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5章 王都上空決戦
第80話 賢者
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「ミアス。」
「…!リアラ殿下、予想よりも早かったですね。用事はもう済んだのですか?」
「ええ、送り届けてきたわ。詳細は城に戻ってから話すとしましょう。」
「承知しました。こちらも対処は済んでいるので、後は神官に任せて問題無いでしょう。」
ミアスは民達の怪我の具合を魔法にて紙に記し、神官に手渡した。
基本的には魔法で治っているが、その後の変化が起きないかの様子見は大切だ。
全力で頭を下げ、感謝の意を述べている神官達。
お礼に野菜などを渡してきたが、さすがに断った。
暫く負傷者達の世話をしてもらうのだ。
こちらから食料を渡しこそすれど、貰うことは出来ない。
教会から出る際、「聖女様は!?」と民達から聞かれた。
しかし適当にはぐらかしておいた。
彼女に関しては何も話さない方が良い。
精霊を敵に回しかねない行動は、ものも知らない愚者が取る行為なのだから。
時間が経てば、リーゼのことは忘れてくれるだろう。
仮に覚えていたとしても、話題に上がることは無くなるはず。
王城に戻った私とミアスは、国王ヴィライユの書斎にて報告を行った。
既に死者の数は調査されている様子。
人命救助を殆ど終えたタイミングで、騎士団に被害状況の確認を優先するよう命じたようだ。
救助では、冒険者とも協力しているとのこと。
精霊達の事もそうだが、教会に運ばれた者は全員無事だと伝えると、ヴィライユは驚いた表情をしていた。
「……本当に凄いな…。リアラ、そしてミアス。ご苦労だった。報告によれば、死者は73名だそうだ。教会に運ばれた重傷者を救えていなければ、今頃より多くの死者が出ていただろう。
ジルディガーや精霊の件もそうだが、何より民達の被害を減らしてくれたことに、王として礼を言う。」
「民を救うのは、王族の務めです。……ですが陛下、死者に関してまだ何かあるのでは…?」
「……リアラが察している通り、行方不明の者がいる。人数は50名以上だ。だが目撃者の情報から推測できるのは、ドラゴンの炎によって跡形もなく……。」
「……。」
まぁそうだろう…というのが私の感想だった。
常人には、ドラゴンのブレスを防ぐことなど不可能。
ブレスの直撃を受ければ、人間など塵となって消える。
たとえ直撃ではなくとも死んでしまう可能性は高い。
それほどドラゴンのブレスとは、高温かつ強力なのだ。
「…今後も調査は続けるつもりだ。とはいえ、リアラとミアスが多大な功績を上げたのは事実。2人の望むものを与えたいが…、その前に彼らから話があるそうだ。」
「彼ら…?」
マーリルクが書斎を出て行ったかと思うと、すぐに戻って来た。
誰かを連れてきたようだ。
「リアラ王女殿下。」
「ぎ、ギルマス!?」
ガイジスを王都内で見かけないと思えば、王城に居たとは…。
ここはギルドではないので、王女として接してくれている様子。
『ギルマスが何故王城に』という疑問は、書斎に入って来たもう1人を見て消え去った。
「……そちらは?」
「殿下、そう警戒されることはありませんよ。」
「マーリルクさん、私はその言葉を信用出来ないのですが…?」
私だけでなく、ミアスも警戒をしていた。
名も知らない者が危険な気配を漂わせていれば、誰だって警戒するだろう。
さらに不気味なのは、その者が妖美な雰囲気を纏った女性であることだ。
年齢は20代後半といったところだろうか。
白銀の長い髪に、透き通った金色の瞳。
全てを見透かしているかのように思えてくる。
無視出来ない存在感と、隙の無い身のこなし。
そして何より、魔力量や常時発動している魔法…。
只者ではないということが、ただそこに居るだけで分かってしまう。
彼女が不敵に笑ったかと思ったその時、見えない刃が飛んできた。
私は焦らず、発動させていた結界にて容易に防ぐ。
「へぇ、面白い。ガイジスが推薦する訳だ。」
「えぇっと…何をしたんです?」
ガイジスが不思議そうに女性に聞いている。
今の魔法攻撃は、威力が強いとは言えない。
だが魔法に《不可視化》を付与し、見えないようにしていたのだろう。
私の『魔刃眼』は、魔力の流れを読むことが出来る。
たとえ見えなくとも、魔法や動いている魔力が存在すれば感知することができるのだ。
……?魔法ではなく魔力が放たれてきたような感覚だった…。
「大したことではない。少し、挨拶の意味を込めて魔法を放っただけだ。かすり傷程度を与えるつもりだったが、容易に防がれてしまった。」
「ちょ!第三王女ですよ!王族です!怪我をさせるなんて…!」
「煩いぞ。それくらいアタシも分かっているさ。だが彼女は治癒魔法も使えるんだ。かすり傷くらい直ぐに治せる。慌てる必要などなかろう。それに……」
こちらに笑みを向けてくる彼女に、私は確信した。
あれは本当に魔力で放たれたものだ…と。
魔法を放つのとは違い、魔力で刃を生み出すにはかなりの魔力操作技術が必要となる。
それを操っていると相手に悟らせず、いとも容易く行ったのだ。
魔力での攻撃は、魔法結界で防ぐことが出来ない。
すり抜けてしまうからだ。
反対に、それを防いだということは実力証明にもなる。
「魔力…。本当に何者ですか?」
「…ふっ……あっははは!良いな、気に入ったぞ。お嬢ちゃん……いや、リアラ・フィールア第三王女、だったな。」
彼女が笑った瞬間、急に危険な気配が消えた。
だが私とミアスは警戒を解かなかった。
試されていたのだと気付いていたからだ。
「まぁそう警戒するな。初対面で攻撃したことは謝罪しよう。アタシの名はレイ・ファルゼ。ファルって偽名でギルド本部の総マスターをしている。よろしく頼む。」
「よろしくお願いします、……?レイ・ファルゼ……って、伝説の『賢者』様…!?…でも賢者様って、100年以上前に亡くなった男性のはずでは……。」
「あぁ、それはアタシが流したデマだ。既に名前は広がっていたが、アタシの名前ならば男でもおかしくはないのでね。」
「「…。」」
正直、驚き過ぎて固まっていた。
ミアスも同じく目を見開いている。
警戒など忘れ、ただただ驚いていた。
亡くなっているはずの『賢者』が目の前に現れ、更には女性だった…。
いや、そもそも何故生きているのだろう?
どう見ても人間なのだ。
年齢を幻覚魔法で偽っているということもなければ、寿命を持たないと言われている魔物が人間の姿に擬態しているということもない。
まさか彼女が嘘を吐いているのだろうか?
……その可能性も無さそうだ。
これだけの強者なのだから、何かしらの方法で自身の老化を止めているのだろう。
「疑っているようだが、正真正銘アタシが賢者と呼ばれている者だぞ?なぁ国王よ。」
「レイ殿の言う通り、彼女は本物の賢者様だ。」
「……ならば何故生きているのですか?」
「アタシが不老だからだ。身体が老いなければ死ぬこともあるまい?」
「……。」
国王ヴィライユへの態度から見ても、レイが賢者であるということは真実のようだ。
とはいえ彼女の『不老』という言葉…。
『不死』と言わないのは、不老であっても不死ではないという意味なのだろう。
「まぁこの話はまた今度、じっくりとしてやるさ。」
「それはありがたいですね。」
「さて、では本題に入っても良いか?」
ベストタイミングで私とレイの話に割って入ったヴィライユ。
頷く私達を見てから、話を始めた。
「…!リアラ殿下、予想よりも早かったですね。用事はもう済んだのですか?」
「ええ、送り届けてきたわ。詳細は城に戻ってから話すとしましょう。」
「承知しました。こちらも対処は済んでいるので、後は神官に任せて問題無いでしょう。」
ミアスは民達の怪我の具合を魔法にて紙に記し、神官に手渡した。
基本的には魔法で治っているが、その後の変化が起きないかの様子見は大切だ。
全力で頭を下げ、感謝の意を述べている神官達。
お礼に野菜などを渡してきたが、さすがに断った。
暫く負傷者達の世話をしてもらうのだ。
こちらから食料を渡しこそすれど、貰うことは出来ない。
教会から出る際、「聖女様は!?」と民達から聞かれた。
しかし適当にはぐらかしておいた。
彼女に関しては何も話さない方が良い。
精霊を敵に回しかねない行動は、ものも知らない愚者が取る行為なのだから。
時間が経てば、リーゼのことは忘れてくれるだろう。
仮に覚えていたとしても、話題に上がることは無くなるはず。
王城に戻った私とミアスは、国王ヴィライユの書斎にて報告を行った。
既に死者の数は調査されている様子。
人命救助を殆ど終えたタイミングで、騎士団に被害状況の確認を優先するよう命じたようだ。
救助では、冒険者とも協力しているとのこと。
精霊達の事もそうだが、教会に運ばれた者は全員無事だと伝えると、ヴィライユは驚いた表情をしていた。
「……本当に凄いな…。リアラ、そしてミアス。ご苦労だった。報告によれば、死者は73名だそうだ。教会に運ばれた重傷者を救えていなければ、今頃より多くの死者が出ていただろう。
ジルディガーや精霊の件もそうだが、何より民達の被害を減らしてくれたことに、王として礼を言う。」
「民を救うのは、王族の務めです。……ですが陛下、死者に関してまだ何かあるのでは…?」
「……リアラが察している通り、行方不明の者がいる。人数は50名以上だ。だが目撃者の情報から推測できるのは、ドラゴンの炎によって跡形もなく……。」
「……。」
まぁそうだろう…というのが私の感想だった。
常人には、ドラゴンのブレスを防ぐことなど不可能。
ブレスの直撃を受ければ、人間など塵となって消える。
たとえ直撃ではなくとも死んでしまう可能性は高い。
それほどドラゴンのブレスとは、高温かつ強力なのだ。
「…今後も調査は続けるつもりだ。とはいえ、リアラとミアスが多大な功績を上げたのは事実。2人の望むものを与えたいが…、その前に彼らから話があるそうだ。」
「彼ら…?」
マーリルクが書斎を出て行ったかと思うと、すぐに戻って来た。
誰かを連れてきたようだ。
「リアラ王女殿下。」
「ぎ、ギルマス!?」
ガイジスを王都内で見かけないと思えば、王城に居たとは…。
ここはギルドではないので、王女として接してくれている様子。
『ギルマスが何故王城に』という疑問は、書斎に入って来たもう1人を見て消え去った。
「……そちらは?」
「殿下、そう警戒されることはありませんよ。」
「マーリルクさん、私はその言葉を信用出来ないのですが…?」
私だけでなく、ミアスも警戒をしていた。
名も知らない者が危険な気配を漂わせていれば、誰だって警戒するだろう。
さらに不気味なのは、その者が妖美な雰囲気を纏った女性であることだ。
年齢は20代後半といったところだろうか。
白銀の長い髪に、透き通った金色の瞳。
全てを見透かしているかのように思えてくる。
無視出来ない存在感と、隙の無い身のこなし。
そして何より、魔力量や常時発動している魔法…。
只者ではないということが、ただそこに居るだけで分かってしまう。
彼女が不敵に笑ったかと思ったその時、見えない刃が飛んできた。
私は焦らず、発動させていた結界にて容易に防ぐ。
「へぇ、面白い。ガイジスが推薦する訳だ。」
「えぇっと…何をしたんです?」
ガイジスが不思議そうに女性に聞いている。
今の魔法攻撃は、威力が強いとは言えない。
だが魔法に《不可視化》を付与し、見えないようにしていたのだろう。
私の『魔刃眼』は、魔力の流れを読むことが出来る。
たとえ見えなくとも、魔法や動いている魔力が存在すれば感知することができるのだ。
……?魔法ではなく魔力が放たれてきたような感覚だった…。
「大したことではない。少し、挨拶の意味を込めて魔法を放っただけだ。かすり傷程度を与えるつもりだったが、容易に防がれてしまった。」
「ちょ!第三王女ですよ!王族です!怪我をさせるなんて…!」
「煩いぞ。それくらいアタシも分かっているさ。だが彼女は治癒魔法も使えるんだ。かすり傷くらい直ぐに治せる。慌てる必要などなかろう。それに……」
こちらに笑みを向けてくる彼女に、私は確信した。
あれは本当に魔力で放たれたものだ…と。
魔法を放つのとは違い、魔力で刃を生み出すにはかなりの魔力操作技術が必要となる。
それを操っていると相手に悟らせず、いとも容易く行ったのだ。
魔力での攻撃は、魔法結界で防ぐことが出来ない。
すり抜けてしまうからだ。
反対に、それを防いだということは実力証明にもなる。
「魔力…。本当に何者ですか?」
「…ふっ……あっははは!良いな、気に入ったぞ。お嬢ちゃん……いや、リアラ・フィールア第三王女、だったな。」
彼女が笑った瞬間、急に危険な気配が消えた。
だが私とミアスは警戒を解かなかった。
試されていたのだと気付いていたからだ。
「まぁそう警戒するな。初対面で攻撃したことは謝罪しよう。アタシの名はレイ・ファルゼ。ファルって偽名でギルド本部の総マスターをしている。よろしく頼む。」
「よろしくお願いします、……?レイ・ファルゼ……って、伝説の『賢者』様…!?…でも賢者様って、100年以上前に亡くなった男性のはずでは……。」
「あぁ、それはアタシが流したデマだ。既に名前は広がっていたが、アタシの名前ならば男でもおかしくはないのでね。」
「「…。」」
正直、驚き過ぎて固まっていた。
ミアスも同じく目を見開いている。
警戒など忘れ、ただただ驚いていた。
亡くなっているはずの『賢者』が目の前に現れ、更には女性だった…。
いや、そもそも何故生きているのだろう?
どう見ても人間なのだ。
年齢を幻覚魔法で偽っているということもなければ、寿命を持たないと言われている魔物が人間の姿に擬態しているということもない。
まさか彼女が嘘を吐いているのだろうか?
……その可能性も無さそうだ。
これだけの強者なのだから、何かしらの方法で自身の老化を止めているのだろう。
「疑っているようだが、正真正銘アタシが賢者と呼ばれている者だぞ?なぁ国王よ。」
「レイ殿の言う通り、彼女は本物の賢者様だ。」
「……ならば何故生きているのですか?」
「アタシが不老だからだ。身体が老いなければ死ぬこともあるまい?」
「……。」
国王ヴィライユへの態度から見ても、レイが賢者であるということは真実のようだ。
とはいえ彼女の『不老』という言葉…。
『不死』と言わないのは、不老であっても不死ではないという意味なのだろう。
「まぁこの話はまた今度、じっくりとしてやるさ。」
「それはありがたいですね。」
「さて、では本題に入っても良いか?」
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