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冒険
矛の元カノ?
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人生で生まれて初めて経験した男女の修羅場だ。こういう対応が正解なのか不正解なのか分からない。でも立ち上がってしまって口火を切ってしまったので、もう引っ込みがつかなくなってしまった。
「ご期待に沿えず申し訳ありませんけれどもっ孤児で貧乏なので、日々の生活にもままならないほどなのです!シーダの顔を札束で殴れるほどお金は持っていないのですよっ!」
「ララーナ……落ち着け」
「それにあなたのように色っぽい体では無くて、棒切れみたいな体ですがそれでも文句ありますか?」
「ララーナ、おい…」
「おまけにあなたのようなお姉様でもなく、シーダより子供で…」
「ララーナ、ミアンは俺より年下だ…」
「!」
お姉様じゃなかった。てっきり20代後半だと思ってた。ホラ、外国の方って大人っぽく見えるから…と自分のことを棚に上げて心の中で言い訳をしつつ小声で
「失礼しました……」
と呟いた。
元カノのミアンさんは顔を真っ赤にすると私を睨み付けながら
「嫌な女っ!シーダも堕ちたもんだね!」
と強烈な捨て台詞を吐いて去って行った。
堕ちる…確かにSSS様シーダ様が棒っ切れみたいな貧弱な体の私と付き合っているのは、グレードが下がったと言わざるを得ないけど……
何故元カノにそれを言われなきゃいけない?
「…っくそ!」
ドカン…!と隣にいるSSS様が魔力を上げてきた。私の手を握るシーダの手に力が籠る…籠りすぎて痛いよ!オイッコラ、シーダ痛いよ!
「シーダ痛い…」
私がそう言うと、シーダはハッ…と気が付いたように私を見て、私に体を近付けて来た。
「俺にはお前だけだから!」
「…っ!」
今それ、ここで言う?
そりゃここで突き放されたら、今カノとしては凹みますが…嬉しいよ?嬉しいんだけど…スィーダレン殿下がニタニタ笑ってこっち見てんのよ!言ってもいいかな?
「こっち見るなっ!」
「わぁ~私、王族なんだけど?」
スィーダレン殿下はわざとらしく、手を挙げて驚いた!みたいな顔をしている。
「こっち見るな!」
「二回言われたぁ!?」
何だよっこの世界の王族って変わった奴しかいないのか?
予選は予定時間より早く終了した。当初の予定より多くの棄権人数が出た為だ。理由は分かっている…シーダだ。
ずっとどえらい魔力を放出して、ピリピリしまくっていたからだ。
あのさ、私が元カノに遭遇してピリピリすることはあってもシーダがピリピリするのはなんでしょうね。
ピリピリしたシーダと市場で夕飯のおかずを買い、ホグレイッツの家に帰ってきてシーダのピリピリの原因が分かった。
「なんでララーナが嫌な女扱いなんだよ…あんな奴だと思わなかった」
ああ~なるほど、元カノの意地悪発言を聞いてショックを受けているんだね。シーダよ、女子は男子が居ない所では恐ろしいんだよ?今回は元カレの目の前だったけど。
特にシーダの前で元カノとしてはいい所見せたいと思っていただろうし、まだ異性として意識していてもおかしくない。復縁とか狙っていたのかも?
ハッ……!私ってば恋愛経験無いくせに、偉そうに考えちゃってたな。
「ララーナ…怒ってるか?」
そんなことをぼんやりと考えながら、買って来たおかずを皿に盛って配膳していた、私の様子を窺うように……シーダがチラチラと私を見ている。柱の陰からこっそりと!
「シーダやめてよっ!シーダのイメー…ゲフンゴホッ、シーダはそんな柱の陰から様子を窺うような真似をしちゃダメだよ!もっと堂々としてなきゃ!」
シーダはしかめっ面で柱の陰から出てきた。
「何をもって堂々と何だよ?俺だってな~後ろめたく思う事もあって…やっぱり怒ってる?」
「怒ってないよ!ただあの子にはちょっと怒ってるけどね。でもあんな言い方ないよね?シーダは堕ちてないないもんね!ずっと格好いいもん!」
シーダは満面の笑顔になると、私に抱き付いて来てゆっくりと顔を近付けてきた。ええっいきなり!?シーダの唇が私の唇に…
食事前に濃厚過ぎる…取り敢えず食事だ!とシーダを引き離した。ごねるシーダに夕食の後でなら、続きはしても良いとうっかり言ってしまったので、今晩の徹夜は決定したような気がする。
そうだ!明日は選抜の試合だからって言えば、で徹夜は避けられるじゃないかな?
「ホラ、ララーナ…あ~ん!」
「イヤ、だからっ!どうして『あ~ん』を今ここでやらねばならないのかをだねっ…うっぐっ…」
抗議しようとした口の中に、シーダが野菜の炒め物を、あ~んと言いながらツッコんできた。甘い雰囲気なんてあったもんじゃない。
「ホラ…あ~ん」
シーダって見た目、男っぽさ全開なお兄さんだけど、こういうベタなことをしていたいタイプなんだろうか?所謂溺愛系?
口に向けて差し入れられたフォークから、肉の塊を受け取り咀嚼する。
「ララーナ、俺にもしてくれよ?」
出たーーーー!?やっぱりそうだ!
『俺様王子様は癒し手の乙女を溺愛する』
こんなタイトルがついてそうな小説を思い浮かべてしまった。
「あ~~ん…」
私の前で口を半開きにして、あ~んをせがむ21才、SSS様俺様の現役第一王子殿下。普通なら、口を半開きなんて不細工さが増す顔になりそうなのに、崩れない!歪まない!驚異の美形!……日焼け止めのCMを思い出した。
イケメンっていいな~モテてていいな~あんな顔こんな顔~いっぱいあるけど…正直羨ましい。
シーダの口の中にフォークで刺したお肉を入れてあげた。嬉しそうにモグモグ食べているシーダ。その隙に私の口にも、あ~んで芋の煮物を口に入れてくれる。
食べ合いっこか…激甘溺愛系かなぁ~やっぱり。
その後
風呂も一緒に入る!と騒ぐ王子殿下の魔圧に負けて、生まれて初めての異性との入浴をすることになった。明るい所は嫌だぁぁぁあ…と抵抗したけど、身ぐるみ剥がされた。
溺愛系…もしかして追加で、破廉恥凌辱系なのか?
風呂の中で最大限に離れて座ろうとすると、
「もっとこっち来いよ」
と、色っぽく誘われて……色気に負けた。シーダと居ると色んな誘惑に負けやすくなる。
シーダ様腹筋様彫像様の足の間に、体育座りで座った。またも誘惑に負けて、私の背後に存在する生腹筋様に凭れ掛かってみた。
硬いぃ!?ひゃあ…これは素敵っうっとりでは無いな。ゴツゴツしていて弾力性はゼロだった。
ふくよかマシュマロボディじゃなきゃ、包まれてる感触なんてある訳ないか…そんな体型の男性は私は嫌だけど。
ゴツゴツしてるけどさ、めちゃめちゃ筋肉あるんだよね、シーダ。
……っておいこら?油断していたら腹筋様が私の胸を揉んでないかい?
「ゆっくり浸かりたいんだけど?」
「2人で入る時にこういうのは想定内だろ?」
後ろを向くと、すぐに口付けてくるシーダ。
絆されないぞ!
…
……
………
逆上せた。意識が曖昧なままベッドに連れて行かれた。気絶したのかもしれない。
明日、選抜じゃなかったっけ?
翌朝
ご機嫌のシーダと手を繋いで選抜会場に行った。ほら~バカップルが通りますよ~!はいはい、見世物じゃないよ~!
「おはよう、朝から仲良いね」
「スィーダレン殿下おはようございます」
もう、ニヤニヤニタニタ笑いながら見られるのにも慣れましたよ。
本日からSSS様達は試合に参加です。シーダは笑顔で私に手を振りながら、スィーダレン殿下と共に闘技場に行ってしまった。
さてここで問題が発生しました。トイレに立った私は建物の裏方で女子…多分冒険者?から囲まれる事態に遭遇しています。
はぁ……またですか。
正直、シーダとお付き合いを始めた時にある程度は覚悟していたけどやっぱりシーダはモテるんだね~
「あんたさ、奇跡の使い手なんだって?」
「貴重な存在だもんね…そりゃシーダも目を掛けるよね」
「優しくされてるからって調子に乗ってんじゃないよ」
いや、優しくはあるけどある意味無体を働くと言いますか…もうやめて、って言ってもドSなのか、良いではないか~良いではないか~とニヤニヤ笑って攻め立ててきますので…
スミマセン、下ネタの妄想に逃げてました。えーとね、彼女達は気がついてないのかな?私、ずーっとね魔物理防御障壁を自分に張ってるのよ。
だから、精神的ダメージは受けてるけど万が一物理的ダメージを与えられたとしても、障壁が防いじゃうわけでして…
「あんた、聞いてんの!…って!?痛い!何これ?障壁?」
やっぱり実力行使に踏み切られましたか…
「嘘?ちょっとどきな!っく!」
おいおい?抜き身の剣で障壁叩くの?それ完全に殺意があると見てしまうけどいいのかな?
お姉様方は興奮したように、私を切りつけようと本気で剣を抜いて障壁に切りつけてくる。
これさ、もし私が障壁解いちゃったらこの振り上げた剣が私を叩き切ってしまうよね…私一撃で死んじゃうと思うんだけど。
振り上げた剣が障壁に当たる瞬間、私の前に大きな影が立ち塞がった。その剣を素手で掴んでいるSSS様…
「シーダ…」
「大丈夫か?」
「…っきゃ!」
「シーダ!?」
さっきまで鬼ババアみたいな顔して私に剣を向けていたお姉様達は、途端に笑顔を浮かべている。
あのさ、シーダからとんでもない暗黒魔法?みたいな殺気が駄々漏れているのが分からないのかな?
ああそうか、分からないくらいのレベルの低ーーい冒険者なのかな。シーダの外見にキャアキャア言ってるだけの浮わついている存在。
「おぃテメーら俺の嫁に何の用だ?今何やってた?あぁ?剣を向けてたな?」
怖い怖い…私だったら正座して地面に伏せちゃうよ。
「よ、嫁!?」
「嘘ぉ!?」
「シーダが!?」
シーダは今なら魔王でも倒せるんじゃないかな?っていうくらいの魔質を発しながら、女の子達に
「俺の大事な嫁に何かしてみろ、ぶっ殺すぞ!」
と、脅し文句を叫んでいた。
「シーダ、女性に脅し文句はいけませんよ?」
あまりのシーダの魔質放出に、多分スィダーレン殿下含むと手練れの方々が気が付いて皆の意識が私達に注目されている。
ここで騒ぎを起こしてはならない!
暫くして、とうとう見かねた?スィダーレン殿下がシーダを回収に来てくれたが、暗黒魔王シーダはイライラを選抜試合に全てぶつけていた。
「優勝したね…」
「当然だ」
別にシーダは優勝しなくても遺跡に入れると思うんだけど、余計なことは言わないでおこう。
そしてギアラクさんも選抜入り、リコイーダ君も辛うじて選抜に選ばれていた。ちょっと死にかけていたけど、復活させてあげた。
そんな私の治療を様子を側で見て、まだ嫌味や僻みを言っていた女の子達も押し黙ってしまった。
奇跡の使い手…この奇跡を前に皆は恐怖を感じるんだと思う。
奇跡の使い手とは魔質の奥の奥まで視透せる。体調も感情の揺らぎも手に取るように分かると誰もが知っている。
誰だって心を覗かれたくはない。
さて気を取り直して行こう、いよいよ遺跡探検だね!
「ご期待に沿えず申し訳ありませんけれどもっ孤児で貧乏なので、日々の生活にもままならないほどなのです!シーダの顔を札束で殴れるほどお金は持っていないのですよっ!」
「ララーナ……落ち着け」
「それにあなたのように色っぽい体では無くて、棒切れみたいな体ですがそれでも文句ありますか?」
「ララーナ、おい…」
「おまけにあなたのようなお姉様でもなく、シーダより子供で…」
「ララーナ、ミアンは俺より年下だ…」
「!」
お姉様じゃなかった。てっきり20代後半だと思ってた。ホラ、外国の方って大人っぽく見えるから…と自分のことを棚に上げて心の中で言い訳をしつつ小声で
「失礼しました……」
と呟いた。
元カノのミアンさんは顔を真っ赤にすると私を睨み付けながら
「嫌な女っ!シーダも堕ちたもんだね!」
と強烈な捨て台詞を吐いて去って行った。
堕ちる…確かにSSS様シーダ様が棒っ切れみたいな貧弱な体の私と付き合っているのは、グレードが下がったと言わざるを得ないけど……
何故元カノにそれを言われなきゃいけない?
「…っくそ!」
ドカン…!と隣にいるSSS様が魔力を上げてきた。私の手を握るシーダの手に力が籠る…籠りすぎて痛いよ!オイッコラ、シーダ痛いよ!
「シーダ痛い…」
私がそう言うと、シーダはハッ…と気が付いたように私を見て、私に体を近付けて来た。
「俺にはお前だけだから!」
「…っ!」
今それ、ここで言う?
そりゃここで突き放されたら、今カノとしては凹みますが…嬉しいよ?嬉しいんだけど…スィーダレン殿下がニタニタ笑ってこっち見てんのよ!言ってもいいかな?
「こっち見るなっ!」
「わぁ~私、王族なんだけど?」
スィーダレン殿下はわざとらしく、手を挙げて驚いた!みたいな顔をしている。
「こっち見るな!」
「二回言われたぁ!?」
何だよっこの世界の王族って変わった奴しかいないのか?
予選は予定時間より早く終了した。当初の予定より多くの棄権人数が出た為だ。理由は分かっている…シーダだ。
ずっとどえらい魔力を放出して、ピリピリしまくっていたからだ。
あのさ、私が元カノに遭遇してピリピリすることはあってもシーダがピリピリするのはなんでしょうね。
ピリピリしたシーダと市場で夕飯のおかずを買い、ホグレイッツの家に帰ってきてシーダのピリピリの原因が分かった。
「なんでララーナが嫌な女扱いなんだよ…あんな奴だと思わなかった」
ああ~なるほど、元カノの意地悪発言を聞いてショックを受けているんだね。シーダよ、女子は男子が居ない所では恐ろしいんだよ?今回は元カレの目の前だったけど。
特にシーダの前で元カノとしてはいい所見せたいと思っていただろうし、まだ異性として意識していてもおかしくない。復縁とか狙っていたのかも?
ハッ……!私ってば恋愛経験無いくせに、偉そうに考えちゃってたな。
「ララーナ…怒ってるか?」
そんなことをぼんやりと考えながら、買って来たおかずを皿に盛って配膳していた、私の様子を窺うように……シーダがチラチラと私を見ている。柱の陰からこっそりと!
「シーダやめてよっ!シーダのイメー…ゲフンゴホッ、シーダはそんな柱の陰から様子を窺うような真似をしちゃダメだよ!もっと堂々としてなきゃ!」
シーダはしかめっ面で柱の陰から出てきた。
「何をもって堂々と何だよ?俺だってな~後ろめたく思う事もあって…やっぱり怒ってる?」
「怒ってないよ!ただあの子にはちょっと怒ってるけどね。でもあんな言い方ないよね?シーダは堕ちてないないもんね!ずっと格好いいもん!」
シーダは満面の笑顔になると、私に抱き付いて来てゆっくりと顔を近付けてきた。ええっいきなり!?シーダの唇が私の唇に…
食事前に濃厚過ぎる…取り敢えず食事だ!とシーダを引き離した。ごねるシーダに夕食の後でなら、続きはしても良いとうっかり言ってしまったので、今晩の徹夜は決定したような気がする。
そうだ!明日は選抜の試合だからって言えば、で徹夜は避けられるじゃないかな?
「ホラ、ララーナ…あ~ん!」
「イヤ、だからっ!どうして『あ~ん』を今ここでやらねばならないのかをだねっ…うっぐっ…」
抗議しようとした口の中に、シーダが野菜の炒め物を、あ~んと言いながらツッコんできた。甘い雰囲気なんてあったもんじゃない。
「ホラ…あ~ん」
シーダって見た目、男っぽさ全開なお兄さんだけど、こういうベタなことをしていたいタイプなんだろうか?所謂溺愛系?
口に向けて差し入れられたフォークから、肉の塊を受け取り咀嚼する。
「ララーナ、俺にもしてくれよ?」
出たーーーー!?やっぱりそうだ!
『俺様王子様は癒し手の乙女を溺愛する』
こんなタイトルがついてそうな小説を思い浮かべてしまった。
「あ~~ん…」
私の前で口を半開きにして、あ~んをせがむ21才、SSS様俺様の現役第一王子殿下。普通なら、口を半開きなんて不細工さが増す顔になりそうなのに、崩れない!歪まない!驚異の美形!……日焼け止めのCMを思い出した。
イケメンっていいな~モテてていいな~あんな顔こんな顔~いっぱいあるけど…正直羨ましい。
シーダの口の中にフォークで刺したお肉を入れてあげた。嬉しそうにモグモグ食べているシーダ。その隙に私の口にも、あ~んで芋の煮物を口に入れてくれる。
食べ合いっこか…激甘溺愛系かなぁ~やっぱり。
その後
風呂も一緒に入る!と騒ぐ王子殿下の魔圧に負けて、生まれて初めての異性との入浴をすることになった。明るい所は嫌だぁぁぁあ…と抵抗したけど、身ぐるみ剥がされた。
溺愛系…もしかして追加で、破廉恥凌辱系なのか?
風呂の中で最大限に離れて座ろうとすると、
「もっとこっち来いよ」
と、色っぽく誘われて……色気に負けた。シーダと居ると色んな誘惑に負けやすくなる。
シーダ様腹筋様彫像様の足の間に、体育座りで座った。またも誘惑に負けて、私の背後に存在する生腹筋様に凭れ掛かってみた。
硬いぃ!?ひゃあ…これは素敵っうっとりでは無いな。ゴツゴツしていて弾力性はゼロだった。
ふくよかマシュマロボディじゃなきゃ、包まれてる感触なんてある訳ないか…そんな体型の男性は私は嫌だけど。
ゴツゴツしてるけどさ、めちゃめちゃ筋肉あるんだよね、シーダ。
……っておいこら?油断していたら腹筋様が私の胸を揉んでないかい?
「ゆっくり浸かりたいんだけど?」
「2人で入る時にこういうのは想定内だろ?」
後ろを向くと、すぐに口付けてくるシーダ。
絆されないぞ!
…
……
………
逆上せた。意識が曖昧なままベッドに連れて行かれた。気絶したのかもしれない。
明日、選抜じゃなかったっけ?
翌朝
ご機嫌のシーダと手を繋いで選抜会場に行った。ほら~バカップルが通りますよ~!はいはい、見世物じゃないよ~!
「おはよう、朝から仲良いね」
「スィーダレン殿下おはようございます」
もう、ニヤニヤニタニタ笑いながら見られるのにも慣れましたよ。
本日からSSS様達は試合に参加です。シーダは笑顔で私に手を振りながら、スィーダレン殿下と共に闘技場に行ってしまった。
さてここで問題が発生しました。トイレに立った私は建物の裏方で女子…多分冒険者?から囲まれる事態に遭遇しています。
はぁ……またですか。
正直、シーダとお付き合いを始めた時にある程度は覚悟していたけどやっぱりシーダはモテるんだね~
「あんたさ、奇跡の使い手なんだって?」
「貴重な存在だもんね…そりゃシーダも目を掛けるよね」
「優しくされてるからって調子に乗ってんじゃないよ」
いや、優しくはあるけどある意味無体を働くと言いますか…もうやめて、って言ってもドSなのか、良いではないか~良いではないか~とニヤニヤ笑って攻め立ててきますので…
スミマセン、下ネタの妄想に逃げてました。えーとね、彼女達は気がついてないのかな?私、ずーっとね魔物理防御障壁を自分に張ってるのよ。
だから、精神的ダメージは受けてるけど万が一物理的ダメージを与えられたとしても、障壁が防いじゃうわけでして…
「あんた、聞いてんの!…って!?痛い!何これ?障壁?」
やっぱり実力行使に踏み切られましたか…
「嘘?ちょっとどきな!っく!」
おいおい?抜き身の剣で障壁叩くの?それ完全に殺意があると見てしまうけどいいのかな?
お姉様方は興奮したように、私を切りつけようと本気で剣を抜いて障壁に切りつけてくる。
これさ、もし私が障壁解いちゃったらこの振り上げた剣が私を叩き切ってしまうよね…私一撃で死んじゃうと思うんだけど。
振り上げた剣が障壁に当たる瞬間、私の前に大きな影が立ち塞がった。その剣を素手で掴んでいるSSS様…
「シーダ…」
「大丈夫か?」
「…っきゃ!」
「シーダ!?」
さっきまで鬼ババアみたいな顔して私に剣を向けていたお姉様達は、途端に笑顔を浮かべている。
あのさ、シーダからとんでもない暗黒魔法?みたいな殺気が駄々漏れているのが分からないのかな?
ああそうか、分からないくらいのレベルの低ーーい冒険者なのかな。シーダの外見にキャアキャア言ってるだけの浮わついている存在。
「おぃテメーら俺の嫁に何の用だ?今何やってた?あぁ?剣を向けてたな?」
怖い怖い…私だったら正座して地面に伏せちゃうよ。
「よ、嫁!?」
「嘘ぉ!?」
「シーダが!?」
シーダは今なら魔王でも倒せるんじゃないかな?っていうくらいの魔質を発しながら、女の子達に
「俺の大事な嫁に何かしてみろ、ぶっ殺すぞ!」
と、脅し文句を叫んでいた。
「シーダ、女性に脅し文句はいけませんよ?」
あまりのシーダの魔質放出に、多分スィダーレン殿下含むと手練れの方々が気が付いて皆の意識が私達に注目されている。
ここで騒ぎを起こしてはならない!
暫くして、とうとう見かねた?スィダーレン殿下がシーダを回収に来てくれたが、暗黒魔王シーダはイライラを選抜試合に全てぶつけていた。
「優勝したね…」
「当然だ」
別にシーダは優勝しなくても遺跡に入れると思うんだけど、余計なことは言わないでおこう。
そしてギアラクさんも選抜入り、リコイーダ君も辛うじて選抜に選ばれていた。ちょっと死にかけていたけど、復活させてあげた。
そんな私の治療を様子を側で見て、まだ嫌味や僻みを言っていた女の子達も押し黙ってしまった。
奇跡の使い手…この奇跡を前に皆は恐怖を感じるんだと思う。
奇跡の使い手とは魔質の奥の奥まで視透せる。体調も感情の揺らぎも手に取るように分かると誰もが知っている。
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