青天の霹靂ってこれじゃない?

浦 かすみ

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兄と弟

胃が痛くなる案件ですね

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サザウンテロス帝国の旦那の両親に会う。

なんて緊張感のある訪問なのだろう…よく考えれば、お付き合いしまーすとか、結婚しまーすとかで初顔合わせじゃなくて、すでに婚姻届も出した後の既成事実もバッチリな後の、初顔合わせだ。

順番が逆だろう、と自分にツッコんでみたくなる。

「何回も聞くけど、国王陛下や王妃様は私との婚姻に賛成なのよね?」

「うん、そうだよ。本当に気にしなくていいのに…」

アホかっ!世の中(異世界を含む)に姑達のご機嫌や動向が気にならない嫁は存在しないわっ!

「こんなに気合い入れる必要あるの?」

私はサザウンテロスに向かう前にトキワステラーテ(実家)に帰って来ている。そして本日のサザウンテロス帝国へのご訪問時に着用するドレス、靴、アクセサリー等々全て準備して着替えてから出発するのだ。

私はのほほんと聞いてきたリュー君をキッと睨んだ。

「必要あるのっ!何言っているのよ、第一印象が全てよ?派手過ぎず、かと言って地味になり過ぎず、リュー君のお嫁さん然とした新妻っぽい色合いの絶妙な意匠を着なくちゃいけないのよ」

「では姫様っ参りますよ!」

「お願いっ!」

私はメイドの皆と見詰め合ってから鏡の前に向かった。

二時間後…

「完璧だ…」

「姫様どうでしょう?」

「自信作ですよー!」

メイドと涙の力作、新妻(再婚)の初々しい第二王子妃☆が出来上がっている。

「ドレスの黄色とこの茶系の色目…私の髪と合うか心配だったけど、良かったわ。流石ね、皆のおかげよ!この絶妙に薄めの化粧が、大人しく慎ましやかな淑女っぽく見えて最高だわ」

メイド達は満足気に微笑んでいる。

私は続き部屋で待ってくれていたリュー君の所に戻った。

「お待たせリュー君」

「ん?ああ…あれ?今日は大人しめだね。ミランジェもっと派手な色が似うんじゃない?」

「こらっリュー君。こういう時は『いつもとは違う印象に見えるけど、こんな優しい色合いの意匠のドレスも似合うね』でしょう?」

リュー君は一瞬、無の表情になったが

「いつもとはちがうけどとてもよくにあっているね」

と早口に言い切った。心が籠ってないわ~。最悪だよ、地蔵っ!

そんな愛も心も籠っていない地蔵は無視して…私達は王宮に備え付けの転移魔方陣でサザウンテロス帝国へ転移した。

「お帰りなさいませ、リュージエンス殿下。お待ちしておりました、ミランジェ妃殿下」

転移後、私達の前にかしずく方々。

「只今~婚姻式まで宜しくね」

とリュー君はいつもと同じ声音で話しているけど、魔質はピリピリしているし、私の腰に回した手に力が籠っている。

なるほどね、ここからもう警戒しろってことね、了解。

すぐに魔物理防御障壁を私とリュー君に張る。私達の後ろを歩く双子達とキューインス閣下達はすでに防御障壁を張っている。

魔方陣を置いていた部屋を出て、ゆっくりと回廊を歩いて行く。

「!」

突然リュー君が私の体を引っ張った。私の前にダンカレとキューインス閣下の背中が見えた。

ガギィィッ…という金属の擦れるような音がして、何かが障壁に当たって弾き飛ばされていた。付き従っていたメイドや侍従から悲鳴が上がる。

な…なに?え? 

「さっすがミランジェ妃殿下の障壁だね~魔矢ごときでは破れないっと…」

デジバラの声に私もデジバラが見上げている方角を見た。遠くの高い塔?に何かがキラッ…と光った。

「王宮の中での攻撃ね…」

ダンカレの言葉に、そうか…攻撃されたのかと納得した。私を抱きかかえているリュー君は体を震わせていた。私はリュー君の手を擦った。

「大丈夫だよ」

「…!」

震えていたリュー君の体から強張りが取れた。私はリュー君と手を繋ぐと、その手に力を籠めた。

「リュー君、今は1人じゃないわ。私も居る、ダンカレもデジバラも居る。皆で戦いましょう」

リュー君から息を飲むような音がした。そして私の手をリュー君が力強く握り返してくれる。

「賊が侵入しているぞっ!追尾だ!」

「はいっ!」

閣下の指示に数人の方が一瞬で飛び出して行った。

キューインス閣下が

「こちらで賊の捕獲はしておくよ。恐らく無駄足だろうとは思うけどね…」

と言った。コレいつもの襲撃なんだね。

私達はまだ騒然としている侍従やメイド達を置いて回廊を歩き出した。

謁見の間と呼ばれる所で、皆待っているだろう…というリュー君の言葉に従い、私達は広間に着いた。

そして部屋に入るとびっくりして仰け反った。

サザウンテロス帝国、国王陛下…つまりリュー君のお父様はびっくりするぐらいリュー君にそっくりだった。

コピー機でプリントしたみたいにリュー君も国王陛下も、同じ背丈で同じ顔で、同じ髪色で同じ瞳の色で…よーく見ると国王陛下の方が若干、あくまで若干年上かな~?くらいの違いしかなかった。

「リュージ!待ってたよ。わ~ミランジェ姫。大きくなって綺麗になったね!」

顔もそうだけど、話し方のテンポまでリュー君にそっくりだ。

国王陛下の横にはニコニコした国王妃(義母)がいらっしゃる。あ、このニコニコと笑う感じはリュー君に似ているね。

明らかに、国王陛下夫妻は私達を大歓迎してくれている。そしてリュー君に対する接し方…

そりゃそうか…これだけ自分の複写プリントみたいに似ている息子だ。可愛くない訳がない。

その国王陛下夫妻の後ろからヒョロっとしたのと、コロンとしたのが近づいてきた。
 
「帰って来たの?元気そうだね…」

「相変わらずヘラヘラしてるね…リュージ兄上は」

ぶぶっ!何だアレ?

心の中で吹き出した。何とか本当に吹き出すのだけは必死で堪えた。ダンカレとデジバラは笑いを咳払いに変えてなんとか誤魔化していた。

インパクトが凄すぎる。

私が子供時に見たクリの姿の印象をそのまま伝えたら、リュー君がバカ受けしていた理由が今、はっきりと分かった。

クリヒリエンス王太子殿下は…木の板みたいな体型だ。まさにロングボード。

そしてマリエンス第三王子殿下は…コロンと丸っこい体型だ。まさにバランスボール。

ロングボードとバランスボールの対比がすごい。2人が並んで立っているのが棒と丸みたいで、破壊力がありすぎる。

しかしだね。クリマリを改めて見てみると、縦と横に伸びている?だけでパーツの一つ一つは王妃様…つまりはお母様似なのよ。

ただのDNAの悪戯っていうか、親のどちらか一方に似ていて兄弟同士では全然似ていないって方々いるよね?

でも、マリエンス殿下の丸っこい体を見ていたら、懐かしくなる。

ぽっちゃりリュー君…

私は国王陛下と国王妃に淑女の礼をした。

「ご無沙汰しております。ミランジェに御座います」

そう言って微笑みながら顔をあげると、リュー父とリュー母は顔を綻ばせていた。

「可愛い!」

ご夫婦の声が重なった。

「可愛いわ!やだぁやっぱり娘よね!」

「うちは男ばかりだもんな~いいなぁ!」

国王陛下夫妻から大絶賛を浴びつつ、今度はクリマリの前に行くと淑女の礼をした。

「お久しぶりで御座います、クリヒリエンス王太子殿下。初めまして、マリエンス王子殿下。ミランジェに御座います。どうぞ仲良くして下さいませ」

さあ、クリマリはどう出るか!?

「…リュージエンスは大変だな~浪費家で派手な王女を押し付けられてぇ」

ニヤニヤ笑いながら板ヤロー(兄)が口撃をしてきた。するとボールヤロー(弟)も参加してきた。

「ベイフィート国王陛下から下げ渡された女なんて、僕ならゴメンだな~」

こ、これはぁ!?

嫌みな言い方だな~これ普通の王女殿下なら泣いちゃったり、怒ったりするところだけれど…私、中身はおばちゃんなんだよね~。こーんなチビッコからギャイギャイ言われたって痛くも痒くもないよね。

「クリヒリ!マリ!なんて言い方をするのっ!」

お義母様が息子2人を叱りつけた。更に国王陛下が言おうとした気配を感じたので私は

「陛下…」

と呼びかけて遮った。振り向いて私が微笑んで見せたのでお義父様は口をつぐんでくれた。

私はクリマリに向き合うと口角を上げて微笑んだ。

「まああ、そうでございますわね~私ぃリュージエンス殿下には何でも欲しいもの(食材)買って頂いておりますのよぉ~!それに私とマリエンス殿下では年齢に開き(4歳下)がありましてとてもとても下がりようがありませんものねぇ~オホホ」

お前らには私の欲しいものを買う甲斐性もなく、私を娶れるほどの甲斐性もねーだろ!

私がそう言ってほくそ笑んでいるとリュー君が横にやって来た。困ったような顔をしている。

リュー君はソッ…と耳元に唇を当てて

「スッキリした」

と言ってきた。オーホホ!そうでしょう?

まあ、確かに長い板と丸い球には言い過ぎたとは思うけどね…と思ってクリマリを見たら、ドロドロした魔力を垂れ流してきていた。

あまり良くない魔質だな…リュー君の命を狙ってくるような子達だから、根性はひん曲がっているとは思っていたけどやっぱりひん曲がっていたか。

それにあれだ。こちらを見ている貴族や役人の中にチラチラと良くない魔質を放つ人達がいる。

「さあ、リュージとミランジェ~婚姻式の打ち合わせしようか!」

リュー父がさりげな~く私を呼び捨てにしながら、人懐っこい笑顔で私達を促した。

リュー父さぁ~。リュー君に会えて嬉しいのは分かるんだけど、クリマリの存在をガン無視しているよ。これさ~リュー父がリュー君を贔屓しているのがあからさまだよね。

前にクリマリが『リュー君をばかりを贔屓するな』とかなんとかで国王陛下に文句言ったって聞いたけど、本当だったんだね。

ただね

国王陛下夫妻には悪気はないっぽい。リュー君と似ていて、国王陛下も綺麗な澄んだ青色の魔質。国王妃は明るいオレンジ色を放っている。

これは義両親に突っ込んで聞いてみてもいいかもしれない。

私はリュー父、リュー母に促されて貴賓室に招かれた。

部屋に入るとメイド達がお茶の準備をする。そして国王陛下夫妻がお茶を飲まれた後に、私もカップに口をつけて気が付いた。

はあ、なるほど。いきなり毒入りのお茶だ。カップに毒を塗っているのかな?チラッとメイドを見る。これが初めてではないわね~。魔質の揺らぎは全然無い。私はリュー君のカップに浄化魔法をかけた。

「もう大丈夫よ、リュー君」

「ありがと~」

リュー君はそう言ってお茶を飲みだした。私はメイドを見た。凄いね…ほとんど魔質は乱れない。ちょっと脅してやろうかしら?

「ああ~怖かった!毒入りのお茶なんて初めて飲んだわ。でも私『復活の御手』の力があるのよね~。この毒も時を遡って入れた本人に戻るのよね~」

と声高に言ってやった。あっビビってるビビってる!ごめんなさいねぇ~根性悪くて~暫く毒に怯えてなっ!

リュー君もびっくりしてこっちを見たが、私が澄まし顔で微笑むと、意図に気が付いたみたいで、ニヤッと笑っていた。

リュージエンス、そちも悪よのぉ~

リュー父とリュー母はポカンとした後に、苦々しい顔をしていた。

「毒が入っていたのか…」

「お義父様、大丈夫でございますわ。悪質な仕業は私の御手の力ですべて除去できますもの」

リュー父が満面の笑みになった。どうしたどうした?

「ジャニファー聞いたぁ!?お義父様だって!どうしようぅ~」

そっちかい…

ジャニファー…お義母様も満面の笑顔になった。

「きゃあ!ミランジェちゃん!私もお義母様って呼んでみてぇ!」

……絡み辛れぇぇ…

    
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