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5章 王都上空決戦
第65話 模擬戦の後
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冒険者ギルドに戻った私とミアス、ガイジスとリリィ、そして『疾風の連撃』は、ギルドマスターの部屋に居た。
「とりあえずリアラとミアスの2人を、Aランク冒険者として認める。」
「ありがとう。」
これで私とミアスは、Eランクから一気にAランク冒険者となった。
1ヶ月という最速記録を、1日に塗り替えてしまった。
瞬く間にこの事実は噂となって広まるだろう。
「一つ訊きたい。」
「何かしら。」
「闘技場での戦い、何をどうやった?」
ガイジスがそう訊いてきた。
いつか訊かれるだろうと思ってはいたが、こうもストレートに質問してくるとは…。
まぁこの場には当事者の『疾風の連撃』と、見えていたであろうガイジス、そして私達のステータスを知るリリィのみだ。
話しても問題は無いだろう。
「ガイジス……、いいえ、これからは皆と同じように『ギルマス』と呼びましょうか。ギルマスは私達が何をしたのか、見えていたのでは?」
「ああ…。だが、俺が見たものが確かなことかは分からない。だから確認だ。こいつらも知りたいだろうしな。」
そう言って『疾風の連撃』を指差すガイジス。
彼らも頷いている。
「俺達は、煙が発生し視界が悪くなった中でも、いつものように素早く動き続けた。だが目の前に王女さんが急に現れたと思ったら、気を失っていた。」
「僕も似たようなものだったよ。煙の中、ミアスが目の前に現れて、それから記憶が無い。」
「……分かったわ。説明しましょう。と言っても、今2人が言ったことが事実なのだけれどね。」
私はこの場にいる全員が理解出来るように説明した。
『煙幕』という魔法を使って煙を発生させ、視界を悪くした後に私は魔法で、ミアスは剣を当て、5人を気絶させた……と。
「俺達は『疾風』と呼ばれるくらい、速く動けるという自負がある。なのに何故……。」
「言い方は悪いけれど…、あの程度、私達にとっては何の問題もないわ。遠距離から魔法を当てて一瞬で終わらせることも出来たもの。」
「「「えぇ……。」」」
「あと一つだけ、この場にいる人にだけ教えておくわ。私は魔法で近距離戦闘も可能よ。魔法使いだからと、後衛専門だなんて思われたら困るわね。」
「「「……。」」」
「???」
「「「(規格外すぎるだろ…。)」」」
静まり返る室内。
私以外の全員が、何か共感している様子。
ミアスはこういう時、決まって呆れ顔だ。
何故このような空気になったのか、よく分からない…。
「えぇっと……。皆…、どうしたの?」
「はぁ……。何でもない。どうやってこの5人を倒せたのかは理解した。今日はもう日が落ちかけている。帰っていいぞ。だが明日、もう一度この部屋に来てくれないか?理由は別件なんだが…。」
「王族としての予定が無ければ来れるけれど……。」
そう言ってミアスを見る。
ミアスは私の予定を組んでいるので、全て知っているのだ。
「午前はやることがあるが、昼からは特にないぞ。」
「それは良かったわ。というわけで、私達は昼過ぎに来るわね。」
「了解した。午後からはここで待っているとしよう。」
そうして、私とミアスは王城へと戻ったのだった。
「とりあえずリアラとミアスの2人を、Aランク冒険者として認める。」
「ありがとう。」
これで私とミアスは、Eランクから一気にAランク冒険者となった。
1ヶ月という最速記録を、1日に塗り替えてしまった。
瞬く間にこの事実は噂となって広まるだろう。
「一つ訊きたい。」
「何かしら。」
「闘技場での戦い、何をどうやった?」
ガイジスがそう訊いてきた。
いつか訊かれるだろうと思ってはいたが、こうもストレートに質問してくるとは…。
まぁこの場には当事者の『疾風の連撃』と、見えていたであろうガイジス、そして私達のステータスを知るリリィのみだ。
話しても問題は無いだろう。
「ガイジス……、いいえ、これからは皆と同じように『ギルマス』と呼びましょうか。ギルマスは私達が何をしたのか、見えていたのでは?」
「ああ…。だが、俺が見たものが確かなことかは分からない。だから確認だ。こいつらも知りたいだろうしな。」
そう言って『疾風の連撃』を指差すガイジス。
彼らも頷いている。
「俺達は、煙が発生し視界が悪くなった中でも、いつものように素早く動き続けた。だが目の前に王女さんが急に現れたと思ったら、気を失っていた。」
「僕も似たようなものだったよ。煙の中、ミアスが目の前に現れて、それから記憶が無い。」
「……分かったわ。説明しましょう。と言っても、今2人が言ったことが事実なのだけれどね。」
私はこの場にいる全員が理解出来るように説明した。
『煙幕』という魔法を使って煙を発生させ、視界を悪くした後に私は魔法で、ミアスは剣を当て、5人を気絶させた……と。
「俺達は『疾風』と呼ばれるくらい、速く動けるという自負がある。なのに何故……。」
「言い方は悪いけれど…、あの程度、私達にとっては何の問題もないわ。遠距離から魔法を当てて一瞬で終わらせることも出来たもの。」
「「「えぇ……。」」」
「あと一つだけ、この場にいる人にだけ教えておくわ。私は魔法で近距離戦闘も可能よ。魔法使いだからと、後衛専門だなんて思われたら困るわね。」
「「「……。」」」
「???」
「「「(規格外すぎるだろ…。)」」」
静まり返る室内。
私以外の全員が、何か共感している様子。
ミアスはこういう時、決まって呆れ顔だ。
何故このような空気になったのか、よく分からない…。
「えぇっと……。皆…、どうしたの?」
「はぁ……。何でもない。どうやってこの5人を倒せたのかは理解した。今日はもう日が落ちかけている。帰っていいぞ。だが明日、もう一度この部屋に来てくれないか?理由は別件なんだが…。」
「王族としての予定が無ければ来れるけれど……。」
そう言ってミアスを見る。
ミアスは私の予定を組んでいるので、全て知っているのだ。
「午前はやることがあるが、昼からは特にないぞ。」
「それは良かったわ。というわけで、私達は昼過ぎに来るわね。」
「了解した。午後からはここで待っているとしよう。」
そうして、私とミアスは王城へと戻ったのだった。
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