【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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その、悪名高き名を

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「ブュージェ伯爵って、あの伯爵家ですわよね!?」

「『あの』……とはどういう事でしょうか?貴族としてのお勉強で、名前は知っておりますが…。」


ユリエルが驚きの声を上げる。
しかしシェシュアはなんの事か分かっていない様子。
ミエラも同様だ。
それもそのはず。
何故なら---


「えっ、お知りにならないの?ブュージェ伯爵家と言えば、っ~~!」

「待ちなさい、ユリ。」

(簡単に話そうとしてるんじゃないよ!あまり良くない内容なのに…。)


私はユリエルの口に手を当て制す。
ユリエルも気付いたようだ。


「も、申し訳ありません、ヴァリフィア様。」

「良いのよ、気付いてくれれば。」

「ヴァリフィア様……?それにユリエル様も、何かお知りなのですか?」


ミエラが不思議そうに聞いてくる。
しかし、簡単に話せる内容ではなかった。
そこで、


「知らない……とは言わないわ。でも、この話をする前に1つ誓ってくれるかしら?」

「何をでしょうか?」

「今から聞く事は、他言無用。いいわね?」

「分かりました。」

「誰にも言いません。」

「ありがとう。」


誓いを立ててもらった。
そしてブュージェ伯爵家について話し始める。


「ブュージェ伯爵家は、悪名高き貴族なのよ。」

「悪名……ですか。」

「そう。この国で禁じられている『奴隷売買』、そして自分の領地内の気に入った女性や女の子を攫っている。」

「そんなっ!」


驚くのも無理は無かった。
この話は、伯爵家以上の者にしか知られていない。


「それだけの事をしても、捕まらないのですわ。証拠が無いのです。それはご子息であるギェヌム様が犯しても同じ。」


ユリエルが更に付け足して言った。
ブュージェ伯爵家が悪名高き貴族という事を知り、シェシュアは青ざめた顔をしていた---
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