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答え合わせ①
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ジルベルトと「恋人」になった翌日、《塔》へ出向いたアーサーを迎えたのは、やたら笑顔が麗しい赤髪の男性と、その横で縮こまるバジルの姿だった。
「学会では見かけるが、話すのは初めてだな。フィリップ・リエだ。体調を崩したと聞いたが、調子はいかがだろうか」
壮年の男はそう名乗った。フィリップ・リエ。ジルベルトの上司だ。バジルが昨日笑顔がどうと言っていたが、確かに端麗な顔立ちをしている。青い眸はやや切れ長で、表情次第では冷たい印象を受けるかもしれない。三十も半ば過ぎたくらだろうか、ジルベルトと同じローブだが装飾の数が多い。
それにしても、自分のことを知っていたとは。アーサーは驚いた。
「アーサー・クラムベルと申します。お気遣いありがとうございます。おかげさまで体調も快復しました。このたびは連絡もせず、たいへん申し訳ありません」
名乗り返すと、リエはにっこりと笑った。
「いや、悪いのはジルベルトだ。貴方が気になさることではない」
「……」
横でジルベルトが後退ったのがわかった。すかさずリエがふり向く。その笑顔は麗しく、しかしどこか凄みがある。
「ジルベルト。あとでわかっているな」
「……うん」
うわ、すごく嫌そう。
アーサーは少し驚いた。学院でも自由気ままを貫いたジルベルトをここまで追い詰めるとは、《塔》はどうなっているのだろう。
「先生。ではこちらにお願いします」
「え?」
隣に立ったバジルがアーサーの袖を引いた。彼も《塔》のローブを着ている。こうしてみるとやはり《塔》の人間なのだ。シャツとジレをかっちり着込んだ普段とは雰囲気がまるで違う。
「念のため、別室で検査を受けていただきたく」
「ああ、わかりました」
「ではこちらに……おいジルベルト、引き留めるな」
バジルに指摘され、ジルベルトがしぶしぶアーサーの腕を離した。その表情が母親と引き離される子どものようで、アーサーは思わず笑ってしまう。その手を軽くたたいた。
「ジルベルト、すぐ戻るよ」
「……うん」
向かった部屋には、お茶とお菓子がずらりと並んでいた。
「あれ。バジルくん、検査だよね?」
どう見てもお茶会のが始まる雰囲気だ。
「あ、検査もしますよ。けどメインは今回の件についておしゃべりです。ああ言っとかないとジルベルトが離してくれないでしょ」
そう言って、バジルはいたずらが成功したように笑った。
そして健康観察……という名のお茶会で、アーサーはバジルからようやく星花祭りでの顛末を知った。
「先生、ちなみになんですけど、今回のことについてどれくらい把握してます?」
「それが、まったく。教会の過激派がジルベルトを狙ったってことくらい」
「ああ、やっぱり本当にほとんど知らないんですね」
ジルベルトのやつ、なにも教えてないんだな。バジルは溜め息を吐いて、ジャムをたっぷりつけたスコーンを頬張った。
――いわく。
教会過激派がジルベルトを疎んじていたのは以前説明したとおり。そしてその連中がとうとう銀の短剣の標的としてジルベルトを定めたのだという。しかしジルベルトは稀代の実力者であり、一筋縄ではいかない。そのため弱点と思しきアーサーを狙ったのだという。
そしてその役目を担ったのが、前々から学院に潜入していたユージェフだった。
「僕が弱点、か……」
思わず苦笑するが、チョコレート色の眸は真剣だ。
「弱点ですよ。だからおれも学院に潜入してるんです」
「……もしかして、学生時代からずっと?」
「はい」
バジルはあっさり頷いた。
「俺は、まぁ一応《塔》の人間ですけど、表に言えない仕事をしているわけです。ジルベルトが入棟して、こいつは警戒がいるなとなりましてね。ああいう飛び抜けた奴は教会過激派に限らず変なのを引きつけますから。そこでおれの出番です」
ちなみに先生より年上ですよ、と言われて仰天した。
「えっ、そうなの」
「はい。多少姿を変えてますから若く見えると思います。……んん、おいしい」
そう言ってにこ、と笑うバジルはどう見ても二十ほどの青年だ。おいしそうにシュークリームを口に運び、顔をとろけさせる様子はとても年上に見えない。
「とまあ、そんなわけで様子見していたんですけど。今年に入ってからどうもきな臭くなってきましてね」
教会過激派が、本格的にジルベルトの排除を考え始めたということだ。
……それにしても、よく食べるな。
早々に己の取り皿を空にしたバジルは、ひとくち茶を啜った。そうしてまた取り皿にクッキーやケーキを盛りつけ始めている。アーサーなんか与えられる情報を追うのに精一杯で、最初に取り分けたガトーショコラすら食べ終えていない。
「ジルベルトはあの性格なので、《塔》以外ではほぼ交友関係がありません。実家とも不仲ですし、恋人も婚約者もいません。ですので、奴らが学生時代に唯一まともな交流があった先生に着目するのはまぁ自然な流れでした」
追加したシフォンケーキをナイフで切り分けながら、バジルは目を伏せる。色合いを見る限り、チョコレート味のようだ。
研究職とはいえ、《塔》はただでさえ実力者が多く邪魔者を嫌う。より取り入りやすい標的として、彼らはアーサーに目をつけた。
しかも交流があったこと微妙に隠してましたしね、あの男。バジルは鼻を鳴らした。よくよく調べたら交流があったらしい男、ということでアーサーはジルベルトの身辺を探る者たちをホイホイ引き寄せていたらしい。あまり知りたくなかった。
いまでも交流があるか。どの程度の親密度か。もしジルベルトがそれなりに情をかけているのであれば、十分な弱点となり得る。
「ユージェフが刺客であることは早々に掴んでいました。様子見に徹していたので泳がしていましたが、急に距離を詰めてきたので警戒していたんです」
「そう、なんだ……」
実際、危ない場面もあったらしい。まったく気づかなかった。「まぁ別に知らないほうがいいと思いますよ」とバジル薄く笑ってシフォンケーキを口に運んだ。うーん、先生のおばあさまのケーキのほうが好みかも、と意味深に呟く。
「……ユージェフくんは、どうしてるの?」
「とりあえず魔力封じて《塔》で預かってますよ。知ってる情報はぜんぶ吐かせたいし、口封じに誰が来たら逆に辿れるかもしれませんから」
「そう、か」
口封じ、という単語に少し怯む。今回アーサーやジルベルトを狙った連中は、そう言ったことをして憚らない連中なのだ。
「生きてはいるんだね」
「いまのところは、ですけどね。なんですか、情でも湧きました?」
「まぁ。……そう、かも」
「殺されかけたってのに、甘い人ですね」
このシフォンケーキより甘いですよ、とバジルが呆れたように眉を上げた。もっともである。
けれど、とアーサーはようやく残り三分の一ほどになったガトーショコラを口に運んだ。……甘い。
もう少し生徒でいたかった、と諦めたように笑うユージェフの顔が蘇る。危険な目に遭わされたし、サルウェルのことを含めてやったことは許されない。しかしどうしても、あの寂しい微笑みが頭に焼きついて離れない。
もしあの子が暗殺者なんてしなくてよかったら、教会に関わらず学院に来られていたら。
「なに言われたか知りませんけど、真に受けちゃだめですよ。ああいう手合いは息をするように嘘をつきますからね。ぜんぶ嘘だと思っておくほうがいいです」
「……うん、そうだね」
アーサーは苦笑した。そうなのかもしれない。
紅茶で口内をすすぎ、アーサーは息を吐いた。いまのケーキは、正直好みよりちょっと甘すぎた。次はもう少しあっさりしたものにしよう。
「バジルくん、教えてくれてありがとう」
「いえいえ」
とにかく驚くことばかりだった。
柑橘らしきゼリーに手を伸ばせば、手の甲で黄玉の光がきらめく。この指輪もアーサーの身を守るためだったのだ。思えば確かに、ユージェフとの交流が増えた頃に渡された、というか付けられた気がする。
あの日助けられた指輪に入っていたのは、ジルベルトをアーサーのもとに転移させる術だった。ただでさえ転移魔術が規格外なのに、それを魔道具に加工するなんてあの魔術師ときたら。
とはいえそれもこれもすべて、ジルベルトなりにアーサーを慮った結果なのだろう。……明らかに言葉は足りなかったが。
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「いや、悪いのはジルベルトだ。貴方が気になさることではない」
「……」
横でジルベルトが後退ったのがわかった。すかさずリエがふり向く。その笑顔は麗しく、しかしどこか凄みがある。
「ジルベルト。あとでわかっているな」
「……うん」
うわ、すごく嫌そう。
アーサーは少し驚いた。学院でも自由気ままを貫いたジルベルトをここまで追い詰めるとは、《塔》はどうなっているのだろう。
「先生。ではこちらにお願いします」
「え?」
隣に立ったバジルがアーサーの袖を引いた。彼も《塔》のローブを着ている。こうしてみるとやはり《塔》の人間なのだ。シャツとジレをかっちり着込んだ普段とは雰囲気がまるで違う。
「念のため、別室で検査を受けていただきたく」
「ああ、わかりました」
「ではこちらに……おいジルベルト、引き留めるな」
バジルに指摘され、ジルベルトがしぶしぶアーサーの腕を離した。その表情が母親と引き離される子どものようで、アーサーは思わず笑ってしまう。その手を軽くたたいた。
「ジルベルト、すぐ戻るよ」
「……うん」
向かった部屋には、お茶とお菓子がずらりと並んでいた。
「あれ。バジルくん、検査だよね?」
どう見てもお茶会のが始まる雰囲気だ。
「あ、検査もしますよ。けどメインは今回の件についておしゃべりです。ああ言っとかないとジルベルトが離してくれないでしょ」
そう言って、バジルはいたずらが成功したように笑った。
そして健康観察……という名のお茶会で、アーサーはバジルからようやく星花祭りでの顛末を知った。
「先生、ちなみになんですけど、今回のことについてどれくらい把握してます?」
「それが、まったく。教会の過激派がジルベルトを狙ったってことくらい」
「ああ、やっぱり本当にほとんど知らないんですね」
ジルベルトのやつ、なにも教えてないんだな。バジルは溜め息を吐いて、ジャムをたっぷりつけたスコーンを頬張った。
――いわく。
教会過激派がジルベルトを疎んじていたのは以前説明したとおり。そしてその連中がとうとう銀の短剣の標的としてジルベルトを定めたのだという。しかしジルベルトは稀代の実力者であり、一筋縄ではいかない。そのため弱点と思しきアーサーを狙ったのだという。
そしてその役目を担ったのが、前々から学院に潜入していたユージェフだった。
「僕が弱点、か……」
思わず苦笑するが、チョコレート色の眸は真剣だ。
「弱点ですよ。だからおれも学院に潜入してるんです」
「……もしかして、学生時代からずっと?」
「はい」
バジルはあっさり頷いた。
「俺は、まぁ一応《塔》の人間ですけど、表に言えない仕事をしているわけです。ジルベルトが入棟して、こいつは警戒がいるなとなりましてね。ああいう飛び抜けた奴は教会過激派に限らず変なのを引きつけますから。そこでおれの出番です」
ちなみに先生より年上ですよ、と言われて仰天した。
「えっ、そうなの」
「はい。多少姿を変えてますから若く見えると思います。……んん、おいしい」
そう言ってにこ、と笑うバジルはどう見ても二十ほどの青年だ。おいしそうにシュークリームを口に運び、顔をとろけさせる様子はとても年上に見えない。
「とまあ、そんなわけで様子見していたんですけど。今年に入ってからどうもきな臭くなってきましてね」
教会過激派が、本格的にジルベルトの排除を考え始めたということだ。
……それにしても、よく食べるな。
早々に己の取り皿を空にしたバジルは、ひとくち茶を啜った。そうしてまた取り皿にクッキーやケーキを盛りつけ始めている。アーサーなんか与えられる情報を追うのに精一杯で、最初に取り分けたガトーショコラすら食べ終えていない。
「ジルベルトはあの性格なので、《塔》以外ではほぼ交友関係がありません。実家とも不仲ですし、恋人も婚約者もいません。ですので、奴らが学生時代に唯一まともな交流があった先生に着目するのはまぁ自然な流れでした」
追加したシフォンケーキをナイフで切り分けながら、バジルは目を伏せる。色合いを見る限り、チョコレート味のようだ。
研究職とはいえ、《塔》はただでさえ実力者が多く邪魔者を嫌う。より取り入りやすい標的として、彼らはアーサーに目をつけた。
しかも交流があったこと微妙に隠してましたしね、あの男。バジルは鼻を鳴らした。よくよく調べたら交流があったらしい男、ということでアーサーはジルベルトの身辺を探る者たちをホイホイ引き寄せていたらしい。あまり知りたくなかった。
いまでも交流があるか。どの程度の親密度か。もしジルベルトがそれなりに情をかけているのであれば、十分な弱点となり得る。
「ユージェフが刺客であることは早々に掴んでいました。様子見に徹していたので泳がしていましたが、急に距離を詰めてきたので警戒していたんです」
「そう、なんだ……」
実際、危ない場面もあったらしい。まったく気づかなかった。「まぁ別に知らないほうがいいと思いますよ」とバジル薄く笑ってシフォンケーキを口に運んだ。うーん、先生のおばあさまのケーキのほうが好みかも、と意味深に呟く。
「……ユージェフくんは、どうしてるの?」
「とりあえず魔力封じて《塔》で預かってますよ。知ってる情報はぜんぶ吐かせたいし、口封じに誰が来たら逆に辿れるかもしれませんから」
「そう、か」
口封じ、という単語に少し怯む。今回アーサーやジルベルトを狙った連中は、そう言ったことをして憚らない連中なのだ。
「生きてはいるんだね」
「いまのところは、ですけどね。なんですか、情でも湧きました?」
「まぁ。……そう、かも」
「殺されかけたってのに、甘い人ですね」
このシフォンケーキより甘いですよ、とバジルが呆れたように眉を上げた。もっともである。
けれど、とアーサーはようやく残り三分の一ほどになったガトーショコラを口に運んだ。……甘い。
もう少し生徒でいたかった、と諦めたように笑うユージェフの顔が蘇る。危険な目に遭わされたし、サルウェルのことを含めてやったことは許されない。しかしどうしても、あの寂しい微笑みが頭に焼きついて離れない。
もしあの子が暗殺者なんてしなくてよかったら、教会に関わらず学院に来られていたら。
「なに言われたか知りませんけど、真に受けちゃだめですよ。ああいう手合いは息をするように嘘をつきますからね。ぜんぶ嘘だと思っておくほうがいいです」
「……うん、そうだね」
アーサーは苦笑した。そうなのかもしれない。
紅茶で口内をすすぎ、アーサーは息を吐いた。いまのケーキは、正直好みよりちょっと甘すぎた。次はもう少しあっさりしたものにしよう。
「バジルくん、教えてくれてありがとう」
「いえいえ」
とにかく驚くことばかりだった。
柑橘らしきゼリーに手を伸ばせば、手の甲で黄玉の光がきらめく。この指輪もアーサーの身を守るためだったのだ。思えば確かに、ユージェフとの交流が増えた頃に渡された、というか付けられた気がする。
あの日助けられた指輪に入っていたのは、ジルベルトをアーサーのもとに転移させる術だった。ただでさえ転移魔術が規格外なのに、それを魔道具に加工するなんてあの魔術師ときたら。
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