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side後輩
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「他に好きなひとができました。だから別れてくだひゃい」
ヤバい、噛んだ。
くだひゃいってなんだ、くだひゃいって。
俺は消え入りたくなりながら、目の前の端正な顔を見つめた。
これ以上先輩のことを好きになる前にお別れしなくっちゃ。
先輩はモテるから、すぐに新しいひとが見つかる。
僕よりずっと先輩に相応しいひとが。
「好きなひとって、誰?」
「えっと…、と、図書館で会うひとで、僕が一方的に好きなだけなんですけど…」
「ふぅん?」
だって僕は聞いちゃったんだ。
先輩が友だちと話しているの。
「なー、あの地味っこのどこがいいわけ?一緒にいても盛り上がらないだろ」
そう言う友だちに、先輩は「まあ、そうだね」って答えてた。
僕は地味で先輩の周りにいる人たちみたいに先輩を楽しませることは出来ない。
図書委員会で一緒になった時、こんなに整ったひとがいるんだな、ってびっくりした。
先輩は気さくに話しかけてきてくれて、最初は緊張していた僕も何回か図書当番を一緒にするうちに、先輩と普通に話せるようになった。
ある時一緒に帰ろうってなって、先輩が「付き合ってほしいんだけど」って言った。
僕はどこか寄るところがあるのかな?って思って、「いいですよ」って言った。
そしたらそれはお付き合いのことで、知らぬ間に先輩とお付き合いすることになっていた。
先輩はモテるから、その対策として僕と付き合ってることにしたんだと思う。
最初はいくら格好が良くても男のひとと付き合うなんて、って思ってたけど、先輩と過ごすうちにどんどん先輩のことが好きになっていって、今ではもう大好きだ。
「いやいやいや、偽の恋人とかそんなわけないじゃん」
親友の香澄(かすみ)はそう言うけど、その証拠に、僕たちは恋人らしいことを何もしていない。
せめて先輩を楽しませれたらと思ったけど、「盛り上がらない」って言ってた。
先輩はつまらないのを我慢して付き合ってくれてたんだ。
責任感が強いし優しいから、自分から付き合おうって言い出したのに振ることはできないって思ってるんだと思う。
これ以上好きになったら、別れるのがもっと辛くなって、別れたくないってワガママを言ってしまうかもしれない。
だから今、身を引くんだ。
「聡の別れたいってお願いきく前に、僕からのお願いもきいてくれる?」
先輩のお願い?なんだろう。
僕にできることならしなくっちゃ。
今までお付き合いしてくれたせめてものお礼だ。
ヤバい、噛んだ。
くだひゃいってなんだ、くだひゃいって。
俺は消え入りたくなりながら、目の前の端正な顔を見つめた。
これ以上先輩のことを好きになる前にお別れしなくっちゃ。
先輩はモテるから、すぐに新しいひとが見つかる。
僕よりずっと先輩に相応しいひとが。
「好きなひとって、誰?」
「えっと…、と、図書館で会うひとで、僕が一方的に好きなだけなんですけど…」
「ふぅん?」
だって僕は聞いちゃったんだ。
先輩が友だちと話しているの。
「なー、あの地味っこのどこがいいわけ?一緒にいても盛り上がらないだろ」
そう言う友だちに、先輩は「まあ、そうだね」って答えてた。
僕は地味で先輩の周りにいる人たちみたいに先輩を楽しませることは出来ない。
図書委員会で一緒になった時、こんなに整ったひとがいるんだな、ってびっくりした。
先輩は気さくに話しかけてきてくれて、最初は緊張していた僕も何回か図書当番を一緒にするうちに、先輩と普通に話せるようになった。
ある時一緒に帰ろうってなって、先輩が「付き合ってほしいんだけど」って言った。
僕はどこか寄るところがあるのかな?って思って、「いいですよ」って言った。
そしたらそれはお付き合いのことで、知らぬ間に先輩とお付き合いすることになっていた。
先輩はモテるから、その対策として僕と付き合ってることにしたんだと思う。
最初はいくら格好が良くても男のひとと付き合うなんて、って思ってたけど、先輩と過ごすうちにどんどん先輩のことが好きになっていって、今ではもう大好きだ。
「いやいやいや、偽の恋人とかそんなわけないじゃん」
親友の香澄(かすみ)はそう言うけど、その証拠に、僕たちは恋人らしいことを何もしていない。
せめて先輩を楽しませれたらと思ったけど、「盛り上がらない」って言ってた。
先輩はつまらないのを我慢して付き合ってくれてたんだ。
責任感が強いし優しいから、自分から付き合おうって言い出したのに振ることはできないって思ってるんだと思う。
これ以上好きになったら、別れるのがもっと辛くなって、別れたくないってワガママを言ってしまうかもしれない。
だから今、身を引くんだ。
「聡の別れたいってお願いきく前に、僕からのお願いもきいてくれる?」
先輩のお願い?なんだろう。
僕にできることならしなくっちゃ。
今までお付き合いしてくれたせめてものお礼だ。
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