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8話
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「ゼイス様っ!」
「メーシア、どうした?」
「魔族領の者とも取り引きを行っているという商人から、魔族側の動きを聞くことが出来ましたわ!」
「よくやった!内容はどんなものなんだ?」
「はい。その商人はこう言っておりました。『魔王エギュアスは部隊名を《一軍》などに改めた。そして総軍団長という各軍の総まとめ役がいるのだが、その者は魔王の右腕らしい。』と。」
「ほう?それで、その魔王の右腕の名は?」
「それが、名前までは知らないと……。」
「そうか。だが実に有意義な情報だ。感謝するぜ、メーシア。」
「いえっ!全てはゼイス様の為ですわ!」
シェルアが指示した情報の内容は、上手く商人を伝って勇者ゼイスの元へと届いた。
現在勇者パーティーは、魔族領へ向けて歩みを進めていた。
ゼイスの元いた国から魔族領までは、国を3つ越えなければならない。
馬車で移動しても、三ヶ月はかかる。
それを冒険者としての依頼を受けながら徒歩でとなると、半年以上かかることになる。
シェルアは飛翔魔法で空を飛んで移動した為、ひとつの国を10分程度で越えることが出来ていた。
そして一ヶ月後には魔王の配下となっている。
ゼイス達は国を出て七ヶ月半が経ち、ようやく魔族領手前の国まで来た。
「これ以上時間をかけたくないな…。国を出てから既に七ヶ月以上経っている。魔族側に動きがあったということは、人族の国に進軍を開始してもおかしくはない。そう思わんか?」
「ゼイス様のおっしゃる通りですわ!一刻も早く、魔王エギュアスを倒さねばなりません!魔王さえ倒してしまえば、魔族達は総崩れになると思いますわ。」
「そうだろう!」
「えっと…その……。」
「何だ?言いたいことでもあるのか、ラディナ。」
「もう少し、力をつけた方が良いのではないでしょうか…。」
「はあ?俺が弱いとでも!?」
「いえっ!そういうわけではありません。相手は実力が未知数の魔族です。用心するに越したことはないと思いまして……。」
「必要ない。この七ヶ月の間に、俺たちはSランクに上がったんだ。恐れるものなど、何もないだろう。」
「……分かりました。」
ラディナは力なく返事をする。
そして今度はガネンが口を開いた。
「対魔族戦にあたり、作戦を決めておきたいんだが……。」
「確かに作戦は必要だな。それで、ガネンは何か良い作戦でもあるのか?」
「ああ。正面突破しても数で負けるだろう。そこでなんだが、こっそりと王城まで侵入する。王城に入ってしまえば、あとは外から魔法で入れなくしてやればいい。ラディナの攻撃魔法を入口に撃てば、足止めになるだろう。」
「それは良いな。その作戦でいくぞ!」
「分かりましたわ。」「了解。」「「承知致しました。」」
一週間後、いよいよ魔族領に入り、王城への侵入作戦が開始された。
キユハが不可視化の魔法を、パーティーメンバー全員に一人ずつかけていく。
そして魔族達の間を走り抜け、王城の窓から侵入した。
「そろそろ魔法が解けます!」
「既に侵入は成功している。内側から入口を塞ぐぞ!」
「「「「はい。」」」」
「入口はこちらのはずです。侵入した窓は西側に位置していましたから。」
「了解だぜ!」
ゼイス達は入口へと向かう。
そしてキユハの攻撃魔法により、瓦礫で足止めをする。
巨大な音を聞きつけ、魔族の兵士達が集まってきた。
しかし、その時には既に移動していた。
魔王城内では、侵入者の警報が発令される。
混乱に乗じて、再度不可視化の魔法をかけてから移動を開始する。
「貴方達ですね、侵入者とは。」
「なっ!」
「不可視化の魔法で姿を消しているつもりのようですが、私には通用しませんよ。」
「解け、キユハ。」
「分かりました。」
「貴様、何者だ?俺達の存在に気付くとは。」
「そんなお粗末な魔法、総軍団長様とは比べ物になりませんね。」
「総軍団長だと?!」
「何者か、でしたか。私は魔族軍『一軍』軍団長、アレーユと申します。魔王様より、王城守護を仰せつかっています。それなのに、侵入者を許してしまうとは……不覚でした。」
「軍……団長…だと?」
「はい。貴方達の方こそ、何者ですか?」
「俺は勇者ゼイスだ。他はパーティーメンバーさ。」
「ほう?勇者ですか。魔王様に仇なす者として、私が直々に殺しましょう。容赦はしませんよ!」
「それはこちらの台詞だ!」
「お前達は他の奴らを抑えておけ!」
「「「はっ!」」」
ゼイス対アレーユの戦闘が始まった。
ガネンやメーシア、ラディナにキユハはアレーユの部下達と戦っている。
そして、それを見ている者がいるのだった。
「メーシア、どうした?」
「魔族領の者とも取り引きを行っているという商人から、魔族側の動きを聞くことが出来ましたわ!」
「よくやった!内容はどんなものなんだ?」
「はい。その商人はこう言っておりました。『魔王エギュアスは部隊名を《一軍》などに改めた。そして総軍団長という各軍の総まとめ役がいるのだが、その者は魔王の右腕らしい。』と。」
「ほう?それで、その魔王の右腕の名は?」
「それが、名前までは知らないと……。」
「そうか。だが実に有意義な情報だ。感謝するぜ、メーシア。」
「いえっ!全てはゼイス様の為ですわ!」
シェルアが指示した情報の内容は、上手く商人を伝って勇者ゼイスの元へと届いた。
現在勇者パーティーは、魔族領へ向けて歩みを進めていた。
ゼイスの元いた国から魔族領までは、国を3つ越えなければならない。
馬車で移動しても、三ヶ月はかかる。
それを冒険者としての依頼を受けながら徒歩でとなると、半年以上かかることになる。
シェルアは飛翔魔法で空を飛んで移動した為、ひとつの国を10分程度で越えることが出来ていた。
そして一ヶ月後には魔王の配下となっている。
ゼイス達は国を出て七ヶ月半が経ち、ようやく魔族領手前の国まで来た。
「これ以上時間をかけたくないな…。国を出てから既に七ヶ月以上経っている。魔族側に動きがあったということは、人族の国に進軍を開始してもおかしくはない。そう思わんか?」
「ゼイス様のおっしゃる通りですわ!一刻も早く、魔王エギュアスを倒さねばなりません!魔王さえ倒してしまえば、魔族達は総崩れになると思いますわ。」
「そうだろう!」
「えっと…その……。」
「何だ?言いたいことでもあるのか、ラディナ。」
「もう少し、力をつけた方が良いのではないでしょうか…。」
「はあ?俺が弱いとでも!?」
「いえっ!そういうわけではありません。相手は実力が未知数の魔族です。用心するに越したことはないと思いまして……。」
「必要ない。この七ヶ月の間に、俺たちはSランクに上がったんだ。恐れるものなど、何もないだろう。」
「……分かりました。」
ラディナは力なく返事をする。
そして今度はガネンが口を開いた。
「対魔族戦にあたり、作戦を決めておきたいんだが……。」
「確かに作戦は必要だな。それで、ガネンは何か良い作戦でもあるのか?」
「ああ。正面突破しても数で負けるだろう。そこでなんだが、こっそりと王城まで侵入する。王城に入ってしまえば、あとは外から魔法で入れなくしてやればいい。ラディナの攻撃魔法を入口に撃てば、足止めになるだろう。」
「それは良いな。その作戦でいくぞ!」
「分かりましたわ。」「了解。」「「承知致しました。」」
一週間後、いよいよ魔族領に入り、王城への侵入作戦が開始された。
キユハが不可視化の魔法を、パーティーメンバー全員に一人ずつかけていく。
そして魔族達の間を走り抜け、王城の窓から侵入した。
「そろそろ魔法が解けます!」
「既に侵入は成功している。内側から入口を塞ぐぞ!」
「「「「はい。」」」」
「入口はこちらのはずです。侵入した窓は西側に位置していましたから。」
「了解だぜ!」
ゼイス達は入口へと向かう。
そしてキユハの攻撃魔法により、瓦礫で足止めをする。
巨大な音を聞きつけ、魔族の兵士達が集まってきた。
しかし、その時には既に移動していた。
魔王城内では、侵入者の警報が発令される。
混乱に乗じて、再度不可視化の魔法をかけてから移動を開始する。
「貴方達ですね、侵入者とは。」
「なっ!」
「不可視化の魔法で姿を消しているつもりのようですが、私には通用しませんよ。」
「解け、キユハ。」
「分かりました。」
「貴様、何者だ?俺達の存在に気付くとは。」
「そんなお粗末な魔法、総軍団長様とは比べ物になりませんね。」
「総軍団長だと?!」
「何者か、でしたか。私は魔族軍『一軍』軍団長、アレーユと申します。魔王様より、王城守護を仰せつかっています。それなのに、侵入者を許してしまうとは……不覚でした。」
「軍……団長…だと?」
「はい。貴方達の方こそ、何者ですか?」
「俺は勇者ゼイスだ。他はパーティーメンバーさ。」
「ほう?勇者ですか。魔王様に仇なす者として、私が直々に殺しましょう。容赦はしませんよ!」
「それはこちらの台詞だ!」
「お前達は他の奴らを抑えておけ!」
「「「はっ!」」」
ゼイス対アレーユの戦闘が始まった。
ガネンやメーシア、ラディナにキユハはアレーユの部下達と戦っている。
そして、それを見ている者がいるのだった。
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