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2 ゼーレ
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「まったく、なんなんだよこの男は」
ゼーレは再び雷に覆われた。すると、みるみるうちに人の姿へ戻っていった。
「この男の処理は任せていい?オクシノスの魔法でやっちゃってよ、この子の様子見てるからさ」
「また汚れ仕事かよ……はぁ……よいしょっと!」
オクシノスは片手で男を肩に担ぎ、暗闇の中へ消えていった。しばらくして、テントから彼女がゆっくりと出てきた。
「ねぇ……何かあったの?」
「い、いやっ……な、なんでもないよ……」
目がキョロキョロと動き、いかにも嘘をついていることが丸わかりだ。
「ふふっ……嘘をつくのが下手ですね」
「今の……見てた?」
「うん……少し驚いちゃったけど……私を守ってくれてありがとうございます」
(竜人族について聞かないのか……)
ゼーレは少し嬉しそうに黙りこくった。少し間が空いたところで、
「ねぇ、なんか呼びづらいから、名前で呼んでいい?」
「なんて呼んでくれるんですか?」
「うーん……エステラなんてどうかな?髪の色がお月様みたいに綺麗だから!」
「エステラ……いい名前つけてくれてありがとうございます」
エステラは嬉しそうに少し髪をいじりながら答えた。
「エステラはさ、俺のあの姿見て怖くないの?」
首を勢いよく横に振りながら
「そんなことないです!えっと…………その…………かっ、かっこよかったですっ!」
「そう言われると嬉しいなー!ねぇ!今日から友達になろうよ!だから敬語禁止!」
「う……うんっ!ありがとう!」
「そうだ!冒険者の時の話聞かせてあげるよ!」
その後、満月の中、楽しそうに冒険譚を語った。一段落ついた後、ゼーレは真剣な顔になり、
「俺さ、両親がそれぞれ違う種族のハーフで、俺は4種族の血が流れてるんだ。なぜかは分からないけど、種族を変えることが自由にできてさ。だから竜人族とかに変身できるんだ。こんなんだから、子供の頃はいつもいじめられてて……だから、あの姿でかっこいいなんて初めて言われたよ。嬉しかった、ありがとう」
「こっちこそ助けてくれてありがとう」
「でも、嫌われてたのは竜人族だけかなー」
「え?!他の種族にも変身できるの?」
「じゃあ今から見せてあげるよ!」
「えっ!ほんと?!」
「よーし、いくぞー!びっくりして気絶しないでよ!?」
「だっ……大丈夫だよっ!」
と言った途端、オクシノスが返り血まみれで暗闇から出てきた。
「男の処理に手間かかっちゃったよ……まったく……汚ぇ」
バタッ
その返り血まみれの姿を見たエステラは気を失って後ろ向きに倒れた。
ゼーレは再び雷に覆われた。すると、みるみるうちに人の姿へ戻っていった。
「この男の処理は任せていい?オクシノスの魔法でやっちゃってよ、この子の様子見てるからさ」
「また汚れ仕事かよ……はぁ……よいしょっと!」
オクシノスは片手で男を肩に担ぎ、暗闇の中へ消えていった。しばらくして、テントから彼女がゆっくりと出てきた。
「ねぇ……何かあったの?」
「い、いやっ……な、なんでもないよ……」
目がキョロキョロと動き、いかにも嘘をついていることが丸わかりだ。
「ふふっ……嘘をつくのが下手ですね」
「今の……見てた?」
「うん……少し驚いちゃったけど……私を守ってくれてありがとうございます」
(竜人族について聞かないのか……)
ゼーレは少し嬉しそうに黙りこくった。少し間が空いたところで、
「ねぇ、なんか呼びづらいから、名前で呼んでいい?」
「なんて呼んでくれるんですか?」
「うーん……エステラなんてどうかな?髪の色がお月様みたいに綺麗だから!」
「エステラ……いい名前つけてくれてありがとうございます」
エステラは嬉しそうに少し髪をいじりながら答えた。
「エステラはさ、俺のあの姿見て怖くないの?」
首を勢いよく横に振りながら
「そんなことないです!えっと…………その…………かっ、かっこよかったですっ!」
「そう言われると嬉しいなー!ねぇ!今日から友達になろうよ!だから敬語禁止!」
「う……うんっ!ありがとう!」
「そうだ!冒険者の時の話聞かせてあげるよ!」
その後、満月の中、楽しそうに冒険譚を語った。一段落ついた後、ゼーレは真剣な顔になり、
「俺さ、両親がそれぞれ違う種族のハーフで、俺は4種族の血が流れてるんだ。なぜかは分からないけど、種族を変えることが自由にできてさ。だから竜人族とかに変身できるんだ。こんなんだから、子供の頃はいつもいじめられてて……だから、あの姿でかっこいいなんて初めて言われたよ。嬉しかった、ありがとう」
「こっちこそ助けてくれてありがとう」
「でも、嫌われてたのは竜人族だけかなー」
「え?!他の種族にも変身できるの?」
「じゃあ今から見せてあげるよ!」
「えっ!ほんと?!」
「よーし、いくぞー!びっくりして気絶しないでよ!?」
「だっ……大丈夫だよっ!」
と言った途端、オクシノスが返り血まみれで暗闇から出てきた。
「男の処理に手間かかっちゃったよ……まったく……汚ぇ」
バタッ
その返り血まみれの姿を見たエステラは気を失って後ろ向きに倒れた。
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