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気になるくせに。
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タクシーは雪道の中、目的地に向かってどんどんすすんだ。
今もうこうしてる間にも私の有給は消化されている。
長谷川さんは元気かな?
子供は?奥さんは?
長谷川さんと過ごした夜のことを思い出しては胸が切なくなる。
物思いにふけっていたら目的地についたようだ。
眼鏡の男性がどうもとお金を置いておりていった。
半分出しますよという前に、男性は降車していた。
運転手が聞いてくる、そりゃそうだ。
「どちらまで?」
「あっ」
(ここどこ?!)
考えてなかった。
「ん?」と運転手が不審そうな顔を見せる。
「あ、私もここで大丈夫です!」ともたもたと降りた。
不思議そうな顔をしながら運転手は去っていった。
降りたところは、小さい商店街だった。
長谷川さん、コロッケ好きだったよなぁとか鼻をくすぐる匂いですぐに思い浮かんでしまう。
キャリーケースをコロコロ引きずりながら、いま一つ活気のない商店街を歩く。
ふと掲示板の張り紙の言葉に目に入った。
人はいつだって、いろんなものにさよならをいわなければならない。ーピーター・ビーグルー
涙が静かに流れていた。
さよなら、さよなら。
私の思い出。
忘れます。
もう。
本当に。
きっともう私には会ってくれないだろう。
私のことを抱いてはくれないだろう。
前に進まなきゃ。
後ろ向きの恋だった。
一緒にいるのが楽しかった。
悪態つかれるのもショックだったけど好きって気持ちからの冗談だと思った。
もう戻れない。
長谷川さんは一人で、ううん、奥さんと進んで子供を迎えたんだ。
私の入る場所なんてもうないよ。
うわーん。
しゃがみこんだら、
黒い靴先が視界に入って、
「大丈夫ですか?」と声を掛けられたので、
顔をあげれば、
コロッケの袋をぶら下げた、
さっきの眼鏡の男性が心配そうにこちらをのぞき込んでいた。
気 に な る く せ に 。
今もうこうしてる間にも私の有給は消化されている。
長谷川さんは元気かな?
子供は?奥さんは?
長谷川さんと過ごした夜のことを思い出しては胸が切なくなる。
物思いにふけっていたら目的地についたようだ。
眼鏡の男性がどうもとお金を置いておりていった。
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運転手が聞いてくる、そりゃそうだ。
「どちらまで?」
「あっ」
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考えてなかった。
「ん?」と運転手が不審そうな顔を見せる。
「あ、私もここで大丈夫です!」ともたもたと降りた。
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降りたところは、小さい商店街だった。
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キャリーケースをコロコロ引きずりながら、いま一つ活気のない商店街を歩く。
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顔をあげれば、
コロッケの袋をぶら下げた、
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気 に な る く せ に 。
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