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第二章
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校内で男子学生が裸でうろつくことはそう珍しくない。特に体育の授業の後はよくある。だが百パーセントの人間が振り返るのは顧海だけだろう。彼の筋肉美はファッションショーのランウェイを歩けるレベルだ。男なら誰でも嫉妬する。
教室に戻ってからも顧海は話題の的だった。周囲からの視線を浴びて、顧海はあわててランニングを着ようとする。わざと裸を見せびらかしていると思われそうだったからだ。
ランニングに腕を通した後に頭を入れようとしたが……
頭が入らない。ちっとも入らない!
あれ? 何故入らないんだ? 頭を入れる場所を間違えたのか?
脱いで腿の上に広げてみると、重大な問題が発覚した。
俺のランニングにはどうして二つしか穴がないんだ?
襟は? 襟口はどこにいった?
顧海はあわてて探したが、彼の目に映ったのはびっしりと黒糸で縫い付けられた襟口で、その様子はまるで雨が降る前の蟻の群れのようだった。見ているだけで背筋がぞわっとする。
襟口が縫い付けられたら一体どうやって首を通せばいいんだ?
顧海はしばらくぼんやりしていたが、ハッと気づいて引き出しの中を探った。
黒い糸と針が無くなっている。
白洛因がいるはずの場所を見たが、誰もいない。振り返ると、後ろの扉に笑いをこらえているような顔が見えた。彼がいつからそこに立っていたのかはわからないが表情から察するに、彼がもがく姿を一部始終楽しんでいたのだろう。
白洛因は顧海の視線をまったく気にせず悠々と自分の席に戻り、黙り込んだ。そしてしばらく沈黙を保っていたが、突然……
「はははははははは」
こらえきれなくなったのか、笑いながら机の上に倒れ伏した。
前にいる尤其は面食らった。これまで白洛因のこんな痛快な笑い声は聞いたことがない。振り返ると白洛因は笑いすぎて涙を流しながら机を叩いている。もはや自分の感情を抑えることができなくなっているようだった。
「一体何があったんだ?」
尤其の質問にも一切反応せず、白洛因はただひたすら笑っている。
やってくれるじゃないか。
これまでの顧海ならとっくに白洛因を殴り飛ばしていただろう。だがなぜか白洛因がここまで楽しそうにしている姿を見て、突然泣くに泣けず、笑うに笑えない気分に襲われた。
誰が責められる?
針と糸は自分が持ってきたものだし、彼の服も自分が切り裂いた。相手が反撃したからといって文句は言えない。
とにかく急いで糸を解こう。こんなことになると知っていたら、ここまでしっかりとした糸を買わなかったのに。顧海はあちこちにカッターを貸せと言って回った。
授業開始のチャイムが鳴り、起立礼を終えて座っても、顧海はずっと服と格闘していた。縫い目は細かく、長い時間をかけてやっと小さな隙間が生まれた。
授業は化学の時間だった。化学の教師は五十過ぎの女性で、厳格な上に頭も固い。教壇に立って教室を見回した後、顧海にぴたりと照準を合わせた。
「一番後ろのそこの男子、裸で授業は受けさせませんよ!」
その場にいる全員の視線が顧海に注がれたが、そこには別の含みもあることを顧海は感じ取っていた。体育の授業で自分をひけらかしただけでなく、教室でもカッコつけるなんて恥ずかしくないのか?
「先生、ちょっと服に問題があるんですが、すぐに直します」
そう言って顧海は糸を切ることに専念した。だが縫い目はめちゃくちゃであらゆるところが縫い留められていたため、糸を切るのはとにかく大変だった。
十分が過ぎても半分ほどしかほどけない。
「そこの学生、裸でいるのが好きなら教室の外に出なさい。あなたが人からどう見られようがかまわないけど、私の教室では許しません。私が授業を行う重大な妨げになります」
力任せに糸を千切ったとき、顧海は白洛因が肩を震わせていることに気づいた。
「おまえ一体どれだけ縫ったんだよ」
「おまえが懸垂をした回数分だよ」
「くそったれ!」
顧海は死にたい気分になった。なんでこんなにたくさん縫った? 全身汗だくになって教室に戻ったうえに、さらに一杯食わされるなんて!
白洛因は腹をさすった。残しておいた体力は笑いすぎてなくなった。午前の授業が終わっても家に帰れる体力が残っているかどうかわからない。
顧海はついに教室を出て、廊下に立って授業が終わるまで糸を切り続け、なんとか首が入るくらいの隙間を開けた。
しかしランニングはひどい有様だった。自分が買った針は太すぎたうえに、大急ぎで糸を切ったのでやり方は粗く、襟口が穴だらけになっている!
終了のチャイムと同時に教室に戻ると、白洛因は机の上の荷物を片付けているところだったが、顧海を見てこっそりほくそえんでいる。
顧海は白洛因の首を荒々しく掴み、凶悪な目で顔を覗き込んだ。
「お前、ついに笑ったな」
「これまでもずっと笑ってたぞ!」
そう答えた途端、彼の惨状が目に入り、またこらえきれず大笑いする。
顧海は白洛因を突き飛ばした。
「笑いたければ好きなだけ笑え!」
教室に戻ってからも顧海は話題の的だった。周囲からの視線を浴びて、顧海はあわててランニングを着ようとする。わざと裸を見せびらかしていると思われそうだったからだ。
ランニングに腕を通した後に頭を入れようとしたが……
頭が入らない。ちっとも入らない!
あれ? 何故入らないんだ? 頭を入れる場所を間違えたのか?
脱いで腿の上に広げてみると、重大な問題が発覚した。
俺のランニングにはどうして二つしか穴がないんだ?
襟は? 襟口はどこにいった?
顧海はあわてて探したが、彼の目に映ったのはびっしりと黒糸で縫い付けられた襟口で、その様子はまるで雨が降る前の蟻の群れのようだった。見ているだけで背筋がぞわっとする。
襟口が縫い付けられたら一体どうやって首を通せばいいんだ?
顧海はしばらくぼんやりしていたが、ハッと気づいて引き出しの中を探った。
黒い糸と針が無くなっている。
白洛因がいるはずの場所を見たが、誰もいない。振り返ると、後ろの扉に笑いをこらえているような顔が見えた。彼がいつからそこに立っていたのかはわからないが表情から察するに、彼がもがく姿を一部始終楽しんでいたのだろう。
白洛因は顧海の視線をまったく気にせず悠々と自分の席に戻り、黙り込んだ。そしてしばらく沈黙を保っていたが、突然……
「はははははははは」
こらえきれなくなったのか、笑いながら机の上に倒れ伏した。
前にいる尤其は面食らった。これまで白洛因のこんな痛快な笑い声は聞いたことがない。振り返ると白洛因は笑いすぎて涙を流しながら机を叩いている。もはや自分の感情を抑えることができなくなっているようだった。
「一体何があったんだ?」
尤其の質問にも一切反応せず、白洛因はただひたすら笑っている。
やってくれるじゃないか。
これまでの顧海ならとっくに白洛因を殴り飛ばしていただろう。だがなぜか白洛因がここまで楽しそうにしている姿を見て、突然泣くに泣けず、笑うに笑えない気分に襲われた。
誰が責められる?
針と糸は自分が持ってきたものだし、彼の服も自分が切り裂いた。相手が反撃したからといって文句は言えない。
とにかく急いで糸を解こう。こんなことになると知っていたら、ここまでしっかりとした糸を買わなかったのに。顧海はあちこちにカッターを貸せと言って回った。
授業開始のチャイムが鳴り、起立礼を終えて座っても、顧海はずっと服と格闘していた。縫い目は細かく、長い時間をかけてやっと小さな隙間が生まれた。
授業は化学の時間だった。化学の教師は五十過ぎの女性で、厳格な上に頭も固い。教壇に立って教室を見回した後、顧海にぴたりと照準を合わせた。
「一番後ろのそこの男子、裸で授業は受けさせませんよ!」
その場にいる全員の視線が顧海に注がれたが、そこには別の含みもあることを顧海は感じ取っていた。体育の授業で自分をひけらかしただけでなく、教室でもカッコつけるなんて恥ずかしくないのか?
「先生、ちょっと服に問題があるんですが、すぐに直します」
そう言って顧海は糸を切ることに専念した。だが縫い目はめちゃくちゃであらゆるところが縫い留められていたため、糸を切るのはとにかく大変だった。
十分が過ぎても半分ほどしかほどけない。
「そこの学生、裸でいるのが好きなら教室の外に出なさい。あなたが人からどう見られようがかまわないけど、私の教室では許しません。私が授業を行う重大な妨げになります」
力任せに糸を千切ったとき、顧海は白洛因が肩を震わせていることに気づいた。
「おまえ一体どれだけ縫ったんだよ」
「おまえが懸垂をした回数分だよ」
「くそったれ!」
顧海は死にたい気分になった。なんでこんなにたくさん縫った? 全身汗だくになって教室に戻ったうえに、さらに一杯食わされるなんて!
白洛因は腹をさすった。残しておいた体力は笑いすぎてなくなった。午前の授業が終わっても家に帰れる体力が残っているかどうかわからない。
顧海はついに教室を出て、廊下に立って授業が終わるまで糸を切り続け、なんとか首が入るくらいの隙間を開けた。
しかしランニングはひどい有様だった。自分が買った針は太すぎたうえに、大急ぎで糸を切ったのでやり方は粗く、襟口が穴だらけになっている!
終了のチャイムと同時に教室に戻ると、白洛因は机の上の荷物を片付けているところだったが、顧海を見てこっそりほくそえんでいる。
顧海は白洛因の首を荒々しく掴み、凶悪な目で顔を覗き込んだ。
「お前、ついに笑ったな」
「これまでもずっと笑ってたぞ!」
そう答えた途端、彼の惨状が目に入り、またこらえきれず大笑いする。
顧海は白洛因を突き飛ばした。
「笑いたければ好きなだけ笑え!」
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