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8話
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8話
颯爽と現れたはるかさんはやや服装が乱れている俺達にお構いなく、淡々と結果のみ説明してくれた。
説明によると、
俺とあの女とは”穏便”な和解と言うことで、離婚が成立しているらしい。
どうりで最近家に居ないと思ったらそう言うことだったらしい。
勿論、真白の親権は俺にて。
普通なら調停やらに呼び出されて色々と面倒なやり取りが必要なんじゃないんだろうか。
それと同時に、はるかさんと俺が婚姻関係になっているそうだ。
七菱財閥のお嬢様を俺なんかが嫁にしていいのか?
それに俺には真白が・・・。
チラリと真白を見るが
「どうしたの?」って顔をしている。
これが真白の思い描いていた計画なんだろうと納得しておいた。
「それじゃあ行きましょう」
どこに?という疑問は受け付けないようだ。
真白はすまなそうな顔をしている。
俺と真白はいつの間にか家の前にスタンバイしていた黒塗りのリムジンに押し込まれた。
富豪しか乗れないような広いスペースがある特注車のあれだ。
厳重な警備がいる門を2つ通過して暫くしてようやく到着した。
俺達は恐ろしく広大で馬鹿馬鹿しい程豪華絢爛な建物に連れて行かれた。
服もはるかさんが用意してくれたモノに着替えている。
サイズもまるでオーダーメイドしたかのようにぴったりだったのが恐ろしい。
正直一着幾らするんだか考えたくない。
案内される部屋に行くまでに芸術には一切興味はないがそんな俺でも知っている絵画が豪華絢爛な他の調度品と調和するように飾ってある。
まさかレプリカなんて事は無いだろうからここにあるものは全て本物なんだろう。
途方もない資金力に驚かされてばかりだ。
部屋に案内されると妙に質素だが重厚感のあるデスクに俺と同じ位の年齢風の男がいた。
「七菱だ」
男はそう言うと握手をしてきた。
自己紹介をしようとしたが、遮られる様に
「君は明智景太、34歳だろう」
そう言うと俺を底の知れない瞳でジッと見つめる。
「合格だ。はるかを頼むぞ」
そう言うと胸ポケットに何かを無造作に突っ込まれた。
話は終わったと言わんばかりに椅子に座ると同時に、はるかさんが俺と真白の手を掴み退出を促した。
時間にして30秒も掛かっていないんじゃないだろうか。
はるかさんも言っていたが一体何が合格なんだろうか?
・・・全く理解できない。
帰りのリムジン内で胸ポケットに突っ込まれたモノを確認すると、署名捺印済の金額だけが書いていない50枚綴りの小切手だった。
流石にコレはマズいだろうと思い、はるかさんに返そうとしたが
「それは不束な私を養う為のもの。どうぞお納め下さい。」
「そうは言いますが・・・」
「どうぞお納め下さい。さもないと七菱を否定したとして私もあなたも消されてしまいます、・・・勿論真白さんもどうなる事か・・・分かりませんよ?」
拒否を受け付ける事が無い様な強い視線で俺をジッと見つめてくる。
「それにこんな不束な私に子を孕ませていただく手前、100億でも200億でもどうぞお好きな金額をご記入下さい。」
と土下座されてしまった。
俺は拒否権など一切無い事を悟ると、同意した。
俺は聞いていない事が多過ぎるので真白と内緒話をした。
「こんな事聞いてないぞ!」
「だって言ってないもん!」
「言ってないもんって・・・真白は良いのか?」
「良くはないけど・・・こうするしか、無いじゃん・・・パパと、離れたくないよぅ・・・うぅ・・・」
そう言うと真白は静かに泣き出してしまった。
真白も自分なりに決断した結果なんだろう。
俺は優しく真白を抱きしめながら最大限真白の考えを尊重しようと思った。
颯爽と現れたはるかさんはやや服装が乱れている俺達にお構いなく、淡々と結果のみ説明してくれた。
説明によると、
俺とあの女とは”穏便”な和解と言うことで、離婚が成立しているらしい。
どうりで最近家に居ないと思ったらそう言うことだったらしい。
勿論、真白の親権は俺にて。
普通なら調停やらに呼び出されて色々と面倒なやり取りが必要なんじゃないんだろうか。
それと同時に、はるかさんと俺が婚姻関係になっているそうだ。
七菱財閥のお嬢様を俺なんかが嫁にしていいのか?
それに俺には真白が・・・。
チラリと真白を見るが
「どうしたの?」って顔をしている。
これが真白の思い描いていた計画なんだろうと納得しておいた。
「それじゃあ行きましょう」
どこに?という疑問は受け付けないようだ。
真白はすまなそうな顔をしている。
俺と真白はいつの間にか家の前にスタンバイしていた黒塗りのリムジンに押し込まれた。
富豪しか乗れないような広いスペースがある特注車のあれだ。
厳重な警備がいる門を2つ通過して暫くしてようやく到着した。
俺達は恐ろしく広大で馬鹿馬鹿しい程豪華絢爛な建物に連れて行かれた。
服もはるかさんが用意してくれたモノに着替えている。
サイズもまるでオーダーメイドしたかのようにぴったりだったのが恐ろしい。
正直一着幾らするんだか考えたくない。
案内される部屋に行くまでに芸術には一切興味はないがそんな俺でも知っている絵画が豪華絢爛な他の調度品と調和するように飾ってある。
まさかレプリカなんて事は無いだろうからここにあるものは全て本物なんだろう。
途方もない資金力に驚かされてばかりだ。
部屋に案内されると妙に質素だが重厚感のあるデスクに俺と同じ位の年齢風の男がいた。
「七菱だ」
男はそう言うと握手をしてきた。
自己紹介をしようとしたが、遮られる様に
「君は明智景太、34歳だろう」
そう言うと俺を底の知れない瞳でジッと見つめる。
「合格だ。はるかを頼むぞ」
そう言うと胸ポケットに何かを無造作に突っ込まれた。
話は終わったと言わんばかりに椅子に座ると同時に、はるかさんが俺と真白の手を掴み退出を促した。
時間にして30秒も掛かっていないんじゃないだろうか。
はるかさんも言っていたが一体何が合格なんだろうか?
・・・全く理解できない。
帰りのリムジン内で胸ポケットに突っ込まれたモノを確認すると、署名捺印済の金額だけが書いていない50枚綴りの小切手だった。
流石にコレはマズいだろうと思い、はるかさんに返そうとしたが
「それは不束な私を養う為のもの。どうぞお納め下さい。」
「そうは言いますが・・・」
「どうぞお納め下さい。さもないと七菱を否定したとして私もあなたも消されてしまいます、・・・勿論真白さんもどうなる事か・・・分かりませんよ?」
拒否を受け付ける事が無い様な強い視線で俺をジッと見つめてくる。
「それにこんな不束な私に子を孕ませていただく手前、100億でも200億でもどうぞお好きな金額をご記入下さい。」
と土下座されてしまった。
俺は拒否権など一切無い事を悟ると、同意した。
俺は聞いていない事が多過ぎるので真白と内緒話をした。
「こんな事聞いてないぞ!」
「だって言ってないもん!」
「言ってないもんって・・・真白は良いのか?」
「良くはないけど・・・こうするしか、無いじゃん・・・パパと、離れたくないよぅ・・・うぅ・・・」
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