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3.囚われの華
利用価値
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俺の意識は途中からあやふやになってしまって、気が付けば、祭壇の上に純白のシーツを掛けられて寝転がっていた。
拘束は相変わらず解かれてはおらず、
今もガッツリと黒光りする鉄の輪っかが、
俺の両方の手首に嵌っている。
鎖はずっと上の天井に続いており、
今は弛んでいるから寝転がれるが、
また長さが変われば、俺の身体を無理やり引き上げるのだろう。
何度も、何度も、嫌だと拒絶の言葉を繰り返したのに、自身の身体をされるがままに蹂躙された。
俺は、喪失感と絶望感の淵に立たされている。
いくら、精神体とはいえ、身体に受けたその痛みや快感の経験は記憶の中に引き継がれていくのだろう。
茫然と天井を見上げる。
誰か、この見知らぬ籠の中で囚われた俺を救い出してはくれないのだろうか。
シーツをかけられているので、
身体が冷たい空気に触れる事はない。
しかし、少しでも身動ぎをすれば、
白く滑らかな質感の薄布が、
リングを付けられ敏感になって腫れている
胸元をサラリと刺激する。
「っ……」
少しでも動いたことを後悔する。
そのチリッと、ひりつくような痛みが引き金となって、ミナトの兄が言っていたことを思い出す。
俺が昂まると周囲の自然エネルギーが膨張し、
能力者の力を増幅させる。
今までそんな話は聞いた事もない。
ミナトは知っているのだろうか。
もし知っていたとしたら、
俺のこの性質を利用するために俺に取り入ろうとした?
ミナトは俺を熱心に世話してくれていた。
ヒデトも優しく迎えて入れてくれて、
あの生活は嘘だと思いたくはない。
あの時の、ミナトの告白だって、
急で……、俺は反射的に断るしかなくて。
くそっ
大好きなら、助けに来いよっ
俺は、脱力するままに身体を祭壇に預け、
しばらく眠りにつこうと目を閉じる。
眦にたまっていた涙は行き場をなくし、
呆気なく、重力に従って、零れ落ちて行った。
~.。*。.~
ミナトは、ドクターがやってくると、
すぐに彼を奈緒のそばに呼んだ。
診察の準備を始めるドクターには目もくれず、
奈緒の手を握りしめ、自身の方が苦しそうな顔で奈緒を眺めている。
スゥー……、スゥー……
規則的な呼吸は続き、奈緒は穏やかな顔で眠っている。
ここらでは有名なドクターでさえも、
バイタルチェックで異常は見つけられず、
何の能力が発動しているのかさえも分からないようだ。
奈緒は俺が守ると決めたのに、
何の力の役にも立たないっ。
ねぇ、奈緒。
早く戻ってきて。
その目を覚まして。
すぐには笑いかけてくれなくてもいい。
拒まれるのは嫌だが、少しくらいは我慢もしよう。
だから、俺のそばにいてくれ。
君の身体だけじゃ満足できない。
全てを手に入れるって心に誓ったんだ。
お願い、はやく。
じゃないと、俺、
気が狂っておかしくなりそうだよ。
例え、このまま死んでしまっても、
奈緒を解放する事なんてできない。
君の魂さえも探して出して、
俺は君を閉じ込めるーーー
ーーー絡み合う想いーーー
拘束は相変わらず解かれてはおらず、
今もガッツリと黒光りする鉄の輪っかが、
俺の両方の手首に嵌っている。
鎖はずっと上の天井に続いており、
今は弛んでいるから寝転がれるが、
また長さが変われば、俺の身体を無理やり引き上げるのだろう。
何度も、何度も、嫌だと拒絶の言葉を繰り返したのに、自身の身体をされるがままに蹂躙された。
俺は、喪失感と絶望感の淵に立たされている。
いくら、精神体とはいえ、身体に受けたその痛みや快感の経験は記憶の中に引き継がれていくのだろう。
茫然と天井を見上げる。
誰か、この見知らぬ籠の中で囚われた俺を救い出してはくれないのだろうか。
シーツをかけられているので、
身体が冷たい空気に触れる事はない。
しかし、少しでも身動ぎをすれば、
白く滑らかな質感の薄布が、
リングを付けられ敏感になって腫れている
胸元をサラリと刺激する。
「っ……」
少しでも動いたことを後悔する。
そのチリッと、ひりつくような痛みが引き金となって、ミナトの兄が言っていたことを思い出す。
俺が昂まると周囲の自然エネルギーが膨張し、
能力者の力を増幅させる。
今までそんな話は聞いた事もない。
ミナトは知っているのだろうか。
もし知っていたとしたら、
俺のこの性質を利用するために俺に取り入ろうとした?
ミナトは俺を熱心に世話してくれていた。
ヒデトも優しく迎えて入れてくれて、
あの生活は嘘だと思いたくはない。
あの時の、ミナトの告白だって、
急で……、俺は反射的に断るしかなくて。
くそっ
大好きなら、助けに来いよっ
俺は、脱力するままに身体を祭壇に預け、
しばらく眠りにつこうと目を閉じる。
眦にたまっていた涙は行き場をなくし、
呆気なく、重力に従って、零れ落ちて行った。
~.。*。.~
ミナトは、ドクターがやってくると、
すぐに彼を奈緒のそばに呼んだ。
診察の準備を始めるドクターには目もくれず、
奈緒の手を握りしめ、自身の方が苦しそうな顔で奈緒を眺めている。
スゥー……、スゥー……
規則的な呼吸は続き、奈緒は穏やかな顔で眠っている。
ここらでは有名なドクターでさえも、
バイタルチェックで異常は見つけられず、
何の能力が発動しているのかさえも分からないようだ。
奈緒は俺が守ると決めたのに、
何の力の役にも立たないっ。
ねぇ、奈緒。
早く戻ってきて。
その目を覚まして。
すぐには笑いかけてくれなくてもいい。
拒まれるのは嫌だが、少しくらいは我慢もしよう。
だから、俺のそばにいてくれ。
君の身体だけじゃ満足できない。
全てを手に入れるって心に誓ったんだ。
お願い、はやく。
じゃないと、俺、
気が狂っておかしくなりそうだよ。
例え、このまま死んでしまっても、
奈緒を解放する事なんてできない。
君の魂さえも探して出して、
俺は君を閉じ込めるーーー
ーーー絡み合う想いーーー
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