら旦那様に申し訳がないわね。
大旦那様はひとしきり、旦那様がよく行く場所や、遊び相手の話などを細かく教えてくださったけれど、貴族の男性がすることを邪魔してはいけないのよね。この情報を活用する時はきっとなさそうだわ。
私の反応が鈍いことに、大旦那様は焦れたご様子だった。
「二年以内に子供ができなかったら、離婚してもらう」
ああ、貴族の跡継ぎは二年以内に子を授からなければ離婚しなくてはいけない義務があったなんて。
お義父さま、教えてくださってありがとうございます。
旦那様ったら、こんな大事なことも私に言い忘れているなんて、本当に困った方。
でも、こればっかりは旦那様のご意思も必要ですし。
私も子供ではないから、神様にお祈りして子供ができるわけではないのは知っておりますのよ。
次に帰ってきてらっしゃった時に、それとなくお話してみましょうか。
「そうですか。わかりましたわ。二年経っても身ごもらないようでしたら、トーマス様と離婚いたします」
「そう、それでいいんだ。……君は頑張っているようなのに申し訳ないね」
私があんまり悲しそうだったせいかしら、大旦那様に最後は心配されてしまったみたいなの。
「いいえ、だって」
私はまっすぐに立つと、大旦那様を見つめ返したの。
悲しい気持ちは隠せないわ。でもね。
「私は貴族ですから」
そう。貴族の妻だから、旦那様の貴族として大事なことを支えて、守ってあげなければいけないのよ。
大旦那様をお見送りしながら、私は首を傾げてしまった。
でも、いいのかしら。大旦那様のおっしゃる通りに私と離婚すると、トーマス様どちらに住むのかしら?
この家、私の家なのですけれど。
あとお金もないと思うけれど、ちゃんと暮らしていけるのかしら?
ううん、きっと大丈夫ね。
だって、トーマス様は貴族ですから。
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