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第八章
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丸二日間、白洛因は学校を休んだ。
白漢旗には羅暁瑜へ電話をかけてもらったが、他には誰にも連絡しなかった。
顧海は何かにつけて突っかかってくるので、尤其は顧海とは極力話をしたくなかった。しかしもはや我慢も限界だった。白洛因が来ないと、何をやるにも不便なのだ。宿題を写させてもらい、食べきれないものを食べてもらい、愚痴を言う相手は彼しかいない。
「顧海、白洛因はどうした?」
顧海はイヤホンをつけ、無表情のまま「大悲心陀羅尼」のお経を聞いている。
尤其は仕方なく授業が終わると楊猛のクラスへ向かった。
「ヤバい! ヤバい!」
尤其が一階に下りた途端、周囲から叫び声が起こる。野次馬が教室から飛び出してきて、その結果人の頭しか見えなくなった。一瞬で廊下中が大騒ぎになり、女子の賞賛と男子の罵声が波のように沸き起こる。
尤其は両手をポケットに入れ、衆目に晒されるのは慣れているようにモデル張りの足取りで楊猛のクラスへ向かう。
「楊猛はいるか?」
扉を開け、その場にいた女子に尋ねる。女子の口は興奮したように開き、大急ぎで楊猛を掴んで連れてきた。
「連れて来たわ」
女子は嫣然と微笑んだ。尤其は簡単に礼を告げ、楊猛を階段の踊り場へ連れ出す。
「外が大騒ぎなのは、スター様がお出ましだったからか」
楊猛はあくびをする。尤其はクールさを投げ捨て、切羽詰まった様子を見せた。
「白洛因はどこに行った?」
「因子?」
楊猛は驚いて固まる。
「授業に来てないのか?」
「二日も来てない。お前知らないのか?」
楊猛は首を振る。
「知らないよ! もうずいぶん長いこと家に行ってないし」
「じゃあ授業が終わったら一緒に行こう!」
楊猛は少しためらった。
「お前は寮生だろう? 夜の就寝点呼があるじゃないか。明日には来るかもしれないし、少し様子を見てそれでも来なかったら日曜日に二人で会いに行くのはどうだ?」
「日曜日までなんて待てないよ。今日行こうぜ」
尤其が楊猛の服を掴むと、そこがねじれて一輪の花のようになる。楊猛は尤其を上から下まで眺め、首を傾げた。
「なんでそんなに焦ってるんだ? たった二日休んだだけだろう。もし本当に何かあったなら、とっくに誰かが彼の荷物を片付けに来てるはずだよ」
「お前、その態度はクール過ぎるだろう!」
尤其は楊猛の頭を指さす。
「もっと人情があると思ってた。本当に驚きだよ。お前がこんなに薄情な奴だったなんて!」
そう言い捨て、憤慨しながら立ち去った。楊猛はその後姿を眺め、ぼやく。
「どうかしてるんじゃないか?」
踵を返して戻ると、そこには大勢の女子が集まり壁のようになっていた。
授業が終わる十分前になると、尤其は楊猛のクラスが使う駐輪場に潜み、楊猛が自転車で出ていく姿を確認してからすぐにタクシーを捕まえた。
「すみません、前にいる自転車を追いかけてください」
そう伝え、運転手に罵られる覚悟をした。だがこの運転手はとてもやさしく、怒鳴るどころか一言の文句も言わずに自転車を追い小道を走ってくれた。どんなに細かく曲がっても恨み言ひとつ言わず、それどころか車内の音楽に合わせて鼻歌すら歌い始める。
尤其は思わず問いかけた。
「運転手さん、自転車の後を追えと言われても嫌じゃないんですか?」
運転手は楽しそうに笑う。
「嫌なものか! 前にも若者が俺に歩いている奴を追いかけさせたことがあったよ!」
尤其は感動した。もし運転手が皆こんなに親切だったら、社会はもっと温かい場所になるはずなのに。
楊猛は白洛因の家の前に止まった。尤其はメーター通り運転手に二十五元を差し出す。
「二十五元だって?」
運転手は青ざめた。
「それで済ますつもりか?」
尤其は茫然としてメーターを指さす。
「そこに二十五元って表示されてるじゃないか!」
運転手は鼻で笑う。
「小僧、そりゃ薄情すぎるだろう! さっき話した若者は俺に歩行者を追いかけさせ、同じようにメーターは二十五元だったが、何も言わずに二百元くれたんだぞ!」
「そりゃ彼が金持ちだからだろう。俺は金がない」
尤其は運転手に反論する。運転手はドアに鍵をかけ、尤其と議論を始めた。
「俺はモグリのタクシーじゃない。良心に従って金を払えと言ってるんだ。ここまで俺は何分かけて来た? 普通の速度で走れば何キロ進んだと思う?」
「その理屈でいくと、俺は払った金を返してもらわなきゃならない。いまは帰宅ラッシュの時間帯だ。俺が小道に連れてこなければあんたは今も校門で渋滞に巻き込まれてただろう!」
「ふざけたことを言うな! 金を払うまでは下りられると思うなよ!」
「あんたは運転手じゃなくて強盗なのか?」
「誰が強盗だって? どっちが強盗だ? もう一度言ってみろ、お前を殴ってそこの堀に投げ捨てるぞ!」
最終的に尤其は妥協し、財布に残っていた百元あまりを投げて渡し、車を降りるときに心の中で罵り続けた。どこの小僧が二百元もやったんだ。クソ! 見かけたら殺してやる!
楊猛はしばらくためらった後、やはり白洛因の家に入った。尤其は後ろからついていく。
白漢旗は楊猛を見ると親しげに叫ぶ。
「お嬢ちゃん! 最近ちっとも遊びに来なかったじゃないか」
尤其は『お嬢ちゃん』という呼び名を聞いて堪えきれず吹き出した。そして楊猛が彼についてこさせなかった理由がやっとわかった。こんなあだ名をつけられているとは!
楊猛は後ろから笑い声が聞こえ、身震いして振り返り、真っ青になる。
「こいつ……なんでついて来た?」
「ついてこなきゃお前の父さんがお前をお嬢ちゃんと呼んでるってわからなかったしな」
「俺の父さんじゃない」
楊猛はきまり悪げに言った。
「白洛因の父さんだよ」
「えっ?」
尤其は喜んだ。
「おじさん、こんにちは!」
白漢旗は尤其に向かって笑いかける。
「お前も因子の同級生か? ずいぶんカッコいい若者だな!」
尤其は恥ずかしそうに笑い、楊猛は隣で白目をむいた。
「おじさん、白洛因は?」
「寝てるぞ!」
そう言われて尤其は時計を見る。まだ七時を過ぎたばかりだ。
「こんなに早く寝たんですか?」
「朝方にやっと寝たから、そろそろ起きるだろう」
昼夜逆転している……尤其は探るように尋ねる。
「病気ですか?」
「違うよ。ただ眠くて起きたくないだけさ」
この父親は……なんてものわかりがいいんだ! 眠ければ学校に行かなくていいなんて、羨ましすぎる。楊猛は白洛因が大丈夫だとわかると、中に入って起こすこともなく、中庭で白じいちゃんとひとしきりおしゃべりをして棗をいくつかもらうと、食事の時間になったので家へ帰った。
尤其はそっと白洛因の部屋に入り、あまりの散らかりように驚く。あちこちにものが散乱して足の踏み場がない。窓辺に寄せてベッドが置いてあるが、どうにも奇妙なダブルベッドだった。半分は硬い板張りで残り半分はちゃんとしたマットレスだ。白洛因は板張りの場所で眠っていて、布団の端から寝ぐせのついた髪の毛だけが見えた。
尤其は机の前に行き、適当に見て回る。そこにはたくさん顧海のものがあった。腕時計、リストバンド、ライター。尤其はいつも顧海を観察していたので覚えている。タンスを開けると、中の服も顧海と白洛因のものが混ざっていた。一着ずつ畳まれて一緒にしまってあり、二人の親密さが窺える。
白洛因は目を覚まし、疲弊した暗い瞳で尤其を見た。
「なんで来たんだ?」
尤其はあわてて持っていたものを置き、ハンサムな顔に笑みを浮かべる。
「お前が二日も休むから会いに来たんだよ」
白洛因はかすかな声で「うん」と答え、上着を羽織ってベッドから下りようとする。尤其は気づいた。彼はひどい顔色をしている。もし病気じゃないなら、心の問題だろう。だが父親の様子を見ると、家で何かがあったわけではなさそうだ。つまり白洛因の個人的な問題ということだ。
その夜、白洛因は尤其を家に泊めた。静まり返った真夜中、みんなが眠る中、尤其は布団にくるまり、白洛因をじっと見つめた。
「顧海とケンカしたのか?」
白洛因はドキッとしたが、平静を装う。
「なんで奴だと思うんだ?」
「お前たちの仲は普通じゃないだろう?」
この言葉は尤其だけでなく、白漢旗にも言われた。だが二人のニュアンスは違う。白漢旗は命を預けられる兄弟という意味だが、尤其はもっと深い意味を含んでいた。白洛因は男同士の関係をどう語ればいいかわからず、それ以上何も言わなかった。
夜中になり、尤其は眠気に耐え切れず先に寝た。白洛因は静かに尤其を見つめる。同じ同級生で友達なのに、なぜ彼と顧海が自分にもたらす感覚はまるで違うのだろうか。
「因子……」
目を閉じると、脳内に顧海が自分を呼ぶ声が響き続ける。毎晩何度呼ばれたかわからない。語尾を長く伸ばし、からかうように、そして限りなく親しみを込め、恥知らずな調子で。
もしそれが尤其の口から発せられたら絶対に気分が悪くなる。だが顧海だと違うのだ。
白漢旗には羅暁瑜へ電話をかけてもらったが、他には誰にも連絡しなかった。
顧海は何かにつけて突っかかってくるので、尤其は顧海とは極力話をしたくなかった。しかしもはや我慢も限界だった。白洛因が来ないと、何をやるにも不便なのだ。宿題を写させてもらい、食べきれないものを食べてもらい、愚痴を言う相手は彼しかいない。
「顧海、白洛因はどうした?」
顧海はイヤホンをつけ、無表情のまま「大悲心陀羅尼」のお経を聞いている。
尤其は仕方なく授業が終わると楊猛のクラスへ向かった。
「ヤバい! ヤバい!」
尤其が一階に下りた途端、周囲から叫び声が起こる。野次馬が教室から飛び出してきて、その結果人の頭しか見えなくなった。一瞬で廊下中が大騒ぎになり、女子の賞賛と男子の罵声が波のように沸き起こる。
尤其は両手をポケットに入れ、衆目に晒されるのは慣れているようにモデル張りの足取りで楊猛のクラスへ向かう。
「楊猛はいるか?」
扉を開け、その場にいた女子に尋ねる。女子の口は興奮したように開き、大急ぎで楊猛を掴んで連れてきた。
「連れて来たわ」
女子は嫣然と微笑んだ。尤其は簡単に礼を告げ、楊猛を階段の踊り場へ連れ出す。
「外が大騒ぎなのは、スター様がお出ましだったからか」
楊猛はあくびをする。尤其はクールさを投げ捨て、切羽詰まった様子を見せた。
「白洛因はどこに行った?」
「因子?」
楊猛は驚いて固まる。
「授業に来てないのか?」
「二日も来てない。お前知らないのか?」
楊猛は首を振る。
「知らないよ! もうずいぶん長いこと家に行ってないし」
「じゃあ授業が終わったら一緒に行こう!」
楊猛は少しためらった。
「お前は寮生だろう? 夜の就寝点呼があるじゃないか。明日には来るかもしれないし、少し様子を見てそれでも来なかったら日曜日に二人で会いに行くのはどうだ?」
「日曜日までなんて待てないよ。今日行こうぜ」
尤其が楊猛の服を掴むと、そこがねじれて一輪の花のようになる。楊猛は尤其を上から下まで眺め、首を傾げた。
「なんでそんなに焦ってるんだ? たった二日休んだだけだろう。もし本当に何かあったなら、とっくに誰かが彼の荷物を片付けに来てるはずだよ」
「お前、その態度はクール過ぎるだろう!」
尤其は楊猛の頭を指さす。
「もっと人情があると思ってた。本当に驚きだよ。お前がこんなに薄情な奴だったなんて!」
そう言い捨て、憤慨しながら立ち去った。楊猛はその後姿を眺め、ぼやく。
「どうかしてるんじゃないか?」
踵を返して戻ると、そこには大勢の女子が集まり壁のようになっていた。
授業が終わる十分前になると、尤其は楊猛のクラスが使う駐輪場に潜み、楊猛が自転車で出ていく姿を確認してからすぐにタクシーを捕まえた。
「すみません、前にいる自転車を追いかけてください」
そう伝え、運転手に罵られる覚悟をした。だがこの運転手はとてもやさしく、怒鳴るどころか一言の文句も言わずに自転車を追い小道を走ってくれた。どんなに細かく曲がっても恨み言ひとつ言わず、それどころか車内の音楽に合わせて鼻歌すら歌い始める。
尤其は思わず問いかけた。
「運転手さん、自転車の後を追えと言われても嫌じゃないんですか?」
運転手は楽しそうに笑う。
「嫌なものか! 前にも若者が俺に歩いている奴を追いかけさせたことがあったよ!」
尤其は感動した。もし運転手が皆こんなに親切だったら、社会はもっと温かい場所になるはずなのに。
楊猛は白洛因の家の前に止まった。尤其はメーター通り運転手に二十五元を差し出す。
「二十五元だって?」
運転手は青ざめた。
「それで済ますつもりか?」
尤其は茫然としてメーターを指さす。
「そこに二十五元って表示されてるじゃないか!」
運転手は鼻で笑う。
「小僧、そりゃ薄情すぎるだろう! さっき話した若者は俺に歩行者を追いかけさせ、同じようにメーターは二十五元だったが、何も言わずに二百元くれたんだぞ!」
「そりゃ彼が金持ちだからだろう。俺は金がない」
尤其は運転手に反論する。運転手はドアに鍵をかけ、尤其と議論を始めた。
「俺はモグリのタクシーじゃない。良心に従って金を払えと言ってるんだ。ここまで俺は何分かけて来た? 普通の速度で走れば何キロ進んだと思う?」
「その理屈でいくと、俺は払った金を返してもらわなきゃならない。いまは帰宅ラッシュの時間帯だ。俺が小道に連れてこなければあんたは今も校門で渋滞に巻き込まれてただろう!」
「ふざけたことを言うな! 金を払うまでは下りられると思うなよ!」
「あんたは運転手じゃなくて強盗なのか?」
「誰が強盗だって? どっちが強盗だ? もう一度言ってみろ、お前を殴ってそこの堀に投げ捨てるぞ!」
最終的に尤其は妥協し、財布に残っていた百元あまりを投げて渡し、車を降りるときに心の中で罵り続けた。どこの小僧が二百元もやったんだ。クソ! 見かけたら殺してやる!
楊猛はしばらくためらった後、やはり白洛因の家に入った。尤其は後ろからついていく。
白漢旗は楊猛を見ると親しげに叫ぶ。
「お嬢ちゃん! 最近ちっとも遊びに来なかったじゃないか」
尤其は『お嬢ちゃん』という呼び名を聞いて堪えきれず吹き出した。そして楊猛が彼についてこさせなかった理由がやっとわかった。こんなあだ名をつけられているとは!
楊猛は後ろから笑い声が聞こえ、身震いして振り返り、真っ青になる。
「こいつ……なんでついて来た?」
「ついてこなきゃお前の父さんがお前をお嬢ちゃんと呼んでるってわからなかったしな」
「俺の父さんじゃない」
楊猛はきまり悪げに言った。
「白洛因の父さんだよ」
「えっ?」
尤其は喜んだ。
「おじさん、こんにちは!」
白漢旗は尤其に向かって笑いかける。
「お前も因子の同級生か? ずいぶんカッコいい若者だな!」
尤其は恥ずかしそうに笑い、楊猛は隣で白目をむいた。
「おじさん、白洛因は?」
「寝てるぞ!」
そう言われて尤其は時計を見る。まだ七時を過ぎたばかりだ。
「こんなに早く寝たんですか?」
「朝方にやっと寝たから、そろそろ起きるだろう」
昼夜逆転している……尤其は探るように尋ねる。
「病気ですか?」
「違うよ。ただ眠くて起きたくないだけさ」
この父親は……なんてものわかりがいいんだ! 眠ければ学校に行かなくていいなんて、羨ましすぎる。楊猛は白洛因が大丈夫だとわかると、中に入って起こすこともなく、中庭で白じいちゃんとひとしきりおしゃべりをして棗をいくつかもらうと、食事の時間になったので家へ帰った。
尤其はそっと白洛因の部屋に入り、あまりの散らかりように驚く。あちこちにものが散乱して足の踏み場がない。窓辺に寄せてベッドが置いてあるが、どうにも奇妙なダブルベッドだった。半分は硬い板張りで残り半分はちゃんとしたマットレスだ。白洛因は板張りの場所で眠っていて、布団の端から寝ぐせのついた髪の毛だけが見えた。
尤其は机の前に行き、適当に見て回る。そこにはたくさん顧海のものがあった。腕時計、リストバンド、ライター。尤其はいつも顧海を観察していたので覚えている。タンスを開けると、中の服も顧海と白洛因のものが混ざっていた。一着ずつ畳まれて一緒にしまってあり、二人の親密さが窺える。
白洛因は目を覚まし、疲弊した暗い瞳で尤其を見た。
「なんで来たんだ?」
尤其はあわてて持っていたものを置き、ハンサムな顔に笑みを浮かべる。
「お前が二日も休むから会いに来たんだよ」
白洛因はかすかな声で「うん」と答え、上着を羽織ってベッドから下りようとする。尤其は気づいた。彼はひどい顔色をしている。もし病気じゃないなら、心の問題だろう。だが父親の様子を見ると、家で何かがあったわけではなさそうだ。つまり白洛因の個人的な問題ということだ。
その夜、白洛因は尤其を家に泊めた。静まり返った真夜中、みんなが眠る中、尤其は布団にくるまり、白洛因をじっと見つめた。
「顧海とケンカしたのか?」
白洛因はドキッとしたが、平静を装う。
「なんで奴だと思うんだ?」
「お前たちの仲は普通じゃないだろう?」
この言葉は尤其だけでなく、白漢旗にも言われた。だが二人のニュアンスは違う。白漢旗は命を預けられる兄弟という意味だが、尤其はもっと深い意味を含んでいた。白洛因は男同士の関係をどう語ればいいかわからず、それ以上何も言わなかった。
夜中になり、尤其は眠気に耐え切れず先に寝た。白洛因は静かに尤其を見つめる。同じ同級生で友達なのに、なぜ彼と顧海が自分にもたらす感覚はまるで違うのだろうか。
「因子……」
目を閉じると、脳内に顧海が自分を呼ぶ声が響き続ける。毎晩何度呼ばれたかわからない。語尾を長く伸ばし、からかうように、そして限りなく親しみを込め、恥知らずな調子で。
もしそれが尤其の口から発せられたら絶対に気分が悪くなる。だが顧海だと違うのだ。
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