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本編
第37話
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「本日皆に集まってもらったのは、先んじて知らせた通り、事の結末を見届けてもらうためだ。」
玉座の間にて、ヴィアルスとミフェラへ国王陛下より判決が言い渡される。
2人は手錠をかけられ、周囲に立つ貴族達の圧もあり、黙って俯いていた。
国王陛下のお言葉は絶対だ。2人が何を言おうと、覆ることはない。
「ヴィアルス・ディア・セイラン殿下並びにミフェラ・ユシェナートは、ルーズフィルト公爵家長女のレイシア・ルーズフィルトを誘拐。さらには軟禁し、己がすべき仕事を強制的に行わせていた…。これは事実ですか?レイシア。」
お義父様が2人の罪を読み上げた。この場の進行役を任されているようだ。
「はい。」
「ではヴィアルス殿下、何か言いたいことはありますか?」
そう問われ、顔を上げるヴィアルス。私を一瞬睨むと、陛下とお義父様を真っ直ぐに見つめ……
「陛下、ルーズフィルト公爵!私がしたという証拠はあるのですか!」
……ここまで大事になっていると言うのに、悪あがきもいいところだ。
そんなヴィアルスに対し、お義父様は淡々と証拠を見せた。
私が誘拐されたその日に届けられた、ルーズフィルト公爵家からの捜索願い。民達の目撃情報。そしてミフェラが焦って自白した決定的瞬間を記録していた録音道具。
言い返す言葉もなく、ヴィアルスはまた俯いた。
──その後も確認は進んでいき、国王陛下より判決が言い渡される。
「判決を言い渡す。ヴィアルス・ディア・セイラン並びにミフェラ・ユシェナートを、『負の牢』での懲役1ヶ月とする。しっかりと反省せよ。」
陛下が仰った瞬間、私は勿論、貴族達も驚きざわついた。
「そしてヴィアルス。お前には余罪がある。民への恐喝や暴行、そしてかつてエリーユア公爵家長女セレスティナ・エリーユアに対し、冤罪をかけたことなどだ。」
「なっ!?」
「今言ったことは一部でしかないが、これらは全て調べ上げ、しっかりとした証拠があることを余が証明しておこう。よってヴィアルスを廃嫡とし、辺境の地への追放を命じる。その身が滅ぶまで民の為に働くがよい。」
「……はい。」
英明と名高き国王陛下が証明してしまえば、誰も何も言えない。それはヴィアルスも理解しているようだ。余罪の部分は隠していたつもりだったが陛下には通じないと思い、大人しく従うことにしたのだろう。
ヴィアルスにとって、廃嫡されるのは最も最悪な結果のはずだ。
刑の執行は1週間後となった。
手続き等の理由から、必ず1週間は執行までにかかるのだ。
……これで私の目的は達成された。
ヴィアルスとミフェラの反応が楽しみだ──
玉座の間にて、ヴィアルスとミフェラへ国王陛下より判決が言い渡される。
2人は手錠をかけられ、周囲に立つ貴族達の圧もあり、黙って俯いていた。
国王陛下のお言葉は絶対だ。2人が何を言おうと、覆ることはない。
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「はい。」
「ではヴィアルス殿下、何か言いたいことはありますか?」
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そんなヴィアルスに対し、お義父様は淡々と証拠を見せた。
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言い返す言葉もなく、ヴィアルスはまた俯いた。
──その後も確認は進んでいき、国王陛下より判決が言い渡される。
「判決を言い渡す。ヴィアルス・ディア・セイラン並びにミフェラ・ユシェナートを、『負の牢』での懲役1ヶ月とする。しっかりと反省せよ。」
陛下が仰った瞬間、私は勿論、貴族達も驚きざわついた。
「そしてヴィアルス。お前には余罪がある。民への恐喝や暴行、そしてかつてエリーユア公爵家長女セレスティナ・エリーユアに対し、冤罪をかけたことなどだ。」
「なっ!?」
「今言ったことは一部でしかないが、これらは全て調べ上げ、しっかりとした証拠があることを余が証明しておこう。よってヴィアルスを廃嫡とし、辺境の地への追放を命じる。その身が滅ぶまで民の為に働くがよい。」
「……はい。」
英明と名高き国王陛下が証明してしまえば、誰も何も言えない。それはヴィアルスも理解しているようだ。余罪の部分は隠していたつもりだったが陛下には通じないと思い、大人しく従うことにしたのだろう。
ヴィアルスにとって、廃嫡されるのは最も最悪な結果のはずだ。
刑の執行は1週間後となった。
手続き等の理由から、必ず1週間は執行までにかかるのだ。
……これで私の目的は達成された。
ヴィアルスとミフェラの反応が楽しみだ──
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