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第十章
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ナイトガウンは床に落ち、掛け布団も蹴られてどこかへ飛んでいった。顧海はジャングルから飛び出してきた雄ライオンのように咆哮を上げ、待ち望んでいた獲物に飛びかかる。彼の呼吸はもはや自分でも訳がわからなくなるほど激しく、下半身は鉄のように熱く、湧き上がる生命力を体現していた。
顧海の手が白洛因の下腹からゆっくり滑り降りていく。白洛因は顧海の手を掴み、余裕のない声で叫んだ。
「ダメだ!」
彼は自分のその場所を他人の手で触れられることに耐えられなかった。しかも男の手だ。もしここでやめて二人がそれぞれ布団にもぐって処理するならまだいい。だがこのまま顧海の手でいかされてしまうなど白洛因には想像もつかなかったし、考えたくもなかった。
顧海は荒い息で喘ぐ。
「なんでダメなんだ? 俺は触りたい。お前をめちゃくちゃ弄りたい」
「ここまでにしよう」
白洛因が顧海の肘を掴むと、そこにはすでに青筋が浮かび上がっていた。
顧海は自分の裸体を白洛因にぴったりとつけ、燃えるような頬を合わせた。そして強くきつく抱きしめ、自分の逸物がすでに熱く高まり爆発しそうな状態だとはっきり思い知らせた。それでも白洛因の抵抗力が弱まらないので、顧海は白洛因の肩を甘噛みしながら自分の感情を伝えようとしているようだった。
「顧海、俺は無理……」
「何も言うな」
顧海の呼吸は白洛因の動悸と同じリズムを刻む。彼は白洛因の額からキスを始め、眦、鼻梁、下顎、喉元と下りていった。白洛因の手の力が緩むと、顧海の手は白洛因の股間に潜り込む。
そこにある硬いものに触れた途端、顧海の心は震えた。
白洛因は息をつめる。他人の掌に全身の毛が逆立ち、体中の神経が暴れ出す。彼は顔を捻って顧海の手を止めようとしたが、キスに阻まれて力が入らない。
顧海の手は慣れたように蠢き始め、あらゆる動きで奉仕した。「彼」が気持ちいいかどうかはとても重要だ。「彼」の持ち主との今後に関わる。数か月前なら顧海はどんなにハンサムな男だろうと一切目もくれなかったのに、いまはある男の屹立をこれ以上ないほど大切に握り、手の中で大きくなると興奮してたまらなくなっている。かつては想像もできなかったことだ。
焼きゴテのような熱さで表面に寄った皺を愛撫し、少しずつ滑らかにすると、白洛因は首筋を強張らせ、どんどん息を乱していく。先端を擦るたびに白洛因の体は大きく震え、乱れた呼吸は布団の中で明らかに淫靡なものに変わっていった。
顧海は突然身を伏せて自分の胸を白洛因に押し付け、大きな逸物を白洛因のそれと一緒に重ね合わせて烈火のよう
な雄性を放つ。顧海が二本まとめて握りしめると、その熱に二人は溶けてしまいそうになった。顧海の粗く大きな息が雷のように轟き、白洛因の耳元で炸裂する。
あらゆる心配も不安も一気に霧散し、残ったのは欲望と享受、感動、そして惑溺だった。
「手を放せ」
白洛因は食いしばった歯の隙間から言葉を絞り出す。
嫌だね! 顧海は耳を貸さなかった。俺様はこんなに長い時間、自慰で我慢しながらお前のエロい姿を見ようと待っていたんだ。まさかこの期に及んで布団を被って自分一人で楽しむつもりかよ。
顧海は手を放すどころか動きを速めた。それから体を伏せて白洛因の乳首に歯を立てる。
白洛因は禁欲期間が長すぎて刺激に屈しかけたが、奥歯を噛んでどうにか我慢した。少しでも力を抜けばいってしまう。それでも最後には顧海の髪を掴み、体を大きく震わせて顧海の手の中に白濁を吐き出した。顧海は手の動きを止めずに刺激を続けたため、白洛因は何度も声をあげて悶絶し、数回に渡って射精してからようやく力を抜いてぐったりした。
顧海は白洛因が達する淫蕩な表情を目の当たりにして狂ったように興奮し、自分自身を素早くしごき上げてあっという間に絶頂に達し、低俗な罵声を口にしながら射精した。
それから顧海は笑顔で白洛因の隣に横たわり、汗にまみれた白洛因を褒めたたえる。
「小因子、お前はセクシーで魅惑的でエロすぎる……」
白洛因は顧海の頬骨に拳を食らわせ十数センチ後退させ、あやうく床につき落としそうになった。だが顧海はさっと戻って白洛因にきつく抱きつき、決して離れなかった。
白洛因は呼吸が落ち着いてくると、“やってしまった”ことを記憶から消し去りたくなった。それなのに顧海はしつこくまとわりつき、隣から絶えず質問を浴びせかけてくる。
「因子、さっきは気持ちよかったか?」
「因子、どの触り方が一番気持ちよかった?」
「因子、お前がいくときの声、めちゃくちゃよかったよ」
白洛因は事後にあれこれ言ってくるような人間が一番嫌いだったが、顧海はまさにそれだった。そして顧海は白洛因のような人間に無理やり事後の気持ちを共有することは刺激的で素晴らしいことだと思っていた。
「因子……」
「それ以上ペラペラしゃべるとお前を窓から放り出すぞ!」
白洛因が黙らせようとすると、顧海はわずかに口角を上げた。
「俺が言いたいのはそのことじゃないぞ」
「じゃあなんだ?」
顧海は体を寄せて来る。白洛因は彼を肘で押しやった。
「そこで話せ」
「ここじゃ雰囲気が出ない」
顧海は白洛因の肘を胸に引き寄せ、自分も腕を伸ばして白洛因の体に回した。そしてすっかり彼を抱え込み、やさしく誠意をこめて伝える。
「俺はちゃんとお前を可愛がるからな」
静かな夜に耳元でささやかれ、白洛因の心はわずかに震える。
「俺はちゃんとお前を可愛がる。お前が十数年間もらうはずだった愛は俺が全部やるからな」
この夜、白洛因はこの言葉を枕にしてとても安心して眠りについたのだった。
顧海の手が白洛因の下腹からゆっくり滑り降りていく。白洛因は顧海の手を掴み、余裕のない声で叫んだ。
「ダメだ!」
彼は自分のその場所を他人の手で触れられることに耐えられなかった。しかも男の手だ。もしここでやめて二人がそれぞれ布団にもぐって処理するならまだいい。だがこのまま顧海の手でいかされてしまうなど白洛因には想像もつかなかったし、考えたくもなかった。
顧海は荒い息で喘ぐ。
「なんでダメなんだ? 俺は触りたい。お前をめちゃくちゃ弄りたい」
「ここまでにしよう」
白洛因が顧海の肘を掴むと、そこにはすでに青筋が浮かび上がっていた。
顧海は自分の裸体を白洛因にぴったりとつけ、燃えるような頬を合わせた。そして強くきつく抱きしめ、自分の逸物がすでに熱く高まり爆発しそうな状態だとはっきり思い知らせた。それでも白洛因の抵抗力が弱まらないので、顧海は白洛因の肩を甘噛みしながら自分の感情を伝えようとしているようだった。
「顧海、俺は無理……」
「何も言うな」
顧海の呼吸は白洛因の動悸と同じリズムを刻む。彼は白洛因の額からキスを始め、眦、鼻梁、下顎、喉元と下りていった。白洛因の手の力が緩むと、顧海の手は白洛因の股間に潜り込む。
そこにある硬いものに触れた途端、顧海の心は震えた。
白洛因は息をつめる。他人の掌に全身の毛が逆立ち、体中の神経が暴れ出す。彼は顔を捻って顧海の手を止めようとしたが、キスに阻まれて力が入らない。
顧海の手は慣れたように蠢き始め、あらゆる動きで奉仕した。「彼」が気持ちいいかどうかはとても重要だ。「彼」の持ち主との今後に関わる。数か月前なら顧海はどんなにハンサムな男だろうと一切目もくれなかったのに、いまはある男の屹立をこれ以上ないほど大切に握り、手の中で大きくなると興奮してたまらなくなっている。かつては想像もできなかったことだ。
焼きゴテのような熱さで表面に寄った皺を愛撫し、少しずつ滑らかにすると、白洛因は首筋を強張らせ、どんどん息を乱していく。先端を擦るたびに白洛因の体は大きく震え、乱れた呼吸は布団の中で明らかに淫靡なものに変わっていった。
顧海は突然身を伏せて自分の胸を白洛因に押し付け、大きな逸物を白洛因のそれと一緒に重ね合わせて烈火のよう
な雄性を放つ。顧海が二本まとめて握りしめると、その熱に二人は溶けてしまいそうになった。顧海の粗く大きな息が雷のように轟き、白洛因の耳元で炸裂する。
あらゆる心配も不安も一気に霧散し、残ったのは欲望と享受、感動、そして惑溺だった。
「手を放せ」
白洛因は食いしばった歯の隙間から言葉を絞り出す。
嫌だね! 顧海は耳を貸さなかった。俺様はこんなに長い時間、自慰で我慢しながらお前のエロい姿を見ようと待っていたんだ。まさかこの期に及んで布団を被って自分一人で楽しむつもりかよ。
顧海は手を放すどころか動きを速めた。それから体を伏せて白洛因の乳首に歯を立てる。
白洛因は禁欲期間が長すぎて刺激に屈しかけたが、奥歯を噛んでどうにか我慢した。少しでも力を抜けばいってしまう。それでも最後には顧海の髪を掴み、体を大きく震わせて顧海の手の中に白濁を吐き出した。顧海は手の動きを止めずに刺激を続けたため、白洛因は何度も声をあげて悶絶し、数回に渡って射精してからようやく力を抜いてぐったりした。
顧海は白洛因が達する淫蕩な表情を目の当たりにして狂ったように興奮し、自分自身を素早くしごき上げてあっという間に絶頂に達し、低俗な罵声を口にしながら射精した。
それから顧海は笑顔で白洛因の隣に横たわり、汗にまみれた白洛因を褒めたたえる。
「小因子、お前はセクシーで魅惑的でエロすぎる……」
白洛因は顧海の頬骨に拳を食らわせ十数センチ後退させ、あやうく床につき落としそうになった。だが顧海はさっと戻って白洛因にきつく抱きつき、決して離れなかった。
白洛因は呼吸が落ち着いてくると、“やってしまった”ことを記憶から消し去りたくなった。それなのに顧海はしつこくまとわりつき、隣から絶えず質問を浴びせかけてくる。
「因子、さっきは気持ちよかったか?」
「因子、どの触り方が一番気持ちよかった?」
「因子、お前がいくときの声、めちゃくちゃよかったよ」
白洛因は事後にあれこれ言ってくるような人間が一番嫌いだったが、顧海はまさにそれだった。そして顧海は白洛因のような人間に無理やり事後の気持ちを共有することは刺激的で素晴らしいことだと思っていた。
「因子……」
「それ以上ペラペラしゃべるとお前を窓から放り出すぞ!」
白洛因が黙らせようとすると、顧海はわずかに口角を上げた。
「俺が言いたいのはそのことじゃないぞ」
「じゃあなんだ?」
顧海は体を寄せて来る。白洛因は彼を肘で押しやった。
「そこで話せ」
「ここじゃ雰囲気が出ない」
顧海は白洛因の肘を胸に引き寄せ、自分も腕を伸ばして白洛因の体に回した。そしてすっかり彼を抱え込み、やさしく誠意をこめて伝える。
「俺はちゃんとお前を可愛がるからな」
静かな夜に耳元でささやかれ、白洛因の心はわずかに震える。
「俺はちゃんとお前を可愛がる。お前が十数年間もらうはずだった愛は俺が全部やるからな」
この夜、白洛因はこの言葉を枕にしてとても安心して眠りについたのだった。
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