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3.囚われの華
アメと
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奈緒は時の流れを少しも把握できてない所で閉じ込められている。
結局あの後、意識をまた失っていたようで、
覚醒すれば、また鎖が短くなっており、
天井から吊るされるような姿勢にされていた。
身体も清潔にされていて、汚れている所などは一切ない。
真正面に見える扉は、俺が抜け出すのを許さないと言わんばかりに、鉄格子と扉とで二重で閉められている。
俺はいつまでここにいなければいけないのだろうか。
ミツヒコは実験がどうのこうのと言っていたが……
んっっっ?!
突然、背後から何かの気配がしたと思ったら、右太腿の後ろ側にザラザラとした生温かい感触が這い上ってきた。
一瞬で、身体が硬直して、
尻目に右側の背後を確認すると、
黒い毛並みが見えた。
ミツヒコのバディだっ。
確か、名前はナディムだっただろうか……?
いくらバディである事を頭で理解してはいても、肉食獣を前にすれば、自然と警戒し緊張してしまう。
さっきの感触は、ナディムが舐めたものなのだろう。
ナディムは子猫がヒトに懐くように、その柔らかな毛並みを足に擦り付けてくる。
服を着る事を許されていない奈緒にとって、
暖かく、フワフワとしたその毛は少しだけ安らぎを与える。
しかし、ナディムの動きは止まらない。
祭壇の上に飛び乗って来て、
今度は奈緒の脇腹をその大きな舌で舐める。
「ひゃあっ!」
ナディムは甘えるように、俺の身体をペロペロと刺激する。
「ちょっ、やめっ!!
くすぐったいっ」
奈緒は拘束されているため、
ナディムの頭を押し除けることも叶わない。
ナディムは構ってくれと言うように、
その大きな図体を押し付けて甘えてくる。
「あははっ、ひゃっ」
たまに、俺の反応を見るかのように、
金の瞳で、俺の事をジッと見つめる。
その鋭い眼差しは何もかもを見通しているようだ。
ある程度、満足したのか、
ナディムは俺をくすぐるのを辞めて、
俺の隣に陣取って腰を落ち着けた。
ゆらゆらと揺れる尻尾は、
ナディムのご機嫌の良さを表しているのか、
俺の太腿を時たま撫でるようにさすってゆく。
動物セラピーとかいう言葉もあるけど、
こんな大きなクロヒョウならば、
その効果は一切、期待できないだろう。
気になってしょうがない。
襲っては来ないようだけれど……。
ナディムはそんな様子の奈緒の事を気にしないで、前脚に頭を置いて目をつむっている。
こんなところで、少しうたた寝をするらしい。
大人しくなったナディムを見て少しは気を落ち着ける。
「はぁー……。」
ため息が口から漏れ出てしまった。
ハッとして、クロヒョウに視線を寄せるが、
特に変わった様子はない。
少しの息遣いでも反応しそうだが、
特に何も思っていないのか……。
そういえば、俺の黒猫のバディはどうしてるのだろうか。
悪戯するのが好きだから、
俺が見てないからって、
部屋を荒らしたりしてないだろうか。
クロはナディムと似たような見た目だから、
もしここにクロがいれば、ナディムと仲良くなれたかもしれない。
2匹で戯れて遊ぶ姿を想像すれば、
少し見てみたかったなぁと期待してしまう。
クロは小さいから、ナディムには敵わないだろうけど。
そんな想像をしていたから、
上の空だった俺は、目の前に人が来るまで、その存在に気付かなかった。
奈緒はパッと視線をその人に向けると、
その人が手に持っているモノに絶句した。
パシッーー
ミツヒコは、鞭を手に持って、
手慣らしをするかのように、
掌に軽く先端を打ち付ける。
ビュンと空気が震える音と共に、
平べったくなっている先端は、
その無慈悲な音を響かせる。
「なっ、……」
俺はこれから起きるだろう出来事に
身を震わせたーーー。
ーーー躾けの時間ーーー
結局あの後、意識をまた失っていたようで、
覚醒すれば、また鎖が短くなっており、
天井から吊るされるような姿勢にされていた。
身体も清潔にされていて、汚れている所などは一切ない。
真正面に見える扉は、俺が抜け出すのを許さないと言わんばかりに、鉄格子と扉とで二重で閉められている。
俺はいつまでここにいなければいけないのだろうか。
ミツヒコは実験がどうのこうのと言っていたが……
んっっっ?!
突然、背後から何かの気配がしたと思ったら、右太腿の後ろ側にザラザラとした生温かい感触が這い上ってきた。
一瞬で、身体が硬直して、
尻目に右側の背後を確認すると、
黒い毛並みが見えた。
ミツヒコのバディだっ。
確か、名前はナディムだっただろうか……?
いくらバディである事を頭で理解してはいても、肉食獣を前にすれば、自然と警戒し緊張してしまう。
さっきの感触は、ナディムが舐めたものなのだろう。
ナディムは子猫がヒトに懐くように、その柔らかな毛並みを足に擦り付けてくる。
服を着る事を許されていない奈緒にとって、
暖かく、フワフワとしたその毛は少しだけ安らぎを与える。
しかし、ナディムの動きは止まらない。
祭壇の上に飛び乗って来て、
今度は奈緒の脇腹をその大きな舌で舐める。
「ひゃあっ!」
ナディムは甘えるように、俺の身体をペロペロと刺激する。
「ちょっ、やめっ!!
くすぐったいっ」
奈緒は拘束されているため、
ナディムの頭を押し除けることも叶わない。
ナディムは構ってくれと言うように、
その大きな図体を押し付けて甘えてくる。
「あははっ、ひゃっ」
たまに、俺の反応を見るかのように、
金の瞳で、俺の事をジッと見つめる。
その鋭い眼差しは何もかもを見通しているようだ。
ある程度、満足したのか、
ナディムは俺をくすぐるのを辞めて、
俺の隣に陣取って腰を落ち着けた。
ゆらゆらと揺れる尻尾は、
ナディムのご機嫌の良さを表しているのか、
俺の太腿を時たま撫でるようにさすってゆく。
動物セラピーとかいう言葉もあるけど、
こんな大きなクロヒョウならば、
その効果は一切、期待できないだろう。
気になってしょうがない。
襲っては来ないようだけれど……。
ナディムはそんな様子の奈緒の事を気にしないで、前脚に頭を置いて目をつむっている。
こんなところで、少しうたた寝をするらしい。
大人しくなったナディムを見て少しは気を落ち着ける。
「はぁー……。」
ため息が口から漏れ出てしまった。
ハッとして、クロヒョウに視線を寄せるが、
特に変わった様子はない。
少しの息遣いでも反応しそうだが、
特に何も思っていないのか……。
そういえば、俺の黒猫のバディはどうしてるのだろうか。
悪戯するのが好きだから、
俺が見てないからって、
部屋を荒らしたりしてないだろうか。
クロはナディムと似たような見た目だから、
もしここにクロがいれば、ナディムと仲良くなれたかもしれない。
2匹で戯れて遊ぶ姿を想像すれば、
少し見てみたかったなぁと期待してしまう。
クロは小さいから、ナディムには敵わないだろうけど。
そんな想像をしていたから、
上の空だった俺は、目の前に人が来るまで、その存在に気付かなかった。
奈緒はパッと視線をその人に向けると、
その人が手に持っているモノに絶句した。
パシッーー
ミツヒコは、鞭を手に持って、
手慣らしをするかのように、
掌に軽く先端を打ち付ける。
ビュンと空気が震える音と共に、
平べったくなっている先端は、
その無慈悲な音を響かせる。
「なっ、……」
俺はこれから起きるだろう出来事に
身を震わせたーーー。
ーーー躾けの時間ーーー
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