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34話

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34話

朝起きると、ステビアが露骨によそよそしかった。
目も合わさないどころか、俺に顔を見られない様に動いていた。
なんとか盗み見たステビアの顔は想像通り恥ずかしさで頬を赤くしていた。

・・・そりゃそうだろうな。

拗ねられても困るので、朝御飯に魚料理を食べさせてあげ、
部屋に戻ってからも、頭を撫でてあげた。
すると、嘘みたいに態度が軟化した。

「ねーねーご主人?うちご主人の事好きになってもいいの?」
と不安と期待が混じったウルウルした瞳で俺を上目遣いで眺めてきた。

・・・なんだこの可愛らしい生き物は!反則だろう!
俺はステビアを思わず抱きしめる。

「にゃっ!?ご主人?」
驚いているステビアの耳元で「・・・いいぞ」と呟いてあげた。

すると、ステビアはぎゅっと抱きつきながら
顔を真っ赤にしながら「・・・ぅん」と呟くと、まるで俺に自分の匂いをマーキングするかのよう身体を擦り付けてくる。

暫くステビアに身をゆだねていたら、気が済んだのかマーキング?が終わり、満足したかのように俺の近くで丸まるように寝そべり、リラックスしている。

折角落ち着いていたので、今更だが今後ステビアにしてほしい事を伝えた。
「うちは戦わなくていいの?」
と不思議そうに聞いてきたので、
「問題無い、ステビアは俺が守るからな?」
と伝えた瞬間ステビアの顔が一瞬で真っ赤になった。
「・・・!!」
原因は不明だが悶絶しているようだった。
暫くしたら落ち着いたようだったので触れないでやった。

その後、俺達は手をつないで冒険者ギルドへ向かった。

他の冒険者をユリが対応していたので、
掲示板に張ってある依頼を眺めていた。
お尋ね者コーナーも眺めていると、
俺に絡んできた連中に賞金が掛けられていた。
1人1000タームと他の賞金首達より明らかに安く、
罪状もロイヤルVIP殺害未遂と書いてあった。
ただし、何故かこの手配書だけ「生死は問わず!!」とデカデカと強調して書いてあった。

冒険者から犯罪者へ仲間入りじゃないか、本当に馬鹿な連中だな・・・。
そう思って眺めていたら、受付が空いたようだ。

早速向かうと、ユリはステビアを見るなり
「・・・よりによってワーキャット族にするなんて・・・」
と開口一番に言ったまま頭を抱えたユリだった。

俺はすっかり懐いていることを伝えても
「そんなの洗脳が解けるまでだよ・・・さーくん・・・あぁああ私がちゃんと伝えなかったから・・・ごめんね!さーくんごめんねー・・・」と言いながらグズグズと泣き出してしまった。

ステビアもおとなしく俺の膝に座ってキョトンとしている。
「なんでこのお姉さん泣いているの?」とヒソヒソ俺に聞いて来たが、正直俺が知りたかった。
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